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バディっててぇてぇな~!! 思わず天を仰ぐ萌えミステリ小説5選

2021/12/09 12:00

絶妙な距離感あり、匂いまくる関係性あり…悶え死必至!



2021年も暮れに近づいてきた今日この頃。
つい先日、薫原好江先生の大人気バディコミックス『ケイ×ヤク -あぶない相棒-』の実写ドラマ化が発表されましたね! さらに来年1月2日・3日には2020年放送の大人気ドラマ『MIU404』が再び全話一挙放送されることも発表されたとあり、全国のバディ好きは息つく暇がありません♥

ドラマ『MIU404』と言えば、作品サイト内に、警察監修の担当者が実際の機動捜査隊のリアルな日常について答えてくれる質問コーナーがあります。そのなかで「2人一組でお仕事をされていて、どうしても相性が悪かったことはありますか?」という質問に対し、「やはり人間ですから多少あります。仕事とだと割り切るしかないのですが、長く2人で勤務しているとお互いの性格などが理解できるようになってくるので、最終的には良きバディになります」との回答が。

長く2人でいれば「最終的には」!! 「良きバディになります」……!! どうやら、私たちはまだまだバディという関係性に夢を抱いていてもいいようです。いいんです、よね……!? いいんです!!!

さてさて、バディものと言っても色々ありますが、筆者はなかでも探偵絡みのバディが登場するミステリ小説に目がありません。もはやそれが次に読む作品を探す条件にすらなっている始末です。

というわけで今回は、今年も数多くの男の絆に萌え転がされてきた立場から、ぜひとも今読んでほしい一般小説5作品をピックアップ! キャラクターの個性際立つ短編集ばかりなので、「ミステリはあまり読んだことがない」という方も親しみやすいですよ♪

絶妙な距離感の友情に悶える青春小説から、思わず「末永く2人で過ごしてくれないかな(真顔)」と天を仰ぐニアBLまで! 特殊能力ワトソン、安楽椅子探偵にWホームズ……多種多様なバディをどうぞご堪能下さい♪

※シリーズ作品は最新刊までのネタバレを含む場合があります。

目次
1.唯一無二の相棒…近くて遠い距離感に悶える3選
①高校生×高校生/胸が締め付けられる青春ミステリ
②大学生×大学生/ゆるくて危ういボケツッコミコンビ
③探偵×探偵/軽口も息ぴったりなWホームズ

2.匂いすぎィ! もういっそ付き合ってほしい2選
④研究者×特殊能力/プロポーズまで済んでます!?な迷バディ
⑤刑事×家政夫/熱血刑事と美形大学生の結びつき

 

1.唯一無二の相棒…近くて遠い距離感に悶える3選

 

隣にいる“彼”について、僕はなにも知らない

本と鍵の季節』作:米澤穂信

 


STORY
堀川次郎、高校二年で図書委員。不人気な図書室で同じ委員会の松倉詩門と当番を務めている。背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、本には縁がなさそうだったが、話してみると快活でよく笑い、ほどよく皮肉屋のいいやつだ。彼と付き合うようになってから、なぜかおかしなことに関わることが増えた。開かずの金庫、テスト問題の窃盗、亡くなった先輩が読んだ最後の本──青春図書室ミステリー開幕!!

 
2人の距離感は、米澤先生ご自身が同作を「お互いを知り お互いに知り得ないことがあるのを知る」物語だと語る言葉そのもの。「思いを告げずとも理解し合っている」関係性が好きなら絶対に悶えるはず……! 彼らの間で交わされる会話は軽快で、2人だけの世界に置いてけぼりにされる感覚がむしろ心地よく感じます。というかどんどん置いて行ってほしい。
続編も決まっているほか、作品の特設サイトでは第一話の試し読みや特別動画も♪ 気になる方はまずこちらからチェックしてみては♥

ところが松倉は、不意に真面目な顔をした。
「いや、お前は切れるよ。お前自身が思っているより、ずっと切れる」
「どうしたんだ、いきなり……」
(中略)
低い声で、松倉は言う。
「俺にとって、疑うってのは性悪説だ。自分に笑顔で近づいてくる人間はどいつもこいつも嘘つきで、本音を見抜くにはこっちにも策がいると考える。ところがお前は、そうじゃない。性善説と言えば言いすぎだが、相手の言葉の枝葉に嘘はあっても、その嘘の根底にはなにか真っ当なものがあると信じている節がある」
「僕がお人好しだって言いたいのか?」
「違う」
ふと、松倉が窓の方を見た。
「いいやつだって言いたいのさ」
(「昔話を聞かせておくれよ」より)


 破天荒探偵と振り回される友人…それだけ?

さとり世代探偵のゆるやかな日常』作:九頭竜正志

 

 

STORY
大学生になった僕はやりたいことが特にない。幼馴染の灯影院(ほかげいん)に流されてうっかり「探偵同好会」を始めたら、ヤツのもっともらしい無茶推理に振り回される日々がやってきた。所詮「休講の真相」を推理する程度の素人探偵だった僕らは、やがて招かれた孤島で殺人事件にまで巻き込まれ――。

 
風変りな幼馴染・灯影院に振り回されまくりの主人公・アヤタ。ボケとツッコミとしてすっかり成り立っている彼らはまさに「ニコイチ」! 2人の間にある感情が単なる友愛や腐れ縁だけではないと分かったとき、なんとも言い表せない尊さが沸き上がってきます。そんなただならぬ関係性が分かる1シーンがこちら。

僕は最近、自分が灯影院を利用していることを自覚し始めていた。進路の決定とか、サークル選びとか、そういう自分で主体性を持って決めなければならないことを、僕は灯影院に丸投げしていた。僕は、灯影院に甘えていた。灯影院が何でもしてくれるものだから、僕はいつの間にか灯影院以外の人に対する興味を失ってしまっていた。
誰だって、利用されるのは嫌なはずだ。
それなのに、灯影院はどうして、僕のことを嫌いにならないのだろう。
(第六話「郵便受けの中に」より)

 
……「灯影院以外の人に対する興味を失ってしまっていた」⁉⁉ 唯一無二の関係性にどっぷりハマってください♥

相棒でライバル! W探偵ならではの軽快な掛け合い

ノッキンオン・ロックドドア』シリーズ 作:青崎有吾

 


STORY
密室、容疑者全員アリバイ持ち――「不可能」犯罪を専門に捜査する巻き毛の男、御殿場倒理(ごてんばとうり)。ダイイングメッセージ、奇妙な遺留品――「不可解」な事件の解明を得意とするスーツの男、片無氷雨(かたなしひさめ)。相棒だけどライバル(?)なふたりが経営する探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には、今日も珍妙な依頼が舞い込む……。

 

一つ屋根の下で日常生活と事務所を営む彼らは、互いに認め、信頼し、補い合いながら、打算的な部分も隠さない。くだらない言葉の応酬を楽しんだり、かと思えば小学生のようにゲームに興じてみたり。本人たちがいくら首をひねろうと、間違いなく2人は唯一無二の名バディ! どこまでも対等な関係に憧れ倒します……。

特設サイトでは試し読みや作品の紹介漫画を公開中♥

 

俺たちは、互いのことをどれだけ知っているだろう。
片無氷雨。二十八歳。五月十五日生まれ。不可解担当。真面目。心配性。天然。キウイが好物。秋刀魚が苦手。意外と体を鍛えてる。犬派。山派。たけのこ派。トランクス派。シャンプーや牛乳を切らすと怒る。怒ったときはけっこう怖い。趣味はしいて言えば新聞の切り抜き。作家は楡周平。芸人はラバーガール。歌手は――なんてつまらん作業だ。もうやめよう。
「なあ。俺が突然いなくなって、探偵がお前のところに来て、普段の俺について尋ねたらなんて答える?」
「なんで他の探偵が出てくるのさ」氷雨はミラーに集中したまま、片手間のように答えた。「君がいなくなったら、僕が君を追いかけるよ」
「……そういや、そうだな」
(『ノッキンオン・ロックドドア2』より )

 

2.匂いすぎィ!もう一生一緒にいてくれや2選


萌えのセオリーを網羅し尽くすスパダリ研究者

死香探偵』シリーズ 作:喜多喜久

 


STORY
特殊清掃員として働く桜庭潤平は、死者の放つ香りを他の匂いに変換する特殊体質になり困っていた。そんな時に出会ったのは、颯爽と白衣を翻し現場に現れたイケメン准教授・風間由人。分析フェチの彼に体質を見抜かれ、強引に助手にスカウトされた潤平は、未解決の殺人現場に連れ出されることになり!?

 
距離感がバグりにバグった風間先生は、次世代の超スパダリ! 壁ドン、お姫様抱っこ、密着肩抱き、耳元でイケボ、専属契約という名のプロポーズ(?)……とキュン仕草のフルコンボを繰り出してきます。
あれ? 少女漫画? などという一般的感覚は、彼の前では無意味。ストーリーが進むにつれて、物理的距離だけでなく心の繋がりが深まっていく様もたまりません!!!

「本音を言えば、私は君を治療したくない。君ほど知的好奇心を満たしてくれる存在と出会うことは、もう二度とないだろう。私は、残りの研究人生を死香の研究に捧げるつもりだ。だから、できれば君を、ずっと私のそばに置いておきたい」
「なんですか、それ」と僕は笑った。まるでプロポーズの言葉じゃないか。
「……嫌かね? 君の生活は間違いなく保証する」
風間さんが、僕の手を両手で包み込んだ。
(中略)
僕はドアガラスに後頭部が付くところまで身を引いていたが、それでも息遣いが感じられるほど、風間さんとの距離が近づいていた。
その香り、体温、目力に、頭の芯が痺れたようになっていた。目と目を合わせていると、そのまま吸い込まれてしまいそうだ。
(1巻 第四話「裁きがもたらす死は、芳ばしき香り」より)


 友人?家族?名前の付けられない関係が愛おしい

家政夫くんは名探偵!』シリーズ 作:楠谷佑

 


STORY
仕事で忙しく、家事が行き届かなくなった刑事の怜は家事代行サービスを呼ぶことに――。
そこにやって来たのは、きれいな顔立ちをした青年・光弥だった。
黙々と仕事をこなす光弥との話題のひとつとして抱えている事件の話をすると、彼はあっと言う間に真相を言い当ててしまう――!

 
いわゆる「安楽椅子探偵」モノ。ただの「家政夫」と「客」だったはずの2人は様々な事件を通して心を通わせ、次第に関係性も形を変えていきます。友人には、なれた気がする。けれど家族でもなければ、恋人でもない――巻が増すごとに、名前の付けられない関係にひたひたに浸かっていく、その距離感に萌え転がること必至です!!

「今日は、どうします? 夕食を作りましょうか」
「……話すだけというのは、駄目なのかな」
「うーん、駄目みたいですね。サービスに入っていませんから」
光弥は、そっと微笑んだ。
 (中略)
「いや……、困らせてごめんな」
「じゃあ、わかりました。今日のオーダーはキャンセルで、僕がバイトではなく個人的な友人として、この家に遊びに来た――これでどうでしょうか」
怜は、この唐突な申し出に戸惑ってしまう。
「どうして、また」
「怜さんが僕と話したいなら、僕はそれに応えたいです。今日は『家政夫』じゃなくていいです」
真剣な顔で、光弥は怜を見返している。そのまっすぐさが眩しくて、怜は目を細めた。
(2巻 第三章「聖夜の殺意と友情の問題」より)

 
**********

いかがでしたか? 世の中のバディ好きや探偵小説好きの皆さま、これまでミステリにはあまり触れて来なかったという皆さまにも新たな出会いがご提供できていたら幸いです♪

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コメント3

投稿順 | 最新順

匿名2番さん(1/1)

やっと見つけたこの記事!
読みたかったもののタイトルが分かって感謝~
ってコメ残してもマイペに入らないんだっけ

こういう小説のBL読みたいなぁ~シリーズ化とかしたらいいのになぁ~

匿名1番さん(1/1)

全部読みたい!!!お正月読みます~
以前の匂い系作品記事にあったみたいな、匂い度★評価があると読む優先順位の参考になって嬉しいです。

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