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\受けの羞恥顔が見たいBLオタク集まれ/
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2020/09/12 13:00
以前、書店員とBLの関係についてまとめた際には、多くのご反響ありがとうございました! そして今回は、第二弾を製作してみました!再び謎多き書店員の実態を覗いてみてはいかがでしょうか?
さらに、先日本屋大賞を受賞した凪良ゆう先生と『流浪の月』について知り合いの書店員たちにインタビューしてみました!衝撃の結果が続々と明らかになりましたので、ぜひお見逃しなく!
それでは、ようこそいらっしゃいませー!
書店員がBL耐性ありすぎということに関しては前回お伝えした通りですが、それは日常生活にも影響を及ぼす勢いです。同僚の書店男子Yくんは、BL慣れしすぎて某BLコミックの付録のハンカチを普段使いしていました。
もしや腐男子? とざわついた筆者はそれとなく聞いてみたのですが、答えは「BL漫画のものとは知らなかった」とのこと。家にあったものをそのまま持ってきたそうです。(ということはご家族の中に……⁉)
「もしかしたら周りには腐男子と思われてるかも!?」と言ったところ、「僕の周りにそんなことで引く友達はいないので、大丈夫です!」と、晴れやかな笑顔と共に元気のいい返事が返ってきました。
BL慣れオーラは、周囲の人々まで包み込んでいくのかもしれませんね!
日々何冊ものBLコミックス・小説を相手にする書店員ですが、ときにはとんでもない偶然を引き当ててしまうこともあります。その日、私がお問い合わせを担当したお客様は、BLコミックをご所望でした。筆者も腐女子ということもあり、和気あいあいと本をお探ししたのですが、事件はその後に発生しました。
お問い合わせが相次いでいたためレジスタッフに会計をまかせ、再び売り場に戻ろうとしたのですが、なぜかお客様が落ち着かないご様子……!
お客様の視線の先を辿ると、BLコミックの表紙に輝く眼鏡キャラと、それを手に笑顔でレジを打つ眼鏡書店男子・Sくん。眼鏡の他にも髪型や雰囲気など似ている部分が多く、これはもしや……!という気持ちで思わずお客様にアイコンタクトを送ると、大さな頷きが返ってきました。その瞬間、腐女子書店員の私とお客様の萌ゆるお気持ちは一つになっていたことと思います。
幸いSくんは何も気が付いていない様子だったので、私はなぜか二人に深々とお辞儀をしてその場を去りました。毎日売り場に立っていると、予想もしない事が起こるものですね!
書店員は、全員で一つの店舗を運営するということから、実はチームワークが求められるお仕事。その中で、同僚同士の友情が芽生えることもしばしばあります。
以前、私の店舗でとある取材をしていただけることになり、「どの棚 (※本のジャンルのこと)担当をメインにするか?」という会議が開かれました。
そこで候補に挙がったのが爽やか系書店男子のIさんと、クール系書店男子のKさん。メディアに取り上げられると売り上げにダイレクトに影響するため、どちらを推すべきか?という悩ましい空気でした。
それを一瞬で切り裂いたのが、普段はクールなKさんの一言でした。いわく、「自分よりもIさんが輝いているところが見たいので、Iにして下さい」とのこと。実はIさんとKさんは同期で、普段から仲良しです。取材の時期にIさん担当のフェアを組む予定があったため、その成功をKさんが後押しした、という形です。
結果、取材もフェアも成功し、お店としても幸せな結末になりました。大人しそうに見える書店男子ですが、実は熱い情熱や友情を秘めている人たちも多いのです。
先日、ちるちるBLアワードで『悩ましい彼 美しい彼 3』で小説ランキング第1位を獲得した凪良ゆう先生。時を同じくして『流浪の月』で2020年本屋大賞にも輝いたのも記憶に新しいですね!
まず、本屋大賞がどのような賞か簡単にご説明させていただきます。
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「全国書店員が選んだ いちばん! 売りたい本 本屋大賞」
【賞の概要】
書店員の投票だけで選ばれる賞です。
「本屋大賞」は、新刊書の書店(オンライン書店も含みます)で働く書店員の投票で決定するものです。過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票します。
(本屋大賞公式ホームページより)
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書店側は、色々な(大人の)事情でプッシュする本を決めたりします。しかし本屋大賞は、本屋さんが読んで「面白い! これは売れなきゃヤバい!」と思った推し作品をもっと世に売り出そう!という趣旨です。
受賞すると、店内で棚を広く展開したり、フェアを組めたりするため、書店員が推したいと思っている本を好きに売ることができる神のような賞なのです。
つまり、『流浪の月』はそんな書店員たちの圧倒的支持を得た結果、大賞に輝いた! ということなのです。
ということはつまり、書店員と凪良先生との心の距離はとても近いものではないか?と思われます。
そこで! この記事を書くにあたって、筆者の知り合いの書店員たちに凪良ゆう先生と『流浪の月』についてアレコレ聞いてみました!
Q1.『流浪の月』という作品を知っていますか?
認知度……約100%
本屋大賞受賞で話題の書となったこともあり、全く聞いたことがない! という書店員はいませんでした。ただ、作家名までセット答えられる・本文も読了済、とまでなると、割合はもう少し下がってしまいます。また、タイトルをはっきりとは答えられずとも、「本屋大賞の作品ですよね!」という風に認知されているようでした!
Q2. 凪良ゆう先生がBL作品も書かれていることはご存知でしたか?
知っている……10%
知らなかった……90%
意外なことに、筆者の周りでは知らない書店員が多めでした! また、文芸書担当の書店員は知らないけれど、コミック担当の書店員は知っている、というパターンが多かったです!
というのも、コミック担当がBL小説やTL小説の棚を合わせて受け持つことが多いため、その流れで凪良先生のBL作品も知っていた、ということではないでしょうか! また、受賞後の様々な特集などを読んで知った、という書店員もいました。
Q3. 今回の本屋大賞や、作品について書店員として思うことはありますか?
・BLコミックの作家さんが一般向け作品を書くことが増えているので、小説でもついにそういう波が来たのだな! と思った。
・とてもよく売れます。
・『神さまのビオトープ』の方の本だ、と思いました。『神さまの』が怖ろしくも面白い作品だったので、『流浪の月』もこれから読むのが楽しみです。
・本屋がすすめたい本というコンセプトであることから、フラットな視点で様々な作家・作品が発掘されていった賞。今回の凪良さんの受賞も、順当なものであったと思います。
・良い作品だと思ったので、本屋大賞に推しました。
など、様々な意見を頂戴しました。
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書店員も大注目の『流浪の月』。まだ読んでいない方は、この夏の課題図書にいかがでしょうか? 学生の方でしたら、凪良ゆう先生の非BL作品『神さまのビオトープ』や『流浪の月』などで読書感想文を書いてみるのも面白いかもしれません!
ジャンルの壁を越えてご活躍されている凪良先生を、今後とも応援していきたいですね。
いかがでしたでしょうか?
今回は、知られざる書店員の世界と本屋大賞について深堀りしてみました。
本屋さんの売り場を見ると、どんどん時代が動いていることが感じられたりしますよね! BL作品はもちろん、非BL作品も含めてこの夏の一冊を探しに行ってみてはいかがでしょうか。
今後ともぜひ、お近くの一般書店をご贔屓にお願いいたします!