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平喜多ゆや先生ご逝去
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2024/09/26 19:00
胸にぐっさり刺さって抜けなくなる作品が読みたい。読み終わった後しばらく余韻で心神喪失したい。そんな皆さまに朗報です。
昨今、闇BLや救済BL好きを賑わせている隈世アキ先生『不幸せな嚙み痕』。発売するやいなや、電子ストアで軒並み1位を獲得した超話題作です。惹かれ合いながらも、痛ましい出来事によって"つがえなかった運命の番"同士のこれからを描く本作。先の読めない展開に、「ゾクゾクが止まらなかった」と読者を惹きつけてやまない作品の魅力を微ネタバレありで考察します!
◆目次◆
1.先の読めないダークなオメガバース
2.天涯孤独のΩと人間不信のα
3.救済BL好きを唸らせる、執着と愛
STORY
施設育ちで天涯孤独なΩの男子高校生・足立優真はその生い立ちから常に後ろ指をさされながら生きてきた。それでもいつかは家族を持って幸せな生活をすることを夢見ていた優真は、ある日高校に赴任してきた教師・藤宮と出逢う。
お互いに直感で運命の番だと気づいた二人は惹かれ合うが、藤宮の結婚指輪に気づいた優真は寸前で理性を取り戻し逃げだした。しかし、強制的にヒート状態になったままの優真は、Ωを蔑視する不良α・大崎に襲われ項を噛まれてしまう。絶望の中、献身的に支えてくれる藤宮が唯一の心の支えになるも、この関係が辛くなった優真は関係を断つことを決めるがーー?
オメガバースの世界において、最も重要な設定の一つである『運命の番』。出会い、恋に落ちれば幸せですが、もしその相手と分かりながら番うことが叶わなわなかったら……。
高校生の優真と教師の藤宮は、出会った瞬間にお互いを「運命の番」だと感じ、強く惹かれ合います。しかし、藤宮の結婚指輪に気づいた優真は逃げ出し、ヒート状態だったためにΩを蔑視する他のαに噛まれ、番関係になってしまうのです。
従来のオメガバースでは考えられないほどに、取り返しのつかない不幸から始まる本作。「本当に番になっちゃったの!?」と、思わず悲鳴を上げる先の読めないそのストーリーは、高校卒業後も優真の人生に影を落とす番であるクズαの存在や、「………してやる……」と呟く再会後の藤宮の剣呑な様子で、蝕むように不穏さを増していきます。
読み進めていくうちに、「何かとんでもない事が起きてしまうのではないか」「2人の幸せな日々が見たいよお……!!!」というさまざまな感情が一体となり、ページをめくる手が止まらなくなってしまうのです。
本作にさらなる深みを与えるのが優真と藤宮がそれぞれに持つ闇と、寄り添う2人が持つ純粋さです。
天涯孤独、Ω性で職探しも難しく、まともな番がいないせいで家庭に入ることもできない。その上、発情期にだけ現れる番は暴力を振るい、金を奪い犯していくだけのクズ。このα、全く同情の余地なく、優真を傷だらけにします。不幸を一身に受ける優真ですが、「Ωのせいにしてはだめだ……」と、どこまでも純粋で健気なんです。
一方で、そんな優真を支えようとする藤宮の、深い愛と仄暗い一面が心にズブズブ刺さります。優真に見せる柔らかい表情と、彼を守り奪い返す為に見せる冷たく、色気10000点の表情。この温度差が嫌いなBL好きいますか???? 手段を厭わない優真への底なしの愛と執着を感じさせます。本来の『運命の番』とはいえ、優真は番のいるΩなんですよ。本当にすごい、愛が深すぎる(ゴクリ)
思い合っても、番にはなれない。悲痛な現実が付き纏う中で抱き合う気持ちを考えると、あまりにも純粋な恋すぎて脳が焼かれ2人のことしか考えられなくなります。
◆あらすじ
施設育ちで天涯孤独なΩの男子高校生・足立優真はその生い立ちから常に後ろ指をさされながら生きてきた。それでもいつかは家族を持って幸せな生活をすることを夢見ていた優真は、ある日高校に赴任してきた教師・藤宮と出逢う。お互いに直感で運命の番だと気づいた二人は惹かれ合うが、藤宮の結婚指輪に気づいた優真は寸前で理性を取り戻し逃げだした。しかし、強制的にヒート状態になったままの優真は、Ωを蔑視する不良α・大崎に襲われ項を噛まれてしまう。絶望の中、献身的に支えてくれる藤宮が唯一の心の支えになるも、この関係が辛くなった優真は関係を断つことを決めるがーー?
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いかがでしたか? 闇BL、救済BL、オメガバース好きの方はもちろんのこと心にグサグサと刺さる作品を探している方も必見の一冊です。ぜひお手に取ってみてくださいね!!!!!