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まだまだあるよ！ディープで匂いまくりな一般小説♥

「耽美！ 悲恋！ 官能！ 男性同士のエロあり一般小説5選」や「【永久保存版】ブロマンスからエロまで！図書館で読める「匂う」文学ガイド【完全網羅】」など、「図書館で読めるBL文学」を色々とご紹介してきた記者ですが、男同士のラブやエロを描いた一般小説、まだまだ布教したい！

ということで、今回は幻想耽美な雰囲気溢れる作品で縛り、特にコアな本気のラインナップをご用意しました。
既読の作品はあるでしょうか？ 是非最後までcheckしてくださいね！

◆目次◆
1．雪花草子
2．天使
3．少年愛の美学 A感覚とV感覚: 21世紀タルホスコープ
4．接吻―栗本薫十代短編集
5．少年聖歌隊

ふたなり、あやかし、とりかへばや!!

『雪花草子』作：長野まゆみ

ちるちるで何度か取り上げている長野まゆみ先生の作品から、耽美な和風ファンタジーBLをご紹介。こちらは3つの短編が収められており、全て濡れ場アリの官能的なBL草子です。

一作目の「白薇童子」は、女装ありふたなりあり近親相姦ありの退廃的で最高にフェチな作品です。山奥の悪い女狐の元に訪れた美女。女狐が服を剥ぐと「女の裸身にあるべくもない賜り物」が……。実は彼女、いや彼は、山に棲む美貌の夜叉に敵討ちに来た少年だったのです。話は逸れますが長野まゆみ先生って、チン◯ンの表現のバリエーションが凄いんですよね。ファンの方々は分かってくださるはず！

夜叉の悲しき過去、年に2日だけヤオイ穴が出現する淫靡な体、男たちとの交わりを、宝石のように美しい言葉たちで紡ぎます。

また先生は美大のご出身で時々表紙イラストや挿絵をご自身で描かれており、上の美少年が舞う美麗な表紙もその一つ。世界観にハマったら抜け出せません……！

あらすじ
都の北東、深山に棲まう白薇童子は、父・地雷鬼の強くあれという望み虚しく朱唇艶やかな美貌の夜叉。これを母の仇と討伐に向かった中納言の嫡男・琉璃若。宮処で対峙したものの、半陰陽の童子にいつしか心奪われ…不思議な縁を描く「白薇童子」他、夜叉に堕ちゆく美しき舞手の苦悩、将軍家に生を受けた双子の運命の悲哀など、心に巣食う残虐性を流麗な文で綴った官能溢れる草子3編。

残酷な天使のテーゼ♪

『天使』作：須永朝彦

幻想文学の旗手である須永朝彦先生による、幻想的な耽美短編小説集。匂い系BL作品もいくつか収録されているのですが、一番オススメは表題の「天使」シリーズです。

突如現れた美男子の姿をした天使に、夜な夜な抱かれ快楽を貪る青年の破滅的な運命を描く。直接的な言葉を使わずここまでエロくできるんだ……！ ともはや感嘆を覚える美しい作品です。
キャラの名前が百合男と薔薇子っていうのも、多分狙ってますよね？

他にも美青年吸血鬼と少年のお話など、萌えるエピソードが盛り沢山。詩のように短い作品もあるので、小説があまり得意でない方も読みやすいと思いますよ♪

あらすじ
美少年、吸血鬼、一角獣、同性愛…耽美主義の聖典と謳われる蠱惑の小説19編とあやかしの4つのメルヘン。

とにかくアナルセックスしか勝たん！

『少年愛の美学 A感覚とV感覚: 21世紀タルホスコープ』作：稲垣足穂

図書館で読めるBLっぽい文学の作家として定評のある稲垣足穂先生が、同性愛やアナルセックスについての論をしばき倒す「少年愛の美学」「A感覚とV感覚」。

小説というよりエッセイや論文のような雰囲気のある作品たちですが、古今東西の男色・男性同性愛関連のエピソードや、美少年やお尻に関する小話をこれでもかというほど列挙しながら、BLの「美学」を語り尽くします。アナルセックスの素晴らしさを理論的に再確認できてしまう(？)至高の怪文書。

小難しいイメージがあるかもしれませんが、とにかくおケツしか勝たん！ BLしか勝たん！ ……と、考えていることは我々とだいたい一緒。BLとお尻の快感を極めたい方は是非！

あらすじ
永遠に美少年なるもの、A感覚、ヒップへの憧憬はタルホにとって真の自由の希求にほかならず、ヒコーキや宇宙へとつながるタルホ的ノスタルジーの源泉でもあった。表題作は、少年愛に関する古今東西の実例や文献を渉猟し、性愛論にとどまらないA感覚の形而上学に独自の美学をうちたてた記念碑的集大成である。その入門編ともいうべき三篇を併録。

ゲイバーママの悲恋、病弱少年の淡い想い…… 

『接吻―栗本薫十代短編集』作：栗本薫

美少年が酷い目に合うBLフェチの方は栗本薫先生を!! これまた、ちるちるでもたびたびご紹介させていただいている先生の、こちらの短編集を推します。

特にオススメなのは「高野詣ー色子曼荼羅」。卑しい身分の文造は、この世のものとは思えない美しさを持つ狂言師の若衆・雪弥に出会い、一目惚れし恋い焦がれます。どれくらい恋い焦がれるかというと、雪弥の歩いた跡にキッスして悦に入れるくらいの重症。
文造は雪弥の従者になるまでに漕ぎ着けますが、何人もの男や女と取っ替え引っ替え枕を交わす雪弥を、指を咥えて見ているだけ。NTRっぽくて逆に興奮する(笑)!? そんなこんなで拗らせてしまった文造は……。

この短編集は他にも匂い系から濡れ場ありラブまで、BLっぽい作品がたくさん収録されていますので是非是非チェックしてください！

栗本薫先生の作品なら他にも、美しすぎるが故に暴走族のリーダーに手篭めにされ、少年院でも公衆便所にさせられてしまう男の子が主人公の『終わりのないラブソング』や、美しすぎるカリスマアイドルを巡る男たちの情と欲を描いた『真夜中の天使』もオススメです！ 

あらすじ
親子の愛、恋人の愛、禁断の愛。大人になりきれず、また大人に成りたくないともがく少年少女達の思い。死に魅せられ、誘われていく心。17歳から20代前半までの栗本薫が描くさまざまな愛のかたち。12篇の未収録作品集。

ボーイズクワイア好きにオススメ！ 幻の変態文学

『少年聖歌隊』作：武田肇

最後に、知る人ぞ知る幻の一作をご紹介させてください。タイトルの通りボーイズクワイアがモチーフとなった小説で、売野機子先生『MAMA』や座紀光倫先生『少年の残響』などがお好きな方にはこっそりオススメしたい！

とある中世フランス貴族の変態侯爵が、7人の美少年を集めて少年聖歌隊を作り、慰み者にして惨◯しようと画策。メンバー集めに奔走する大天使ガブリエルが最後の一人、日本人の少年・慎の元へ人間の姿で現れる……というなかなか奇怪なストーリーですが、次々と展開する淫靡なイメージに胸焼けするほどのエロスが味わえます。

こちら残念ながら現在は絶版で、古本屋や図書館で入手するしかありませんが、装丁や挿入されている写真も素晴らしいので一見の価値アリです！

あらすじ
中世フランスの一貴族が城中に組織した奇妙な少年聖歌隊の顛末を、告知の大天使ガブリエルの目を通して、現代日本の一少年との交感の内に描く、壮大な世紀末ロマン。

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いかがでしたでしょうか？ 中には入手困難な逸品もありますが、記者の性ヘキ全開、ラブエロありBL一般小説、本気のラインナップ5選でした！
是非、皆様のオススメやご感想を教えてください♥