BL情報サイト ちるちる

BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

消えたやおい穴の行方とは…Z世代の穴事情を考察する

2021/08/09 13:00

2022/08/01 16:00

「やおい穴」を知らない世代が「やおい穴」を考えてみた



皆さんは「やおい穴」と聞くと何を思い浮かべますか? 古参腐女子のみなさまは「そんなの常識だろ」と思われるかもしれません。

しかし、筆者はつい最近までこのことを知らず……。Twitterでこの言葉を知ったときは、「なんぞこれ」と思わず検索してしまったほどです。

そう、今やもうBL界で幻の存在となりつつある「やおい穴」。なぜ絶滅の危機に陥っているのか、もうやおい穴が見られることはないのかーー。

今まで数々の研究や考察が行われてきた「やおい穴」ですが、やおい穴を知らない世代代表として(?)改めて超真剣に考察することにしました!

「やおい」すら死語になりつつある、昨今の「やおい穴」を今一度考えてみよう! ということで今回は「やおい穴」がなぜ衰退していったのかを考えてみようと思います。

まずは、今回取り上げる「やおい穴」の定義を明確にしましょう!


やおい穴とは


「やおい穴」という言葉を知っている皆さんでも
「肛門じゃない穴のことでしょ?」「肛門もやおい穴でしょ?」
と、意見が食い違うこともあるかもしれません。

それもそのはず、「やおい穴」とはBLファンの間で生み出された言葉です。定義が曖昧で界隈によって伝わり方が変わっていることは想像に難くないでしょう。

ですので今回は広く知られている意味から二つを「やおい穴」の定義とします。

◆やおい穴の定義◆
(1)肛門じゃない第三の穴
(2)勝手に濡れて気持ちよくなれちゃう肛門


(1)の「第三の穴」というのは、肛門の手前、会陰部に存在すると言われている創作上の「穴」のこと。
女性器のような機能を兼ね備えていたり、実際に女性器のような形で描かれている場合も。「お尻のほかに別の穴があるんじゃないか」という想像のもとに存在しています。

(2)は言わずもがな。肛門ではあるけれど、濡れる、すぐ気持ちよくなれる、洗浄しなくてもウン……が付かない!
言うなればBLナイズされた、BL作品だけの「肛門」のことを指します!

このように定義すると、商業BLはもちろん、二次創作でも「第三の穴」なんて最近では見る機会がめっきり減りましたな。

では、一体なぜ「第三の穴:やおい穴」表現が減っていったのでしょうか。


「第三の穴」減少のきっかけと原因




あくまで憶測ではありますが、やおい穴現象の原因を筆者なりに考察してみました。それがこちら。

(1)男体について詳細に調べられるようになった
昔よりも簡単に情報が共有できるようになった昨今、初心者の腐女子さんでも簡単に男性同士のあれこれについて知れるようになりました。まずスマホでSNSで調べてみることが当たり前になったことも知識不足による謎の体位や謎の肛門機能が減った要因かもしれません。

(2)現実主義派腐女子の人口増加
BLが地上波でドラマ化されるなどBLがより身近な存在になったことで新規の腐女子が増えたことも時代が移り変わる要員の1つかもしれません。また、実際の社会における差別や葛藤を描いた現実的な作品が増えたことも時勢的な影響として考えられます。
近年のBLは、「ファンタジー派」と「現実主義派」の作品がはっきりと分かれているように感じます。BLが曖昧な存在ではなくなったために、曖昧であった「やおい穴」も減少していったと考えられますね。

(3)キャラクターに知識がついた
腐女子だけではなく、作品内のキャラクター側も簡単に情報にアクセスできるようになりました。例えば、急に家に連れ込まれてエッチすることになってもスマホで男同士のあれこれを調べられちゃって初めてだけどお風呂で準備出来ちゃったり、攻めが丁寧に肛門を解す知識を持っていたり。その知識を持っていることが不自然ではない時代になったということでしょうか。
テクノロジーの発展がBLも変えるんですね(?)

と、BL界にもより現実に即した描写が増えてきたことで、自然と「やおい穴」という概念がなくなってきたのだと思われますが、筆者は他にも理由があるのではないかと考察します。それが、「オメガバースの興隆」です。

オメガバースがやおい穴に取って代わった説


やおい穴という存在が影を潜めたと思われるのは、2010年前後。
そして、オメガバースの直接的な起源は2010年ごろ放送したアメリカのテレビドラマだと言われているのは有名な話ですよね。そこから、オメガバースとしてBL作品に定着するのに数年。ちるちる調べだと商業誌でオメガバースが登場したのが2014年、Pixivだと2013年ごろからオメガバースの概念が描かれています。

やおい穴描写が減った時期とオメガバースが描かれるようになった時期がほぼ一致することからも、私はこのオメガバースの登場が「第三の穴」を減らすきっかけになっていると思っています。


さて、ではなぜ「オメガバース」の登場が「第三の穴」に関係があるのかと言いますと、オメガの肛門構造が「第三の穴」と瓜二つな点にあります。
作品により異なりますが、確かにオメガは発情期になると肛門から潤滑液が分泌され直腸あたりにある子宮に精子を注げば妊娠する、まさに女性器のような役割を担います。

今までの「第三の穴」はそんなの現実にはないというツッコミが付きものでした。
しかし、「第三の穴」を正当化する手段としてオメガバース設定が機能したことにより、「第三の穴」を描くくらいならオメガバースにという流れが生まれたのではないでしょうか。


オメガバースの流行をきっかけに、オメガバース以外の男性妊娠もの、獣人もの、謎の発情を誘発する魔法や飲み物など、特殊設定を用いて穴を濡らす手法も流行の兆しを見せました。

このように今までリアルなのか特殊設定なのか曖昧だった「第三の穴」の要素を「特殊設定」だと割り切った書き方をすることで「第三の穴」という認識が薄れたのではないでしょうか?

それでもあるよね「やおい穴」


ここまでは「第三の穴」の減少について考察してきました。
ただ、今でも「慣らせば」初回で気持ちよくなれる、前立腺ですぐ気持ちよくなれる、「丁寧に解せば」血は出ない……といった肛門はよく見かけますよね。

しかし、それを「やおい穴」とは呼ばなくなった今どき腐女子たちはかなり多いはず。
Z世代である筆者が客観的に考察した結果、二つの理由を思いつきました。

(1)「身体よりも心理論」
心情的な繋がりを重視する作品が増えた。

(2)「言葉の意味の変化理論」
「第三の穴」だけを「やおい穴」だと思っている昨今のBLファンが多いと感じることから、「肛門」は「やおい穴」ではないと定義するように言葉の意味が変化した。


このように「やおい穴」の元来の意味として存在する「すぐ気持ちよくなれる肛門」が、定義の縮小によって「やおい穴」ではなくなったと考えることが出来ると思います。

肛門を慣らすことに関しては、本当に2、3カ月かけて丁寧に開発する描写を描く作品もありますが、ほとんどが一日で合体してしまいますよね。
身体の繋がりのリアルさよりも、心が通い合うまでの描写を重視する読者が多いことも原因の一つだと思います。
身体を繋げるのはあくまで心の繋がりをより深めるための手段であり、合体への具体的な過程は省かれがちなのかもしれません。そのため、「すぐ気持ちよくなれる肛門」がリアルであろうが虚構であろうがあまり関係ないのかも。


まとめ


大真面目にやおい穴考察をしてきましたが、いかがでしたか?

この記事はあくまで個人的な考えですので、皆さんの意見があればぜひ教えてください!

「やおい穴」という言葉がもう死語だとしても、BL界には形をリアルな肛門に変えて、確かに息づいているのかもしれません……(?)

コメント9

投稿順 | 最新順

匿名7番さん(2/2)

現実味あるのをみたい時は現代モノ。ファンタジー設定みたい時はファンタジーモノって選べるからいい流れかなって思う。表現に多様性ある方が楽しめるね。
内面ももうちょい男っぽい受け増えないかな?
働く男、戦う男もみたいのにTLのヒロインを男にしただけみたいな受けが多くて、男同士なんだから攻めより強い受けがいてもいいんじゃない?とか、
恋愛感情だけじゃなくて愛情とか友情とか信頼性関係とか攻めと対立しながら執着するような展開とかあっていいんじゃないとか思う。
ドエス設定の受けなのに開始数ページで攻めに陥落してTLのヒロインになってみたいな感じで萎えるんよな

匿名7番さん(1/2)

匿名一番さん

?カーマスートラのGIF動画が大量に載った、某無料サイト…
なんですかそれ?
めちゃくちゃ気になります…!

匿名2番さん(2/2)

今となっては「謎体位」というのが、どういうものか見てみたい。

匿名6番さん(1/1)

>匿名5番
つ鏡

匿名5番さん(1/1)

匿名3番さん
いろんな認識や解釈、楽しみ方は人それぞれだと思いますが、下らない記事?貴方が言う事かしら?言い過ぎですよ。ずいぶんと
上から意見で読んでいて気分が悪いですよ?

匿名4番さん(1/1)

「やおい穴」という概念が地雷なため、穴が濡れてそうな表現があった場合、「これは描写が省かれているけれども、我慢汁を後ろに塗りたくったためにそうなっているんだ…!!」と思い込むようにしていました…!「濡れてるぞ…」というセリフも、「チン〇が我慢汁で濡れてるってことだよね!」と思い込むようにして読んでいました。最近はそういう「やおい穴」描写が減ってきて、ちゃんとローションを使ってたりして、どちらかといえば現実主義派の私としては、良い流れになってきたと思ってます。

匿名3番さん(1/1)

セックスは子供を作るという種の保存的本能から”気持ち良さ”が発生してるに過ぎません。
そして肛門はウ○コする専用通路に過ぎません。
心情的な繋がり?
そんなもんでは快楽は発生せず、虹の♂×♂での快楽描写は「やおい穴」であるという事実は変わりません。
下らない記事を書く前に人類の歴史を勉強してくださいな。
ホモは虹だからこそ美しい。

匿名2番さん(1/2)

その穴の件は、私は「ちるちる」で学びました!旧作品では、いわゆる女性と行為している様な、変な正常位で致してた絵も多かったと思うのですが、最近の、特に絵の達者な作家さんの作品ですと、確かに肛門に挿れているのだな、というのが分かる体位になっているかと思います。「直ぐ気持ち良くなれる」は、ファンタジーだとは思いますが。体位はかなりリアル寄りになっているかと。作品の年代別、穴の位置関係を並べたら分かるかもしれないですね。面白い記事でした、ありがとうございます。

匿名1番さん(1/1)

創作作業中、体位に迷ったらゲイのカーマスートラのGIF動画が大量に載った、某無料サイトのお世話になってるのは、私だけではないはず……。

アクセスランキング

最新BLニュース

オススメニュース

最新のコメント

PAGE TOP