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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2021/01/03 11:00
ちるちる記者の中でも大の小説好きである、アンリ54世とももんがが各作品の魅力を全力で語ります。
今回は、BLアワード小説部門の常連・樋口美沙緒先生のBL小説のなかからそれぞれのベスト3をご紹介!
みなさんもぜひお気に入りの樋口美沙緒先生作品を考えながらお読みください♪
全寮制学校での身分違いの恋を描いた「パブリックスクールシリーズ」やムシをモチーフにした擬人化チックファンタジー「ムシシリーズ」などが有名ですが、その他にも名作がずらり!
紙書籍のデビュー作は2009年発売の『愚か者の最後の恋人』。
最新作は2020年5月発売の『パブリックスクール ―ツバメと監督生たち―』(2020年12月1日現在)です。
2020年でデビュー10周年!! 10周年記念で4冊連続刊行もされていて、長くBL小説界で活躍されていているだけでなく、これからもBL小説界を盛り上げていくお方ですよね!
さあ、それではついに!
そんな樋口美沙緒先生の作品のなかからアンリ54世とももんががそれぞれベスト3とその作品の推しポイントをご紹介していきます!
アンリ54世
色男攻めの弱さと不憫受けの強さに泣く‼
貴族の子弟が集う名門パブリックスクールで全寮制のリーストン校を舞台に描く、「パブリックスクール」シリーズ!もちろんメインのエド×礼のカップルも大好きなのですが、私はスピンオフ作品であるスタン×桂人派です。なぜなら、精神的に強く賢い受けが大好物なので!
受けの桂人は親からネグレクトを受け、愛に飢えて育ったため、どこか冷めたところのある少年。そんな桂人が出会ったのが遊び人のスタン。しかし、そんなスタンの行動の裏には双子の弟をめぐるある事情があって…。
家族との確執と「愛」というテーマを核に、お互いがお互いの隙間を埋めるように存在している様子がたまらない作品です。
物語が進むにつれて賢く、そして冷静に状況を見ていく受けの桂人の強さが際立ち、対して、頭脳明晰で色気たっぷりな余裕のある男前のスタンの弱さが垣間見えていくんですよね。読み返すほどにスタンの心情が理解できるようになり、面白くなっていくのがすごいところ。
何度読んでも見せ場の演劇のシーンでは号泣してしまいます。
ももんが
愛とは? 孤独な攻めと淋しい受けの邂逅
第1位は樋口先生の人気シリーズのひとつ「ムシシリーズ」から選ばせていただきました! クモやチョウなどを擬人化したファンタジーで“ムシ”の特性を利用した設定などがとても新鮮です。そんなムシシリーズのなかでも特におすすめさせていただきたいのが『愛の在り処をさがせ!』です。
アゲハチョウを起源に持ち「性モザイク」といって雌雄同体の身体で、子どもを産める体質のアオイは、ケルドア公国大公・シモンとの縁談を受けます。グーティ・サファイア・オーナメンタルというタランチュラを起源種にしているのはシモンただひとりでなんとしても跡継ぎを残さねばならず、はじめは子どもを作るためだけの愛のない日々が続きますが……。
母親から異常な執着と偏愛を受け続けてきたせいで愛を信じることができない孤独なシモンが、家族愛や友情をあまり得られなかったせいで淋しさを抱えつつも愛を求めるアオイと出会って、まったく心を通わせ合うことすらできなかったところから愛しているがゆえに手放すという選択肢をとってしまうまでに変わっていく姿がとても切ないです。続編『愛の在り処に誓え!』では愛し合う2人が困難のなかでどう手と手を取り合って生きていくのかが描かれていいて、2冊とも涙なしには読めません。
アンリ54世
BL×本格ファンタジーの最高峰!
銀髪にスミレ色の瞳という美しい容姿を持つ主人公のリオは、その容姿を隠すためわざと汚れた格好で雑用仕事をしている貧しい少年。そんなリオはある日、王を守る七使徒候補に選ばれ王都に行くことになり物語がはじまります。
幼いころの記憶がないリオを励まし共に生きてくれた親友のセス。七使徒の選定にやってきた謎の魔術師シリウス。そして個性豊かで魅力的な七使徒候補のキャラクターたち。さらに、七使徒にはそれぞれ役割があるのですが、そのうちリオは王の「鞘」候補に。鞘の役割は閨で王の伽をつとめることで…。
そして何よりもすごいところは、萌えのためのファンタジーではなく、ファンタジーとして読む手が止まらなくなる面白さであること!さすがです。
ももんが
スパダリ執着攻めと健気受けの金字塔
イギリスの全寮制パブリックスクールであるリーストン校を舞台に名門貴族エドワードとエドの義弟で日英ハーフの礼の恋を描いた物語です。
貴族社会のなかで疎まれた少年時代の礼にとってエドは唯一の心の支えだったのに、リーストン校に進学するとエドは冷たく厳しい態度をとり、礼は孤独にさせられます。それでもエドを愛することをやめない礼の健気さと、エドを縛り付けるようにして離さないエドの礼への執着愛が伝わってきます。
続編『パブリックスクール-群れを出た小鳥-』ではエド以外の生徒と関わることで成長した礼が新しく出てきたキャラクターに嫉妬したり、パブリックスクールを卒業した2人の関係の行く末が読めます。
アンリ54世
そ、そんなところから媚薬が…!? 性癖にささりすぎて辛抱たまらん…。
樋口先生の初期の代表作「ムシシリーズ」!節足動物擬人化ファンタジーということで、特殊すぎる設定に最初は「え、虫!?」と思ったのですが、これがまた萌えシチュのオンパレードなんです!
なかでもお気に入りはこの2作目。ハイクラスのクロオオアリの綾人とロウクラス種で絶滅危惧種のクロシジミチョウの里久のカップリング。
蟻酸をもらわないと生きていけないクロシジミチョウは、クロオオアリを酔わせてクロシジミを守らせるため乳首から甘露がでるという!
さらに、すれ違い、両片想い、天涯孤独の受け、身分違いの恋、攻めのために尽くす受け、受けを嫌いになりたいのにどうしても好きな攻め。どうしよう、好きな設定しかない…。
ももんが
爽やか時々イジワル! 優しい兄はヘタレ攻め!?
父を亡くし、父の後輩である久代に引き取られた篤史にできた義兄・忍。読みはじめのほうは忍のことを何でもできる大人で、女性にモテて、でも時々篤史にいじわるだな…みたいな印象を抱くんですが、読み進めていくと「こんな一面を隠していたのか⁉」と驚きます。この義兄、めちゃくちゃヘタレだし子どもっぽいし……でもそこが人間らしくて魅力的なんです。
篤史が義父・久代への想いと、義兄・忍への想いがどう違うのか悩む様子に、愛とは何か、家族愛と恋の違いは何かと考えさせられます。
いかがだったでしょうか?
樋口先生作品を読むと唯一無二の世界観と「愛とは何か」を問うようなメッセージ性に引き込まれます。
また先生といえば健気受けがとても多い印象ですが、同じ「健気」でも登場人物の心理描写から個性が伝わってきて、どんどん好きになっちゃいますよね。
ぜひみなさんの好きな樋口先生のBL小説も教えてください!
担当BLソムリエ:アンリ54世 |
担当BLソムリエ:ももんが |