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風俗BLに欠かせないのが、このデリヘルが登場する作品です！ デリヘルとはデリバリーヘルスの略で、キャストが客の自宅や指定されたホテルに出張し、性的サービスを行う業態のことを指します。水商売系の作品の中でも、デリヘルが登場する作品は他のジャンルに比べて多いので、ほとんどの方が作品を読んだことがあるのではないでしょうか。今回はそんな数ある作品の中から、心理描写が秀逸な裏社会が舞台の作品をご紹介します！

あらすじ
平凡なサラリーマンだった柳井真は半年前、親友の連帯保証人になり3千万の借金を抱えてしまった。借金を返すため男娼になった柳井は質の悪い客の相手をする日々に耐え、慣れない"男とのセックス"を繰り返している。そんなある日、偶然出会ったヤクザの牧に5倍の価格で専属の男娼にならないかと持ちかけられ――。

溺愛攻めが好きな方におすすめしたい執着囲われラブ！ 借金返済のため、ヤクザの牧と専属契約をした男娼の真。お金をもらえればそれでよかったはずが、牧のことを知っていくうちに徐々に心を開くように……！ 普段はクールで人を信じられなかった真が、付き合った後はベッドの上でも甘く素直に乱れる姿に萌えずにはいられません♥

また、一目ぼれして拉致という強引な出会いでしたが、真の許しが出るまで挿入はしないという実は律儀な牧。ヤクザの凶暴な一面と、真の前で見せるワンコのような可愛らしい一面のギャップに母性本能がくすぐられます！ さらには独占欲が強く、真の首に自分の名前を彫ろうとするほどの執着ぶり(笑)。書きおろしでは、その後の2人の溺愛ライフが見られるのでそちらも注目です。

殺し屋×娼夫

『イトウさん』作：冥花すゐ

あらすじ
毎週火曜の夜、娼夫・キョウスケのもとに通い夜明けまで他愛のないことを語り、帰ってゆく謎の男"イトウ"。ある日、アタッシュケースに一杯の札束を持って「仕事をやめて好きなことをしてほしい」とキョウスケに手渡そうとするが……。闇社会に鮮血と硝煙の舞う、美しきノアール・コミックの旗手、
"冥花すゐ"初のＢＬ単行本で登場!! 支配と被支配の学園SMも同時収録。

一度読んだら忘れられない、衝撃作品。殺し屋と男娼というと一見どろどろとした関係性を想像してしまいますが……本作はまっすぐな恋を描いた純愛ストーリーとなっています！ 闇社会で生きる残酷な部分も描きつつ、そんな血生臭い世界の中で芽生えた、”恋”というものの儚さや美しさがじんわりと心に染み渡り、ラストシーンは号泣必至です。

幼いころから当たり前のように体を売り、何に対しても、何の感情も湧かなかった娼夫のキョウスケと、機械のように何度も人を殺めてきたイトウ。そんな2人が偶然出会い、どう変化していくのか……ぜひ2人の結末を本編で確かめてみてください。ダークな雰囲気の作品なので、中級の中でも比較的上級に近いと思われますが、ストーリー重視の方にはおすすめしたい読んで悔いなしの作品です。

最後にご紹介するのは、娼館が舞台の作品です！ 娼館とは、対価をもらい性行為を行う場を提供する娯楽施設のことをいいます。こちらは挿入も可能なので、設定としてはもっともエロティシズムを感じます……♥ また、世界観が独特な作品が多いので、ひとたびページを捲ればあっという間に引き込まれてしまうこと間違いなしです！

あらすじ
ルールはイかせないこと挿入しないことそして、絶対に恋に堕ちないこと──。
性を謳歌する男娼達の楽園で、試情夫として雇われた訳ありノンケのアポロ。試情夫とは、男娼達を愛で、客を取る前の心身をほぐして昂ぶらせる疑似愛人役のこと。教育係の男娼フィーに仕込まれることになるが……。

あまりの美麗さに鳥肌が立ってしまうほど、色使いや構図、質感など細部までこだわりぬかれた表紙に目を奪われます。そしてタイトルの”シャングリラ”とは、本作の舞台となる男娼ばかりを扱う会員制の娼館を指します。そしてこの娼館には、ある独自の仕組みが……それは男娼たちの心や体をケアする”試情夫”が存在すること！ 今までは娼館と聞くと、男娼たちは手荒な扱いを受けているイメージでしたが、シャングリラはまさに楽園です。そしてそんなシャングリラに試情夫として雇われることになったアポロと、アポロの教育係となった奔放な性格で褐色肌が美しい男娼のフィー。

一番のポイントは、キャラの心に踏み込んだ人物描写です！ 言葉だけでなく、手や目でも語るキャラたちの心理描写にお話が進むにつれどんどん引き込まれます。一筋縄ではいかない2人が今後どう距離を縮めていくのか、続きが待ち遠しいです！

貴族のα×娼館で働くΩ

『オメガ高級娼館 ロニー男爵とお月さま』作：古川ふみ

あらすじ
貧民街で育ったオメガのアイチャは、人買いに売られそうになっていたところを、貴族でアルファのロニーに助けられた。ロニーの強い思いで保護されたけれど、身分差を気にする家のものや周囲の反対で、一緒に暮らすことはできない。けれど、衣食住や教育、家族のような愛情をロニーは一心に注いてくれた。ロニーの知人が経営するオメガ専門の娼館で、公娼のお世話などをする下働きとして働くことになったアイチャ。ロニーは父親のような気持ちで、足しげく逢いに来てくれる。ロニーに長い片想いをしているアイチャは、素直にその気持ちを喜べなくて――。身分差の片想いを伝えられないアイチャは、深く憂う日々が続いて――。オメガの娼館を舞台に繰り広げられる、純愛オメガバース!!

控え目であまり感情を表に出さないアイチャですが、ロニーに一度でもいいから息子としてではなく求められたい……という思いから、ある日下働きではなく公娼になることを決意します。真っ直ぐひたむきにロニーを思い、自分を変えようとするアイチャの姿に、「頼むから幸せになってくれ……」と祈るようにして読んでしまいます(笑)。そして最後、ロニーへ素直な思いを伝えると同時に別れを切り出すシーンでは号泣必至です！

また、ロニーも今まで息子として溺愛してきたアイチャに別れを告げられ、初めて自分の本当の気持ちに気付きます。アイチャにとってロニーは自分を救ってくれた大切な人であるように、ロニーにとってもアイチャは宝物のように大切な存在であることがひしひしと伝わってきて、心がじんわりと温かくなります。娼館を舞台に繰り広げられる、ピュアで優しい純愛ストーリーをぜひ手に取ってみてください！