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異論は認めません!? 私のイチオシはこれ!22

2011/01/11 00:00

新刊の中から、話題になっている作品、私のオススメ作品などをピックアップして紹介します。視点は少々(いや相当?)偏っていることもありますので、ご注意くださいませ?。
2010年12月は榎田先生の交渉人シリーズや志水先生の是など、大人気シリーズの続編が出ました。そちらはもうここでオススメするまでもなく絶賛されているかと思いますので、今回はこちらの新人さんの作品を取り上げてみます!

■天国に手が届く/著者:夕映月子/挿絵:木下けい子/Dear+文庫

出向先の会社で、佐和俊幸は憧れの存在だった小田切敬介を見つける。
大学時代、有名な登山家だった敬介の叔父・小田切叶と一緒に登っている姿を見て以来、佐和は小田切に惹かれていた。
今は亡き叶から託された言葉をずっと大切にしてきた佐和は、その言葉を胸に、小田切の冷たいあしらいにもめげず、一緒に登りたいと声をかけていた。
偶然も重なってなんとかその願いは叶い、それ以来ふたりは共に登山するようになっていたが、佐和は山登りのパートナー以上の気持ちを小田切に持つようになってしまい…。
という、登山を通して恋愛が発展する話です。
子供の頃から山の魅力に取り付かれていた佐和にとって、素質と才能に恵まれた小田切は憧れの存在。
手に届かないところにいる人のように感じていたのですが、以前叶に言われた言葉が佐和を動かします。
でも、小田切は佐和を拒む態度を取りつづける。
それは、家族とうまくいっていなかった小田切にとって、山の魅力を教えてくれた叔父の叶は特別な存在だったから。
その叶が山の事故で亡くなってからは、山でも日常生活においても心を許すパートナーを作ろうとしない小田切にとって、突然現れて叶の名前を出し、山に誘ってきた佐和は不愉快でしかありません。
でも、1度一緒に山に登ると、ふたりの関係は変わっていきます。
自然とお互いの呼吸が合い、感動を共有できるパートナーである事を小田切も佐和も感じていて、機会がある事に一緒に山を登るように。
そうした中で、佐和は自分が小田切に向ける興味や独占欲に気付きますが、それを形にして今の信頼関係が壊れてしまうのを恐れて見て見ぬ振りをしている。
互いへの信頼や尊敬があり、なおかつ山に対する姿勢やリズムも合っている相手。
そんなパートナーがそう簡単に見つかるものではないので、佐和が気持ちを告げられずにいるのはよく分かります。
なんだか、パートナーに求めるものが恋愛に近いですよね。
佐和の場合、最初から憧れがあるので、小田切への関心が恋愛感情に近いものになってもおかしくない。
そして、もうひとつこの話で重要になっているのが、小田切の変化です。
ただひとり心を許していた叶が亡くなって以降、ずっと小田切は孤独を抱えている。
佐和が現れたことで、ようやく前に進むことができます。
普段はしっかりしている男の人が、弱い部分を見せる場面にドキッとさせられる。
そんな顔見せられたら惚れてしまいますよ…。
山を通して、ふたりの心の変化が丁寧に描写されていました。

山の描写が生き生きしているなぁと思ったら、ご自身も登山されるということで納得!
夕映先生はこの作品がデビュー作ということですが、硬派な中にも萌えのポイントをしっかり押さえた話の作りで、安心して読めました。
今後注目していきたい!

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海とか山とか、圧倒的な自然を目にすると感動してしまう感覚と同じで、BLでもこうしたテーマは無条件に惹かれてしまいます。
静かな中にある力強さに心掴まれる。
そして、仕事とかスポーツとか、男同士だからこそ生まれる信頼関係から恋愛に発展する話は、萌えの原点のひとつなのではないかと思います。
そんな山岳ものBLの中から、オススメをもう1作品取り上げてみました。


■ 暁の高嶺で/真崎ひかる/高峰顕/シャレード文庫

音羽史規が富山県警山岳警備隊に入隊して3年目の春。
史規は、海外へ研修のため渡っていた、大学時代の先輩であり、恋人だった高代雄大が2年ぶりに警備隊に復帰したことで動揺していた。
何事もなかったように接してくる高代に、史規の苛立ちはつのっていくのだが…。

形としては、別れた恋人との再会モノです。
大学のワンゲル部の先輩で行動力のある高代は、史規にとって憧れの人。
素人だった自分に山の魅力を教えてくれた高代を慕っていたが、ある日酒の勢いで身体の関係を持ってしまう。
それ以来、ふらりと山へ旅立つ高代が帰ってくる場所は史規の部屋で、気持ちを言葉にすることはなくても、史規にとって高代は大切な存在となっていきます。
でも、高代は突然海外へ旅立つ事を史規に告げ、去ってしまった。
傷心を抱えながらも、山の魅力から離れられなかった史規は山岳警備隊に入隊しますが、2年後、高代が海外から戻ってきたことで再び高代に心が振り回されはじめます。
高代のマイペースぶりは酷いですね。
でも、すれ違いの原因は高代だけじゃなく史規にもある。
特に再会後の史規は、高代に反発しながらも惹かれてしまう心と、それを認めたくない気持ちで不安定になり素直になれずにいるので、どんどん空回りしています。
お互いに言葉が足りなくて読んでいてもどかしいけど、この史規のツンツンした所がこの話の魅力に繋がっていました。
史規が大人しくて健気な男だったら面白さも半減だったと思いますが、史規は山岳警備隊にいるだけあって逞しいし、性格もきつめ。
高代だから受けているけど、史規は元々ノーマルで相手に困ることも無いような男らしい男なのです。
それなのに高代には弱い。そこが可愛くて仕方ありませんでした。
高代はもっと史規を可愛がったらいいよ!ツンツンさせたらいいよ!

山岳警備隊を舞台にしたシリーズの第2弾となる作品で、カップリングとしては3組目となります。
このシリーズ、恋愛面だけを見るとシンプルなのですが、壮大な自然を舞台にしているだけで説得力が違うな!と感じさせられる。
自然を相手にして身体張って働く男は無条件にかっこいいですよね。
こちらの山岳BLシリーズもオススメです!

紹介者プロフィール:にゃんこ
長い冬眠期間を経て数年前に復活。内容はもちろん大切。でも萌えるHも大好物! 心躍る萌えを求め、腐海を彷徨う流浪の腐女子。 小説&コミックスを中心に、BLCD、BLゲームなども含めた感想をブログで書いていますので、そちらもよろしくお願いします! http://macnyanko.blog22.fc2.com/

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