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人生を狂わせる……魔性の男「オム・ファタール」

2024/06/29 18:00

男を破滅させる男?!?!なにそれ最高じゃん

 

 
突然ですが筆者、人の人生を滅茶苦茶にする人間が大好きで……。
顔の良い男がなんでもないことのように他人の人生をハチャメチャにする一連の流れからでしか得られない栄養素がありますよね(※個人の感想です)
 
そんな「他人の人生を無自覚に滅茶苦茶にする男」を表す単語――オム・ファタールをご存知でしょうか?
この言葉を知った瞬間、私の言語化できていなかった推したちの共通項が一挙に鮮明になりました。
 
今回はオム・ファタールの魅力や、作品をご紹介! ぜひ満を期して、明日から是非声高に叫びましょう!
 
「私の性癖はオム・ファタールですっ!!!!」

 

◆目次◆
オム・ファタールとは?
オム・ファタールの魅力
オム・ファタールが出てくる作品

 

 

 

「オム・ファタール」聞きなじみがないかもしれませんが、ファム・ファタールならば聞いたこともある方も多いのではないでしょうか。ファム・ファタールは「男性を破滅させる女性」のことを指し、男性バージョンがオム・ファタールです。
 
ただし、BL的に捉え、この記事では男性が男性の運命を狂わせる人間をオム・ファタールと定義づけましょう。

そしてこのオム・ファタール、ただ人生を滅茶苦茶にする人間を指すのではなく、関わる人の人生を台無しにさせるような圧倒的な妖艶さ、そして人を意のままに操る手腕etc……を持つことが条件なのです!!!!!

 

 

ここまで読んだ皆さん、オム・ファタールのことをただの顔がいいクズ男だと思っていませんか?

 

 

いやいや違うんです!!!! 彼らは恐ろしい魅力を持つド沼男なんですよ!!!!!(クソデカボイス)

 


オム・ファタールの魅力は何と言ってもその奔放さ!! さながら光に集まる蛾のように、周囲の男たちは彼の美貌に群がるのでどりみどりであることは言うまでもないですね。そして性的なことにとどまらず、生活における行動までもが奔放であることも……。

 

昨日まで仲良くしてたのにある日ドアを開けたら部屋が空っぽ、みたいなこともあり得るわけですよ!! 手に入れられそうだと思ったら逃げていくオム・ファタール。そんな儚い存在を繋ぎ留めたいと考えるのは必然とも言えますね。



艶やかな見た目もオム・ファタールの魅力の一つ!!! ただ美しいだけではなく、妖艶な表情や体が特徴とも言えるオム・ファタール。思わず触れたくなる体とは裏腹に、笑う瞳には仄暗い未来を宿しており、触れれば最後、待つのは破滅……。

 

そう、イケメンが自分の見た目の美しさを理解しているんですよ!!! それだけで褒め称えたくなりませんか?


オム・ファタールが出てくる作品の別方面の楽しみ方として、彼らの周囲の人間模様にも注目。どうしようもなく魅せられる男たちに憐憫の情を抱くと同時に、共感もしてしまうこと間違いなし。

 

愛しの彼がいなくなった部屋で一人悲しく泣くモブ男①に「ワカル~~!! だめって言われてもあんだけイケメンだったらしょうがないよね……」と謎の共感をしながら読むと二度美味しいです。個人的におすすめの読み方です。



そんな魔性の男、オム・ファタールが出て来る作品をご紹介します♥

 

 

あらすじ

昼は気丈な社長
夜は淫らな娼婦
側近ゴーストデザイナー×淫靡で健気なミューズ
パリのファッション界で、一躍名を馳せた女性靴ブランド・アバルキン。
その急成長の裏には、秘密があった。
それは淫らな肢体とむせ返るような色香で業界人を惑わす、美しき青年社長・ユーリの枕営業…。
そんな娼婦まがいのことを夜ごと繰り返すのも、すべては愛しい側近のゴーストデザイナー・アダムの夢を叶えるため。
彼を繋ぎとめられるなら、たとえ利用されていても構わないと気丈に身体を差し出すユーリだったが―――。
独占欲に葛藤するゴーストデザイナーと歪んだ愛を捧げる健気なミューズのめくるめく逆転主従ロマンス・ストーリー。

 

パリのシューズブランド・アバルキンのお飾り社長であるユーリと、ゴーストデザイナーであるアダム。ユーリはその美貌を活かして重鎮たちに身を売り、アバルキンはファッション界のトップまで上りつめます。

 

本作でぜひとも考えてほしいのは、「オム・ファタールは誰か」という点です。一見するとユーリがまさしくオム・ファタールでしょう。しかし誰が誰の人生を滅茶苦茶にしてしまったのか、という点から考えると、ユーリよりもアダムこそ……なんて思考もできてしまいます!!!!!(歓喜)

お互いに人生をぐちゃぐちゃにしあう関係性が見たい人におすすめです!!!!


 

 

あらすじ

小説家の愛人として暮らしていた櫓木卯一は、借金の取立てにきたヤクザ・大和明虎と出会う。
人気作「四代目・大和辰之」の前日譚。

 
これぞまさに! といったオム・ファタールが読めるのがスカーレット・ベリ子先生の『ジェラシー』シリーズ! 過去の卯一は半田という男と関係を持っていたのですが、1巻の最後では……。他にも様々な男と関係を持っていますが、そのどれもがあまり幸せな終わり方をせずに別離してしまっています。

 

そんなつかみどころのない卯一ですが、実は寂しがりやな一面があるなどのギャップで読者を掴んできます。奔放でしたたかな印象を持たれやすいオム・ファタールですが、本作では本当の彼の内面までしっかりと描かれている作品です。



 

 

あらすじ

駆け出しのタトゥーアーティスト・夕路の元に舞い込んだ一件の依頼。
それは、美術界の巨匠・泰泉の名画をミチルの体に彫るというもの。
泰泉が囲い育てた専属モデルのミチルは、顔、体、その存在自体がまるで芸術品のように美しかった。
美人ゆえの傲慢さを身に纏ったミチルだが、浮世離れした環境で育った彼は純真無垢で、少年のような愛らしい一面も持ち合わせていた。 ミチルの白く艶めかしい体に墨を入れる瞬間、夕路は自分の中で沸き起こる欲望の気配を感じた。
“外もナカも、彼に俺を刻み付けることができたら――…”

 
ミチル本人自覚的かは定かではありませんが、関わった人間がミチルの体の虜になっていく様をオム・ファタールと呼ばずしてなんと呼ぶのでしょう!!!!!

 

クライアントであるにも関わらず、ミチルに思わず手を出してしまう夕路や、ミチルが思い通りに動かなかったときに独占欲を爆発させてしまう泰泉。人生を破滅させるとまではいかないでものの2人の芸術家たちがミチルと出会うことで、歩む道が変わってしまったことは間違いないでしょう。

 

******

いかがでしたか?
あまりにも罪深く、蠱惑的な存在であるオム・ファタール。彼らの生態と周囲の人間関係を窓からじっと眺めていたい……。

では最後にもう一度。

「私の性癖はオム・ファタールですっ!!!!」

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