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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2023/09/17 16:00
第二次世界大戦を舞台に、特攻隊の男達を描いたamase先生の『蛍火艶夜 上』。現在、話題沸騰中の作品を今回は皆さんに紹介しちゃいます!!!
本作はタイトルの通り、今の私達では想像もつかないような生活を送っている彼等が、夜にだけ蛍のように見せる"艶"を描いた作品になっています。その光は一瞬で今にも消えてしまいそうだけど、どれもひとつひとつ意味があって大切で…読者の心をつかむこと間違いなしです!!!
STORY
時は第二次世界大戦末期。苛烈な争いのなか、國の為、自らの命を武器に闘うべく募られた特別部隊。“神風特別攻撃隊”――……。焦燥、憧憬、苦慮、希望、そして慕情。生命の灯が揺らぐ日常で、魂をぶつけあう漢たちの秘められた夜6編に加え、特別描き下ろしを1編収録。濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の上巻。
読むのに心の準備が必要かも!? と思ったそこの貴方!! 安心してください。この作品は、テンポよくコミカルに描かれている場面もあったり、オムニバスストーリーなので息継ぎのタイミングも豊富です。その反面、辛い! となったら違う種類の辛い!が後追いしてくるかもしれませんが、それがこの作品のおいしい所なので、是非味わってください。
これは私の個人的意見ですが、沢山の人間が溢れかえっている空間を、それぞれのキャラクター目線でかいつまんで読者に届けてくれる形の作品は、より一層その世界や話に深みを与えてくれますよね。そんなオムニバスですが、時代背景的にも『蛍火艶夜 上』に合っていて、作品のメッセージが読者様それぞれに響き伝わる何かがあるかもしれない、と思いました。
では早速、そのストーリーの数々をご紹介していきます!
◆目次◆
1.田中志津摩一飛曹編
2.橋内和中尉前編/後半
3.八木正蔵中尉前編/中編/後編
4.淀野と八木
ノンケ眼鏡で新聞社報道記者の淀野が、特攻隊員を撮りに現地に向かうと、そこで出会った誘い受けワンコの田中志津摩に魅了されていくストーリー。
作品1つ目のお話ということもあり、主軸になっている2人ですが、この受けの志津摩が特に作中の鍵になってくるキャラクターで、本当に魅力的なんです!!! ノンケの淀野がどんどん彼へ心酔していくのを見ていると、分かる……分かるよ……と、彼に同情してしまうほど。
残される側の人間と、残していく側の人間。それぞれの覚悟と想いが描かれたこのお話は、個人的に志津摩のいじらしさが1番印象に残っています。”いじらしい”と表現する理由は、1冊読み切ると改めてわかるんですが、彼が淀野に対して煙草をせがんだり、特別に秘密をばらしてしまったり、これから去っていくのに淀野の心に沢山のモノを残していくんです…。そんなの、ずるいよ!! と、思わず声に出してしまうシーンでした。
年下ほだされ系塚本太郎が、年上で健気な橋内和に突拍子も無いお願いをされるお話です。塚本は困惑し、1度はお断りをしてしまいますが、次第に心情に変化が現れて……?
次の2人は、他のお話よりも甘めで、それがより一層切なさを引き出してくれている、そんな作品となっています。年下攻めという事もあり、和さんのお願いに真剣に応えようと考え、実行していく塚本の健気さに心を動かされる人も少なく無いはず!!
いざ2人が行為に至った時に、普段は周りに指示を出しているベテラン操縦士の和さんが生娘の様な反応を見せる所が個人的にぐっときます。この2人はコミカルな部分もあり、おもわずくすっと笑ってしまうシーンもしばしば。そんな彼らだからこそ、どこか身近に感じてしまうのかもしれません。そういえば、特攻隊なんだよな……と一気に心をぎゅっと捕まれるラストもお見逃しなく!
やつあたり制裁で有名な八木正蔵が、ある夜をきっかけにまだ二飛曹だった頃の田中志津摩にゆっくりゆっくりと心酔していく…切ないすれ違いストーリー。
田中志津摩一飛曹編に出てきた志津摩の過去に迫るお話です。あまりにも切なく、もどかしい2人の物語を前・中・後編でたっぷり収録。お互いの心の隙間を生きている間に必死に埋めあっているのに、正直な心情は互いに語らない……そんなすれ違った2人の行為は他の誰よりも濃厚でしっかりと描かれています。
乱暴で周りから恐れられている八木さん、そんな彼の優しくて不器用な所に気付き、行為を必死になって受け入れる志津摩……2人の関係性は本当に見ていてもどかしいです。ラストのシーンで、ここであの志津摩に繋がるんだ…!! と発見があり、それにより一層苦しくなります。
なんと特別描き下ろしのこちらは、"22年後"の日本が舞台のお話です。
22年後、それって…!?!? となった貴方、正解です! ここでしか読めない未来で語られる真相と、22年という長い年月を経ても尚出てくる田中志津摩という名前。彼の存在が男達の心にどれだけ深く残ったのか改めて気づかされるストーリーは、是非お手にとって実際に読んでいただきたいです!
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収録されている4つのお話をかいつまんでご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
明日には自分はここに居ないのかもしれない、そんな不安を抱えながら日々を暮らす…amase先生の濃厚なタッチで描かれた、現代の私達では想像もできない環境の彼らのお話の数々。それらはどこかリアルで、必ず心に響く何かがあると思います。少しでも興味が沸いた貴方は、いつかとは言わずに是非今すぐに読んでみてください!