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年下攻め？いやいや、年上攻めも“いい”んです

「ズルい大人」って、単語だけでえっちじゃないですか？？？

BLを読んでいて「うわ～ずるいな～～～(好き)(天井を見上げる)」という攻めに出会うことがよくあるのですが、そもそも“ずるい男”ってどういう人のことを指すのでしょうか。

ネットで調べてみたところ、以下のような特徴があるそうな。

・曖昧な関係を続ける
・言葉の選択が上手
・思わせぶりな態度をとる
(参考：「ずるい男の特徴9こ！恋愛心理やモテるテクも！逆手にとって落とす方法も！ | YOTSUBA[よつば]」)

 

は～～～んなるほど？ 好きですけど？？

そんなずるい大人が年下の受けに惹かれて、からかったり優しくしたりして効果的に距離を詰めていく過程がたまらん……。大人ならではの包容力や余裕、それに加えてたまに見せる弱みなんかを武器に受けちゃんをほだしていっちゃう大人たち……趣深すぎて短歌に詠まれるレベル。
ということで今回は、ズルい大人というワードに注目しながら年上攻めBLをたっぷり紹介していきたいと思います♥

◆目次◆
1．駆け引き上手なカフェ店主
2．売れて迎えに来てくれる系バンドマン
3．秘密を抱えた逃亡者
4．かっこよくてちょっといじわるで…でも大好き！ な憧れの兄さん
5．弟への執着を拗らせる不器用な兄貴
6．ゆるさの中に彼氏力が光るアラサーリーマン
7．存在が罪！ なイケおじ

 

駆け引き上手なカフェ店主

『星だけが知ってる』作：古矢渚

こちら健吾さんは、絶賛失恋中の大学生・そらくんの涙を見て不意打ちキスをかましてくるという初対面からオセオセの大人。受けの弱みにつけこんじゃう感じがずるい大人ポイント高いですねーーー！ さらに、その後も持ち前のコミュ力で健吾さんの働くカフェに客としてそらくんを招き入れちゃう強引さ。よき。

ここまでグイグイ来てたかと思いきや、キスしたことを真摯に謝ったり、初日以降カフェに通うことを強要しなかったり、お家に招いても無理に襲わなかったりと、押しと引きのさじ加減が絶妙.....っ。ポイントの加点が止まりません。

だんだんほだされるそらくんに再びキスしようとし、「もうやめてくれませんか」という受けの苦し紛れの返しに一言。
そらくん、完全に向こうペースにのまれちゃいます。仕方ない、これは相手がやり手すぎる。勇者(レベル1)が魔王に立ち向かっていくくらい無謀だ……。
コミュ強で駆け引き上手なずるい大人とそれに翻弄されるほだされ大学生受けのやりとりが楽しめる、最強に尊い本作をぜひコミックスで♥

売れて迎えに来てくれる系バンドマン

『アバウト ア ラブソング』作：夏野寛子

ぼさぼさ頭の売れないバンドマンて一番関わっちゃいかん大人やん……。さらにあふれんばかりの気だるげな色気がぷんぷん。こんなんずるい大人の匂いしかせんて……(頭をかかえる)。という我々の予想はもちろん的中。さらにお相手の星名のバイト先の後輩にあたる瀬戸くんは、爽やかで健やかなキラキラ男子高校生。いやーー、不純同性交友じゃーーん(大歓喜)！！！

しかし、なんやかんやで一夜を過ごしてしまった後日、瀬戸くんが高校生であることを知った途端、冷静に戻り距離を開け始める星名。てめーー、うちらの瀬戸くんをヤリ捨てかい！！ 許さんぞ！！ と思ったものの、そこから瀬戸くんへの想いをしたためたラブソングをヒットさせ紅白歌手になって卒業後の瀬戸くんを迎えにいく王子さまっぷり。ずるい、そんなん誰も勝てん。

極めつけに、再会してもなかなか手を出さない星名に痺れを切らしてクラブで遊びまくると宣言する瀬戸に対して、そっぽを向きながら「心配だからクラブにはいかないで」と嫉妬心丸出しのずるい一言。自分は手え出さんくせに、他の奴に出されるのは嫌ってか……、かわよよ(遠い目)。
だめなのにやっぱりかっこよくて惹かれちゃうずるい大人殿堂入りＢＬです。

秘密を抱えた逃亡者

『さよなら共犯者 (上)(下)』作：あがた愛

 

STORY
大手企業の跡取り息子・はじめは、家柄ゆえに何となくクラスに馴染めず、
かわり映えしない日常を送っていた。そんなある日、はじめはヒロセと名乗るスーツ姿の怪しい男と出会う。自分のことを何も知らない相手に居心地のよさを覚えたはじめは、「追われている」と冗談交じりに告げるその男に、すっかり心奪われてしまう。けれどヒロセは、いつどこへ行ってしまうかも分からない。不安を抱いたはじめは、家出同然でヒロセに着いていくことを決めるが……? 少年の青春と大人の葛藤が絡み合う、年の差・逃避行ロマンス。

 
無精ひげ、煙草、草臥れたスーツという三種の神器を携えたヒロセは、まさにずるい大人の代表格！ 自分のことは多く語らず、かと言ってグイグイと距離を詰めてくるはじめを冷たく突き放すこともしないヒロセ。シュークリームを食べたはじめの口にクリームがついてしまう場面では、穏やかな笑みを浮かべ、優しく指で拭いとってあげる120％の包容力を見せつけてきます。

 

ヒロセに触れられたことに動揺し、その日は逃げ出してしまうはじめ。後日ヒロセと会った際、「人に触られるの嫌なのかと思ってた」と言われ「違う！それは…」と口籠ってしまうのですが、そこに追い打ちをかけるようにヒロセが一言……。

 

「それは？」

 

ピピピ～！ ずるい大人警察で～～す！ 今の発言、どういう意図か教えてもらってもいいですか～～!?※この警察は「…本気なのに」にも出動しています。
大人の余裕を感じさせつつも、次第に無垢なはじめにどっぷりと浸かっていってしまう大人、ヒロセ。はじめが持つキラキラとした若さと相まって年の差BLの醍醐味をたっぷり堪能できる至高の一冊となっております♥

 

かっこよくてちょっといじわるで…でも大好き！ な憧れの兄さん

『拝啓、兄さん様』作：田倉トヲル

こちらの作品はリアル兄弟モノ。禁断の愛をテーマにしているため内容が重いのかな……と思いきや、2人が過ごす舞台が田舎の夏で、とても爽やかなんです。そんで、稔がまーじで理想のお兄ちゃんすぎて、こんな兄欲しかったというオタクの願望が詰まってる！ まずは、イケメン、高身長、大人っぽい、ちょっといじわる、そんな完璧お兄ちゃんがワンコのように懐いている弟くんを、からかいつつも溺愛しているのが尊いんですよねーーーーー！！

「お手てつないで帰りますか？」とからかってみたかと思えば、「お前に泣かれるのが本当に堪えるんだ」と真剣になったり、ジャブとストレートパンチを交互に繰り出す兄のこなれた態度に終始弟くんと一緒に振り回されっぱなし……(最高)！
頭ぽんぽんは常のこと、ナチュラルお姫様だっこやハグなど、無意識に距離感近いのもズルい……！！

けど、本気チューもされちゃって(コミックス必読です！)、もう無理、兄弟じゃいられない、好き！！！ となった弟くん(とオタク)に対して、「兄弟離れしませんか？」と急に突き放してくる感じね、ふーーーーーん、や、やるじゃん(涙目)。からかったり本気になったり、近づいたかと思えば離れていく、こんな憧れのお兄ちゃんに振り回されたい人、全員集合！ な作品です。

弟への執着を拗らせる不器用な兄貴

「兄貴あれなんだったの」作：はなぶさ数字

すみません、続けてガチ兄弟モノの作品の紹介となります。完全に筆者の趣味です、はい……。表題作『めんどくさいけど愛してる』の同時収録作品となる本作、こちらの兄貴である楽は、上記の稔兄とは一味違い、寡黙で不器用なタイプ。弟くんのことが好きだと早い段階で自覚しているため幼い頃から距離を開けていて、弟の仁とは互いにこじらせている関係にあります。

この兄がなかなか真っすぐに愛を伝えることはないのですが、ほんとに仁のことが大好きで、気弱な仁が友達関係で悩んで不登校気味になっていたら、口では「ずっとうちにいてずりぃんだよ」と言いつつも双子だったらもっと近くにいられたのに……と実はめっちゃ気にしてる感じがとても不器用！ だがそこがいい！

そんな不器用こじらせお兄ちゃんのずるいワードは「こんなの1人じゃ耐えきれない、怖ぇよ仁……」とぎゅっと抱きしめての一言！ 長い年月を経て結ばれた2人ですが、兄弟であることで世間の目や家族との関係の変化を恐れる楽が本音をこぼしたシーンです。いつも飄々としている兄貴の弱さとか、ほだし力MAXすぎてやられました……。ぜひ皆さんも続きはコミックスできゅんきゅんしてください♥

ゆるさの中に彼氏力が光るアラサーリーマン

『また明日会えるよ』作：奏島ゆこ

 

国島さんは、強引さとか男らしさみたいな典型的な攻め要素は薄めですが、ゆるめの雰囲気やさりげない気配りなどなんだか居心地よく感じるあったか毛布のようなアラサーリーマン攻め。酔いつぶれている受けを拾って2人の関係がスタートするのですが、そりゃこんな穏やかお兄さんなら受けの木村も心許しちゃうよな～～と納得の空気感があるんですよね。


そんな瀕死のオタクに追い打ちをかけて、ずるい！ 好き！ となったシーンはやはり描き下ろしの、エッチ中にスイッチが入った国島さんが、「やっぱ見えないんで……俺が上になってもいいですか？」といって正常位に組み敷いて、外してた眼鏡をかけ直して受けの身体をガン見するとこですかね……♥

存在が罪！ なイケおじ

『恋が落ちたら』作：上田アキ 

 

 

STORY
“同情なんかで欲情はしません——" イケおじ×お人好しゲイの“パンツ"から始まる恋? ノンケのおじさんに翻弄される—— ある夜、彼氏にフラれた直後の伊瀬の頭上に、なぜかパンツが降ってきた。 落とし主はどこか放っておけない雰囲気のある菱本という男で、 木にひっかかってしまった洗濯物を一緒に取ることに。 お礼がしたいと言う菱本の自宅に上がると、 実は伊瀬のことが気になりワザと洗濯物を落としていたと告げられる。 さらに「おじさんには興味ないでしょうか?」と迫られてしまい——…?
応募者全員プレゼント★描き下ろしコミックペーパー実施中!!

 

お待ちかね、全国民待望のイケオジ・菱本さんです。何がずるいってもう、菱本さんは存在自体がずるいですよね！ 紳士的な振る舞いと言葉選びで着々と受けをほだしていったかと思えば、セッの方では大人の色気の本領を発揮して受けの伊瀬くん同様オタク一同、すっかり骨抜きにしちゃうんですから……♥

皆さん見ましたか!? 2人の初めての営みが開始される時の、菱本さんの手袋の外し方を！！ 急いたように手袋を指でかむあの雄々しさを！ 続けて「ベッドどこ？」と耳元でささやく菱本さんの余裕のなさを！！ かと思えば伊瀬くんがフェラご奉仕中に優しく頭をなでる紳士さも健在というハイスペックっぷり！ かと思えば……！ すみません、取り乱しました。思わず、菱本さんの一挙一動を実況中継してしまいたくなるくらい素晴らしくエッチな初夜だったので……♥

ハイスペックイケおじすぎて存在がチート級の菱本さんですが、特にずるいと思うポイントはいつもは敬語で丁寧な言葉遣いなのに、エッチの時など本気モードになったら急にタメ口になるとこですかね……(遠い目)。教養ある大人だからこそ、言葉責めの破壊力エグいっすよ……その語彙力をぜひ分けてほしいものです。

受けが大好きでちょっかいかけるのに肝心なことは言ってくれなかったり、完璧だと思ってたら不意に嫉妬や弱みを見せたり、終始大人の余裕や色気で酔わせてきたり、様々なずるい大人たちの魅力、共感していただけましたでしょうか！

理性と欲の狭間で揺れる、過程までもを楽しめちゃう年上攻め作品から今後もますます目が離せません……♥

※2023年4月19日(水)追記：本文内に一部誤りがございましたので、訂正いたしました。ご混乱をお招きいたしましたことをお詫び申し上げるとともに、ご指摘いただきましたことを心より御礼申し上げます。