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中村悠一に小野大輔…BLCDキセキの世代「2006年」を振り返る

2022/11/10 16:00

何作わかる?不朽の名作BLCD!!


2006年、あなたは何をしていましたか?
『家庭教師ヒットマンREBORN!』のアニメが放送されたり、ギリギリでいつも生きていたい系アイドルがデビューしたりと、近いようで遠い時代。

そんな2006年、実はBLCDの発売数が最も多かった年
なのです!
こちらの記事
の調査から2006~2008年にBLCD制作数のピークがあったことがわかります。なかでも2006年は236枚ということで、平均すると1か月に20枚近くのCDが発売されたことに。う、羨ましい……!!!!!!(心の叫び)

さらに!! 中村悠一さんや小野大輔さんなど、今やベテランの大物声優さんがこぞってBLCDデビューされた奇跡の世代でもあるんです! みなさまも2006年当時にタイムスリップしたような気持ちになって、声優さんたちのその後のご活躍を追ってみましょう!

※本文中の画像はすべて敬称略

◆目次◆
1.一挙振り返り!2006年何があったかな?
2.2006年BLデビュー組を徹底分析!
 ①BL界の流れ星!!中村悠一さん
 ②イケボ×受け声の魔融合!小野大輔さん
 ③透き通ったドS美人声!立花慎之介さん
 ④アザトカワイイの天才!寺島拓篤さん
 ⑤受け率100%王子が令和にご帰還!?柿原徹也さん
 ⑥変幻自在の声幅おばけ!近藤隆さん
 ⑦年下わんこ攻め界の重鎮!羽多野渉さん
3.まとめ

 

 
さて、執筆時(2022年)から16年前となる2006年。皆さんは覚えていらっしゃいますでしょうか?
参考までに放送アニメで振り返ってみましょう。

『銀魂』
『桜蘭高校ホスト部

『涼宮ハルヒの憂鬱

コードギアス 反逆のルルーシュ』
『家庭教師ヒットマンREBORN!

D.Gray-man

ウッッ頭が……。古傷が疼くラインナップに戦慄しました。友達へのメールや手紙に必ず「オイィィィィィ!!!!!」と書いていた時代が懐かしい(遠い目)。

そんな2006年の人気BLCDはどんな作品だったのでしょうか?

ちるちるのサイト開設は2008年。当時の声をそのままま反映とはいきませんが、2022年現在までのちるちる内累計評価ポイントから、2006年の人気BLCD上位6作をご紹介いたします!!


和泉桂先生の「清澗寺家」シリーズ、崎谷はるひ先生の「ブルーサウンド」シリーズ、英田サキ先生の「エス」シリーズ、鈴木あみ先生の「花降楼」シリーズ、そして榎田尤利先生の小説原作が軒並み上位にランクイン!!!

現在までの累計評価点なので、内容の濃い長編シリーズものの方が後世から評価されやすいバイアスはあるかもしれません。ただ制作コストの高い小説原作が盛んに音声化されたのは、やはりBLバブルという時代の恩恵を感じますね。

余談ですが、2022年現在の主人公交代型の長編小説シリーズCDといえばムシシリーズがあります。10月発売の愛の夜明けを待て!には脇で久々に小西克幸さんもご出演! 鳥海浩輔さんのヒール当て馬としてのご活躍もあり……懐かしさと新しさの同居したキャスティングは要チェックです!


2006年にBLCDで初めてメインデビューを果たされたのがこちらの7名です。

①中村悠一さん初受け抱きしめても怒りませんか?(攻めは千葉進歩さん)
②小野大輔さん初受けきみは僕の恋の奴隷(攻めは浜田賢二さん)
③立花さん初受け蜜的男子(ハニーボーイズ)スパイラル(攻めは遊佐浩二さん)
④寺島拓篤さん初受けきみはかわいい僕の奴隷(攻めは子安武人さん)
⑤柿原徹也さん初受け蜜的男子(ハニーボーイズ)スパイラル(攻めは浜田賢二さん)
⑥近藤隆さん初受け僕の恋の話・ヒメゴト(攻めは平川大輔さん)
⑦羽多野渉さん初攻め僕は君の鳥になりたい。(受けは鈴村健一さん)

それではおひとりずつ、出演数推移、名作BLCD紹介、共演数ランキングとともに振り返っていきましょう!

 
中村悠一さんは1980年2月20日生まれで2001年に声優デビュー。事務所はシグマ・セブン→インテンション。『呪術廻戦』の五条悟や『ハイキュー!!』の黒尾鉄朗、『月刊少女野崎くん』の野崎梅太郎などでお馴染みです。

中村さんの受け比率は約32%(攻め37作、受け16作、リバ2作)。やや攻めが優勢のリバ声優さんと言えます。BLではその艶のある美声を生かして男前キャラやツンデレ受け、スーパー攻め様など色々と演じてくださいました。

そんな中村悠一さんの年別BLCDメイン出演数グラフはこちら↓


2010年はすべて続編なので、主な活動時期は2007~2009年。この3年間で多くの名作を生みだした中村さんのBLヒストリーを追っていきましょう。

☆ターニングポイント1:2007年
不朽の名作・刑務所BL『DEADLOCK デッドロックの主人公ユウトを熱演!
麻薬捜査官のユウトが冤罪で刑務所に収監されてしまう所から始まる本作。2007年だからこそ実現できたガチキャスト陣の個性派脇役にも要注目!

治安最悪な監獄で奮闘!?スリリングなハードボイルドBL

DEADLOCK デッドロック』原作:英田サキ

 

何が凄いって、中村さんの美声が洋画のような雰囲気を醸し出しつつ、強気ツンデレ受けの可愛さも悶絶級なんです。同室のディック(cv.安元洋貴さん)と徐々に距離を詰めてお互いの秘密を知っていくのがたまらん……焦らし上手さんめ……。硬派なストーリーの面白さとBL的萌えが見事に両立されているのが今も続く人気の秘訣だと思います!

☆ターニングポイント2:2008年
2008年に中村さんはご自身最多の20作にご出演!

窮鼠はチーズの夢を見る(お相手は遊佐浩二さんリバ)

実写映画化もされた痴情のもつれ劇。元々商業BLではなくレディコミとして連載されているので女性も肉体描写込みで恋愛に関わるし、攻め・受けは固定されていないし、聴く人によっては地雷のオンパレード。ですが水城せとな先生の人間観察力がずば抜けていて、極めて生々しい人間ドラマが聴ける不朽の名作なんです……!

中村さん演じる大伴恭一は流されやすく、ふらふら女と浮気しまくる優柔不断男。粘着質ストーカー後輩こと今ヶ瀬から迫られても突き放せずに、離れてはくっついてを繰り返し……。極めてタチのわるい男なんですけれども、中村さんの声がつくと人間くささが増してずるい!やっぱり好き!ってなります。情けなさすら愛おしい……。

2008年から続けてセブンデイズ(受けは福山潤さん)。
1週間限定でお試しの恋人ごっこをする男子高校生のお話。イケメンモテ男どうしが真実の愛を知るまで。青春の甘酸っぱさにきゅんきゅんが止まりません……! すこし高めの優しい声が聴き心地良く、丁寧な心情描写も魅力です!!濡れ場がなくても満足度抜群のため、BL初心者さんを沼に落とすのに重宝されたとか。

scarlet(攻めは杉田智和さん)も捨てがたい!! こちらはやや上級者向けです。ヤンデレ浮気者ヘタレ攻め×絆され男前受けの重~い共依存BL流血沙汰なので苦手な方は要注意! 中村さんと杉田さんの相性バッチリの演技で臨場感もひとしおです。そんな男やめなよ……とドン引きしつつ、愛し合う二人の閉じられた世界が伝わって来て圧巻です。



共演数ランキングは1位:立花慎之介さん(7作)、2位:福山潤さん・梶裕貴さん・子安武人さん・阪口大助さん(5作)、3位:安元洋貴さん(4作)でした!

続編もカウントしたので世界一初恋Punch↑アイツの大本命などのシリーズものが強かったです。単純な新規キャスティング数だと福山さんお相手が最多! 全部素敵ですが、ガッツリ絡む中村さん×福山さんCDをお求めの方には花降楼シリーズ第8弾の白き褥の淫らな純愛がおすすめ。

中村さんはずるいですよね、美声すぎて。何か企んでいるのではと疑われたり、完璧さが災いしてサイコパスっぽく見えたりすることもあるけれど、根底にはしっかりと情が感じられます。ノンケを自認するキャラの心情の移り変わりを追うのにぴったりで、芝居の上手い人は芝居が上手いんだなと。
そして実は受け声がかなり可愛い最高に良い男が良い男に抱かれるというBLの醍醐味が味わえちゃいますよ~~~!

 


小野大輔さんは1978年5月4日生まれで2002年に声優デビュー。事務所はマウスプロモーション→フリー。声優界には小野さんも大輔さんも多いため、「小野D」という愛称で親しまれています。

アニメでは『黒執事』のセバスチャン・ミカエリスや『デュラララ!!』の平和島静雄、『ジョジョの奇妙な冒険』第三部の空条承太郎などでお馴染み。個人的には『黒子のバスケ』の緑間と『斉木楠雄のψ難』の燃堂が同じ声帯ということに衝撃を受けました。

小野大輔さんといえばイケボブームを牽引したと言っていいほどハンサムな声の持ち主。意外かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はBLCDだと受け役の方が多いんです! 受け比率は約59%(攻め17作、受け25作、両方1作)で受け寄りのリバ声優さん。男らしさを損なうことなく美人受けを演じられる貴重な存在でした。

そんな小野大輔さんの年別BLCDメイン出演数グラフはこちら↓

 
ガンガン新規に出ていたのは最初の3年。 丁度BLCDの発売数ピーク時(2006〜2008)と重なる形ですね。 短い間でしたが運命的な名作揃いですので早速振り返っていきたいと思います!

☆ターニングポイント1:2006年
2006年、きみは僕の恋の奴隷(攻めは浜田賢二さん)で初メイン受け、BLデビューを果たされた小野さん。早くもこの年に天才的な才能を発揮されます。

さよならを言う気はない(攻めは森川智之さん)
この受けはヤクザで基本的には強引で気まぐれな俺様くん。しかしドラマが進んでくると弱気な傷ついた声妖艶に攻めを誘惑する声長年片思いし続けるひたむきさが伝わってきてギャップ萌えの塊なんです。ヤクザらしく声を荒げるシーンも迫力抜群で……こんなに上手い新人がいてたまるか!!!(歓喜)

また、2007年に発売されたロッセリーニ家の息子 略奪者も受けDさんの美声を堪能できる名作です。森川さん演じるマフィアの首領に攫われ、無理矢理されてしまう硬派な青年を小野さんが好演! 品が良くて男前なのに、事の最中は初々しくてエロ可愛いという奇跡に天を仰ぎました。ロッセリーニ家の息子シリーズは濃厚な王道ラブロマンスで全作おすすめ。特に第三弾の中村さんはTheスーパー攻め様がハマっていて胸熱でした~!

☆ターニングポイント2:2008年
2008年は言ノ葉ノ花にご出演。今度は攻めD! しかもお相手は一緒にラジオ番組をやるなど、交流の深い神谷浩史さんということで、普段BLCDは聴かないファン層の人気も獲得した本作。細かいところまで丁寧に作りこまれており、初心者さんはもちろんBL玄人さんにも胸を張っておすすめできる不朽の名作です。2011年2015年に続編も発売!

豪華コンビが送る、繊細さを極めた世界観に涙

言ノ葉ノ花』原作:砂原糖子

 

「心の声が聞こえてしまう」というドラマCDに向きの設定の本作。昨今だとこちらこちらが話題になりましたが、『言ノ葉ノ花』は泣かせに来るタイプの切ない大人BLです。
小野さん演じる長谷部は朴訥とした一途な年下攻め。心の声が聞こえるせいで人間不信に陥っていた余村(cv.神谷浩史さん)は、裏表のない不器用な長谷部に惹かれていきます。しかし秘密を打ち明けたことで関係性が変わって……?
注目すべきはやはり小野さん演じる長谷部の心の声! 声を作りすぎていない、素っぽい自然なトーンがばっちり効いてます。ちなみに情事の最中も心情がだだもれなので意図せず情熱的な言葉責めに♥

同じく2008年よりネーム・オブ・ラブも話題になりました。小野さん演じる康平はノンケの哲(cv.鈴木達央さん)に長年片思いをしていた世話焼き幼馴染くん。お酒に酔った勢いで抱いてしまいますが……? 小野さんの真摯攻めボイスで「俺が嫌か?」とささやかれて落ちない人いない説
可愛い元彼(cv.梶裕貴さん)も乗り込んできてひと悶着あるものの、常に落ち着いた空気が漂う聞き心地の良い作品です!


共演数ランキングは1位:神谷浩史さん(7作)、2位:羽多野渉さん(5作)、3位:大川透さん(4作)でした! 長編シリーズもののご出演が多かったことがうかがえます。小野さんは出演BLCDの41%が攻め役なのですが、シリーズものとなると受けが多め。

小野大輔さんの濡れ場演技について補足です。痛いところはちゃんと痛がっていて、リアリティの高い喘ぎとの定評があります。原則的にBLはファンタジーなのですが、嘘を嘘だと思わせない小野さんの演技力のお陰で役に説得力が増していくのが素晴らしいですね~~! 性別=受けというよりは、ちゃんと男性のまま喘いでくださるのが好きな方におすすめ!

 


立花慎之介さんは1978年4月26日生まれで2003年に声優デビュー。事務所はぷろだくしょんバオバブ→アクセルワン→BLACK SHIP(福山潤さんとのW社長)。『アイドリッシュセブン』の千(ユキ)や『神様はじめました』の巴衛、『黒執事』のソーマ・アスマン・カダールなどでお馴染み。

立花さんといえば透明感あふれる中性的な美人声が特徴。BLではヘタレやツンデレ受けに始まり、ミステリアスなクール美人、意地悪なドS攻め様まで色々な役柄を演じられています。受け比率は66%(攻め23作、受け46作、リバ1作)。受けがやや優勢ですが、バランスのとれたリバ声優さんと言えます。

珍しい形を描く、立花さんのBLCDメイン出演数遷移グラフはこちら!!!


立花さんは2006年に蜜的男子(ハニーボーイズ)スパイラル(攻めは遊佐浩二さん) で初受け。初攻めは2006年のオヤジがタンスに入るときまたは2009年の世界が終わるまできみとで情報が錯綜していますが、少なくともBLメインデビューは2006年と言えます。

☆ターニングポイント1:2008年
『世界一初恋』吉野千秋役に抜擢!
ご存じでない方に向けて説明すると、少女漫画の編集部を中心に描かれるキュートなお仕事BLです。2011年からアニメ放送もされており、2022年現在も漫画の連載が続く超人気シリーズ。『純情ロマンチカ』同様に究極の新規ホイホイと名高いですね!

さて、立花さん演じる千秋は、無自覚天然たらしの売れっ子少女漫画家です。担当編集の堅物クール幼馴染・羽鳥(cv.中村悠一さん)と、凄腕アシスタントの猫顔美人・柳瀬優(cv.神谷浩史さん)から好意を向けられて……。三角関係、良いですよね。ずっと三角関係のまま見てたい。トリの花火大会の名シーンや優の旅館での急接近シーンが未だに脳裏にくっきり焼き付いています。鈍感すぎるヘタレ受け、千秋みたいな初々しいキャラを演じる立花さんは今思うと珍しいかも?

☆ターニングポイント2:2011年
ぷろだくしょんバオバブから、森川智之さん率いるアクセルワンへ事務所移籍! BL界の帝王の事務所ですからね、BL的にも見どころの多い1年でした。

2011年の立花さんの作品で印象的なのは不埒なスペクトルサドっ気ある襲い受けから、関係性が深まるにつれて、ド天然真面目攻め(cv.杉田智和さん)に振り回される健気ツンデレと化すのがかわいい。そして何より淫乱受け喘ぎが凄まじいんですよ……。崎谷はるひ先生の作品は高確率で「らめぇ」喘ぎを拝めるので寿命が伸びます。おすすめ台詞は初えちの「ふははっ。男に突っ込んでるのに、勃●しちゃってばかみたい(嘲笑)」。

バスルームより愛を込めて~目眩く受難は蜜の味~では松岡禎丞さんのBL初攻めをいただいています。フリートークの立花さん曰く、自分が受けを演じる際にはギャルゲの女の子で勉強したとのこと。アニメ化もされた『ひとりじめマイヒーロー』のひとりじめボーイフレンドでは、立花さん×松岡さんの方の対戦も実現♪

そして2014年には大人気シリーズテンカウントの潔癖症受け・城谷さんに抜擢されます。城谷さんはBLアワード2015で受けキャラランキング1位を獲得し、「泣かせたい男1位」とキャッチがつくほど加虐心を煽るキャラ。立花さんはこの辺りで繊細美人受け(M)役を確立させた訳ですねー! ふむふむ。
前野智昭さん演じる黒瀬くんとの相性も最高で、2023年にはキャスト続投で劇場アニメ化が決定しました!

☆ターニングポイント3:2015年
決定的な転機が訪れたと言えるのがこの2015年。
彼らの恋の行方をただひたすらに見守るCD「男子高校生、はじめての」~第2弾 後輩が可愛すぎていじめたい~にて、腹黒お茶目なドS先輩こと二見琉生役を好演! 筆者はこのCDまで立花さんといえば受けでしょ~と思っていたのですが、二見先輩の言葉責めに衝撃を受けました。ド攻めやないかい! いきいきと収録されている姿が浮かんできます……本領発揮です……。
受けの志馬ちゃん「だけ」は王子様だと思っている
という二見先輩(トークショーより)。かなり癖の強いキャラですが最強のハマり役なので、立花さんファンは必聴ですよ!


↑立花さんは全体の傾向としては受けが多いのですが、キャリアを重ねるにつれて攻めが増えていくのが興味深いですね。2022年の秘め婿以前だと、「立花さんの」新規作品の受けは2017年の思い違いが恋の種にまで遡ってしまいます。

徐々に新規作品や受けを減らしつつフェードアウトというのがよくあるBLCD卒業形態。ただ立花さんは出演歴を見る限り、オファーがあれば出続けてくださるのかな?と希望的観測をしております。
例えば2021年発売のハッピー・オブ・ジ・エンドは物凄く難しくて魅力的な役どころなんですが、繊細な演技力が存分に発揮されています。立花さんが新規を引き受けてくださる時代に生まれてよかった……!

なにも持ってないから一緒にいられるふたり

ハッピー・オブ・ジ・エンド』原作:おげれつたなか

 

手前に見えます、黒髪の謎めいたどイケ傷害男ことケイトが立花さんのキャラ。本当はケイトじゃないんですけど、本名は作品内で千紘と一緒に知ってください。

ケイト(仮)は気まぐれで人を殴りつけるような奴で、えらく美人で、笑い方が変で、仲良くなったと思いきや超絶塩対応かましてきて……。不幸なんて言葉で言い表せないほどこの世の悲しみを背負わされた攻めです。立花さんも感情の読めないミステリアスな感じに演じられていますが、千紘(cv.江口拓也さん)と出会って徐々に人間らしさが芽生えていくのがエモみ爆発。

おすすめ台詞は「何? 急にベタベタ恋人みたいに。気持ち悪いからやめてくれ」(千紘に手をぎゅっとされて)、「一回捨てたゴミ拾いにきたの? エコだねアンタ」(千紘の元カレに牽制)、そして何より「動くオ●ホに決まってるでしょ」です。原作と合わせてお確かめください♪


共演数ランキングは1位:前野智昭さん(13作)、2位:中村悠一さん・森川智之さん(7作)、3位:松岡禎丞さん・田丸篤志さん(6作)でした! やはりテンカウントシリーズは強いですね! シリーズもの以外でいうと森川さんのお相手が一番多かったです!

立花さんは受け攻め問わず「立花さんといえばこういう役」を確立されているのが強いと思います。こう、ミステリアスなクール美人で、気まぐれで、限られた人にしか懐かない毛の長い猫みたいな……(偏見の塊)。
まず吉野千秋と二見琉生が全然違う方向性ですが、新人さんの頃とキャリアを重ねてからのポジション移行が綺麗!!今後もベテランの技を発揮できる作品に恵まれたらいいな~と願っております!

 
寺島拓篤さんは1983年12月20日生まれで2004年に声優デビュー。事務所はホーリーピーク→ぷろだくしょんバオバブ→アクセルワン。『うたの☆プリンスさまっ♪』の一十木音也や『アイドルマスター SideM』の天ヶ瀬冬馬、『ウルトラマンタイガ』のウルトラマンタイガでお馴染みです。

寺島さんと言えば鼻にかかった甘い声が特徴的で、意地っ張り健気受けやぽわわ〜んとしたぶりっ子受け、低音クーデレ攻めなどを演じられています。受け比率は約79%(攻め12作、受け44作)。特に初期は寺島さん=受け声優という風潮でしたが、徐々に攻めも増えてきました。

寺島拓篤さんのBLCDメイン出演数遷移グラフはこちら!!!


寺島さんは2006年にきみはかわいい僕の奴隷でメイン受けデビュー。ありがたくも当時のインタビューが残っているのですが、髪型が……凄く若さを物語っています……。計算すると初受け時点で22歳なので本記事でとりあげた声優さんでは最年少。全体でもこんなに早いBL参戦はなかなか珍しいですね。

☆ターニングポイント1:2008年
酷くしないで(受けは柿原徹也さん)
記念すべき初攻めです。遊び人・真矢が、ガリ勉・眠傘のカンニングを目撃したことで脅迫から始まる関係。寺島さんは真矢役を好演し、なんだてらしーさん攻めも最高じゃん!!!とフロアを沸かせました。

真矢はクールでちょっと悪な感じが出てるんですが、優しさとのバランスがうまく出てる感じでした。
眠傘に(ほとんど一方的に)メロメロなのが声音だけで伝わってきます

(fiona0109さんのレビューより抜粋)

 

いじめっ子役の寺島さんがこれまたうまかったww
ドSってほどのドSじゃないんですよ。
前半はちょいS、後半は子供っぽい独占欲で受を振り回すわけです。
憎めないかわいさですよね~

(kakasiさんのレビューより抜粋)


寺島拓篤さんの攻めは悪ぶっていても優しさがにじみ出ていて、聞いている方も「可愛いやつめ……」と思ってしまうのが魅力的ですね!

余談ですが2013年に松岡禎丞さんの初受けを奪ったのが寺島さん。背中合わせの恋、こちらはアイドルグループの2人がセフレになるお話です。決して完璧な攻め様ではなくて、自分の気持ちに無自覚で受けを振り回したり子供っぽく独占欲全開で嫉妬したりしますがそこがまた良い♥ 初受けにして松岡さんの健気で切ない魅力が最大に引き出されているんです!

☆ターニングポイント2:2014年
寺島さんのBL出演数が最多となった年です。寺島さんは最多出演数の年に至るまでがかなり長かったのが特徴的。他の2006年BLデビュー声優さんはBL出演数のピークが2008~2010年に来ているので、結構珍しいタイプです。
年齢でいうと寺島さんは2014年前後に頭角を現した小野友樹さんや佐藤拓也さんと同世代(一学年上)なのでそこまで違和感はないですけどね~。
それではそんな2014年より名作恋愛前夜をご紹介!

幼馴染の両片思いすれ違いが丁寧に描かれた再会BL

恋愛前夜』原作:凪良ゆう

 

不器用寡黙攻め×健気なふつうの子受け。寺島さん演じるなつめが上京してみると、かつて自分に告白してきた幼馴染の時生(cv.小野友樹さん)には既に恋人がいて……。ヤコ先生(cv.木村良平さん)との三角関係がとても切なくしんどいですが、そこはさすが凪良ゆう先生。納得の心理描写で最後まで引き込まれます。
寺島さんの聴きどころはこちらまでもらい泣きしそうな泣き演技!!おすすめ台詞は「もうだめかな...?俺、もう間に合わないかな...?」(泣きながら)です。あと濡れ場のときに掠れた声になるのがまた色っぽくておすすめ。


☆ターニングポイント3:2021年
高嶺の花は、散らされたい(攻めは田所陽向さん)、そんなに言うなら抱いてやる(攻めは佐藤拓也さん)、そしてシュガードラッグ(受けは小林千晃さん)と2021年は3作のBLCDに新規ご出演。

田所陽向さんは初攻め、小林千晃さんもメインデビュー1年目ということで、今や寺島さんも若手を任せられる先輩の立ち位置にいるのだとわかってしみじみしてしまいます。

そしてベテラン対決の「そん抱き」は流石の安定クオリティ! 昼は冴えないリーマンなのに夜の店でイケ散らかす忍(ニンニン)と、同一人物だと気付かずに夜の彼に惹かれていく営業部のプリンスことヒカルのお話です。

プライドの高い強気ツンデレ受け・ヒカルが、あれこれと言い訳しながら会いに来ちゃうのがとってもいじらしくてぎゅんと来ました。素直に好きって言えないのに節々からにじみ出ているそのチョロさが可愛い♥


共演数ランキングは1位:森川智之さん(8作)、2位:羽多野渉さん(6作)、3位:遊佐浩二さん・平川大輔さん(5作)でした! さすがBL界の帝王。イケズ彼氏の堕とし方と『彼らの恋の行方をただひたすらに見守るCD「男子高校生、はじめての」 Episode10~星めぐる十年の恋~』に関しては、寺島さんが森川さんの事務所・アクセルワンに移籍後のご共演。同じ事務所同士の方がキャスティングされやすいのかもしれませんね。

ラジオ「2D LOVE」でもお馴染みの羽多野さんとのトークCDぴゅんとてらしーの生絞り100%いちごとブルーベリーのど飴にて「僕受けばっかだから」「たまには攻めてみたいな」とおっしゃっていた寺島さん。確かに初期は受け専門という感じでしたが、途中からは攻め適性も見せつけてくれました。寺島さんは一見プライドが高い役でも、根っこにある詰めの甘さというかヘタレ感を出すのが巧い! 良い意味でのあざとさが麻薬のようで、一度ハマるとじわじわ後を引きます……!

 

 
柿原徹也さんは1982年12月24生まれで2002年に声優デビュー。事務所は81プロデュース→2014年にご自身の事務所Zynchro設立。『弱虫ペダル』の東堂尽八や『FAIRY TAIL』のナツ・ドラグニル、『あんさんぶるスターズ!』の明星スバルなどでお馴染み。ご出身がドイツで語学に堪能なことでも有名です。

柿原さんと言えば吐息たっぷりのエロボイス♥ BLでは王道振り回され系主人公やハイテンションやんちゃ受けを演じられています。受け比率はなんと100%(受け25作)。

そんな受け声優・柿原徹也さんのBLCDメイン出演数遷移グラフはこちら!!!


2006年に蜜的男子(ハニーボーイズ)スパイラル(攻めは浜田賢二さん)で立花さんと同時にBLデビューを果たした柿原さん。
2007年からはメインではありませんが病弱美人声やさしく殺して、僕の心を。をおすすめしたいです。小野大輔さん(ブラコン)とそっくりな双子でヤクザ組長の息子役。脇役でも個性を発揮する特徴的な声の持ち主、それがカッキーさんなのです!

☆ターニングポイント1:2008年
あかないとびら(攻めは羽多野渉さん)
柿原さんはかなり癖が強めなので、好きな人はとことんハマるタイプ。ですが本作に関してはファン以外の方にもおすすめできる名作となっております。「柿原さんの奇跡」と絶賛されたレビューの勢いが素晴らしいのでご覧ください。

気弱な升岡[受]ですがスイッチが入った瞬間の心の叫びのテンションが毎回吹くよ!
最初聞いた時は腹筋痛くなる位笑い転げました。
何度聞き返してもあのシーンではぷぷぷってなるです。
エロシーンの銜え喋りに喘ぎ、そして積極的な受けっぷり。
まさに柿原さんの奇跡!!ですよ、これは!
(クレタコさんのレビューより抜粋)


柿原さんにモノローグ担当が移るまでは大人しい印象だった受けが、ガラッと豹変するシーンが聴きどころ! 羽多野さん演じる薄井の「舐めろ」発言に「いいんですか!?」と嬉々としてフェ〇し始める声がとっても可愛かったです♥

2008年は人気シリーズ酷くしないでのマジメ優等生受け・眠傘役に抜擢された年でもあります。柿原さんらしいコミカルな演技で明るく楽しい作品に仕上げてくださいました♪ ちなみに6年後に続編が出るのですが成長が著しいので、エロかわ度がぐっと増した眠傘くんをお求めの方は(2)の方がおすすめかもしれません!

☆ターニングポイント2:2011年
ファインダーの隻翼(攻めは黒田崇矢さん)
やまねあやの先生の大人気ファインダーシリーズの受けに途中から抜擢されます。スーパー攻め様ヤクザ×やんちゃ新米カメラマンの骨太ストーリーの王道BL。柿原さんの持つ少年らしい純粋さや怖いもの知らず度合い、可愛く健気な要素がいにしえ受けにハマっていたと思います!

☆ターニングポイント3:2022年
柿原さんといえば、受け。そんな共通認識を残して颯爽とBL王国を去っていった柿原王子……ですが!

 
【イケメンアイドル×裏アカ男子】やらしい裏アカくんはさみしがり~全話まとめ~【柿原徹也/野島健児】

ななななんと! 2022年、ボイスコミックにて柿原徹也さん×野島健児さんが実現したのです! BLCDではないのでウフフなシーンはありませんが令和にこの超豪華な組み合わせとは……アンジェンテさんありがとう……。受けを気まぐれに振り回すキラキラアイドル攻めくん、最高にハマってます!
カッキーさんの美声で読み上げられるおじさん構文は必聴ですヨ(^^)v



共演数ランキングは1位:寺島拓篤さん・中村悠一さん・森川智之さん・黒田崇矢さん(3作)、2位:羽多野渉さん・大川透さん(2作)でした!
酷くしないでの受け眠傘くんに関しては途中から81プロデュースの中島ヨシキさんへバトンタッチ。BLCDを追っているとよくあることなのですが、明確に卒業を感じて寂しさもありますね……。それぞれ違った魅力を楽しめる眠傘くんを応援しましょう♪

柿原徹也さんは声も演技も凄く存在感があって、「この役は柿原さんでないと」なハマり役にあたると一気に開花されるのが特長です。カッキー節はかなり癖が強いですが、覚えやすくて忘れにくく中毒性アリ! まだ声優さんの声の聞き分けが苦手で……という方におすすめです♥

 

 
近藤隆さんは1979年5月12日生まれで1999年に声優デビュー。事務所はビーボ→2022年よりアンバーノート。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の雲雀恭弥や『DIABOLIK LOVERS』の逆巻スバル、『刀剣乱舞-ONLINE-』の小狐丸などでお馴染みです。

近藤さんといえばハスキーな中高音やや潔癖そうな低音が特徴。BLではなんでも幅広く演じられていますが、一生懸命な健気受けや意地っ張りなツンデレ受け、甘え上手な腹黒わんこ攻めの印象が強いです。受け比率は約79%(攻め16作、受け62作)。

そんな近藤隆さんの年別BLCDメイン出演数グラフはこちら↓


近藤隆さんは2006年、僕の恋の話・ヒメゴトで初メインデビュー。ここまで初受けにふさわしい作品は珍しいほど、フレッシュで爽やかな青春BLです。お相手の平川大輔さんからヘタレ同盟なるものに勧誘されるフリートークも必聴。

2008年には『世界一初恋』の主人公・小野寺律に抜擢されます。2011年から始まるアニメも含めて多くの新規をBL沼に落とした本作、近藤さんといえば律ちゃんという認識の方も多いのではないでしょうか!

☆ターニングポイント1:2009年
明らかに濡れ場演技が変わったなという瞬間、誰しもが推しに感じているかと思います。近藤さんの場合は決定的な境目がこの勘弁してくれ

甘え上手な執着攻めの逆光源氏計画♥

勘弁してくれ』原作:崎谷はるひ

 

元々はとこ同士で、年下攻めが受けに長年片想いしていた再会BL。鈴木達央さん演じる攻め・義崇がとにかく凄くてですね……このヤンデレがやばい、年下わんこ部門の優勝候補。その重~~い執着を一身に受ける慎ちゃんこと慎一は、冒頭こそ小悪魔遊び人オーラを醸しているものの、どんどん追い詰められていきます。

そして何より呂律の回っていない声で泣きながら喘ぐシーンの破壊力……! 崎谷はるひ先生原作のらめあへ喘ぎを非常に忠実に再現されています。近藤さんってこんなに可愛くなっちゃうんだ!?と驚いたファン多数。

☆ターニングポイント2:2010年
隣りの(受けは水島大宙さん)
BLアワード2010にて第1位を獲得した近藤隆さん
。その中でも決め手となったと言えるのが『隣りの』の飄々とした攻め演技でしょう。本作は口は悪いけれど面倒見の良いゲイ攻め×好奇心旺盛な平凡ノンケ受けの日常ラブコメです。

ドラマCDという媒体は、アニメと違って絵がないので誇張しすぎても浮いてしまいますし、役者さんが自由に間を取れる分少しでも演技が噛み合わないと一大事。そんな中近藤さんは自然な空気感を出すのがお上手で、本当にこういう人がここに存在するんだな〜と演技ではなく素に感じてしまうほど! テンポ良い喋り口調がツボにハマる、納得の優勝演技です。

近藤さんは様々な役に挑戦されていて一言でまとめにくいので、独断と偏見によりBLCDチャートを作成しました。全作品を網羅できず申し訳ないですが、貴方好みのトーンをお探しの際にご活用ください♥


個人的にベストエロ賞を贈りたいのはKEEP OUTです。普段はクールでストイックな美人秘書が、恋人の前では甘えまくりの女王様受けになるギャップに撃ち抜かれました……。攻めだとぶっきらぼうだけど甘さがにじむ低音のキスができない、恋をしたいがイチ推し。2010年発売作品だけでもバラエティに富んでいるのがわかります!

☆ターニングポイント3:2013年
クロネコ彼氏のアソビ方(攻めは前野智昭さん)
後期代表作! 俳優のドS執着攻め×ツンデレやんちゃ受けで、豹×黒猫というファンタジー設定を活かした濡れ場が印象的な本作。BLCDアワードでは「乙女力なら負けないエロカワボイス」とのキャッチで絶賛されました。

近藤真悟がハマり役だと思えるのは、軽口やスネてるとき、あと小生意気な口調が悶絶モノに可愛いとこ。そして切ない台詞の情の濃さ。これがもーうバチッとハマってて最高!!!
(はぎのさんのレビューより抜粋)

 

皆さんおっしゃっている問題の(?)セリフ、「乳首やだ乳首やだ」とか、「ヤダヤダやめヤバイ」など早口の呟きが本当に可愛かったです。
守ってあげたくなるような、もっといじめたくなるような、思わず、賀神が乗り移ったんじゃないかと思うくらいに萌えました(笑)
(ねこぷーさんのレビューより抜粋)


何気なくぼそっと呟くような軽口やえち台詞の演技が光りますね~~~! エロ部分はもちろん、心を震わせる切ないモノローグもお上手なので視聴者は真悟を溺愛さずにはいられなくなる訳です。

一方で、可愛すぎる高音受けが苦手な方には向かないとのレビューもあり、それは確かにそうなんですよね。落ち着いた低音受けをお求めの方にはフラッターをおすすめしておきます。近藤さん×興津さん(過去匂わせ)って凄く貴重。メインでも実現して欲しかった……。


共演数ランキングは1位:前野智昭さん(13作)、2位:小西克幸さん(10作)、3位:子安武人さん・三木眞一郎さん・森川智之さん・羽多野渉さん(6作)でした! 立花さんの共演数ランキングに引き続き、前野さんが攻め王二冠!!シリーズものに強く、大きく発売数を伸ばしました。ただ、クロネコ彼氏シリーズも飴色パラドックスシリーズもキャスト変更ありで切ないです……。

近藤さんは攻めも素敵ですが、この豪華なレジェンド攻め様陣を見ていると受けが多かったのも頷けます。また、平川さんや鳥海さんとのご共演も多い気がしましたが意外と3作以下でした。脇役込みだと鈴木(達)さんとの遭遇率が高め。

近藤さんは役を自分の色に染めるというよりも、「自分が役の色に染まっていくタイプ」だと感じられます。声の幅が広くてどんな役でもこなせてしまう器用な役者さん。一人の声優さんのBLCDを一気に続けて聞くよ~~という方におすすめです! ずっと聞いても飽きない! むしろ演じ分けの比較ができて何倍にも楽しい!

 


羽多野渉さんは1982年3月13日生まれで2001年に声優デビュー。事務所は81プロデュース。『アイドリッシュセブン』の八乙女楽や『僕のヒーローアカデミア』の心操人使、『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の東方仗助(ゲーム版)などでお馴染みです。
 
羽多野渉さんといえば男らしい低音が特徴的で年下わんこ攻め朴訥とした生真面目クール攻めお人好し変態ヘタレ攻めなど特に攻めを極めている印象があります。受け比率は約12%(攻め149作、受け19作、両方1作)。データ上でも圧倒的に攻めが多いですが受けも結構かわいらしくておすすめです~。

そんな羽多野渉さんの年別BLCDメイン出演数グラフはこちら↓


2006年に僕は君の鳥になりたい。(受けは鈴村健一さん)で初攻めを果たされた羽多野さん。攻めでBLデビューというのは比較的少数派なのですが、持ち前の低音を活かして多くの先輩たち相手に経験を積んでいきます。

☆ターニングポイント1:2010年
COLD SLEEP(受けは野島裕史さん)
羽多野さんの演技がうますぎてトラウマ注意。木原音瀬先生の心情描写が凄まじい作品なので、私はこの後しばらく羽多野さんの声が聴けなくて苦しみました……(タナトスの双子で治りました)。
1巻『COLD SLEEP』、2巻COLD LIGHT、3巻COLD FEVERと続く本作、羽多野さん演じる透は1巻の時点だと記憶喪失の健気わんこ攻めです。わぁ十八番。心臓が弱い方は1巻で明るく聞き終えていただきましょう。過去の記憶が戻ってからの透はひたすら辛いのですが、乱暴な中に臆病さや葛藤が見える演技に感服。間違いなく名盤なので心に余裕があるときにぜひ。

憂鬱な朝(受けは平川大輔さん)
日高ショーコ先生の人気シリーズで、明治時代の華族もの。若き子爵と美貌の家令の禁断の恋ということで、家のしがらみのせいですれ違ってしまう切なさが魅力です。羽多野さんは一途に受けを想い続け、成長する年下攻めを好演!

そして、悩める若き当主・暁人役の羽多野さん。演技が素直だからかな?つくづく一途な年下わんこ攻め似合う方だなあ。桂木に翻弄されつつ、葛藤しながら、桂木に近づくために少しづつ変わっていく様子は、わくわくすると同時に心配になってしまいました。
(ともふみさんのレビューより抜粋)


いかにも羽多野さんのお得意な役柄ですので安心して聞けますね! (にっこり)

☆ターニングポイント2:2013年
BLCD界的には一番発売数が落ち込んだ不遇の年ではありますが、だからこそ誕生したエポックメーキングな名作2作をご紹介!!

その時BLCDの歴史が動いた

囀る鳥は羽ばたかない』作:ヨネダコウ

 

 
囀る鳥は羽ばたかない
(受けは新垣樽助さん)
アニメ映画化もされた大人気シリーズ。ヤの付く自由業の方たちの暗くて色気たっぷりの世界観で、羽多野さんの中で最も低音の役でしょう。寡黙で実直、朴訥としていて感情のわかり辛い百目鬼ですが、シリーズが続くにつれ抑えきれない執着が見え隠れして……? 最初は羽多野さんには低すぎると感じた声も、年月とともに馴染んできました!

宇田川町で待っててよ。(受けは小野友樹さん)
一途な変態×臆病な女装男子の一筋縄ではいかないDKラブ。こちらも時代を彩る名作で実写映画化もされました。羽多野さんは変態が上手い。

羽多野さん演じる百瀬。本当ーーーーーに怖い(褒めてます)。 
八代をガン見しての「じーーーー」(←声に出してますw)、ボソボソ喋り~急に激高!w
このテンションの振り幅が、感情表現があまり得意でない百瀬の人物像や、自分でもよく分からないまま八代に惹かれていく怒涛の感情をよく表していて、実にイイです☆
(Krovopizzaさんのレビューより抜粋)


「やしろ」を演じた新垣さんと小野(友)さんのBLCDでの存在感が一気に増した2作。攻めを務めた羽多野さんの安定感もひときわ光っています!!

☆ターニングポイント3:2018年
羽多野さんがデビューしたての頃は周りが先輩だらけでフリートークでもいじられ役で、年下わんこ攻めで......もしかすると、その頃のイメージで固まっている方もいるかもしれません。しかし!!進化する大人攻めわちゃを実感できる作品のうちの1つがこの目を閉じても光は見えるよです。

インタビューで若いうちからオトナな役を演じられることが多かったとおっしゃっている羽多野さん。ですが、やっと年齢が低音ボイスに追いついてきました! 背伸びがなくなり、良い意味で力の抜けた演技を聞けちゃいますよ〜!
事務所の後輩・斉藤壮馬さんとの再共演ということもあって、見守られる側から見守る側への移行にじーんと来ますね。

2018年は一方で友達を口説く方法(受けは野島裕史さん)、山田と少年(受けは寺島拓篤さん)というゴールデンペアの新作も発売。安定感半端ないって!!
BLは久しぶりという寺島さんを「おかえり」と優しく迎え入れるキャストコメントに萌えました。


共演数ランキングは1位:鈴木達央さん(16作)、2位:平川大輔さん(15作)、3位:下野紘さん・野島裕史さん(10作)でした! 折角なのでハタタツから部活の後輩に迫られていますをおすすめしておきます! 羽多野さんの変態わんこ攻めと鈴木さんのツッコミが冴え渡っていて、BL初心者でも楽しめるラブコメです♥

羽多野さんってごはんなんですよ。
森川さんにもよく用いられる喩えではありますが、高クオリティの白米があるからこそおかずのおいしさも際立つ。そしてごはんは毎日食べても飽きない安心感がある。つまり受けの個性を最大に引き出す攻めの天才なんです〜〜〜!

おまけ:初物喰いの羽多野渉さんシリーズ
2010年 ×間島淳司さん家賃半分の居場所です。
2013年 ×新垣樽助さん囀る鳥は羽ばたかない
2014年 ×村瀬歩さん知ってるよ。
  ×斉藤壮馬さん傲慢王子とシークレットラブ アニメイト限定版付録CD
2016年 ×西山宏太朗さんインモラル・トライアングル Case1.ご家庭 トライアングル
2017年 ×石川賢利さん錆びた夜でも恋は囁く
2018年 ×堀江瞬さん残念だったな、運命だ!

安心して声優さんの初受けを任せられるということは、演技力はもちろん羽多野さんご本人のお人柄の良さが信頼されている証左ですね♥


さて、BL全盛期の2006年にBLメインデビューを果たした声優さん7人を振り返ってきました。今回ご紹介した7名を生年月日でまとめると以下のようになります。参考までに他のBL出演経験のある声優さんも一部併記しておきました。キャリアでなく完全に生まれ年で分けたので意外かも!?

1978年度立花慎之介さん小野大輔さん(福山さん、日野さん)
1979年度近藤隆さん、中村悠一さん(興津さん)
1980年度 :なし(下野さん、杉田さん、阿部さん)
1981年度羽多野渉さん
1982年度柿原徹也さん(前野さん)
1983年度寺島拓篤さん(鈴木さん、代永さん)

2006年にBLデビューされた声優さんは近い世代で固まっていたことがわかりますね。みなさん当時30歳以下ということで、若手声優さんがお仕事を増やす一貫でまずBLCDに……という登竜門的な役割が感じられます。
続いてBLCDメイン出演数の比較グラフを見ていきましょう。


並べて見ると2008年(小野さん・中村さん)、2009年(羽多野さん)、2010年(近藤さん)の出演数の多さが際立ちますね。こちらの記事のようにBLCDは短期間に一気に出演されて徐々に続編のみになるパターンが多かったので、立花さんや寺島さんの出演期間が長いグラフの方が珍しい気も。BL界の帝王率いるアクセルワンの社風でしょうか!?また羽多野さんも減少傾向ではあるものの、2022年になっても新規作に出演してくださっています。

こちらの7名がデビューされたのは黄金期ですが、メインとしてご活躍されたのはむしろ過渡期なのでプラチナ世代という風にも捉えられるかもしれません。BLCDがたくさん発売された時期はもちろん、過渡期も下火の頃も支えてくださった方がいるからこそ、次世代に繋がって今があるのだと感じました。

そして!! 記事完成後にまさかの新作BLCD発売が告知された寺島さん! 2022年はメイン出演がないまま終わるかと思っていたのでとっても嬉しいです♥ データ作り直しの苦労なんて何のその。

 
王子さまみたいな変態紳士(cv.興津和幸さん)×ツンツン美リーマン(cv.寺島拓篤さん)のスウィートふぐりBLです!! みなさまも是非クリスマスプレゼントにいかがですか?

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不朽の名作BLCDを振り返りつつ、普段とは異なるくくりで声優さんを分析してみようと始めた本記事。ここまで個性ある方々が集まったバランスの良さは奇跡的ですね~! 最近はBL出演のない方も、昔の記憶が呼び起こされてやっぱり好きだなぁと噛みしめていたらえらく長くなってしまいました。目次をご活用くださいませ。

「〇〇年デビューの声優さんも強いよ!」という声や、当時の実感とズレているというご叱責もあると思います。申し訳ございません……。また、今回ご紹介した名作CDはあくまで一部ですので、よろしければみなさまのオススメBLCDもコメント欄で教えていただけると幸いです♪

担当記者:はち丸わん
年下ワンコ攻めと三角関係推しの夜明けの腐女子。かわいい子には泣き演技をさせよの精神でBLCDを聞き漁っています。

 

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