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眺めるだけで満足だったのに!突然告白してきて!7年越しの想いが通じ合う!11月20日発売コミックス、小説、CD【BL新刊】
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2022/04/22 16:00
先日発表されたBLアワード2022。
BLCD部門で見事第1位に輝いた作品といえば、みなさんお分かりですよね?
そう、ドラマCD「憎らしい彼 美しい彼2」(原作:凪良ゆう/イラスト:葛西リカコ[徳間書店 キャラ文庫刊])です!
大人気BL小説『美しい彼』を原作とするドラマCD「美しい彼」の発売から約2年。
続編となる小説『憎らしい彼』が待望のドラマCD化!
主演の小野友樹さん、斉藤壮馬さんの平良と清居がいる! と確信させてくれるような素晴らしい演技は言わずもがな、原作の魅力を余すところなく表現した脚本、音響は惚れ惚れするような完成度。
さすがGinger Recordsさま……! と拝んでしまうような名作ですよね。
今回はなんとなんと! 本作のBLアワード受賞を記念して、そんな素晴らしいドラマCDを生み出してくれたGinger Recordsからディレクターの久礼野ハジカさんのインタビューをお届けします!
ドラマCD「美しい彼」シリーズについて、めったに聞けないお話をたっぷりお話しくださいました。ファンにとっては永久保存版級の貴重なインタビューになったのではないでしょうか…!
ドラマCD「美しい彼」シリーズは、凪良ゆう先生原作の大人気BL小説シリーズ『美しい彼』(徳間書店 キャラ文庫刊)を原作としたドラマCDシリーズ。
原作小説は、現在までシリーズ3巻が出版されています。(※番外編集を除く)
1作目の『美しい彼』は昨年、実写ドラマ化され、日本国内外を問わずいま話題の作品ですよね。
しかし‼ ドラマCDもまたBL史に刻まれるべき超名作であることは間違いありません。
2019年に1作目のドラマCD「美しい彼」が発売。
攻めの平良一成を小野友樹さん、受けの清居奏を斉藤壮馬さんが演じ反響を呼びました。
その証拠に、2020年のBLアワードでは本作がBLCD部門で堂々の第1位。清居役の斉藤壮馬さんもBLCD声優部門で第1位を獲得。
さらに原作の3作目である小説『悩ましい彼 美しい彼 3』が小説部門の第1位に輝くなどその年のBLアワードをまさに「無双」しましたよね。
そして昨年の2021年、ファン待望となる2作目のドラマCD「憎らしい彼 美しい彼2」が発売。
3枚組という大ボリュームながら、原作をそのまま音声化したような圧巻の音声ドラマは多くの人を魅了し、今年のBLアワードBLCD部門で見事第1位に。
かくいう私もこのBLドラマCDシリーズに魅了された1人です。
さらに続編となるシリーズ3作目の『悩ましい彼 美しい彼 3』のドラマCD化の決定も発表されました! ますます加速していく物語。これからも楽しませてくれること間違いなし。わくわくが止まりませんね…‼
それではお待たせいたしました!
ドラマCD「美しい彼」シリーズ、ディレクターの久礼野ハジカさんのインタビューをお届けします。
本作以外にも、ドラマCD全般に関わるお話や個人的なお話まで盛りだくさんの内容となっていますので、ぜひ最後までお楽しみください!
――まずはじめに、久礼野さんの普段のお仕事を教えてください。
ドラマCDの制作に関わること全般です。
原作からのドラマCD化の場合、ドラマCDにさせて頂きたい作品の企画書を作成し、版権元様より許諾を頂けたらキャスティングをしつつ脚本を書き、BGMやブックレットデザインの発注や打ち合わせを行い、ディレクターとしてアフレコやダビングに参加する、というところですね。並行して、販促のためにWEBサイトやCMムービーなども作成します。弊社は作業内容によって担当を分けるのではなく、ひとつの音声作品に関わる業務を最初から最後までをひとりの担当者が行うというのが特徴ではないかと思います。音声制作から、デザイン、販促物に至るまで、担当作品すべてのディレクションを行う、というのがわかりやすいでしょうか。
――ドラマCD「憎らしい彼 美しい彼2」のBLアワードBLCD部門第1位おめでとうございます!受賞について一言いただけますと幸いです。
めちゃくちゃ嬉しいです!!
作品内容の面白さや素晴らしさ、演者の皆さんに表現して頂いたものに関しての不安はまったくなかったのですが、3枚組という試みには不安があったので、沢山の方が手に取って聴いて下さったことにとても安堵しました。3枚組となるとどうしても価格があがってしまうので……。決して安くないものを買って頂き本当にありがとうございます!! この分数がなければ物語を積み上げて来られなかったと思います。
――BL作品原作がドラマCD化するまでのおおまかな流れはどのようなものなのでしょうか。たとえば今回の「美しい彼」ドラマCD化決定までの経緯を差し支えない範囲でお聞かせください。
「美しい彼」はキャラが生き生きと魅力的で、読み終わった瞬間、これを是非音声化させて頂きたいと強く思いました。最初に編集部へ企画をお持ちしたのは2016年のことだったかと思います。それからCDが発売するまで結局3年近くかかってしまいました。
凪良先生の作品はとにかく文章として美しく、小説を読む快感を堪能できるものです。小説を読むということはとても楽しいことで、正直、私個人としては、それで完結していると思っています。素晴らしい小説を読むことの快楽は他では代用できないですし、メディアミックス化をして作品の魅力を損なうことが怖いと考えていました。
けれど「美しい彼」は「キャラクター」の魅力が突出していると感じました。なので、キャラを取っ掛かりにすれば、作品の魅力を損なうことなく音声化できるのでは、と思いドラマCD化にチャレンジしてみることにしました。
――小野友樹さん、斉藤壮馬さんというメインキャストもはまり役で、まさに平良と清居がいる! という素晴らしいキャスティングですよね。さらに森川智之さんや三木眞一郎さんなど脇キャラも豪華すぎて、これは現実なの…? と聞きたくなるくらいです。キャストはどのように決定されたのですか?
まず弊社でキャスト候補の方をご提案し、凪良先生に確認して頂く形で決定しました。
――本シリーズでは小野友樹さんの平良の「キモさ」を表現した演技が話題を呼びましたよね! 制作の方々ははじめて聞かれたときにどう思いましたか?
一発目からあまりに完成されていたので驚きました。特に「吃音」の表現については、テクニカル面での素晴らしさもさることならが、「吃音というものが、彼の人格に与えた影響」といったものを理解し咀嚼した上での表現だったなと。
大袈裟すぎず、コミカルに逃げず、少し哀しく懸命で実直に。平良の人生の序盤に大きな影を落としたものに真っ正面から相対して小野さんとして咀嚼し表現されたものであることに、強い感銘を受けました。
――シリーズ2作品を通してここは聴いてほしい! という推しシーンがあれば教えてください。
推しシーンはすべて! ですが、制作関係者が一番泣いたシーンは「憎らしい彼」のラストシーンですね。音響効果の出雲さんも、作曲家のナカシマさんも「作業しながら泣きました」とおっしゃってました。私も脚本を書きながら泣いていました。
それから、「美しい彼」で清居が間違い電話をかけるシーンは、音としてとても可愛くできたんじゃないかと思っています。
――コミックスが原作の場合と「美しい彼」のように小説原作の場合では、ドラマCDの制作になにか違いはありますか?
1つめは、「収録分数との戦い」です。
小説の1冊分の内容をCD1枚ないしは2枚に収録する為には、多くのシーンやエピソードの取捨選択が必要になります。
2つめは、「小説の地の文をどういう形で表現するか」という難しさです。
そのままの形でナレーションやモノローグとして入れ過ぎてしまうとドラマとしての臨場感に欠けてしまう反面、小説として描かれていたものを表現するにはある程度は語ることが必要です。ですので、どうやったら物語への没入感や臨場感を疎外しない形で地の文に描かれた内容を表現するか、テンポを損なわずバランスを如何にとるか、が重要であると常に意識しています。
それはそうと、凪良先生の文章は美しくそのまま音にしたい誘惑が大きいので、いつか「地の文」をそのまま読み上げることができる朗読劇もやってみたいなと思います。
――「美しい彼」ならではの魅力を引き出すために意識されたことはありますか?
凪良先生の文章をどう活かすか、それに尽きます。どう音にすれば、この小説の美しさや、読んでいて呼び起こされる感情を表現できるのか。演技も、音楽も、効果音も、とにかく、小説を読んで湧き上がる感情に近いものを喚起させられるかをディレクターとしては目指しました。
どうしても、音と文章は違います。同じものにはなり得ない。だからこそ、表現は異なるべきである。でも、その結果で受け取れるものは近しいものでありたい。そう思っています。
――本作に限らず、Ginger Recordsさん制作のドラマCDはBGMはじめ音響が素晴らしいですよね。特に本シリーズでは、BGMが作品の魅力をさらに深く引き出していると思います。本作を制作するにあたり、BGMや音響の部分で意識されたことはありますか?また、本作以外にも音響に関してのこだわりなどあればお聞かせください。
本作のBGMに関しては、作品を体験するのが一番相互理解への近道だなと思い、作曲家のナカシマヤスヒロさんにアフレコへ参加して頂きました。その場の空気感や、役者や音響監督が大切にしていることを体感して頂ければ、なにが作りたいのか伝わるだろうなと。結果、BGMが皆さんの心に響いたとしたら、それは現場から様々なものを掴み取って表現して下さったナカシマさんのおかげですね。
効果音は、音響効果担当の出雲範子さんが最初から最後まで全部おひとりでつけて下さっているのですが、音の引き出しが多く細やかなセンスの方なので、とても信頼しています。たとえば会話の最中に、身体でも表現されているだろうキャラクターの苛立ちや、ためらい、怒りなどの心理を、身じろぐ衣擦れの音がどういった種類かで表して下さったり。
音だけのメディアであっても、そこでキャラクター達は生きて動いているので、それは音にできる筈だ、という気持ちは強いので、こだわりと言えるのかもしれません。
――本作は、小説の世界がさらに深みを増し、本当に清居と平良が存在しているような気分になる、と多くの声があがっています。臨場感や現実感を出すために工夫されていることはありますか?
今までの回答以外ですと、小説の地の文では「清居は~した」といった表現をされてるところを、モノローグではなるべく清居が喋れそうな言葉に置き換えてみたりはします。やっぱり、どうしても小説の文章そのままでは喋れないので……。喋るための文章ではないですからね、小説は。
でも音声ドラマが朗読劇と一番違うところは、キャラクターが喋っているところだと思うので、キャラクターの範囲で喋れる言葉に近づけたいとは思っています。
――「憎らしい彼」では、特にDisc3のトラック1のシーンがとても印象に残っています。清居を守らんとする平良の決死の訴えと清居の慟哭、脇をかためるキャラクターたちの演技も鳥肌もので、原作の世界がより鮮明に頭に浮かんできました。
素人目でも、コミックスや小説を文字化するのはとても大変な作業に思えますが、台本はどれくらいかっちり制作されるのでしょうか。キャストの方がアドリブなどを交えて演じられることもありますか?
このシーンに関しては、音響監督の郷田ほづみさんらしい熱意ある丁寧なディレクションの賜物かと思います。台本にはセリフもト書きも細かく書かれていて、アドリブは殆どありません。ですので、収録現場では、台本に書かれた言葉をどう理解しどう表現するのか、についてのディレクションが主となります。もちろん、役者の皆さんは自分なりに読み取って演技してくださる訳ですが、それを立体的に組み上げてドラマとしてクオリティを上げていくのが音響監督さんのお仕事のひとつであり、だからこそ「この部分をもっと引っ張りだそう」とか「ここは逆に抑えたほうがより伝わるだろう」とか手綱を取ってくださるわけです。その塩梅が最高に素晴らしかったのがこのシーンだと感じています。
――ファンの方からの感想などをきく機会はありますか? そういった声を制作にとりいれることはありますか?
弊社にお寄せ頂くご感想のメールや、ちるちるさんのサイトに掲載されているレビューやBLアワードのコメントなどはいつもありがたく拝見しています。制作にダイレクトに反映されるかと言うと難しいところではありますが、ただ、発売後の反響や応援のお声が大きければ大きいほど続編の制作には繋がります!!!!!
――久礼野さんはどうしてドラマCDの制作に携わろうと思われたのですか?キッカケなどがあればお聞かせください。
キッカケと言われて考えてみたのですが、全盲だった祖父と一緒によくNHKのラジオドラマを聴いたり、小学生の頃に実家にあった5代目志ん生のカセットテープをよく聴いていたので、「声が表現できるもの」への信頼は昔からすごくあるような気がします。
――本作を制作するうえで楽しかったことをお聞かせください。また大変だったことや、苦労したことなどはありましたか?
とにかく、凪良先生の文章が最高なので、それをある意味解体して再構成するのが、大変楽しかったし苦しかったです。「いや、もう、小説が最高じゃないですか??? 小説を読んでいればそれで充分なのでは??? ていうか、みんな小説を読んで! 」という自分を黙らせることに苦労しました。
あと、なるべく制作者の自我はいれたくないのですが、どうしても取捨選択をする上で、「私が思う」美しい彼になってしまうのがいつも非常に悩みどころです。
――制作が決定しているシリーズ3作目のドラマCD「悩ましい彼」について、楽しみにされている方も多いと思います。そういった方々に向けて何か一言いただけますでしょうか。
「悩ましい彼」を読んでいる方にはお分かりかと思いますが、緻密にエピソードが組み立てられており、削りどころはなく……。ということはつまり、前作同様の収録分数を見込んでいます。頑張って制作に取り組んでいますので、発売まではもう少々お待ち下さい!
――最後に、ドラマCD「美しい彼」シリーズを聞いて下さっているファンの皆様へメッセージをお願いします。
たくさんの応援を頂き、本当にありがとうございます。凪良ゆう先生の小説に魅了された者としても、音声ドラマの制作者としても、皆様からの反響はありがたく受け止めさせて頂いております。小説とは異なる音声ドラマという媒体ならではの表現を通して、「BLドラマCDっていいなぁ」と少しでも感じて下さったならば、それは音声ドラマの制作に携わる者としてとても嬉しいです。これからも皆様に楽しんで頂けるドラマCDをお届けできるよう頑張りますので、ドラマCD「美しい彼」シリーズをどうぞよろしくお願いいたします!
――ありがとうございました!
Ginger RecordsからドラマCD「美しい彼」シリーズのディレクターの久礼野さんにお話しいただきました。いかがだったでしょうか?
編集部でも何を聞くか絞り切れず、たくさん質問してしまいましたが……貴重なお話をたっぷりと語っていただきました! 本当に感謝しかありません(涙)。
これは早くみなさんにお届けしなくては! という使命感に駆られながらこちらの記事を完成させました。
今回、制作の裏側をご丁寧に回答いただいたことで、もっと話を聞いてみたい! という思いがさらに募ってしまった筆者。また制作の方からお話をうかがう機会を作りたいと思っています。
ほかにもインタビューしてほしい! という方がいればぜひコメントで教えてください!
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コメント2
匿名1番さん(1/1)
正直、ドラマ実写化のディレクター・脚本も久礼野ハジカさんが良かった。
凪良ゆう先生の命である文章を大切に再現してくださったのではないかと思います。
貴重なお話と、素晴らしい名作。
久礼野ハジカさん、Ginger Recordsさんありがとうございます。
そして、インタビューを企画してくださったちるちるさまにも感謝です。
『悩ましい彼』も楽しみにしています。
みみりぼんさん
Ginger Recordsさんに絶大な信頼を置いておりますファンです。作品や作者様へはもちろん、ファンに向けてまでも深い愛と尊重を向けてくださる…まるで聖母。
プロ意識がビシビシ伝わってくる作品作りで、原作ものもオリジナルのだんはじでも、本当にいつも予想をはるかに越えてくる名作の数々をありがとうございます…と涙しておりますので、
今回このような貴重なお話がお聞きできて感動で胸がいっぱいです…!!素晴らしい企画に心から感謝申し上げます(五体投地)
これからも期待しております!!