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定番の無機物BLで“ガチ”妄想の限界に挑む

長年腐女子をやっていると、こんなセリフを聞いたことがあるんじゃないでしょうか。

「腐女子って鉛筆と消しゴムで妄想できるんでしょ？(笑)」
というセリフを。

それを聞くたびに「しねえわ！」と憤っていた筆者ですが、いやちょっと待てよ……ガチでイケなくないか??
というわけで(古の)腐女子長年の言説「無機物でBL妄想できる」を今日はちょっと本気出してSS風に考えてみようと思います。

不器用ヤンキー×優等生のスクールラブ！

鉛筆×消しゴム

 

まずはド定番の鉛筆×消しゴム。基本の文房具という事で、学校が舞台のスクールBLでしょう。

優等生の消しゴムは、柔らかい雰囲気で人付き合いは上手い人気者。けれど真っ白で染まりやすく、どこかカドがある。硬いケースに閉じこもって本当の姿は見せようとしません。
一方の鉛筆は、鋭く尖っていて人を寄せ付けない一匹狼。芯ですぐに周りを黒く汚してしまうことから自分からも周りに関わろうとしないし怖い奴だと誤解されがちです。けれどそんな汚れを身を削って消してくれるのは……他でもない、消しゴムなのです。それが自分の役目だからと……。

段々と鉛筆は、自分にはないものを持っている柔らかくて真っ白な消しゴムに惹かれていき、そんな想いを綴っていくうちに尖った芯は削れ、消しゴムと出会ったことで丸くなっていきます。「消しゴム、俺……今ならお前を傷付けずに向き合えるかもしれねぇ……。」
初めは自分の胸中を明かさなかった消しゴムも、鉛筆の不器用ながらも真っすぐで一直線な姿に感化され、やがてケースに隠されていた柔らかく真っ白な身体を曝け出すでしょう。

しかし想いを伝え合うほどに、お互いの身体は小さくなっていきます。「大丈夫、消える時は一緒だよ」と約束を……あれこれメリバ？

他にも
ノート→鉛筆に汚された、傷つけられたと言っているけど薄っぺらくて裏表がある。時には人を切りつけることも。でも見た目じゃ分からない腹黒。
プラスチック定規→線引きがしっかりしていて消しゴムが唯一気を緩めることが出来る依存先。だけど一緒にいすぎるとお互いの身体の境界が分からなくなるくらい癒着してしまう

などサブキャラ(？)も魅力的。これはドラマチックな展開が期待できますね。

いつも見ている、だけど触れられない……切ない幼馴染BL

床×天井

 

どの建物に入っても目にすることが出来る床×天井。こちらも名前を挙げられる無機物BL定番のCPですね。ズバリ、幼馴染BLだと思っています。

資材の頃からの幼馴染。昔からずっと一緒だったのに……晴れて部屋が完成すると、ふたりは常に向かい合っているのに決して触れ合えない存在に。色々なものに踏まれ、物を置かれ、汚れていく床。一方部屋全体を上から見渡し照らす存在の天井。厳しい境遇ながらもぬくもりを知っていく床ですが、天井はみんなを守っているのに誰からも相手にされない孤独を募らせていきます。いつからか、ふたりの間には溝が……。

そんなふたりがやっと触れ合うことが出来るのは……そう、この部屋が崩れる時です。ずっと近くて遠かった幼馴染。最期にやっと一緒になれたね。あの頃みたいに……あれ、またメリバになっちゃった……。

俺様×生意気後輩のガテン系BL！

ボルト×ナット

基本的にセット扱いのボルトとナットは、犬猿ニコイチガテン系BLじゃないですか!?
ボルトは傍若無人でオラオラな俺様系。「俺がいなきゃこの建物はバラバラになっちまうんだぞ」とか言ってくる、ガッチガチの螺旋状の竿で百戦錬磨のヤリチンです。ナットは「なんで俺がこんな先輩とセットなんすかね……不本意っす。」みたいなイマドキで生意気な後輩ではないでしょうか。絶対ボルトのこと「アンタ」って呼ぶ。
そんな性格故に「お前は大人しく俺に捻じ込まれてりゃいいんだよ！ 」「俺がいなきゃアンタはただの棒なんすよ？ 」と喧嘩の絶えないふたりですが、合わさればめちゃくちゃ仕事の出来る名物コンビです。

となるともちろん、身体(ネジ穴)の相性もこの上なく良いわけですよ……。
「生意気言ってる割に穴がピッタリじゃねぇか……当然だよなぁ、俺とお前は同じ規格なんだから！ 」 つってね。いっそこのまま一緒に錆び付いてしまおうか。なんてエロエモな台詞があるはず。錆取り剤は潤滑油です。

お互いサイズさえ合えば誰でもいいんだろ!? 的なすれ違い紆余曲折もありますが、規格外のモブボルトに襲われて溝がバカになってしまいそうなピンチのナットをボルト先輩が「コイツは俺のネジ穴だ……雑魚が手ぇ出してんじゃねぇぞ!! 」と助けてくれます。アンタ以外でピッタリ締まるわけねぇだろ……分かれよ、馬鹿っ……！

ということで「まったく、今日も仲がいいなぁ……」とか周りに言われているケンカップルハッピーエンドです。
 

年下×おじさまの年の差教師BL

チョーク×黒板

長年ずっと同じ教室にいる黒板。目に優しい包容力と、「数えきれないくらい沢山の生徒を見届けてきました……今までも、そしてこれからも……。」とどっしりとした安定感はベテランの風格です。
一方チョークは、入れ替わりの多い部署(チョークケース)に入って来た何の変哲もないちょっと軽くて調子の良い若手。「黒板さんと違って、俺の変わりはいくらでもいますから～」とヘラヘラ言いつつ、自分の個性の無さやすぐに折れてしまう存在意義にコンプレックスを持っていそうですね。
最初はチャラいチョークでしたが自分の悩みを茶化さずに聞いてくれる黒板に惹かれていき、身を削ったラブメッセージでアプローチをかけていきます。黒板さんも「年寄りをからかうもんじゃありませんよ……。」と言いつつ満更でもないでしょう。

黒板の真面目な大らかさに感化されて働き過ぎた結果「俺もこんなに小さくなって……もう黒板さんに見つけてもらえないな……」と別れを覚悟するチョーク。しかし……

「どんな板書でも折れないあなたは、誰よりも立派ですよ、チョークくん。」と粉だらけのケースの中から小さくなったチョークを見つけ出してくれる黒板は流石年の功。
最後のページは美しい黒板アートENDです。

ビジネスパートナーから関係性が変わるオフィスラブ！

ネクタイ×眼鏡

ちょっと捻ってみましたが、妄想してみたら結構アリじゃない!? と目覚めたのがこちらのCP。
ご主人様の顔の中心で視力を補助する眼鏡と、首元をファッショナブルに締めるネクタイ。近いような遠いような……つかず離れずの微妙な距離感の同僚といったところでしょうか。だけどお互い大事な出勤日にはなくてはならないビジネスパートナーです。

イメージとしては、スマートな後輩のネクタイくんと、少し不器用で真面目で頭が固い眼鏡さん……お互い仕事の関係なのでさん付け敬語で接している感じでしょうか。帰宅すればクローゼットに帰るネクタイは「眼鏡さんはまた残業ですか……。寝る直前まで役目があるなんて大変ですね。」とちょっと先輩が気になる様子。ある日閉め忘れたクローゼットの隙間から、超音波洗浄機の中であられもない姿を晒す眼鏡さんを見てしまい……!? 執着敬語攻め後輩×快楽に弱い真面目系先輩のスマート同僚BL、開幕……!!! (当て馬はワイシャツです)

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いかがだったでしょうか？
勢いのまま無限に広がってしまいそうでしたが、それぞれなかなかの萌えエピソードが生まれたのではないでしょうか。普通に読みたくなっちゃった……。

もちろん同じ無機物CPでも、違う人が考えたら様々な解釈とキャラ設定がまだまだ生まれそうですね！
皆さんも身の回りの無機物をBLにしてみては？