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失ってはじめて気付くものーー夏の夜に読みたい「喪失」BL8選

2021/08/13 16:00

な、泣ける…!静かに心を浄化してくれる"死ネタ"BLを厳選


 
喪失感」を味わうような悲恋やメリバ、なぜか読みたくなる時がありませんか? 「苦手だよ~」という方ももちろんたくさんいらっしゃると思います。

筆者はナチュラルボーン黄昏の腐女子なので三度の飯を食らいながらメリバを貪る餓鬼なのですが、所謂闇属性の作品を友人に薦めるたびに言われる言葉があります。

「趣味のBLですら悲しい話は嫌だ……」
「ハピエン以外読めない……」
「何日も引きずって何も手につかなくなるから読めない」

何十回も何百回も聴きました! そしてその気持ちも痛いほどわかります。
好きなカプには幸せになってほしい。その通りです。メリバは悲しいからつらい。

ですが、失ってはじめて気付けるものもあるのではないでしょうか?

漫画や創作における悲しみ、喪失は、私達に「生きたい」という気持ちを与えてくれると筆者は考えています。私達はさまざまな創作物の読者として、キャラの抱える色々な悲しみを見ることが出来ます。それは読者である私たちの特権なのです。
読み終えた後、悲しみこそあれ「生きたい」という気持ちが生まれませんか? その感情こそ、良質な闇属性作品の大きなポイントだと強く思います!

そして夏と言えば、色々な創作物の中で「」の季節として扱われていますよね。
死んだ蝉を見かけたり、心霊系の番組が頻繁に放送されていたり。要因はいくつもあると思いますが、やっぱりお盆シーズンはどうしてもセンチメンタルになってしまうのが日本人の性。でも「死」に魅せられてしまうのも人間の性……。

今回はそんな切ない、夏にピッタリの「喪失」BLを一挙にご紹介していきます。
今回は普段漫画しか読まないな~という方にもオススメの小説も二作品参戦です。お盆の時間が取れる時に、小説でガッツリBLを浴びてみてはいかがでしょうか。

それでは作品の方に行ってみましょう!

※「死ネタ」を扱っているため、ネタバレ注意です!


コミックス

 

もう戻れないあの夏

還らずの夏』作:暮田マキネ

 


愛してるから、さようなら。オメガバース作品を含む珠玉の短編集
コミックス創刊第1弾!初版限定描き下ろしペーパー付! !「高校出たらさ、二人で暮らさね?」陽(はる)と奈津(なつ)は物心つく前から、何をするにもどこへ行くにも二人一緒だった。ずっと、こんな日々が続くと信じていたのにーー君がいない夏がくる


こちらは表題作である『還らずの夏』をピックアップ。
表紙からして既に切ない……。線香花火は儚い夏の思い出のキーアイテムですよね。
おすすめポイントはなんといってもキャラへの感情移入が半端じゃないところ。細かな仕草やコマの使い方など、的確に心を抉る演出が用意されています。
ふたりが喋るたびに締め付けられるような苦しさを覚えますが、夏という季節のジメジメしていない、爽やかな部分と非常にマッチしていて闇属性初心者さんにもおすすめの一作です。
勿論悲恋大好きマンなあなたも楽しめること間違いなし!
収録されている他のお話も耽美な雰囲気と少し儚い描写で惹きこまれる、とっても素敵な一冊です。


とけない呪いと罪と罰

月食奇譚』作:春泥

 


赦シ。切れない宿縁で結ばれた、少年達の因果の物語。高校生の星野照道は、同じ夢を見る。大正時代に「先生」と呼ばれる男に誘われ、少年が絞殺される夢だ。そんな星野の前に、ミステリアスな雰囲気の同級生、山田臣彦が現れた。彼と親しくなるにつれ、心惹かれてゆく理由は……宿縁の呪い、連なる因果の、猟奇と純愛の物語。どこにも居場所のなかった星野の前に現れた、謎多き同級生。「僕らは本当に永遠に結ばれるかもよ」彼の真実に触れたとき、運命の歯車が回りだす……。


雰囲気ががらりと変わって、こちらはちょっぴりホラーな一作。
」にとり憑かれた少年たちと、その核である美しい男のお話です。
春泥先生のレトロな作風とどこまでも深い闇の黒ベタ塗りに心のざわつきが止まりません!
黒髪に白い肌の学ラン少年で人を狂わせる美貌を持つ男・山田にのめりこんだら最後……。まるで夢野久作や江戸川乱歩作品のようなミステリー性と狂愛の甘美さは唯一無二の魅力です。
ちょっとアングラでグロもある程度なら大丈夫、という方は読んで損なし! 蠱惑的な春泥先生ワールドに沼ってみませんか~!


純愛と狂気、怒濤の上下巻

心中するまで、待っててね。』上下巻 作:市梨きみ

 


大好きだった近所のお兄ちゃんが、“成長しない”体で戻ってきた!?お人よしで皆に愛される福太は、子供の頃の記憶が一部欠けている。それは憧れていた葵兄ちゃんの記憶。得体の知れない喪失感を抱えた福太の前に、葵兄ちゃんが昔と変わらない姿のまま現れて――!?失った記憶。それは思い出してはいけない過去。連載時から賛否両論! ハートフル不穏BL、謎かけ編。描き下ろしは念願のほっこり食卓が実現――?


ドラマCD化等で話題になったのでご存知の方も多いのではないでしょうか。
「心中」というネガティブなワードが入っているにも拘らず根強い人気を持つこちら。その評判に違わず、お話も画も大変魅力的なものになっています。
上巻は「謎かけ編」ということでひぐらしのなく頃に等を思い出しながら読んだのですが、なるほど確かに。謎が至る所に散りばめられていてミステリー要素が強いです。しかし描かれるカプの間にある気持ちはどこまでも純愛で、物語の仄暗さと相まって読み進める手が止まりません。
上下巻構成ですが一気に読めてしまいます。そして下巻まで読み終わった後、上巻をもう一度読み直して伏線ポイントを見返したくなります……!
今の商業BL界のメリバを語る上で欠かせない一作ではないでしょうか!


少年よ大死を抱け……!?

BOYS OF THE DEAD』作:富田童子

 


山奥のコンテナで、ひっそり暮らすライナスとコナー。彼らはそこで、―――人肉を食べて生きていた。教会に忍び込んで墓を掘り返し、死者をこま切れにして持ち帰る。ライナスがそんな重罪を繰り返すのも、すべては、愛しいコナーの命を繋ぐため。彼を生かすためなら、他者など牛や豚に等しいと、罪を重ねていくが―――。人であれ、ゾンビであれ、極限の世界で愛を貫く者たちの物語。吸引力の塊・富田童子の世界へ、いってらっしゃい。


ここに来てゾンビものの登場です! ウォーキングデッドも来年遂に終わるらしいですね……。
アメコミ調の装丁がオタク心を擽りますが、本編の描写や雰囲気もマッチしているにも関わらず日本的なホラー演出や絵のタッチも失われていない、黄金比のような画作りになっています。こだわりが計り知れない……。
1ページ1ページの密度が大変に濃く、捲るたびに画としての面白さで楽しめます。また、趣旨であるゾンビの描写にも気合が入っていてゾッとするシーンも……!
日常生活の風景が荒廃した死の世界と化しているからこそ、生まれるBLは危うくて綺麗で汚い、人間の感情が入り混じった究極です。所謂「クソデカ感情」がこれでもかというほど詰め込まれています!
夏の夜にちょっとホラーなゾンBL、いかがですか?


やさしい「終わり」のその先

終末のワルツ』作:鮫沢伐

 


終焉を迎えようとしている世界で独りで暮らすシロウ。
彼の前に突然現れたクロエの正体とは……!?
終末の世界で生まれる永遠の恋の物語。


SF終末ディストピア
。オタク心擽りまくるワードの羅列に震えます。
これまでとはまた雰囲気ががらりと変わって、ひたすらに儚く美しいお話になっています。
皆が宇宙へと旅立った後。滅びゆく地球で孤独に暮らす科学者のシロウは、ある日クロエという謎の青年に出会います。科学者としてのシロウに深く関わるクロエは、ただただシロウへの感謝と愛を以って最後の瞬間まで寄り添います。
誰もいない世界で一人終わりを待つシロウの心境に思いを馳せると、クロエの存在にありがとうと涙ながらに言わざるを得ません……。
世界が終わる目前にこんな人の愛し方ができるのか、と胸がキュッと締め付けられる思いです。
かなり悲壮な書き方をしてしまいましたが、本編はバッドエンドというわけではなく、未来に希望を持たせるようなお話になっています。
闇属性初心者の方にもオススメできる一冊です!


小説


最後の1ページまで。呼吸を忘れる程の愛。

おやすみなさい、また明日』作:凪良ゆう

 


「俺はもう誰とも恋愛はしない」仄かに恋情を抱いた男から、衝撃の告白をされた小説家のつぐみ。十年来の恋人に振られ傷ついたつぐみを下宿に置いてくれた朔太郎は、つぐみの作品を大好きだという一番の理解者。なのにどうして…?戸惑うつぐみだが、そこには朔太郎が抱える大きな闇があって!?今日の大切な想い出も、明日覚えているとは限らない…記憶障害の青年と臆病な作家の純愛!!


記憶障害の青年と臆病な作家の恋愛。うーん、黄昏心がざわざわと……。
こちらは大変リアル寄りのBLとなっています。読み進めていく感覚も、凪良先生の流石の文章力でまるで非BLの一般小説を読んでいるものに近いです。
ですがしっかりと愛は描かれます。人間関係の複雑さや記憶障害というハードルを抱えた上で人を愛することの難しさ。主要カプ以外にも登場する人物の人生に思いを馳せてしまいそうなほど、「人間」が詰め込まれた一作となっています。
こちらは同時収録されている本編後のアフターストーリー、「スイート・リトル・ライフ」を読んで初めて完結する作品です。ネタバレは控えますが、本編で育まれた愛がいかにかけがえのないものであったかを分からされて号泣間違いなし。私は一週間ほど引きずりました。今も思い返すだけで涙が出そうになるほど、心に優しい爪痕を残す物語になっています。
ある種のハッピーエンドの極みと言っても過言ではないと思います。


最期の言葉、「◯◯◯◯◯◯」に震える

蒼穹のローレライ』作:尾上与一

 


「敵機を墜として俺も死ぬ」浅群のその願いを、三上の整備魂は許せなかった―――。要保護の軍神・浅群塁と、整備に燃える三上の青春の日々。戦後十八年目のある日、三上徹雄のもとを病死した旧友・城戸勝平の息子が訪れた。彼は城戸が亡くなる直前に、三上へ一通の封筒を預かったという。封を開けると、中には戦死した零戦パイロット・浅群塁に関する内容がしたためられていた……。―――時は太平洋戦争中期。
ラバウルに向かう途中、三上が乗っていた一式陸攻は敵の攻撃に遭い、不思議な音を響かせて戦う一機の零戦に助けられる。着任後、命の恩人を捜していた三上は、「ローレライ」という二つ名を持つ、声の出ない、碧い目の搭乗員に出会う。彼こそが三上たちを救ってくれた、零戦乗りの浅群塁一飛だった。


戦時中を描いたBL作品、珍しいですよね。
こちらはあらすじの段階で受け・塁の死が仄めかされています。
攻め・三上の過去回想という形で物語は綴られていくのですが、戦時中という特性上二人とも常に死と隣り合わせの生活を送っています。また戦闘機の整備員のため三上は基地に居るのですが、塁はパイロットであるために敵襲のたびに三上の整備した零戦に乗って飛び出して行ってしまいます。
過去に起きた事件の影響で声が出なくなり、他人も信用できなくなってしまった塁。「敵機を落として俺も死ぬ」と語りますが、三上は真摯に寄り添い続けます。ですが戦況は悪化の一途を辿り……。
昭和が舞台ながらも物語と挿絵は古めかしさを一切感じさせず、非常に読み易いものとなっています。
時代物であるがゆえの悲しさは勿論ありますが、それだけでない温かさも与えてくれる作品です。
南の島で繰り広げられるある青年二人の切ない恋の物語。
塁の遺した最期の六文字は、BL史に残る一世一代の告白です

+++++++++++++++++++++

以上8作品をどどっと紹介して参りました。
「喪失感」は心にぽっかり穴をあけられたような感覚に陥りますが、それがついついクセになってしまいそうですよね。

紹介した中に貴方の人生に刻まれる作品があれば嬉しいです。


関連作家・声優

コメント1

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匿名1番さん(1/1)

喪失ものは読むのがつらくて手を出しにくいですが、確かに読むと心に残るものが強いなぁ。

『蒼穹のローレライ』は絶版が本当に惜しい。読みたいと思っている人が今もたくさんいるのに。生きる、命の大切さを忘れないためにも読み継がれるべき本だと思う。良い出版社と縁あってまた再販されますよう願ってます。

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