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果たして初心者男子をBL沼に落とすことはできるのか…!?

 

気心知れた友人にはBL好きだとカミングアウトしているタイプの筆者。中学時代からの友人、K君と書店に行き、購入するBL本をウキウキと吟味していたそんな時......。
「それって、そんなに面白いの？」
という言葉と興味深そうな視線が！

この機会を決して逃してはいけない！ 可能ならK君をBL沼に引きずり込みたい……！
今回はそんな下心を抱えた筆者が、BL初心者男子・K君にBL本を勧めてみたレポ記事をお届けします！ K君にBL本を勧めるにあたり、どんな話が読みたいのか、またどんな話は苦手なのかをヒアリングしてみました。

「男同士で、突然エロ！ みたいなのだと多分びっくりしちゃうから、最初は心情描写多めみたいなのから読みたい。あと楽しいの！」(原文ママ)

今回は希望に沿って、心情描写多めでエロ少なめ、かつ明るめな作品を4作ピックアップしてみました。

 

◆1作目◆

コミックス『おかえりオーレオール』作：高津

 
 

【K君のコメント】
「これすごく良い。最後のシーンで泣いちゃった。青春時代の楽しいところと、でもすぐ心が萎んじゃうアンバランスなこの感じ、うまく言えないけど学生時代を思い出してギュッとした。相手を大切に想ってるのに、純粋な愛なのに、思い悩む登場人物たちに「男同士なんか関係ないじゃん！」って言いたくなった。ただひたすらに良かった…」(原文ママ)

なんと一冊目から物語にのめり込み、キャラクター達を応援しているK君。初読時に感動のあまり泣き喚いた筆者激推しの『おかえりオーレオール』。心理描写を求めるならこの作品は是非読んで欲しい！ と思って勧めましたが、正直こんなにも好意的に受け入れてくれるとは思っていませんでした。K君にとって「普通の男の子たち」の物語は自分の学生時代と重ねられるところもあり、身近に感じられ、読みやすかったのかもしれません。

あらすじ
好きになった瞬間から、幼馴染みじゃいられなくなった――。明るく社交的なカズと、地味で真面目なモトは、幼い頃からの幼馴染みで親友同士。中学にあがり仲良くするグループが自然と分かれても互いが一番の良き理解者だった。しかし、中学2年になったカズは、モトを友達以上に意識しだしてしまう。この感情はきっと勘違いだと必死にごまかすものの、次第にその気持ちが本物であることに気付いてしまい……。

◆2作目◆

コミックス『善次くんお借りします』作：玉川しぇんな

 
 

【K君のコメント】
「細くて女の子っぽい善治くんが、性格男らしいのがかっこいい。キュンときてしまった。善次くんがコンプレックスと向き合ったり、花岡が徐々に心を開いたりしながら自然な感じで2人が惹か合っていって、いいなって思った。びっくりしちゃうかなって思ってた男同士のエロシーンも、「この2人ならするよな」って当たり前に受け入れてた。感動した！」(原文ママ)

 
試験的に、少しですが濡れ場がある作品を選んでみました。「やっぱり無理かも」と言われることも覚悟し、内心ドキドキしながらコメントを待っていました。しかし返ってきたのは「この2人ならするよな」というコメント！ なにそれエモい！ また、善次くんのギャップに「キュンときてしまった」というK君の言葉、筆者は見逃しません……フフ……。

あらすじ
荒んだ野球部ヒーロー×ほっそり眼鏡の優等生。劣等感に揺れ動く17歳、等身大の心を繊細な筆致で描く、玉川しぇんな珠玉の青春ストーリー！ 早くに両親を亡くし、野球好きの祖父と二人暮らしの高校生・善次は、顔を見ただけでその人の不調部位が判るという特技を持っている。けれど同時に、野球部のエースだった父のようになれず大好きな祖父の期待に応えることができないこと、貧弱で女っぽいことにコンプレックスを抱えていた。そんな善次の密かな日課は、同じクラスの前の席の野球部のヒーローで、クラスで少し浮いている花岡の授業中の居眠り姿を見守ること。ある夜、祖父と喧嘩をし家を飛び出した善次は、大泣きしているところを花岡に見られ、思わぬ接点ができて⁉︎ 憧れと恋が複雑に絡み合う、甘酸っぱい青春ストーリー!

◆3作目◆

コミックス『オンラインゲーム仲間とサシオフしたら職場の鬼上司が来た』作：ん村

 
 

【K君のコメント】
「ず～っと笑ってた！ テンポが良くて、面白いのに恋愛要素もちゃんとあって、読んでてワクワクした！リアルではあまり打ち解けられていなかった上司と部下の2人がオフ会を通して公私ともに仲良く、相棒みたいになっていく過程がよかった！ 一番笑ったのは白瀬さんと熊田くんの、車内アンジャ〇シュの場面(笑)」(原文ママ)

 

K君の要望の一つである「楽しい」BLということで、こちらを選びました。目論見通り、笑いまくって楽しんでくれたそう。フッ……計画通り……。ん村先生の絶妙なギャグセンスと確かな萌えは初心者男子の心をもがっちりと掴んでくれたようです！

あらすじ
【リアルでは上司、オンラインでは相棒】【加速するすれ違い――☆】ごくごく平凡なサラリーマンの橋元は職場のハイスペックかつイケメンな鬼上司・白瀬さんに日々厳しいご指導を受けている。そんな橋元の唯一の楽しみはオンライン上で出会ったゲーム仲間・UMAと絡むこと。上司の愚痴を言えて、草を生やして笑い合えるUMAに気を許している橋元は、満を持してサシのオフ会を企画するのだが――!?

◆4作目◆

コミックス『ヒゲと鈴としゃぼん玉』作：ymz

 
 

【K君のコメント】
「こんな安定感あるカップル、男女でもそういなくない？ いつかパートナーとこんな穏やかな生活がしたいって思った。2人はこれからもずっと一緒にいてほしいし、いるんだと思うと心がギュッとして温かくなる。これが「尊い」という気持ちか…！」(原文ママ)

BL初心者男子、BLを読んで未来のパートナーとの生活に想いを馳せる、の巻。そして「尊い」という感情を知る――!! 読み終わってから直ぐに2回目に突入したというK君。すっかりお気に入りの一冊になったようです。

あらすじ
家事が全くできない28歳、甘やかされるの大好き！鈴太郎と、家事全般をこなす優しいヒゲの32歳、鈴太郎を甘やかす三太。2人で花見しようとすると絶対に雨だし、鈴太郎は家で何の役にも立たず、三太はたまにストレスで壊れる…。それでも、2人でいれば何とかなる!楽しくて、時にはちょっぴりしょっぱくて、でもとっても幸せな、ヒゲと鈴のケセラセラな同棲生活。ymz新境地☆何気ない日常が愛おしいラブリー最新作☆

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いかがでしたでしょうか！ 今回は筆者の友人、K君にBL本を勧めてみました。4冊読み終えた感想を改めて尋ねると、

「思っていたより良かった。BLだからって身構えていたけど、読み始めたらストーリーが面白いからBLとか男同士とかっていうのはもちろん考えるけど、でも、この愛の前には些細なことだなって思った。もっと早くに(オススメを)聞いておけば良かった！ これからもっと色々と読んでみたい！」(原文ママ)

と語ってくれました。
BLと言えど色んなジャンルがあり、色んな属性があり、いろんな萌えがある……。今回彼に紹介したのは、数多ある商業BL作品のほんの一部です。完全に沼にはまった！ とは言い切れないものの、BLを肯定的に捉え、「もっと色々読んでみたい！」と言ったK君の言葉に筆者はBLファンの波動を感じ、ニヤニヤしたのでした。

皆さんもぜひ、周りの方々にBLをオススメしてみてください！ その時はあらかじめ、どんな物語が好きなのか、また苦手なものはないかということを確認しておくと良いかもしれません！

 

担当BLソムリエ：穂舘 ハピエン厨だけど基本何でも読む黄昏の腐女子。 地雷には自ら突っ込み、自分を鍛えて世界を広げていく脳筋スタイル。そうやって地雷に打ち勝つことも稀にある。