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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2020/09/09 18:00
9月11日の公開も間近に迫った映画『海辺のエトランゼ』。先んじて公開されたPVでは原作の世界観をフルカラーで完璧に再現した美しい映像に注目が集まりました。
今回は、駿役・村田太志さん、実央役・松岡禎丞さんに映画の映像や収録での様子、キャラや作品にかける想いをたっぷり伺いました。
お二方のあふれる作品愛が伝わってくるインタビューをご覧ください!
――劇場アニメ化発表時のコメントの中で、ドラマCDの段階からアニメ化を期待されていたとおっしゃっていましたが、原作のどういう部分に対してそう思ったのでしょうか。
村田太志(以下村田):純粋に一視聴者として、アニメを見てみたいという思いはドラマCDで演じていた時点から強かったです。興味本位を越えて、「この作品好き、掛け値なしに好き」という気持ちから、二人が動いて、しゃべるところが見たいと思いました。
その思いをドラマCDのフリートークでここぞとばかりに言っていったら、いろんな方が奔走して実現してくださったので、もう、感謝で言葉が出ないですね。
松岡禎丞(以下松岡):原作者の紀伊(カンナ)先生が描かれる世界観を、純粋に映像で見てみたかったんです。絵柄もそうなんですが、背景の海だったり、ものすごく映像映えすると思っていました。ずっと映像化するべきですと言っていたんですが、そうしたら本当に映像化ということになって、しかも映画化なので、これはとても楽しみだなと思っていました。
――特報映像が公開されていますが、初めにご覧になってどう感じましたか。
村田:(大橋明代)監督、スタジオ雲雀さん、紀伊先生など、制作陣の方々がもう、自分たちの持てる表現力を全て使ってあのPVの一瞬に込めてくださったので、武者震いに近い思いを感じました。
お芝居もそうですが、自分の想像を上回るものを持ってこられると、それにさらにかぶせたいという心理が働くのか、なにか良い相乗効果が生まれる予感がしましたね。
松岡:本編を取る前、別日に公開されているPVを撮ったのですが、そのときはすでにカラーでしたよね。そのときワード数的にはそんなに多くありませんでしたが、「うわあ、これはすごい、映像から来る力をここからでも感じられる! 本編見たらどうなっちゃうんだろう?」と思いました。
背景の書き込みや、花もこんなに描く!? と思いました……。すごく繊細な映像なので、たまりませんね。
――ドラマCD版でも演じられたお二人ですが、今回映像化にあたって演じる上での変化や、気を付けたことはありましたか。
村田:やっぱりドラマCDは絵がない音声だけの状態なので、その中で表現するという意味ではキャラクターを印象づけるという方向性が強かったかもしれません。
ですが今回は、丁寧な絵がついているので、これを壊さず、いかに駿・実央を効果的に表現するのかということを考えると、若干ドラマCDの音声よりはナチュラルに、作品の雰囲気を大事にやっていこうという話はありましたね。
松岡:この作品は全体の流れがすごくやさしいものになっていて、自然な流れとして見せなくてはいけないという部分があったので、ひとつひとつの感情を自然に演じるよう意識しました。
――キャラクターを演じる上では、ドラマCDとの違いや、一から作り直した部分はありますか。
村田:ドラマCDのほうは絵がなかったので、聞き手にわかりやすいように、そのときに原作を見て思ったことを表現しようとしたんです。
でも今回は絵があるので、それを踏まえて、若干駿がちょっとツンツンしがちだったり、ひょうひょうとした部分が薄まっていたり、という印象になっているかもしれません。
そういう意味では、意識して一から作り直したと言えると思います。
松岡:ドラマCDだと自分たちの間尺でお芝居ができるのですが、映像だとカットごとに間尺が存在するので、そういった面でも難しいというか。
前回やっていたときの自然さと別のベクトルにしなければいけないので、また新しい作品に携わるような気持ちはありました。その気持ちと一度演じたという経験の折り合いのつけ方が難しかったです。
今回繊細なものを常に求められて、朝から晩までやらせていただいたのですが、その繊細さの加減のディレクションが今まで僕があまり受けたことがないものだったんですね。よく知った音響監督さんでもあったのですが、部分的に変えるのではなく、全体の中で考える感じでした。
「じゃあ、何カットから何十カットまで、もうちょっとお付き合いしていただいていいでしょうか」「やりましょう!」という流れで。
村田:で、松岡さん結局テストが使われるっていうね(笑)。
松岡:最初の演技が一番しっくりきたんです(笑)。
何回やったとしても、同じようなニュアンスでやろうと意識すると、今度はやろうとしてしまっているので、それはどこか違うんですよね。
どうしてもテストのテイクを越えられなかったシーンがあったんです。自分でも「信じられないくらい自然に出た!」と思って、「えっ!? テストでやっちゃったけど本番どうなるの」と(笑)。やっぱりテストと同じニュアンスは出なかったんです。
――それだけ難しかったということですね。
村田:そうですね、すごく集中した時間が続きましたね。
今回はここまで試していただけるんだという、針の穴に糸を通すような作業をやっていたと思います。
松岡:毎回ものすごく細かい感情の機微だったりを求められるので、そこでOKが出るまで妥協は許さないという、熱い現場でした。
――ご自身の演じられるキャラクターの魅力はどんなところでしょうか。
村田:本当にいいところでも悪いところでもあると思うんですけど……はっきりしなかったり、情けなかったり、それゆえにちょっとしたことで傷つけてしまったり、頼りない部分があるかもしれないんですけど、逆にそういうところが人間臭くて愛おしいというか、そういうところを補ってあげたいなあっていう気持ちにもさせてくれるキャラクターだと思うんですよ、駿は。
基本的に悪い奴じゃないですし、実央と付き合っていくうえでお互いの気持ちを大事にしたいなという思いはあれど、いかんせん余裕がなくて傷つけてしまったり遠ざけてしまったりという部分があり、女性からするとちょっとどうかなと思うかもしれませんが、同じ男からすると“あるある”だな、という……。
かっこいいキャラクターもいいですけど、こういうちょっと足りない部分も良いなと思わせてくれるキャラですね。
松岡:実央はものすごく感情をストレートに出せる子で、それがすごく魅力的なんです。普通の人だったら躊躇することであったとしても、それが相手の嫌なことにはあたらないと自分の中で確信が持てれば、実央はガンガンいけるので、見てて気持ちのいい子だなと思います。
そして、駿と性格の違いもあるんです。「押してダメなら押してみろ」というか。
一同:(笑)
松岡:駿はなぜか引いたりするのですけど、でも実央はくじけない。自分の感情を大事にして、駿に対して躊躇なくいけるところだと思います。
――実央と駿を演じていて、ご自身と似ていると感じる部分や、逆に全く違うと感じた部分などはありますか。
村田:もう僕に関しては、駿に大いに共感するところがあります。
もちろん、好き同士なら、ずっと一緒にいたい話していたいとかあるでしょうけど、自分に自信がなかったり隠しておきたいことがあったりするとどこか後ろめたくて、近づきたいけどある程度距離を取っていたいとか、好きなはずなのにあえて反発してみたり、というところが、お恥ずかしい話似ているなと(笑)。
当たり前に「好き」と言えばいいのに、思っているのに外に出なかったり言葉に出なかったりする。その辺り変なプライドであったり、都合よく行きたいという部分があるんでしょうね。
そういう意味では、モロ被りくらいの勢いですね……。
だからこそフォローしたいのか、愛らしいとか、ほっとけないとか言っていると思うんですけど。
でも少なからず、ある一定層は駿のような人が逆に気になったり、なんか目で追っちゃうなと思う人がいると思うので、せめてそういう駿みたいな人になりたいです。
松岡:実央に関して言うと性格としては真反対ですね。
実央がストレートにものごとを言うとしたら、自分は、結構ネガティブなところがあるので、これを言ったら相手がどうなるかなと深く気にしてしまいがちなんですよね。
最近はそれをどんどん減らしていってはいるのですけど、まだまだなので、僕の中では実央がうらやましいです。
男女関係なく、好意をストレートに出せる、こんなにまっすぐに一生懸命に生きているというのは、魅力ですね。
――気に入ったセリフや力を入れたセリフなどはありますか。
村田:駿が同居人の絵理と話していて、「同性が恋愛の対象ってただそんだけなのになーなんでそれがおかしなことになっちゃうんだろな」と言うシーンです。
絵理に言うでもなく自分にいうでもなく、なんとなく出した言葉だと思うんですが、でもなんとなく出した言葉が深いというか、その問題がずっと常に根底にあるんだなと思います。
松岡:(実央が)「は?なにいってんの?」と言うところが僕はなかなか印象に残っています。それは実央怒るよね、と。
「勝手知ったる仲でも言っちゃいけないことって存在するじゃん、なんでそんなこと言えんの?」というシーンだと思うのですが、心に来ましたね。
――多彩な脇役が出てくる本作ですが、実央と駿以外でお気に入りのキャラはいますか。
村田:動物で言ったら猫なんですけど、猫は特別賞みたいな感じで(笑)。
実央の次に愛らしい、桜子ですかね。駿が迷惑をかけたという負い目もあるんですけど(笑)。
駿にお父さんの状況を知らせるために沖縄に来て、実央と思いがけず思いをぶつけあったりして、心がぎゅっとなりながらも、実央と同じように一途に駿をずっと思い続けてきたことを想像すると、いたたまれなくもあり、でも最後沖縄を去る際にはちょっとしたハプニングも起こる中、名言を残してそのまま行ってしまうという流れを見ると、それこそ駿とは違う意味で愛らしいというか、幸せになってほしいです。
松岡:そうですね、考えれば考えるほど……さけ・しょうゆ?(※筆者注:作中に出てくる猫の名前)。
僕は特にしょうゆが好きなのですが。(※筆者注:スタッフさんより、「しょうゆは駿に懐いている」とのこと。)
猫って気まぐれじゃないですか。本作では、猫のそういう部分がすごく自然に見えるんですよね。
――映画化にあたって、お二人がこの物語に込めたい想い、この物語を通して受け取ってほしいメッセージはどんなものでしょうか。
村田:特別な大恋愛じゃなくても、人が人を大事に想うという、当たり前のようでなかなかできないことかもしれないですけど、シンプルにそういうことが大事なんじゃないかなと思います。
その「人が人を想う」っていうことを気づかせてくれるという意味では、沖縄の風景だったり、猫だったり、駿と実央にとっては欠かせない周りの人たちだったりが彩ってくれて、すごくいい環境でこの作品を世に送り出しているのかなと思います。
何か心に我慢できないイライラだったりモヤモヤだったりを抱えている方がいらっしゃったら、間違いなく払拭してくれるので、ぜひ見ていただきたいです。
松岡:この映画を通してものすごく伝えたいことが僕の中であるとしたら、ストレートに言ってしまえば、「好きって言っちゃいなよ」ということですね。
本当にそれくらい、後悔するよりは言ってしまえばいい、という意味でも、背中を押してくれる作品だと思います。
あとは、こういう世界にすごく行ってみたいと思わせてくれる作品でもあるんです。すごく海もきれいだし、映像の中で如実に風の動きがわかるっていうのはすごいです。
ここまで丁寧に作っているので、終わった後すごく静かに「良かった」と言ってもらえるような作品になっていると思います。ぜひ見ていただけたらと思います。
インタビューは村田さんと松岡さんの静かな語りから始まり、時折お二方で会話が弾んだり、松岡さんの天然(!?)な発言に村田さんがそっとフォローを入れたり、丁々発止のやりとりに一同笑いがこぼれる場面もあり、終始和やかながらお二方の通じ合っている様子が透けて見えました。
原作への深い理解、作品愛にも感激です!
松岡さんが驚嘆したという映像美に、キャスト陣がどこまでも繊細にこだわったという演技を乗せた映画『海辺のエトランゼ』。公開がますます待ち遠しくなりました。
映画『海辺のエトランゼ』は9月11日(金)より全国の映画館で公開されます。
【CAST】
橋本駿:村田太志 知花実央:松岡禎丞 桜子:嶋村 侑
絵理 : 伊藤かな恵 鈴 : 仲谷明香 おばちゃん : 佐藤はな
【STAFF】
原作 紀伊カンナ 「海辺のエトランゼ」(祥伝社on BLUE comics)
監督・脚本・コンテ 大橋明代
キャラクターデザイン・監修 紀伊カンナ
総作画監督 渡辺真由美
エフェクト作画監督 橋本敬史
美術監督 空閑由美子(STUDIOじゃっく)
色彩設計 柳澤久美子
撮影監督 美濃部朋子
編集 坂本雅紀(森田編集室)
音響監督 藤田亜紀子
音響効果 森川永子
録音調整 林淑恭
音響制作 HALF H・P STUDIO
音楽 窪田ミナ
音楽制作 松竹音楽出版
主題歌 「ゾッコン」MONO NO AWARE(SPACE SHOWER MUSIC)
アニメーション制作 スタジオ雲雀
配給 松竹ODS事業室
製作 海辺のエトランゼ製作委員会
映画『海辺のエトランゼ』:公式サイト/公式Twitter
取材・執筆:川野夏橙
コメント6
匿名6番さん(1/1)
アニメだし、ドラマCDに引き続いてなのでそのまま声優さんをキャスティングすると普通に思わないのかな?
松岡さんも村田さんもキャリアの長い有名声優さんなんですがねえ。
そもそもドラマCDが出ているのを知らない原作ファンって謎だわ…
匿名5番さん(1/1)
匿名4番様、あの、よく記事を読まれていますか……?アニメーション映画ですよ?
声優お2人の容姿に対してあまりにも侮辱的な発言ですが、作品のファンだと言うのなら情報はしっかり確認してから物を言ってください。ファンの言動はそのまま作品の印象や評価にも繋がることを自覚してください。
村田さんも松岡さんも歴の長い素晴らしい声優さんです。お二人が真摯に作品に向き合ってくださったこと、感謝します。
匿名4番さん(1/1)
何でこんなブサい俳優使うの?
そもそもこんなのが俳優である時点で心底謎ですが・・・。
3ヶ月ほど前に感染覚悟でこの原作の舞台を聖地巡礼した私にとっては許しがたい配役です。
この原作を愛してる人を冒涜してます。
匿名3番さん(1/1)
私も一昨日見てきました!
まだ興奮冷めやらず。
本当に素晴らしかったです!!
BLファンはもとより、全世界のアニメファンに見てほしいクオリティです。
もし、環境の許される方はぜひ大画面で!
状況が厳しい方は円盤化されたらぜひ、大きな画面で高画質で見て頂けたら。
いろいろ大変な世の中ですが、それをひととき忘れさせてくれる清浄な素敵な映画でした。
匿名2番さん(1/1)
観てきました!
映像、本当にキレイでした~!!!
チビ実央が可愛かった♪
匿名1番さん(1/1)
楽しみです。見に行きます。