なぜオタク向けの企画は失敗するのか、その真相が明らかに!
2月6日(水)付けの
日経MJに、オタクに関する興味深い記事が掲載されました! 同紙は、日経新聞社が発行する消費や流通、マーケティング情報に特化した専門誌。その1面にババーンと載った「オタク女子ってニャに?」の文言。「ニャに」というワードの強さはさておき、本記事は
『浪費図鑑』でお馴染みの「劇団雌猫」に学ぶオタク女子の実態を分かりやすく紹介しています。まずはその内容をかいつまんで見てみましょう。
推し活を認めてもらいたいオタクたち
「劇団雌猫」の読者イベントにはジャンルを超えてあらゆるオタクが集まるそうです。自分の推しをアピールしたり、グッズを置いて布教したり……。参加者に共通するのは、誰もが推しへの愛に溢れているということ。
「
罪悪感なく趣味の話ができる」「自分の活動を肯定できる」といった参加者の声からも分かるように、
自分の消費行動に自信を持てないオタクがこの世には一定数存在するのです。そのような人々が思いきり愛を語れる場の需要が今非常に高まっています。
オタクを茶化すような戦略では成功しない
2017年度のオタク市場の規模は5683億円と推計されています。お笑いやスポーツ選手などのオタクを除外してこの額ですから、実際の額はさらに上がるはずです。オタクのもたらす経済効果は『おっさんずラブ』や『名探偵コナン ゼロの執行人』に代表されるように、企業としても無視できないものがあります。にも関わらず、
オタク女子に関するマーケティングがしっかりできていない企業が多いと記事は主張します。例えば企業側が抱いているオタク像としては以下のようなものが挙げられます。
(1)推しに夢中で廃人になったり、破産しているのではないか
(2)ひとつのことにしか興味が無い
(3)抑圧されていると感じている
(4)まわりと交流しない
うーん……典型的にオタクを見下したようなものばかり……。(1)に関していえば、費やした金額はともかく
実生活と折り合いをつけて活動している人ばかりですし、
同時進行で様々なジャンルにハマるオタクも多いので(2)もあてはまりません。抑圧されているどころか、
SNSやイベントでは怒濤の愛を語り、同志を増やす人も多いと思いますので(3)(4)も誤ったイメージです。このような偏った認識で企業が企画を打ち出すとどうなるか……結果は火を見るより明らかですよね。誤った固定観念がアプローチを間違わせ、その結果企画は失敗する。当事者からしてみれば当たり前のことなのですが、その「当たり前」を本記事は鋭く指摘しているのです。
オタクの生きやすさ≠正しいオタク理解
テレビや雑誌、新聞などマスメディアにおけるオタク認識にモニョることが多かった筆者ですが、日経MJのこの記事を読んだ今、非常にすっきりとした気分でおります(笑)
ひと昔前に比べれば、オタクは随分と生きやすい時代になりました。けれども、テレビなどで扱われるオタク像は極端なものばかり。どのような媒体にしろ、是非とも「ありのままのオタク」を誇張することなく発信してほしいと、改めて実感いたしました。
誤ったオタクの認識について宜しければ皆さんのご意見もお聞かせ下さいね。