作家さんをもっと知りたいと思ったとき……
同じ作家さんで、この本も好き、あの本も好き、読む本読む本全部好き、といったような経験はありませんか?
本から読み取れる作家さんの考えなどに共感して、もっともっとこの方の作品が読みたい! と思うこともしばしば。
非BLで活躍するBL作家さん特集の記事を読んで、「これ小説版も出来るのでは!? やりたい!!」と思ったので今回、非BLで活躍するBL小説家さんについて特集したいと思います。
凪良ゆう
あらすじ うる波は、事故死した夫「鹿野くん」の幽霊と一緒に暮らしている。彼の存在は秘密にしていたが、大学の後輩で恋人どうしの佐々と千花に知られてしまう。うる波が事実を打ち明けて程なく佐々は不審な死を遂げる。遺された千花が秘匿するある事情とは?機械の親友を持つ少年、小さな子どもを一途に愛する青年など、密やかな愛情がこぼれ落ちる瞬間をとらえた四編の救済の物語。
あらすじ トイレ、風呂、台所共有、朝食夕食付きのおんぼろ下宿すみれ荘。大家代理兼管理人をしている一悟は、古株の青子、TV制作マンの隼人、OLの美寿々ら下宿人と家族のように暮らしていた。そこに、芥一二三と名乗る新しい入居者がやってきた。作家だという芥は、マイペースで歯に衣着せず、攻撃的ではないけれども思ったことを平気で口にする。そのせいか、平穏なすみれ荘の住人たちの今まで見えなかった顔が見えてきて―。一つ屋根の下の他人、そして家族の再生ものがたり。
一穂ミチ
あらすじ 2025年7月。高校生の明日子と双子の弟・日々人は、いとこがいること、彼女と一緒に暮らすことを父から唐突に知らされる。ただでさえつまらない夏休み、面倒ごとが増えて二人ともうんざりだ。いとこの存在に、なんの楽しみも期待もない。退屈な日常はひたすら続いていく。けれど、彼女―今日子は、長い眠りから目覚めたばかりの、三十年前の女子高生だった…。
榎田尤利(榎田ユウリ)
あらすじ 突如発見された「妖怪」のDNA。それを持つ存在は「妖人」と呼ばれる。お茶室「妖〓(き)庵」の主、洗足伊織は、明晰な頭脳を持つ隻眼の美青年。口が悪くヒネクレ気味だが、人間と妖人を見分けることができる。その力を頼られ、警察から捜査協力の要請が。今日のお客は、警視庁妖人対策本部、略して“Y対”の新人刑事、脇坂。彼に「アブラトリ」という妖怪が絡む、女子大生殺人事件について相談され…。
あらすじ 高校一年の来栖黒悟(クロ)は、祖父の影響で歌舞伎が大好き。歌舞伎を部活でやってみたい、でもそんな部はない。だったら創ろう!と、入学早々「カブキブ」設立を担任に訴える。けれど反応は鈍く、同好会ならと言わせるのが精一杯。それでも人数は5人必要。クロは親友のメガネ男子・トンボと仲間集めを開始。無謀にも演劇部のスター、浅葱先輩にアタックするが…!?
あらすじ 聖なる白虎の伝説が残る麗虎国。美貌の宮廷神官・鶏冠は、王命を受け、次の大神官を決めるために必要な「奇蹟の少年」を探している。彼が持つ「慧眼」は、人の心の善悪を見抜く力があるという。しかし候補となったのは、山奥育ちのやんちゃな少年、天青。「この子にそんな力が?」と疑いつつ、天青と、彼を守る屈強な青年・曹鉄と共に、鶏冠は王都への帰還を目指すが…。
BL作品 「交渉人は黙らない」 「犬ほど素敵な商売はない」など
木原音瀬
あらすじ 「……僕は大人の女性を愛せません。僕の好きな人は、大人でも女性でもないんです。」
甥に対する密かな欲望を抱え、妄想に囚われ苦しむ百貨店のエリート外商・久瀬圭祐。欲望がいつか暴走するのではと恐怖し、治療を求めて精神科クリニックを訪れるのだが――。小学校教師の森下伸春は遠い昔、幼い少女に繰り返し恋をした。そんな自分の嗜好を知りつつも、ある一線を越え欲望を解き放ち、そしてその果てに待っていたものは……。本能に弄ばれる二人の男と、その周囲の人たちの心の葛藤をリアルに描いた、異色の連作小説。
あらすじ 「あれの味は知っている。羽をむしると、どんな音がするのかも。」――「衝撃」という言葉以外この作品を表現できない、怪作「虫食い」。ほか、人間の弱さ、不思議さ、愛おしさを描き出す、4つの鳥肌短篇集。
「罪と罰」整形外科医の棚田のもとに、深夜、階段から突き落とされた若い男が運び込まれた。爽やかな好青年であるこの患者のために棚田は懸命に治療をするが……。
「消える」弟を愛してしまった僕。その切なさに距離を置いていたが、弟の運転する車で事故に遭ってしまい、僕の身の回りの世話をする毎日。未来永劫、僕から離れられない。
「虫食い」幼なじみの隼人だけは、日向が虫を食べることを知っている。そしてそのことに欲情することも。
「ミーナ」しわしわネームの亀井道代は自分のことを「ミーナ」と呼ばせている。親友の若菜はミーナの華やかさに惹かれているが、なぜかクラスメート達は遠巻きにしている。
崎谷はるひ
あらすじ 親友と2人で鎌倉に小さなアクセサリー店「トオチカ」を営む里葎子。都内で働いていたころ恋で手酷いトラウマをおったが時間をかけて人生を立て直したことにひそかな誇らしさを感じていた。そんな彼女の心を久々に動かしたのは店に立ち寄るバイヤーの千正だった。けれど彼のおおらかな男らしさに無意識に身が竦んでしまう。戸惑いながらも自分の気持ちにむきあった里葎子は…。
BL作品 「しなやかな熱情」「不埒なスペクトル」など
椹野道流
あらすじ 若手イケメン俳優の五十嵐海里は、ねつ造スキャンダルで活動休止に追い込まれてしまう。全てを失い、郷里の神戸に戻るが、家族の助けも借りられず…。行くあてもなく絶望する中、彼は定食屋の夏神留二に拾われる。夏神の定食屋「ばんめし屋」は、夜に開店し、始発が走る頃に閉店する不思議な店。そこで働くことになった海里だが、とんでもない客が現れて…。
あらすじ 母の故郷・マーキス島にある「法医学博物館」で突然過去の世界に飛ばされた、医学生の西條遊馬。わけがわからないまま、殺人事件の現場に居合わせたために投獄されてしまう。そこで出会ったのは、この国の皇太子ロデリック。彼は、父である王を殺した罪に問われているというのだが…?そして、ロデリックの無実を証明するよう、遊馬に頼んできた人物とは―!?
あらすじ 大国アングレの首都・ロンドラ。美形・優秀・家柄抜群なお坊ちゃま、エドワードの職業は、なんと探偵!お世話係の青年シーヴァと優雅に暮らしているが、依頼が来なくて実は暇…。そんなとき、卒業した名門パブリックスクールから、幽霊騒ぎで困っているという話が!喜び勇んで寄宿舎に向かったエドワードは、騒ぎの原因と疑われている少年・トーヤと出会い!?天才エドワードと仲間達の、英国風ミステリアス・ストーリー。
BL作品 「
右手にメス、左手に花束」「
楢崎先生とまんじ君」など
菅野彰
あらすじ 春夏秋冬、四季折々の美味しい食材をお取り寄せし、ほんのひと手間かけた
ご版と旨い酒──細かいレシピなんか気にしない!! 感覚とノリでも
美味しいものは食べられる!? 文系な著者が気合と地元愛で綴る、心を満たす極上エッセイ
BL作品 「毎日晴天!」「色悪作家と校正者の不貞」など
非BL作品でその作家さんのカラーが出ている部分を楽しむのも良し、BLとは違った部分を楽しむのも良し、と多面的に楽しむことができると思います。
また、作家さんの良さを「BLはちょっと……」という友人に伝えたいときに、非BL作品をオススメするのもいいかもしれません。そこからBLへの道へ……(笑)
BLでも非BLでもその作家さんが書きたい根底にあるテーマ?といったようなものは変わらないと思うので、作家さんの脈々と流れる「らしさ」のとりこになってしまったひとはぜひBLでない作品も読んでみてはいかがですか?
コメント9
匿名1番さん(1/1)
BLで売れたら一般へ
一般で売れなくなったらBLへ
なんだろうね
匿名2番さん(1/1)
ここにあがってないけど
アイダサキ(英田サキ)さん「サイメシスの迷宮」シリーズ好きです。
榎田さんの非BL3作品はどれもそれぞれ楽しく読みましたけども、
来年こそはBLも!是非また書いていただきたいなぁ・・・・
匿名3番さん(1/1)
一般でもTLでも好き作家さんは全買いするし、椹野先生はむしろ一般書籍のほうが有名だよね。
一般とかTLで初読みだけど惹かれた本がBL作家さんの別名儀だったって事がよくあるので、作家さんの作る世界感ってどんな分野でも文章に滲むと思う。
匿名4番さん(1/1)
普段8割エロ、みたいな小説を書いている作家にぜひ書いてみて欲しい
匿名5番さん(1/1)
BLから一般に行ったら、そこでさようならってなるな~
凪良先生さようなら(涙)
残念…好きだったのに。
一般で落ち目になったらまた帰ってきてくれるかな。
匿名6番さん(1/1)
どこまでも追っかけて行きます。
文章が好きなんです、文章が。
BLにのみ留めておくのは勿体なすぎる才能。
是非、直木賞や芥川賞などの賞を取って頂きたい。
それくらい上記の先生方は文章力ある先生方だと思っています。
ちなみに上記の先生方のうち5人様は作家買いしております。
上記以外の先生方でも、BLにのみ留めておくのはもったいないと思う作家様は当然いらっしゃいます。
匿名7番さん(1/1)
私は逆パターンです。
先に「宮廷神官物語」を読んでいて、その後BLに目覚めて「交渉人は黙らない」に。
榎田ユウリ先生がBLを書いてる事に驚きましたよ~!
実力のある作家さんと言うのは、どのジャンルで書かれても面白いです。
作家さんが書きたいものを自由に書けば良いんじゃないですかね。
やっぱり、作家さん自身が書きたいという原動力を持って書いた作品が面白いですもん。
匿名8番さん(1/1)
私も子供の頃から本の虫で色々なジャンルの本を読んできました。
BL作家さんは、理知的で美しい文章を書く方が多く、どんなジャンルも自分のものにされるので、
ホント感心しています。恋愛もの以外の非BLは読んでみたいかも。
個人的に非BLで面白かったのが、我らがミラージュの桑原水菜先生の「カサンドラ」です。
やはり他の女流作家と違い、陸軍中野学校などマニアックなネタのオンパレードで流石と言うしか無い…。
「ジョーカー・ゲーム」が好きな人にオススメです。
匿名9番さん(1/1)
富士見L文庫はBL出身の作家さんが多いですよね。
私は和泉桂さんの鎌倉ものが気に入っています。「スープやかまくら来客簿」は兄弟もの、「かまくらめし屋のおもてなし」はイケメン店長と店員の二人のコンビが楽しいです。BLの匂いがしないのも新鮮です。