血が繋がっていても止められない気持ちがある…!?私たちがBLを読む理由のひとつに、男同士の
背徳感を味わいたいという感情があります。
「だめだ…男同士じゃないか…」
ええ、存じております。しかし、そこがイイんですよね!
では、そこにもう一言付け加えたらどうでしょうか?
「だめだ…男同士で、しかも
兄弟じゃないか…」
兄弟…! たった二文字なのに何たるパワーワード…!
腐女子の中でも賛否が分かれるジャンルではありますが、更なる背徳感を求めている方も確かに存在します。
そんな方々のために、ライトなものからヘビーなものまで5作品ほど兄弟BLをご紹介したいと思います!
フリーター弟×負け「犬」兄
『貴様と俺』紺野キタ
あらすじ妻に逃げられ、会社もリストラされた兄ちゃんがなんと本物の負け「犬」になってしまった! 次第に犬の生活に心地よさを感じる兄。そんな兄を可愛く感じる弟の想いはついに危ない一線を越え……!?
兄弟萌えポイント負け犬って単語、日常的でもよく聞きますよね?
ケンカに負けて尻尾を巻いて逃げる犬からきた言葉のようですが、表紙を見てお分かりの通り、この作品では兄が本当に犬になっております!
恐らく皆さまが思っているよりも犬です(笑)
なので、犬好きの記者としてはBLという枠を超えて楽しめました。
気になる恋の行方ですが、「まさか獣姦…!?」と思いきや、そこはご安心を。
気持ちが通じ合ったふたりはちゃんと人間の姿でイチャイチャしています♥
兄弟モノというと、やはり背徳感たっぷりのシリアス展開を想像する方が多いと思いますが、この作品に関しては期待を裏切るほどのコミカル&ほのぼのストーリー。
リアリティ溢れる兄弟BLの合間に、さらっと読めて面白いコチラの作品はいかがでしょうか。
ヤクザ兄×チンピラ弟
『兄の忠告』朝田ねむい
あらすじ唯一の肉親である兄が音信不通になって約10年。身寄りのないツヅキの生活は荒れ、悪友達とその日暮らしをするようになっていた。だが、そんなツヅキの前に兄・ハジメが突如姿を現し――!?
兄弟萌えポイント表紙からはハードボイルドっぽさが漂っていますが、思いのほか力を抜いて読める内容になっています。
弟のツヅキはやんちゃなチンピラ。一方、兄のハジメはどちらかというと硬派でスマートな雰囲気。
対照的なふたりが10年ぶりに再会して距離を縮めていくのですが、ベタベタしすぎない距離感が絶妙に萌えます…!
昔から兄が苦手だと言う割に、意外と可愛く甘えるツヅキが個人的にはツボでした。
ハジメはサラッとかっこいいことができるタイプ。
スパダリというわけでは決してありませんが、カッコイイ兄の王道をいくタイプだと思います。
「弟をそんな目で見ていーわけ? おにーちゃん?」
ツヅキのこのセリフに非常に萌えた記者でした(笑)
無愛想弟×ほだされ兄
『岡本兄弟の場合』さり
あらすじ弟のりくは度々酔っ払って帰ってくる兄はるとの面倒をよく頼まれていた。酔って寝てしまうと、兄はるとは朝まで絶対に起きない。それをいいことにはるとを部屋まで送り届けてはベットに潜り込み、自慰行為を繰り返していた。りくの行動は日に日にエスカレートしていき…!?
兄弟萌えポイント「続きを出してくれ~!」と思わず声に出してしまうくらいに今後のふたりが気になる作品です。
朝まで起きないからと兄を使って自慰に耽る弟と、実はそれに気付いていて好きにさせている兄。
りくは一見すると無愛想でとても兄に劣情を抱いているとは思えませんが、内に秘めたる思いは大層なもの…!
絶対に自分の気持ちを表に出そうとしない弟は寝たふりをする兄にやりたい放題です。
兄弟なら力づくで引き離すべきところですが、そこはやっぱり可愛い弟。
弟を気遣う余り、結局突き放せない辺りがお兄ちゃんの魅力となっています。
ふたりの気持ちが通じ合う日は来るのか来ないのか…!
今後に関する決定的な描写がないからこそ、背徳感が割り増しされているように思います…!
でもやっぱり続きを読みたい…!(笑)
問題児弟×優等生兄
『起こらなかった恋についての物語』カシオ
あらすじまだ性に目覚めてもいない小学生の頃、兄・賢太郎が家庭教師の男にいたずらされているところを目撃してしまった弟・勇二郎。咄嗟に家庭教師を殴ってしまった勇二郎だったが、その理由を最後まで口にせず、家族からは問題児のレッテルを貼られてしまう。それ以来、兄を避けるようになった勇二郎は、ある日兄の秘密を知ってしまう……。
兄弟萌えポイント短編ながら、兄弟モノならではの背徳感が非常に伝わってくるお話です。
弟視点でストーリーは展開しますが、兄を避けたい気持ちがある一方で、そんな兄を性の対象として見てしまっていることへの動揺とで混乱する弟…。
男の手によって乱れる兄・賢太郎がこれまたいやらしいこと…!
「エロい」のではなく敢えて「いやらしい」という表現を使わせて頂きましたが、本当に未成年とは思えない色香を纏っているのです。
そんな兄は弟のことをどう思っているのか…? その辺りは謎に包まれていますが、だからこそこの先のことを否が応でも想像してしまいます。
また、本作品のタイトルになっている「起こらなかった恋」という言葉について読了後にしばし考え込んだりと、読者自身が思考を巡らすような作りになっていると思います。
結末が描かれていないからこそ心に引っかかるものがあるのではないでしょうか。
上でご紹介した『岡本兄弟の場合』とはまた違った意味で今後が気になる作品となっています…!
執着系弟×冷徹な兄
『薫りの継承 上』中村明日美子
あらすじ兄・忍は後妻の連れ子として比良木家へ迎え入れられた弟・竹蔵を常に憎悪に満ちた目で見ていた。そんな兄を愛してしまった竹蔵は、ある日兄の妻が愛用する薔薇の香水をまとって兄の寝室に忍び込んだ。目を怪我して見えない兄を竹蔵は欲望のままに抱いてしまうが、兄は自分を抱いた相手が弟であったことに気付いていた……!
兄弟萌えポイント行きつく先がハッピーエンドではないと分かっていても愛してしまう。
そんな兄弟モノならではの背徳感をひしひしと味わえる作品です。
中村先生特有の耽美でエロチックな作風に「兄弟」という禁断の設定が加わることで、のたうち回ってしまうような苦しさが読み手を襲います…。
上巻から
下巻までを一気に読み進めていくうちに何となく先が読めてくるのですが、ある程度覚悟をしていたものの、衝撃のラストに涙を堪えることができませんでした。
この兄弟を繋ぐ役割として兄・忍の息子の存在があります。
恋のキューピッドと呼ぶには余りにも軽すぎるかもしれませんが、そういった脇キャラにも注目して頂きたいです。
ストーリーの至るところに散りばめられた切なすぎる「薫り」を体感してみてください。
最後に
記事を書いているだけでかなりのエネルギーを消費した気がします(笑)
どんな兄弟モノでもやはりそれなりの覚悟を持って読み始める記者ですが、その分、読み終わったあとの何とも言えない感情もひと際大きいように思います。
苦しい、だけど萌える…。この感情に名前をつけて欲しいです…。
ともあれ、いつもの作品にちょっとだけ物足りなさを感じたとき、少しだけ冒険して兄弟モノに手を伸ばしてみるのも良いかもしれませんね!
記者:白米
コメント10
匿名1番さん(1/1)
弟攻め兄受けの作品だと、内容確認せずに買っちゃう病気にかかってます。
匿名2番さん(1/1)
腐歴0.8年目としては、かなり重い扉だと感じております。紺野さんのは確かにライトで犬かわいさで背徳感は薄かったです。
他のも手を出すか、もう少し修行してからにするか迷う所です
匿名3番さん(1/1)
兄攻めって少ないんですネ
匿名4番さん(1/1)
兄弟大好き!!!!
男同士というハードルの上に、更に兄弟というハードルが加味される事によって更に燃え上がる愛!!
義理よりもガチ兄弟が尚最高です。
匿名5番さん(1/1)
紹介されてないがガチ兄弟ものでは池玲文さんの『涕涙まくら』が一番萌えた。
匿名6番さん(1/1)
最近急激に兄弟BL兄攻めがキテる
でも兄攻めは少ないのかしら?
匿名7番さん(1/1)
田倉トヲル「拝啓、兄さん様」。
ガチ兄弟。兄攻め弟受け。
クライマックスの、二人だけにしか分からない理屈抜きの台詞回しで表した心理描写がとにかく秀逸。
”兄弟愛”を取るか”恋愛”を取るか、その葛藤からくる兄弟の切ない感情が迫力を持って伝わってきました。
匿名8番さん(1/1)
がっちり血のつながった兄弟モノ大好物でハピエンがいいけど、流す感じのモヤっとした終わり方が多い気が…
兄弟ラブものでハピエンものもっと増えてほしいなーorz
兄の忠告はハマったな…
匿名9番さん(1/1)
兄攻め少なくて辛い
6:4いや7:3くらい?
匿名10番さん(1/1)
実兄弟ものが好きです。
親の再婚で兄弟になったような義兄弟は、血の繋がりはないんだから、そんなの一つ屋根の下に住んでるだけの他人だよって思ってます。