息ピッタリの掛け合いも心地いい♥毎年恒例、漫才頂上決定戦である「M-1グランプリ」の決勝戦が、今年は
12月4日にテレビで生放送されますね! すでにファイナリストが出そろったようで、2016年はだれが優勝するのか、気になる人も多いと思います。
漫才と言えば、コンビの絆に思わずときめいてしまうことも多いのでは? お笑いコンビそれぞれに結成までのいきさつや、下積み時代の苦労などさまざまなドラマがあり、そんな中でコンビ愛をはぐくんできたのでしょう。
恋人よりも濃い関係と言われるお笑いコンビ。今回はそんな彼らを題材にした「漫才BL」をご紹介します。
漫画『弾丸デッドヒート』やまねむさしあらすじ
新進気鋭のお笑い芸人コンビ・弾丸デッドヒートの藤崎雄吾と豊橋慶太は高校時代からのくされ縁。仕事中のパフォーマンスで相方とキスをして以来なんだか心おだやかでない藤崎であったが、"舞台に上がると勃起してしまう"という変わったコンプレックス持ちの豊橋に対し、ついに並々ならぬ色気を感じてしまい……?! ヘラヘラしつつも漢気のあるボケ・藤崎と、ヒステリックツンデレ眼鏡なツッコミ・豊橋の、デッドヒートラブ!
まずは、やまねむさし先生のコミックス『弾丸デッドヒート』。ちるちるでは2015年の発売時、
インタビューも掲載しました。
2014年発売『
明転飛び出しッ!』のスピンオフであるこの本作は、『明転』で主人公たちのライバルとして登場したコンビの恋を描いています。
漫才ではツッコミ役の黒髪メガネが、「舞台に上がるとボッキしてしまう」体質というめちゃめちゃおもしろい設定がポイントのひとつです!
レビュー
高校の同級生の相方って遠慮も何もないのが凄く心を明け渡してる感じで萌えますね!!
お互いの良いところも悪いところもほとんど知っていてヘタしたら親といた時間より長いかもしれない!
そんな二人がずっと無自覚のままこじらせた恋、楽しいに決まってます…。―――東雲月虹さん
豊橋が受けなんだけど、ちょー男前でかっこよかった。
ビビってる藤崎に胸ぐら掴んで「そんなんで相方抱けんのか ユーゴさんよ」っていう豊橋が。―――宮原きの子さん
根明なボケ×冷静なツッコミというナイスコンビの関西弁の掛け合いがとにかく楽しいお話。
特に豊橋。インテリヤクザのような風貌&口の悪さが全然受けっぽくなくて面白いです。
藤崎に寝込みを襲われても逆にプロレス技をかけるくらい男前なのに、いざキスされたら真っ赤になるギャップが素敵。―――Krovopizzaさん
漫画『サエズリルール』セキモリあらすじ
『こいつと一生やってくって決めた』高校の同級生同士で結成した駆け出しお笑いコンビ「サエズリ」。しっかり者のツッコミ・旭は、ボケの高哉に淡い恋心を抱いているが、絶対に気持ちを告げないと心に決めている。口を開けば「女にモテたい」という高哉は、人づきあいこそ苦手だが、根っからの女好き…なにより、今は高哉の才能を世に出す事が先決だからだ。なのに、ドッキリ企画で先輩芸人にキスされた時、思わず高哉の名を叫んでしまって―――!?
セキモリ先生のデビューコミックスである『サエズリルール』は、長年コンビを組んでいる二人が、ドッキリ企画で関係性が変化していく物語です。ちるちるレビューの中には「はじめてBLを読んだときの気持ちを思い出した!」という人も。青春のときめきを思い出せる良作です。
レビュー
セリフや情景など、お笑いという世界の雰囲気がよく出ている作品。中のコントにもクスッと笑わされる。
マネージャーの女性も魅力的なキャラだし、スピンオフ候補になりそうな先輩コンビもいい感じ。何より、相方という関係性自体に萌える。
恋人よりも相方の方が大切、だから臆病になる受けが可愛い。―――snowblackさん
評価を神にする作品って切ない、泣ける、好みのエロ、独特の世界観とかそんな系統が多いんだけどこれはそこまで振り切れた作品じゃないのにすごく良かった。
はじめてBL読んだときみたいな感覚がよみがえるというか。なんともいえないときめきが!!―――nonameさん
すごくいいなぁ~と思ったのは、お笑い芸人としての面白さや、真剣さがしっかり散りばめられているところ!!
自然体で笑いをとりにいく姿や、思考がいちいち笑えるのがいいw
コンビなだけあって、普段の息の合い具合もピッタリで、その掛け合いがとても微笑ましくて楽しいのです♪―――江名さん
小説『頬にしたたる恋の雨』久我有加/イラスト:志水ゆきあらすじ
寄席を解雇された落語家のもず・こと文彦は、寄席の主・瀬島から万歳(まんざい)への転向を勧められる。その頃、万歳は落語より格下に見られていた。抵抗を覚えつつも、台頭し始めたばかりの“新しい万歳"を理屈抜きで面白いと感じた文彦は、気の合う相方も得て万歳の道を歩み出す。同時に、時に厳しく時に優しく己を導いてくれる瀬島に恋情を抱くようになり……?
最後は少し変わり種。久我有加先生の小説『頬にしたたる恋の雨』は漫才が生まれたまさにその時代の大阪を舞台にしたBLです。落語家から万歳(当時の呼び名)に転向することになり、自分を導いてくれる万歳の興行師と恋に落ちる、しっとりした雰囲気の物語。こちらは漫才の相方ではなく、興行師×芸人カップルです。関西弁に定評のある久我先生の会話文にも注目です。
レビュー
言葉もええですが、上方万歳?(今の漫才?)のルーツみたいなもんなんですかね? それが丁寧に描かれててめちゃよかったです!
また攻めさんの瀬島いうおっさんが根性すわった ええ男で・・・たまらん。
受けさんの相方の団子いう男子も、ちんちくりんらしいんですが(笑)また芯のあるええ男で、これはほんま惚れますわ。―――あーちゃん2016さん
「お仕事BL」としての「芸」への取り組み方とでもいうのかな、百舌と団子の2人はとても真面目でいつもお互いを敬い、周りに気を遣い、一つのネタを客席との呼吸とも合わせながら練り上げていく手間を惜しまない。売れてもお座敷遊びなどにはうつつをぬかさず。この清潔さが好ましくて、百舌と団子のコンビを応援したくなるのです。―――ふばばさん
文彦と瀬島の言葉のやりとりの中で、「コンジョワル」という言葉が出てきます。
イジワル、じゃないんです。文彦が甘えも含んで「コンジョワル」と言い、「おまえにコンジョワルて言われるんは本望や」と返すところがたまらなく好き。―――gamisさん
いかがでしたか? 長年の付き合いでツーカーの関係、恋人よりも大事、お互い仕事に真剣に向き合う姿勢、そして極上の笑いがつまった漫才BL、年の瀬お笑い番組のお伴にいかがでしょうか。