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ディープな世界にどっぷり浸かる! 「痛い」木原音瀬作品 9選

2016/09/08 12:03

2018/03/01 12:03

余韻に浸りたい方へ!「痛い」けど「深い」9作品

ちるちるでも大人気の木原音瀬先生の小説。 『美しいこと』『箱の中』『檻の外』『COLD』シリーズなど…数々の作品が多くの神評価を得ています。
今回は、木原先生の作品の中でも特に痛く、そして深い作品をピックアップ。
ディープな世界に浸りたい方に是非オススメしたい、9作品をご紹介します。


痛いし、辛い…けど萌える!
『薔薇色の人生』<あらすじ>
愚かな生き方のせいで、家も家族もなくしてしまった百田。生きていても仕方がないと自棄になりかけた時、偶然通りかかった警官に制止される。生真面目な正論に腹を立て、その警官・浜渦に「抱かせろ」と無理難題をふっかけるが、彼はすべてをなげうち、百田を救ってくれた。彼のために生きることを誓う百田だったが…。ひたむきな恋がすべてを変えていく。大人気のモモ×ロンちゃんシリーズ! 書き下ろしショートつきv

<レビュー>
人の出会いの不思議。縁の有り難さ、同時に恐ろしさ。自分のエゴ。(愛に理由を付けていないかどうかを突きつけられる)間違いなく神作品の「薔薇色の人生」。老若腐女子、みんなに読んでいただきたいです。――ふばばさん

この作品はその特徴が顕著で、攻は元犯罪者、現在は風俗店勤務のどうしようもなく馬鹿な男。はじめは手籠め同然に受と夜を過ごしますが、次第に情が湧き、やがて恋をします。読んでいて愛おしい気持ちになる、とても素敵な作品です。――Agnesさん

BLの攻めとしては有り得ないような、ダメダメな男が主人公。しかし、受けのロンちゃんに出会うことによって変わっていくモモが可愛くて、どうにか2人で幸せになってほしいと願いたくなります。過去の話は痛かったりもしますが、読後はほっこり幸せになれるようなお話です。


非日常を味わいたい方に、究極のサバイバルBL
『WELL』<あらすじ>
ある日突然すべての建物が崩れ、多くの人間が死に、地上は真っ白な砂漠に変わった。そして生き残った少数の人間たちには、過酷な現実が待っていた...。地下にいたせいで助かった亮介と幼馴染みのしのぶは、食料もなく、飢餓状態に陥りながら死を待つように生きていた。「亮ちゃんが一緒ならいい」と言うしのぶに、死にたくない亮介は苛立つが...。

<レビュー>
人間って生きる為には何しでかすか解らない。そんな人間の偽善や残酷さや儚さなど、生と死の狭間で揺れ動く感情が描かれていると思う。――ルイさん

ふたりの愛についてというよりも人間としての生き方みたいなものが綴られていたような気がする。
生きるために“愛”を手放さないしのぶ。生きるために“愛”を受け入れる亮介。生きるために“秩序”や“理性”を捨てない者。生きるために“食べ物”を選ぶ者。
生きるために自分は何を選ぶのか?――かにゃこさん

絶望しかない…究極のサバイバルBLです。筆者は、読後一週間ほど引きずって生活していました…(笑) 重く、痛く、苦しい。ホラーでもなく、サスペンスでもない。極限状態に立たされた人間がどういった行動をとるのか…木原先生独自の世界観で描かれています。SFだけども、どこが現実感がある、そんな作品が読みたい方にオススメです。


首にかけた鎖は愛か憎悪か──。
『FRAGILE』
<あらすじ>
大河内の人生は、バラバラに壊されてしまった。一人の男の手で―。才能あふれる部下・青池を嫌い、一方的に蔑ろにしてきた大河内。我慢の限界を迎えた青池は大河内に襲いかかるという事件を起こし、社を去っていく。目障りな存在がいなくなり安堵したのも束の間、ある夜、その青池が大河内の自宅で待ち構えていた…!大反響の雑誌掲載作に大量書き下ろしを収録。二人が踏み込んだ愛憎の迷路のたどり着く先は―。

<レビュー>
受の大河内が徹底的に嫌なやつすぎて、同情する気にもならないのですが、攻の青池のヤンデレっぷりももう半端なくて、完全にヤバイ人です。
普通にこんな人いたら、即仕事なんて辞めて海外にでも飛んで逃げたくなるくらい、もの凄い執着でした。――薄雲さん

大河内が憎い。大河内が好きな自分も憎い。それでも狂うほど愛している。大河内も自分を否定して、青池への憎しみで自分を守ろうとしている。この作品は、ただ感想を述べろ、と言われても何て言えばいいのかわからないのです。魂ごっそり持って行かれました。他にはない作品です。――暁めぃさん

これでもか! というほどの執着BL。攻めの青池の仕打ちが本当に酷くて痛いのですが、それにも負けないくらい受けの大河内のクズっぷり。狂気、執着が好きで、普通の展開じゃ物足りないと感じている方にオススメの一作です。


一筋縄ではいかない、衝撃のアラブBL
『熱砂と月のマジュヌーン』<あらすじ>
石油王の息子だったファウジは、父親が倒産と同時に逃亡して困窮していた。挙げ句、奴隷としてオークションにかけられ、ある富豪に買い取られる。主人となった男の紳士然とした態度に安堵したファウジだったが、連れられた館で待っていたのは耐え難い恥辱の日々で……!?

<レビュー>
私は、主人公のことが終盤になるまで好きになれませんでした。ここまで好きになれない主人公も珍しいです。ただ、Ⅲ章の主人公があまりにもかわいそうで、好きになったというか同情の念が湧いてきました。小説を読んでここまで心揺さぶられたのは久しぶりです。これは本当に素晴らしい作品でした。――もんてらさん

極限状態の人をモチーフにして人の心のややこしさを紡いでいく部分は、木原作品の得意とするところなんでしょうね。この作品にもそれはしっかりと生きていて、読みごたえがありました。こういうイロモノ的なモチーフを使っても損なわれないそれに、作者さんの力量を感じさせられました。すごいです。――crystさん

筆者は、この作品を読んでいるとき何度か本を閉じるくらい、辛かったです…。受けはとんでもないクズなのですが、あまりにも可愛そうで同情してしまうほど痛かったです。しかし、後日談のペーパーにはかなり救われました! かなりディープなアラブBLに挑戦したい方に是非!


壮絶で、歪んだ愛
『さようなら、と君は手を振った』<あらすじ>
従兄弟の氷見啓介が田舎から上京してきた。なし崩し面倒を見ることになった誠一は、アパート探しを手伝いながらも、実は気まずい思いだった。十年前の夏、啓介に心酔いした誠一は、「高校卒業したら迎えにくる」と約束したまま、戻らなかったのだ。相変わらずのダサいメガネ、髪型、服装にうんざりしつつも、誠一は再び欲望のままに啓介を抱くようになる。しかし啓介は優しく受け止とめるだけで…。

<レビュー>
ラストは実際に読んでみると、聞きしにまさる混沌とした未来の暗示に戸惑います。名作といっていいのかどうか、しかし、読後感は背中がムズムズするような、ゾッとするような。愛はやはり不安定なほうがいいのかもしれません。――ofnoticeさん

モヤモヤ感は最後迄消えませんでしたけど、読んでて本当面白かったです。
木原さんの作品、読んでて痛いものが多いんですけど、上っ面だけじゃない感じ。綺麗にまとめようと思えばまとめられそうなのに、あえて見たくない方を選んでいく感じ。
やっぱ木原さんの作品は好きだわ。――AshNYさん

読後感はモヤモヤする感じなのですが、その余韻をずっと味わっていたい…そんな風に思える作品です。2人の愛は果たして「究極の愛」と言えるのか、非常に考えさせられました。木原先生作品の独特なダークさが味わいたい方へオススメです。


共に、生き続ける
『リベット』<あらすじ>
初芝公平は、誰にも知られたくない大きな問題を抱えて暮らしていた。しかし、その悩みと明るく向き合いながら、一人で生きていこうとしていた初芝の心を乱すものがあった。それは、いつも温かく抱き締めてくれる恋人の由紀と、常に初芝の我が侭を聞いてくれる職場の後輩の乾の存在だった。二人は初芝の心を弱くも強くもする。自分の悩みを告げるべきか、初芝は葛藤するが…。

<レビュー>
この物語は、私が普段目をそむけようとしている不条理へと焦点を向けさせようとする。世界は不条理に満ちている。そして、「なぜ自分がこんな目に合わなけ ればならないのか?」という叫びのような問いかけに対して、理性で説明することはできない。著者は、そうした不条理を、オブラートに包むことなく、残酷な ほど赤裸々に描いて行く。――エレニさん

明るい希望がある訳ではないけれど、絶望だけがある訳でもない、けれど決して明るい希望の道ではない。それが淡々と書かれている作品でした。BLでラブラブエロやがっつり恋愛話を期待している方だと、この作品は系等が違うだろうなって気はしますが作品としては名作だと思う――クレタコさん

こちらの作品は非常に重いテーマで、BLというジャンルではタブーという風潮がありました。これをBLでテーマに挙げた木原先生、出版社には脱帽です…! 読み終わった後には、是非カバーを外して3年後の2人を見届けてください。


クズはクズのまま
『MUNDANE HURT』<あらすじ>
高二の体育祭、長野の意外な格好良さを見た西崎は彼に興味を抱く。西崎は長野の気をひこうとするが、落とせない彼に苛立つうち…。

<レビュー>
主人公の受はクズとしか言いようがなく本当に性格が悪い。何か困難があるとその原因を他者のせいにして、心から反省するということがない。つまり共感しにくい人物であるということ。対して攻は寡黙で少し言葉足らずな部分があって、これまた理解をしにくい。それでも物語には魅力があり最後まで一気に読み終えた。結末もはっきりと白黒ついたモノではないが私はその曖昧さが良いと思った。主人公が人生で初めて必死になって求めた物が得られると私は信じたい。――さくこさん

西崎はどうしようもなく自分勝手で、人を利用して生きていくことしか出来ません。そして自分の身に降り掛かった災難は全て人のせいにします。それがとてもお世話になった人でも。ここまで突き抜けたクズはやっぱり木原さんの作品でないとお目にかかれないですね。ラストはしっかりと書かれていなかったのですが、あとがきを読んで自分の想像通りだったので結構スッキリしました。――KRAFTさん

木原先生お得意の、どうしようもないクズが受けのお話。木原先生があとがきで、「クズはクズのまま」がテーマであるとおっしゃっていましたが、読み終わるとその通りだったな…と感じました。前半と後半で立場が逆転するので、そういったものがお好きな方に是非トライしていただきたいです。


すれ違う2人の行く末は?
『HOME』<あらすじ>
片思いしていた男が死んだ。篤は男が育てていた姉の子供を、彼と思い引き取って育て始める。少年は篤にまったく打ち解けなかった。
やがて子供は大学生にまで成長したが、愛した男の面影は見えなかった。
篤は自分の役目が終わったことを感じ、結婚して身を固めようとするが・・・。
書き下ろし20~30ページ!木原音瀬、衝撃の問題作!!

<レビュー>
歪んでる。人生の狂い方が尋常じゃない。篤と直己の思いの交錯が心千切れんばかりに伝わってきて、痛くて、重くて苦しくて切なくていろんな感情が芽生えました…――なぺっぺさん

最後まで衝撃を受けっぱなしでした。イタタタタ・・・。でも甘い。読み終わった後は呆然とするのみ。魂の抜け殻。只今 心臓が尋常ではない速さで打っております。高速ドキドキが止まりません。(普段よりも脈数がものすごい速い数となっています)死にそう。木原先生独特の感性な世界をたっぷり浸ることが堪能出来るニクイ作品です。――jimmyさん

ホラーのような、かなり歪んだお話です。欲しいものを欲しいと言えず、言葉に表すことのできない不器用な2人は似たところがあると感じました。先のストーリーがまったく予想できず、驚愕しっぱなしでした。


心の救いを描いたヒューマンラブストーリー
『夜をわたる月の船』<あらすじ>
ある日、河瀬は上司の柴岡に人事異動をたてにセックスを強要された。
どうしても企画部に異動したい河瀬は、たった一度きりで自分の望みが叶うならと、男と寝ることに同意するが…。

<レビュー>
ここまでの、どこまでもノンケで、ドノーマルで、そして、どちらもお互いに底が見えないって言う感じは初めてです。このおっさんはなにものだー、なにものなんだ、何を考えているんだ、って、気まずさとか、そういうの全くなく、ただただ穏やかにって、怖い。気持ち悪いのに、この気持ち悪さこそが、萌えの材料で、だんだんと、この気持ち悪さが癖になるというか、もっとくれ、もっともっと、と読むうちになるのが凄くいいです。――蛍羅さん

河瀬史(攻め)の目線でストーリーは進んでいきますが、柴岡(受け)が頑なで腹が立つくらいです。河瀬史は、自分が手を離すと死んでしまう男を相手にした一般的な人間がとる態度であり、その言動に違和感は感じませんでした。少しずつ明らかになる柴岡の過去、そして柴岡が河瀬史に求めたものとは…。柴岡にイラついていたはずなのに、読み終えてからもう一度、今度は柴岡の目線に立って読み直したくなる作品です。オヤジ好きにはお勧めです!――M+Mさん

木原先生独自のダークな世界観が描かれています。不気味で、ホラーなのではないかと思うほどの緊迫感。このお話に果たして希望はあるのか…読後、非常に考えさせられました。オヤジ受け好きの方に、是非挑戦していただきたい一作です。


さいごに
いかがでしたでしょうか? 9作品でも十分多いとは思いますが、コノハラーの筆者としては、まだまだご紹介したい作品がたくさんありました…!
木原先生の作品はBLというカテゴリーに収まらず、「人生とは何か」を考えさせてくれる作品が多いように感じます。まったく予想できないストーリー展開は、まるでジェットコースターに乗っているかのよう。BLという枠を超え、リアルな人間の心理や行動が描かれる作品に魅了されること間違いなしです。
気になる作品があれば、是非お手に取ってみてください!

記者:馬子

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木原先生大好きだからこの記事最高に楽しく読めた

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