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【90年代作品アンケート】コミック篇 時代と共に変化し続けるBL

2016/06/11 04:30

2018/03/01 15:54

90年代のプレBL期のヒット作BANANA FISHのアニメ化発表は、多くの腐女子に衝撃を与えました。
確かにまわりをみると、80年代から90年代にかけての歌、いわゆる「昭和の歌謡曲」が若い世代にヒットしていたり、BLでもちょうどその頃に流行った絵柄がリバイバルしています。90年代は今ブームといえるでしょうか。

90年代ボーイズラブコミックランキングTOP10


2016年に実施した「90年代BL」ボーイズラブ漫画アンケート。100名以上の方からご回答をいただいた結果をここで見てみましょう。小説篇もあわせて御覧ください。

第1位『BRONZE ZETSUAI since1989

著者:尾崎南

 

レビュー

 

あらすじ
サッカー少年の泉拓人と、彼を愛する人気歌手の南條晃司。強いまなざしに魅かれたあの日から晃司の願いはひとつ…“泉の側にいたい”ただそれだけなのに――。男と男の激愛! 極ハードラブストーリー! !

OVA化され、今もなおBLの古典作品と語り継がれる大人気漫画『絶愛-1989-』の続編が堂々の第1位!

まだ“BL”というジャンルが確立していなかった90年代。少女漫画誌に連載されていた『BRONZE』を夢中で読んでいたという方がたくさんいらっしゃいました。主人公二人が織り成す、男同士の激しいラブストーリー、必読です!



第2位『KIZUNA 絆』

著者:こだか和麻

 

レビュー

 

あらすじ

蘭丸(♂)と圭(♂)は恋人同士。大学生になって一緒に暮らしはじめた。二人の毎日は順風満帆。しかしそんなある日、圭の義弟・佳が二人のスウィートホームに転がり込んできた。何やらトラブルの予感が……。

BL界を代表する不朽の名作が第2位に!

『KIZUNA 絆』といえば、甘くてハードな任侠BL。男臭くて不器用なキャラクターたちの恋愛模様に、ときめくこと間違いなしです。少年漫画さながらのアクションシーンも魅力のひとつ。ふとした時の色っぽい瞳に注目して読んで頂きたい作品です。



第3位『チョコレート・キス』

著者:依田沙江美

 

レビュー

 

あらすじ

名門禾鋒学園へ転校してきた初日、伸哉が最初に出会ったのが「委員長」こと油野怜一郎。おっとりしていて天然な性格の伸哉と、上級生とも対等に渡り合える切れ者の油野は言わずもがなの好一対。「あの油野のお気に入り」という立場にちょっとだけ反抗しつつも、変な人ぞろいの仲間に囲まれて楽しい学園生活を送る伸哉。そんな頃、生徒会執行部が油野を次期役員に擁立しようと伸哉まで巻き込んでの勧誘を始めるが―。

名門男子校で繰り広げられる、甘酸っぱい青春ラブストーリーが3位にランクイン。等身大の男子高校生が学園生活の中で恋をしていくという、ナチュラルな内容が魅力。男子高校生だからこそのかわいらしさやもどかしさを存分に味わえる、名作です。

2011年に新装版が発売されていますので、ぜひチェックしてみてください。



第4位『LOVE MODE』(新装版)

著者:志水ゆき

 

レビュー

 

あらすじ

高級デートクラブ「B&B」のコールドボーイと間違われ、うっかり侵されてしまった和泉。

ところがその強姦相手・高宮はいつのまにか和泉の毎日に優しく浸食してきた……。

一方、その高宮の友人で「B&B」オーナーの蒼江が、ある日警戒心丸出しの、やせっぽちの高校生・直也を拾う――。

BL界の金字塔!志水ゆき全集に収録され、現在も手に取りやすい『ラブモ』。男専門の会員制デートクラブ「B&B(ブルーボーイ)」を中心とした人間模様が描かれています。甘さ・切なさ・エロさ、どれをとっても100点満点な作品。オススメです。

 

 

第5位(同率)BANANA FISH』

著者:吉田秋生

 

レビュー

 

あらすじ

1985年、ストリートキッズのボス、アッシュはニューヨークのロウアー・イースト・サイドで、胸を射たれて瀕死の男から薬物サンプルを受け取った。男は「バナナフィッシュに会え…」と言い遺して息を引き取る。ベトナム戦争で出征した際、麻薬にやられて正気を失ったままの兄グリフィンの面倒をみていた彼は、兄が時々つぶやく「バナナフィッシュ」と同じことばを聞き、興味を抱いた。殺された男を追っていたのは暗黒街のボス、ディノ・ゴルツィネ。アッシュは男と最後に接触した者としてディノに疑われる。雑誌の取材でアッシュと出会った、カメラマン助手の英二も巻き込んで事件は思わぬ展開を見せ…。

ダイナミックなストーリー展開が魅力! アメリカの裏社会というファンタジーとリアルの交錯する世界が舞台です。そんな世界を生きる、凛としたカッコイイ少年たちの純粋な愛憎劇に、腐女子の心も乱されまくりました…。少女漫画誌に掲載されていた作品ながら、そのハードボイルドな作風から男性ファンも多い作品。全11巻で、読み応えたっぷりです。



第5位(同率)『花盛りの庭シリーズ』

著者:坂井久仁江

 

レビュー

 

あらすじ
家出をし、訪れた祖父の住む洋館で、雅樹は亡き母に生き写しの少女・瑞穂と出会う。橘家三代の男たちをめぐる秘密を描く愛憎劇。坂井久仁江先生(現・国枝彩香先生)の名作。祖父・父・雅樹という三代の関係性が非常に複雑。


まるで昼ドラのような愛憎が描かれており、「家族」や「血」の呪縛について考えさせられます。まだ坂井先生作品は未読な国枝先生ファンの方に、ぜひ読んで頂きたい作品です。



第5位(同率)『飼育係・理イ火』

著者:本仁戻

 

レビュー

 

あらすじ

学園の憧れの君・理火様と男子寮で同室になった夏目ヒロは、生徒達のジェラシーの的。そんな彼を、学園のトップエリート集団「サロン」の私刑が容赦なく襲う! ! 暴力的SEXが横行する弱肉強食の男子高で、ヒロの貞操は! ? 本仁戻が満身の力を込めて贈る意欲作! !

未だ完結しておらず、続きを待ち続けるファン多数!

読んでいて、痛い・苦しい・辛いという感情になるにも関わらず、ページをめくる手を止められない。「トラウマだけど名作」という意見が多く寄せられたこの作品。破滅や絶望に向かっていくようなキャラクターたち・ストーリー展開は現在のBLとは全く違うものがあります。


第8位(同率)『絶愛-1989-』著:尾崎南
第8位(同率)『グラビテーション』著:村上真紀
第10位(同率)『FAKE』著:真東砂波
第10位(同率)『ANIMAL X』著:杉本亜未




漫画家ランキングTOP10


こだか和麻さん、志水ゆきさんなど今でもおなじみの作家さんが上位にランクインです!ここに名前が上がっている作家さんの作品は読んで損はありません。

第1位:こだか和麻


コミックランキング第2位に輝いた『KIZUNA 絆』の作者・こだか和麻先生が堂々の第1位!

少年漫画の躍動感と少女漫画の繊細さを併せ持つこだか先生の作品は、今も昔も腐女子の心を掴んで放しません。色っぽいアクションシーンにドキドキすること間違いなしです!

代表作
KIZUNA 絆』『腐った教師の方程式』『乱れそめにし


第2位:志水ゆき


現在、ディアプラスで『花鳥風月』を連載中の志水ゆき先生が第2位に!

長期連載作品といえば志水先生、というイメージをお持ちの方も多いと思います。さわやかな絵柄と濃厚な濡れ場のギャップ、切なくも甘いストーリー…。どの作品も涙なしには読めません。

代表作

『LOVE MODE』『是』



第3位:尾崎南

コミックランキング第1位に輝いた『BRONZE』の作者・尾崎南先生が漫画家ランキング第3位に!

BL作品ではない『絶愛-1989-』『BRONZE ZETSUAI since1989』を読んだのをきっかけに腐女子に目覚めたという方が本当にたくさんいらっしゃいました!

代表作

BRONZE ZETSUAI since1989』『絶愛―1989―



その他順位

第4位
:村上真紀
代表作:『グラビテーション
第5位:本仁戻
代表作:『飼育係・理イ火』『探偵青猫
第6位:杉本亜未
代表作:『ANIMAL X』『春やきぬらん
第7位:よしながふみ
代表作:『ソルフェージュ』『月とサンダル
第8位:加藤冬紀
代表作:『ブレスト ブラザーズ』『THE神田兄弟
第9位:藤たまき
代表作:『プライベート・ジムナスティックス』『桜並木袋小路
第10位:なると真樹
代表作:『世紀末☆ダーリン

このアンケートを通じて

・まだ「BL」というジャンルがなかった時代、腐女子は少女漫画からBL要素を感じ取り、ときめいていたということ

・また、そういった要素のある作品をきっかけにBLに目覚めた方が多いこと

の、2点を知ることができました。

また「BL」というジャンルが確立したあとの作品は、90年代BLと比べ「男同士の恋愛」に対する葛藤が減り、濡れ場やハッピーエンド、比較的ライトな内容の作品が増えたように感じます。

時代の変化に合わせてBLも変り続けているんだなぁ…と、しみじみ。


以前、ちるちるでは2015年は「王道回帰」作品が多かったとお伝えしました。

2016年は、そしてこれからのBLはどうなっていくんだろう…! と、期待は高まるばかり。また90年代のような世界観の作品が増えて欲しいなぁと切に願っております。

記者 真島ノ畔

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コメント5

投稿順 | 最新順

匿名3番さん(1/1)

未だに一位の人のコミックと同人誌は、私のバイブルであり、定期的に読み返してしまう。
紹介されているコミックは、後半は特に絶望的な内容で読んでいて辛かったけれど、とても深い話で考えさられます。

「バナナフィッシュ」は最初の頃の作画は残念な感じだったけれど、巻が進むにつれ、だんだんアッシュがカッコよくなっていった印象があります。そこから余計にハマった覚えがあり。

匿名2番さん(1/1)

当時は尾崎南さん某サッカー同人に心酔してたなあ~・・・

私も投票すれば良かったなぁ☆
BRONZEって人気あったんですねー!
私も最初にハマったBLが絶愛だったので、
いまだに美人×男前CPが好きだし、
攻め視点の方が読みやすいんですよね。

集計お疲れさまです。
懐かしく興味深いアンケート結果でした。
できれば、回答されたみなさまの、熱いコメントも読みたいです。

匿名1番さん(1/1)

坂井さんの本は読んでみたいけれど、
もう中古でしか取り扱いがないのですね。

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