BL情報サイト ちるちる

BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

腐女子の履歴書 case.1 【KTC Mさん前編】

2016/03/25 12:00



「腐女子は、なぜ腐女子になったのか?人は生まれながら、腐女子なのか?」
素朴な疑問を不躾にぶつけてみるコーナー
「腐女子の履歴書」、唐突に始めてみます。

不定期ですが、いつの間にか消えていたら、探さないでください
……大人になれば、きっと分かるさ(。-_-)ノ

今回のゲスト
キルタイムコミュニケーションのMさん

キルタイムコミュニケーション(KTC)はアダルトの老舗版元。男性向けの触手やハーレムものを制作・販売しています。女性向けのエロとは一線を画す職場のように見えますが、Mさんは腐女子スキルはどのように活用されているのでしょうか。



・自己紹介をお願いします。
二次元アダルトの殿堂、キルタイムから来たMです。
TLコミックの担当をしています。

・初めて買ったBL作品は?
五百香ノエル先生の作品でした。
山田章博先生というイラストレーターがいるのですが、その方がJUNEという雑誌で描いているよって情報を知って見たいって友達に(腐女子)言ったら、雑誌ごと
持ってきてくれて……それがBLでした。
そこに「神様はイジワルじゃない」という作品のレビューが掲載されていて、レビューが面白かったので買ってみたのが、BLデビューですね。

・デビューは学生でしたか?
社会人です。1994年でした。



~~~BL、デビューは突然に。~~~

・意外にもデビューが遅かったのですね
周りにも腐女子はいたのですが、遅かったですね。
リアル腐女子というか、学生時代にゲイの人がクラスメイトにいたので、
なかなか熱い2丁目の話を聞いていました。
学校でクラスメイト(男性)に「おはようっ(背中をポンッ)」みたいなことをしたら、「痛い痛いっ」言われて。「どうしたの?」って聞いたら、昨夜、バイトしてたバーで客に手錠をかけられて、殴られたとか。それが愛情表現だとか……そんな意味の分からないエピソードを朝から彼は私に話して「おさわり、禁止だって言ったのにぃ」と訴える。
朝から濃い話してましたね…(遠い目)

その人以外にもJUNEを貸してくれた友達(腐女子)は学校でサムソンとかアドンとか学校で出しちゃいけない類の雑誌を出しちゃう人で……
(サムソンとかアドン:代表的なゲイ雑誌。アドンは現在、廃刊。)

・それは、硬派なほうのゲイ雑誌ですよね?
そうそう。だから、BLに対する萌えは、全くなかったです。先に現実を知ってしまいました。アダルトビデオの通販で「セクシーホモ」みたいなタイトルを見つけて、何か違うなーと。ガチなタイトルが20数年前だと、緩い時代だから、あったんですよね。

・それまでは、特に薄い本から来たとかなかったのですね?
薄い本的なところでは、BLではなく創作系ですかね。晴海でコミケを開催していた頃は顔を出していました。

・イラストから入ったのはレアですね。
ノベルが好きだったので、イラストのほうが入りやすかったですね。こいでみえこ先生の画がステキだったのですよ。ちょっと面白そうだなーと書店に買いに行ったのが思い出です。

・最初、書店に買いに行くのに恥ずかしさは?
全く躊躇なく。新宿の大きな書店で買った覚えがあります。棚に差した本から探して。読んでみたいから~なだけですね。
会社帰りに一緒に買いに行ったその時の職場の同僚が「私も美少年系、大好きなの」みたいな会話をした覚えがありますね。振り返るとあの人も腐女子だったんだなと。「その本はあの辺りにあるよ」ってフツーの人は、区分が分からないと思うのですよね。そこからですね、BL沼は。そこから、始まりました。

・働き出すとBL卒業する人も増えるのですが、その後も卒業することはなかったのですか?
他にもライトノベルも読みますし、当時在籍した職場の隠れ腐女子だと思われる先輩からの洗脳ライフをおくっていました(笑)。どちらかと言えば、BL小説です。腐女子の友達は多かったので、「BL作品を買った」と言ったら、どんどん深みにはめるのを狙うように、わざわざ車で自宅までBL作品を勝手に持ってくるわけですよ。「BL沼にようこそ」な状態です。

・それは、布教活動?処分に困って?
両方だと思います。そこからは薄い本やら、その当時流行していたルビー文庫で出た富士見シリーズなどジャンルを問わずに置いていかれて……彼女たちは、勝手に我が家に読み終わった本を置いていくことでBLの世界に連れていくのです。


~~~ニッチ過ぎませんか?(即否定)~~~


・BLの一番好きな属性は?
筋肉受けです。先日出たメディアソフトさんの筋肉BLを見た時にコレだねって
思いました。

・ニッチ過ぎませんか?そんなことないですか?
ないです。受けがマッチョ、攻めはひょろでもマッチョでも良い。
鬼嶋兵伍先生と平未夜先生がいいですね!ガチの本も買っているので山田参助先生とかね。

・なるほど、その手のジャンルだとBLじゃなくて、ゲイのほうが多いのではないでしょうか。
そうです!!いっぱい買ったのですが、怖いもの見たさの腐女子の方々が興味津々で「貸してください」って言って持っていっちゃって、なかなか返してくれない。私のガチホモコレクションはどこに行ってしまったのか?と(笑)。コレクション返してっ。

・返ってこないのは、気に入ったからですかね?(笑)
気に入ったからまだ手元に置いてると思ってます…(ショボン)。
山田参助先生はなかなか手に入らないので、とりあえず返して欲しいです。

・BLとガチの人は、なかなかクロスオーバーしないのですが、面白いですね。
まあ、KTCにいるので。BLもお楽しみの一つですよって。
(KTC:アダルトの老舗版元。触手やハーレムものを制作・販売している)

・一番萌える属性はありますか?
攻め(もしくはそれっぽい)が受けになる攻受逆転が大好物です。
受けが強そうに見えて、実は弱い。実は攻めが一見フツウだけど鬼畜。そこにつけこんで、ヤラれてしまうとか。

・シチュエーション的なものはありますか?
自分が強い攻めだと思っているのに、快楽堕ちして受けになる…というのが
(KTCの男性向けと同じだと思ってはいけません)

・達観してますね(笑)
うん、KTCなんで。周りの男性編集からも、自分の趣味に走ると引かれたりしますね。
アダルトだと、リョナ属性なんです。腹パン好きなんです…ええ。
(リョナ属性:「猟奇的なものをおかずにしたオナニー」の通称)

・凄いですね(笑)
闘うヒロインがヤラれているところを見ると、良いっすね!!という(笑)

・BLでもDVものがあると思うのですが?
美しく暴力シーンを描かれても、ハァハァしないのです。
殴られたらもっと鼻血出したり涎も出して欲しいです(笑)。>(あくまで本人の要望というか、性癖です)

・そうですね。結構レアだと思います。まぁ触手よりは、マシかなという……
ええっ?触手の方がいいじゃないですか。(おもむろに触手のいいところを話し出す)

・完全にファンタジーのような気がしますが。
ファンタジーですよ。それが、いいんですよ。
かわいい女の子とか男の子がヤラれているのは見たい。
でも陵辱する相手は見たくない。そこで、無機物の触手ですよ!

・去年の春画展でもそうでしたが、昔からの日本の伝統だねぇと思いながら……
タコとかね

・タコとかw
だからほら人にヤラれていないからセーフって(笑)。純潔は守られてはいないかもしれないけど、心は守られたみたいな。

・結構飛ばしますね。序盤から、こんなに剛速球が来るとは思ってなかったから。
いや、どこでもやっているけど剛速球でやった方がいいのかなって。

・全然剛速球でお願いします(笑)

 

 

~~~重要なことなので2回言います~~~

 


・エッチシーンって重要ですか?
私は重要視しております。BLと銘打っていたら期待してしまいます。

・ハンバーガーが、バンズだけになっているみたいなw
あくまで個人の好みだとは思うけど『バンズ 肉 バンズ』みたいな「これだよ、これを求めてたんだよぉぉ」という昔に比べて分かりやすいものが少なくなってきているのかなと思います。
わたくし単純なので明快さを求めてしまいます…
あまり激しいのは…という方が読むには抵抗感無く読めるとは思いますが、Hシーンは2人(たまに複数)の関係性を密にする恋愛の表現だからこそ、描いて欲しいです。欲しいです。重要な事なので2回言いました。

・なぜ、そんな作品が流行っていると思いますか?
実際はものすごく濃い作品やぶっとんだ作品もあるので、ジャンル作品が二極化しているのだと思います。
前述の『バンズ バンズ バンズ』と言っていいのかしら…ライトな感じの作品は、読みやすくHシーンが少ないことで男性同士の恋愛というものに対して抵抗感なく読めるのかなと。草食系という言葉もあるようにHシーンはいらないけど萌えというか気持ちの機微を読んでみたい方が多くなってきたのかなと思います。

・物語も重視してますか?
当然重要です。(声を大にして)確かにハァハァできるシチュエーションがあればご飯3杯いけますが、ストーリーあってこそのHシーンです。
例えば攻めが受けになるという私の好きな属性の話であれば、わたなべあじあ先生の「彼氏グラマラス」という漫画がありまして最初は受けもリバ的に攻めだったのに、彼に抱かれるともう攻めに戻れないとメロメロになって彼以外に無理っとなるわけですよ。
なぜ男同士で?なぜ彼になら抱かれたいのか?男という矜持を捨ててまで抱かれたいんだ!という心情の変化にいたるまでのストーリーはとても重要だと考えております。そのあとのHシーンがさらに読んでいて盛り上がるのです。


~~~わたなべあじあ先生に対する熱い想い~~~

 


・個人的に心に残っている作品ってあります?2,30年読んでいると思うのですが、オールタイムベスト的な3本でも5本でもいいんだけどなんか「これはBLしかありえない」とか「BLだったからよかった」みたいな作品は?
先ほども作品を挙げましたが、私はわたなべあじあ先生の作品がすごい好きで、最初に見た「ロープマン」が衝撃すぎて…この手がありましたか!!使っちゃいますか!!みたいな感じで、すごく感動したことを覚えています。


・わたなべあじあ先生って、そんなイメージなのですね。2000年代になってからの作品しか、自分は知らなかったです。
2000年代っ!この作品も2000年代です……。でもあのときの衝撃は忘れない。後輩に「先輩、すごいBLあるっすよ!」と勧められたのが最初でした。
とはいえ、わたなべあじあ先生はシリアスだったりコメディだったりと色々な内容で描いていらっしゃるので読んだ作品でかなりイメージは変わるかもしれません。
最新作ではROMEOを購入しましたが、絵の美しさは勿論、登場人物の設定、ストーリーとも全部すばらしいです。両片思い話好きなのでたまらんです……
わたなべあじあ先生の本は、全て持っています。

・熱いですね、それは。
いつか、個人的にわたなべあじあ先生には弊社で描いてくれないかなってちょっと…w期待しています!

 

後編に続く

関連外部サイト

コメント5

投稿順 | 最新順

匿名1番さん(1/1)

こういう企画物いいですね。
周りに腐女子がいないので興味深く楽しく読ませてもらいました。

匿名2番さん(1/1)

KTCさんはBLと全く縁がない訳ではないですからね。
二次創作アンソロジーを2ジャンルほどひっそり出されていましたから。

匿名3番さん(1/1)

とても興味深く読みました
後編が楽しみです

匿名4番さん(1/1)

”Hシーンは2人(たまに複数)の関係性を密にする恋愛の表現だからこそ、描いて欲しいです。”
まさに!エロ苦手な方もいらっしゃるかと思いますが、Hシーンでしか描けない心情もあると思います。

匿名5番さん(1/1)

ここまで自分の性癖を堂々と語られると清々しいわw
オープンに出来るのが羨ましい

アクセスランキング

最新BLニュース

オススメニュース

最新のコメント

PAGE TOP