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06/16
愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2016/01/14 12:25
2022/06/06 18:00
大学4年生のみなさんは、卒業に向けて卒論の執筆を進められている頃ではないでしょうか? 世間ではBL人気が年々高まっており、最近は「BLを題材にして卒論を書きたい!」という学生さんも増えているようです。
もっとも、BL作品にも……
里つばめ作『未熟な僕らの卒業論文』なんて作品があるくらいですし。
(ジワジワゆったりした作品が好きな方なら、絶対にハマる作品です!)
毎日かなりのBLを読み漁り、研鑽、研究を積み重ねているであろう皆さま。卒業論文のテーマとしてBLがチラつくのも当然とも言えます。しかし、改めて学問として、そして研究対象とするとどこから手をつければいいのかわからない。或いは掘り下げ方がわからない……。なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
というわけで今回は、BLで卒業論文を書きたい人に参考になる文献をご紹介していきます♪
◆あらすじ
BL(ボーイズラブ)の歴史や研究の方法論,社会との関わりなどをジェンダー視点を重視して整理したBL研究入門。少年愛の時代からBLが一般的になった現在への変遷や,様々な形態のBLについて分析。BLで卒論や修論を書こうと思っている人に最適。
◆内容
BL研究を志す方にはもちろん、ジャンルとしてのBLに関心がある人にもお役立ち間違いなしの一冊! タイトルそのまま、まさにBL全般の「教科書」となる著作です。
「BLとは何か」から始まり、BLの歴史、多様な広がりを持つBLの研究方法など、網羅的な内容が魅力です。(なんとJUNEからオメガバース、BL短歌まで!) ちるちるでもインタビューを掲載させていただきましたので併せてご覧ください。
◆内容
文学、思想などを広く扱う芸術総合誌「ユリイカ」に取り上げられたBL。『ユリイカ2007年6月臨時増刊号 総特集=腐女子マンガ大系』で、まず実験的に取り上げ、半年後にもう一度BLを特集するという力の入れ方です。当時BLがこうした真面目な雑誌で取り上げられることはなかったので、かなり先進的な試みだったように思います。真面目な論文と萌えあふれる作品紹介が同居するカオスな誌面が超エキサイティング。
また、ユリイカでは、2012年にもBL特集(『ユリイカ 2012年12月号 特集=BL(ボーイズラブ)オン・ザ・ラン!』)が組まれており、雲田はるこ先生、ヤマシタトモコ先生、ARUKU先生、木原音瀬先生など錚々たる面々のインタビューが掲載。同人誌やミュージカルとの紐付けも興味深く、必読の一冊です。
◆あらすじ
竹宮惠子のマンガ、栗本薫/中島梓の小説、そして雑誌『JUNE』の創刊と次世代創作者の育成......「やおい・ボーイズラブ」というジャンルもなかった時代にさかのぼり、新たな性愛表現の誕生と展開の歴史を描ききる。
◆内容
70年代の「24年組」の作品について詳しく解説しています。竹宮恵子先生、増山法恵先生、佐川俊彦先生などなど、ここでしか読むことのできない、大御所の方々のインタビューを掲載。少女マンガ、栗本薫先生の小説など、『JUNE』についての言及を中心とした一冊です。
中でもJUNEの語源となった雑誌、『JUNE』『小説JUNE』を企画・創刊した佐川俊彦先生のインタビューはとても貴重で、思わずなるほど! と声を上げてしまいそうな情報も。「ボーイズラブ」の「ボ」の字もなかった時代を詳しく知りたい方は必読です。
◆あらすじ
ボーイズラブ(BL)をはじめ、同性愛を描いた少女マンガやゲイ・コミックのマンガ表現に迫る。
・中村明日美子による表紙イラスト+描きおろしマンガ+折り込みポスター
・マンガ家10名のロングインタビュー
よしながふみ、こだか和麻、ヨネダコウ、宝井理人、雲田はるこ、トウテムポール、はらだ、鳥人ヒロミ、中村明日美子、田亀源五郎
◆内容
ついに『美術手帖』でもBLを取り上げたか! とツイッターなどSNSで大いに話題となった本書。長らくamazonでも品切れになった話題本です。2007年の『ユリイカ』では良い意味でカオスだった硬軟具合が、整理整頓されバランスよく誌面でミックスされています。BL分野初心者の方にも読みやすい内容なのではないかと。
上にも記載されていますが、特集されている作家先生方の厚さがすごい。初心者向けにも読みやすい内容ではありますが、長い時間BLを嗜まれている方々でも大満足の内容になっています。1960年代から、2014年当時BLの「現在」そして「潮流」を知る上で、もっとも時代を捉えていたように思います。
◆あらすじ
最近は「萌え」という動詞は女性の間でも普及してきている。異性のアイドルを見てドキドキする感覚。アニメのキャラクターを「かっこいい!」と思う感覚。女性の間で「萌え」が拡がり、オタクが増えている――この現象が「腐女子化」だ。なぜ、女性たちは自分への興味を失い、自分以外のものを追いかけ、「萌え」るようになったのか? 密かに、しかし確実に進行する女性のオタク化、その裏側をレポートし、「腐女子化」の理由を探っていく。
◆内容
新書版なので、卒論に使えるかどうかとは別に一番読みやすい本です。2000年前半の、BLを取り巻く状況について知りたい方向け。「乙女ロード」という言葉がまだ一般化していない状況で世間がBLに対してどう考えていたか? ライブ感のある情報がとても参考になります。
その後に出版された『かくれオタク9割』(2008)では、オタクは堂々と公言できる存在になっているのだ、という記述が。現在では、完全に実現しているところに、時代の流れの速さを感じますよね。
◆あらすじ
「本書は社会心理学とパーソナリティ心理学の観点から、オタクと腐女子を研究した結果をまとめたものである。オタクとはどのような人物なのか、腐女子とはどのような人物なのか、その一端を明らかにすることを目的とする。客観的なデータを収集し、そのデータを統計学的に分析し、その分析結果からオタクと腐女子の心理と行動を考察していくものである」(「まえがき」より) 「腐女子」とは何者なのか? オタクとはどう違うのか? 大学生1万人以上の統計調査をもとに、心理学の方法論でその客観的な姿を描き出す若者文化・サブカルチャー研究。
◆内容
あくまでも客観的な視線&正確な調査結果に基づいて、腐女子の実態と現実を読み解こうという本作。心理学の研究論文の形式で本文は執筆されていて、データの分析結果から腐女子やオタクを一般人と比較し、論じています! 学術的な観点からの内容なので、少し難易度は高め。腐女子に関する客観的なデータを知りたい、という方にはオススメの一冊です。
◆あらすじ
アジアではBLが独自の変容を遂げ、大きな社会的影響力を持っていた。
BL分析から見えるアジアの現状と日本の特異性―――
世界のBL、LGBT(Q)、マンガ研究の第一人者たちがいま解き明かす。
◆内容
本書は、2017年に神奈川大学で開催されたシンポジウムでの講演をもとに書かれた著作。いまや、日本国内に留まらずアジア全土に広まりつつあるBL人気。
そうした地域で、BLが果たす社会的・政治的な役割に踏み込んだ濃ゆい内容が満載な一冊です。『おっさんずラブ』や、東アジアにおけるBLファン層の比較など。2019年の文献ではありますが、実写BLが大きく取り上げられるようになった昨今、再読の必要のある文献なのではないでしょうか。
◆あらすじ
日本において、女性のための性を描いた恋愛コミックは、一市場を築く商品ジャンルとして確立している。本書はこれら<性的表現を含む女性コミック>の比較分析を通し、メディアの受け手である現代女性がどのような作品を望んでいるのか、また、どのようなセクシュアリティ観を持っているのかを読み解こうとするものである。
◆内容
腐女子の考察が発祥の歴史、フェミニズム、商業的なものに傾倒しがちになるなか表現から、ストーリーまで作中のエロの部分について深く言及している珍しい本です。扱っているテーマ的に読みにくい文献が多い印象ですが、セクションごとに議題が定められているので、とても理解しやすいのが特徴です。恋愛コミックの性の表現や、読み手のセクシュアリティ観について参考となる最初の一冊を探している方も造詣を深めることができるのではないでしょうか。
◆あらすじ
女性にとって、究極的な快楽のみを追究した性愛小説とはなんだろう?女性による女性のための男性同士の愛のポルノグラフィ「やおい小説」における“攻め”と“受け”のジェンダー構造を鮮やかに解き明かす。女性エロチック表現のミステリーに取り組んだ文学批評。
◆内容
「やおい小説に、なぜ女性が興味を持つのか?」と原点の切り口で、取り上げた小説からその理由を探っていく本。物語の構図や表現についての解説が充実。
恋愛形態から、受け攻めの身体的特徴・構造や、エロシーンの表現まで具体的に考察され、普段読んでいる小説と比較し納得する部分もとても多い文献です。引用も多く、気になる表現の文章も見つかるかもしれません。この本が出版された当時はまだボーイズラブを学術的に探る動きはなかったので、貴重な本でした。
◆あらすじ
男性同士の恋愛を軸にした一大エンタテインメント・ジャンルであるBL(ボーイズラブ)。
BLは、おもに異性愛女性が作り手・読み手であるにもかかわらず、近年、現実よりもホモフォビア(同性愛嫌悪)や異性愛規範、ミソジニー(女性嫌悪)から自由な作品が生まれている。
本書は、BLの歴史をたどりながらその謎に迫り、作品や作り手・受け手の意識、社会との向き合い方がどのように変化してきたかを、作品分析によって明らかにする試みである。
◆内容
LGBTQ+への関心も高まり、その中でももっとも注目をあつめた本です。BL愛好家の溝口彰子先生が、長い歳月をかけて書き上げた大作。それゆえに、情報の厚さなどに対して強い気持ちで臨まなねばなりませんが、卒論の参考文献にするにはうってつけの一冊と言えるでしょう。
BL論のみならず、アートや、クィア領域研究倫理についても執筆されている溝口先生。そんな溝口先生ならではの多角的なBLへの視座は、どんな切り口でBLの論文を書く人にも勉強になるのではないでしょうか。ヨネダコウ先生や、中村明日美子先生など作家先生方との対話集、『BL進化論[対話篇] ボーイズラブが生まれる場所』も併せてチェックしてください。
その他、無料でWEB閲覧できる資料に「BLlogia準備室」があります。
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いかがでしたか?
セミの周期と同じなのか、ひとまわりしてまた腐女子考察本が2015年に出版される動きがありました。BLや腐女子に関しては本当にたくさんのアプローチ方法がありますね。
学術研究ではBL確立以前の歴史についての考察が多いように思います。これからはLGBTの活動に連動して考察された本が多く出てくるかもしれませんね。
コメント5
匿名4番さん(1/1)
うまいっ!座布団10枚っ
匿名3番さん(2/2)
「詳細は、別記(べっき)記載のこと」となるでしょう。
匿名3番さん(1/2)
そのココロは?
匿名2番さん(1/1)
卒業論文,下衆とかけまして卒論。
匿名1番さん(1/1)
そういえば…私が通っていた大学で「BL(ボーイズラブ)についてのアンケート調査にご協力下さい(講義受けてた学生強制参加)」ってやつが講義前にあったなぁ…。
文学部の学生さんが論文書くのに調査したいということで、文学部の教授の講義前に実施してた。
あの時は…配られて見た瞬間無言で衝撃受けてた思い出。
その講義受けるために教室いたの男女合わせて200人ぐらいだったけど「ざわっ」となった。
なんかこの記事読んで思い出しました。