1
12/03
平喜多ゆや先生ご逝去
BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。
2020/07/24 18:00
7月20(月)に発売されたBL研究の入門書『BLの教科書』。『六法全書』も出版する老舗出版社・有斐閣から初めて発刊されるBL関連の書籍ということも大きな話題になりました。
総勢11名の研究者によって執筆され、少年愛・JUNEからオメガバースまで、BLゲームからBL短歌まで、そしてBLを取り巻く社会問題と幅広いトピックをカバーした本書。
なんと、中にはこの「ちるちる」も取り上げられているとか……!?
BLをテーマに修論を書いたこともあり、BLの歴史と研究に興味津々の筆者が、出版の経緯からBL研究事情、最新のBLの動向まで、この本を読み解くヒントを編著者の堀あきこ先生・守如子先生に伺いました。
そして、ちるちる読者の方向けのスペシャルなプレゼント企画も実施! ぜひ最後まで読んでくださいね!
――まずは改めて、『BLの教科書』について、簡単に説明をお願いいたします。
堀 BL研究のガイドブックとして、学生の方の卒業論文やレポートに使っていただけるものになっているかと思います。
出版のきっかけは、2017年に神奈川大学で行われたBLの国際シンポジウムでした。(ちるちるでのレポはこちら)
そこでの海外の研究発表はとてもおもしろかったんですが、日本の先行研究が限定的にしか使われていなかったんです。日本のBL研究には長い歴史があり、たくさんの研究が積み上げられているので、先行研究をまとめる必要があるのではないかと思い、この本をつくりました。
――ということは、この本は、BL研究をされる学生さんに向けて書かれているということがまず第一にあると。
堀 そうですね。学生さんと、あと指導教員向け!
――指導教員の方にもおすすめなんですね。
堀 学生さんが「BLのことを勉強したい、論文を書きたい」と思っても、先生がBLをご存じではない場合も多いし、BL研究についてまとまった本がないので、指導するにも困っているというお話を聞いていました。
守 私の院生には留学生も多く、日本や海外のBL文化を研究したいという人たちからの問い合わせがたくさん来るんです。
それから、BLを好きな人たちの中に、BLのことをもうちょっと考えてみたいという気持ちもあると思うんです。
そういう方向けにも「今までこういう議論があるんだよ」という紹介ができたらいいなと思っています。
――では一般のBLの読者さんの中でも、もうちょっと深くBLのことを考えてみたいという方にもおすすめということですね。
守 はい。いろんな学問分野の研究者の方に書いてもらっているので、どの学問の初心者でもわかるような文章を心がけました。
――本書の出版の経緯、この企画が立ち上がってから出版までの道のりを教えていただけますか?
堀 神奈川大学の国際シンポジウムの後、先ほど言っていたように、これは日本のBL研究をまとめた書籍が必要だろう、と守さんに相談したんですね。それで、教科書のようなイメージの企画を考えて有斐閣さんに見ていただいたんです。そうしたら、「ちょっと預かります」という感じでしばらく期間が空いてしまい……。
というのも有斐閣の中では、「ちょっと挑戦的すぎるのではないか」という声があったらしいのです。なんですが、社員の腐女子の方々が「この本は絶対必要です!」と推してくれて、企画が通って、動き出すことができました。
――そうなんですね! 『六法全書』などを出版されているあの有斐閣から、ということが話題になりましたよね。
堀 それは、ちょっと狙っている部分がありました。どうしてもBL研究って軽く見られがちなのですが、しっかりとした学問対象であることを示すために、教科書に定評がある有斐閣で、という思いはありました。
――今回のBLの教科書で扱われているトピックなんですが、すごく幅広く取り扱われています。こちらのトピックはどういう風に選定されたんでしょうか?
堀 BLって、50年の歴史があるんですよね。その50年の歴史を年代別にしっかり説明しなければならないということで、一部はすぐに章立てが決まったんですが、二部と三部はみんなでいろいろ話し合いながら決めたところもあります。
BLというとマンガ・小説と思いがちだけれども、実はそうではなくて、さまざまな人がさまざまな角度からBLを研究していることを表したいとの思いから、こういう構成になりました。
――いろいろなBLというお話が出たところで、さまざまなBLのかたちとその研究方法が第二部で取り上げられており、BLゲームなど珍しい研究も取り上げられていますが、一方でやはり一般的には「BL」とひとくくりにされてしまうことが多いかと思います。
ファンの目線からするとその中でもいろいろ違いがあるんだけどな、という部分があるんですけれども、その違いについてはどうお考えですか?
堀 BLには、BLというジャンルの中にさまざまな好みや立場の人がいるという楽しさ、特徴があります。例えば、創作をする人と読み専の人の違いもあれば、ポルノとして読んでる人も、別にエロシーンはいらないという人もいて。
BLって一つの大きいジャンルではあるけど中身は本当に多様で、どんな形・どんなメディアで、どういう風にみなさんが楽しんでいるのかはバラバラだという、その多様なBLの在り方を、ゲームや短歌などの様々なサブジャンルに注目することで浮かび上がらせたいという思いがあったんですね。
守 二部はそれぞれの執筆者の学問分野も違うんですよ。大学院に行こうと思っている人には、いろんな分野でBL研究ができるよ、って伝えたいです。
――本書を通しての問題意識、あるいはこの本を通して読者に伝えたいことについて教えていただけますか?
堀 まずはBL研究の歴史とか方法論をしっかり示すことで、学問領域として整理したいという意識がありました。
もう一つ重要なことは、本書がジェンダー論をベースにしているということですね。実際のところ、「BLって別にジェンダーと関係ないんじゃない?」という人もたくさんいると思うんです。けれど、BLが社会の中にある以上は関係ないとは言えないですし。
特に、主に女性が男性同士の恋愛物語を読むという文化なので、「それ、どうして?」って、外部の人からずーっと言われてきたし、BLを好きな人たち自身がそれに答えようとしてきたジャンルでもあるんです。だからジェンダーやセクシュアリティは欠かせない視点で、そこを一つの軸にしたいと考えました。
守 BLはこういうものだと決めつける本ではなくて、今までにこういう議論や分析がある、という研究の広がりを伝えるのが一番の主眼だったかと思います。
――なるほど。今までの蓄積を伝えたいということですね。
守 やっぱりいろんな人たちが、「あれ、それ90年代に議論された話だよ?」みたいな話を今でも議論することがあって。
だから、あのー、これ読んどいてください、みたいな(笑)。そういう気持ちもありました。
――では、今までBL研究に触れてこなかったという一般読者の方向けに、この本やBL研究を理解する上でのポイントについて教えてください。
堀 この前Twitterで「この教科書には、女の人がエロいものを見てもいいんだよってあるのかな」と書いてある投稿を見かけまして。私や守さんはポルノの研究をしてきたので、「女がエロいものを見るのは当たり前やん!!」って思っているんですけど、なかなかそう言えない人はたくさんいると思うんですね。
女の人がエロを読むのは全然おかしいことでもないし、BLがずっとそういう文化を積み上げてきたということを、この本から読み取ってもらえると思います。
もう一つが、この本を通して、自分の知らないサブジャンルに出あえることがあるかなと思います。例えば、2.5次元舞台にはよく行くけど、商業(BL)はあまり読まないとか、あるじゃないですか。
BLの中でも全く違う文化があって、隣では何をしているかわからない部分を、「へーそっちではそんなことしてんのね」という風に知ってもらえたらと思います。
――確かに、自分の好きなジャンル以外は全く知らなかったみたいなことが生まれるのがBLの面白いところだなと思います。
守 加えて、BLを読んでいる中で、ほんのり疑問に思っていることがあると思うんですけど、そういう疑問を説明していたり、あるいはその考える入り口になると思うので、そういう風に読んでいただけたらと思います。
興味があるところから読める形になっているので、どの章から読んでいただいても大丈夫です。
――僭越ながら……、本書の中で、ちるちるもご紹介いただいているようで、スタッフ一同、驚きとうれしさがあったんですけれども、BL業界の中でのちるちるの位置づけは、どういうものだと考えてらっしゃるのでしょう?
堀 私はもう、毎日くらいチェックしてるんですけど(笑)。
――えっ、そうなんですか!
堀 やっぱり、データベースというものはものすごい大変ですよね(笑)。
――そうですね……(苦笑)。
堀 もちろん、すべてを集めるのは限界があるけれども、ここまで幅広く抑えているところは他にないと思います。
――ありがとうございます!
堀 アーカイブやデータベースがないと、研究ってものすごくハードルが高くなるんですよ。その意味で本当に助かっているし、なくなると困るんです。
あとオリジナルの企画もすごい面白いことをされているなという印象があります。インタビューとかBLアワードもそうだし、BLソムリエも面白いですよね。
――すごく細かく見てくださっていますね……!
堀 やっぱりBLって愛じゃないですか! なんでしょうね……「これ面白いよ、読んで!」という口コミや感想がサイト上にびっしり書かれていて、あふれんばかりの思いが伝わってくる。それはすごい熱量だなと思いますね。
――こちらこそたくさんお褒めの言葉をいただいてしまってありがとうございます!
やっぱり熱量というのは社内でも重視しているところなので、それが伝わっていてよかったなと思います。
代表のヒロシがBL好きの方々の熱量に魅せられてこの事業を始めたこともあって、私たち記者もそれと同じ目線で、ということはいつも考えています。
堀 書誌情報がきっちり載っているデータベースだけだったら、ここまで魅力的なサイトになっていないと思うんですよね。ファンがレビューを書いてたりとか、インタビューでもファンとしての目線も必ず入っているじゃないですか。そういうところにやっぱり腐女子ファンダム、BLファンダムの熱さがよく表われているサイトだと思います。
――第三部では、表現規制の問題やゲイ男性との関係性、ナショナリズムの問題など、BLと社会の間にあるコンフリクトについて取り上げられています。
こういった問題はちるちるの読者からも興味関心が高い一方で、やはり「BLとは全然関係ない」という声も大きいと思います。これを大きな枠組みで取り上げられた理由と、いちBL読者の視点からどう考えたらいいのか、どういう風に向き合っていったらいいのかということについて、ヒントをお聞かせいただけたらと思います。
堀 うーん、どう言ったらいいのかな……。BLを読んでいて楽しいとか元気が出るとか、癒されるとかそういうことはすごく大事なんだけれども、一方で、社会的な問題、差別の問題とか、言ってしまえばしんどい問題もあるということはしっかり示しておきたかったんですね。
BLって素晴らしい面だけではないので……今でこそ「BL読みますよ」って表立って言ってくれるゲイの方たくさん増えたけれども、すごく対立があった時期もあるんですよ。ゲイの方からだけでなくいろいろと社会問題化していることもありますし、そういう問題というのは、BLをたしなむ者としては考えていかなければいけないことだろうと私たちは思っています。
「せっかく楽しいBLの世界にそういうしんどい問題を持ってこないでほしい」ということは本当によく言われるんですけど、それでもやはり、自分たちの大好きな文化だからこそ、その文化が持っている問題というのも考えていかなくちゃいけないんじゃないかなと考えています。
――ファンだからこそということですね。
守 なんですかね、頭の片隅に置いておく必要があるんじゃないかなって思っていて。こういう問題があるんじゃないかなってむしろちゃんと考えておくと、あっこれはまずいなとか、こういうのはアリじゃないかなとか、自分で判断できるようになるんじゃないかと思うんですね。
「(問題がある)だからBLはダメ!」とかではなくて、BLを楽しむためにこういう問題があるとしたら、私たちはどう考えていったらいいのかな、どういう風に支えていったらいいのかなと考えるために、一回考えておいてもいいんじゃないかな、という感じですね。
堀 だからその考えるためのヒントが書いてあると思ってもらえたらいいのかなと。
――自分で判断するために先にちゃんと考えてみるという視点がすごく腑に落ちました! 私たちちるちるの記者も、記事を書いたりする中でこういう問題に直面しているので、この考え方は参考になると思います。
――では、最近のBL事情についても伺いたいと思います。第四章で2000年代以降のBLの展開ということを詳しく書かれていて、特にコミックや小説の商業BLの細かい設定を幅広くカバーされていました。
オメガバース設定の流行ですとか、今年に入ってからの映像化ラッシュですとか新しい展開があると思うんですが、こういった最近の展開について、どういう風に分析されますか? また、面白いと思っている現象があれば、教えていたただきたいです。
守 具体的な作品の話ではないのですが、社会の二つの大きな変化があったと思います。一つは2011年以降にスマホがどんどん浸透して、電子書籍のブームが来たりして、ここ数年よりインターネットが身近になったこと。
もう一つは、90年代に「ボーイズラブ」という言葉が一般化して、そのあとは「腐女子」、近年では「LGBT」……という風に、BLを取り巻く物事がどんどん認知されてきた、ということが挙げられます。
特に、LGBTに対する社会的注目が集まっているということも、ずいぶん今までと違うと思います。それこそ『おっさんずラブ』を5年前にテレビで放映できたかというと、難しかったのではないでしょうか。
――確かに、BLを取り巻く環境ってすごく変わったなと思います。
堀 BLの中の変化として感じるのは、 ゲイ設定 のキャラクターが増えたこと。両方、あるいはどちらかが異性愛者であるというキャラクターや、セクシュアリティが明示されない設定が主流だったのですが、ゲイであることをしっかりと描く作品が増えてきたのが大きな変化だなと思います。
あとは、本当にもう多様というか、純愛路線もあるし、ドエロもあるし、獣人系とかもありますし。一番驚いたのはアサリやったんやけど。
――『アサリと俺』は業界の中でも相当みんな驚いていたかと思います。アサリ×人間と言いますか……。
守 アサリって貝のアサリなの?
堀 そうそう! あれはすごいよね! 普通に面白いねん(笑)。
作家さんがきっと面白いと思って出してきたものを、なんでも受け止めるような土壌がBLの読者側にできているんだろうと。
守 タイBLはどうですか?
――今年に入ってからですが、すごく盛り上がっていますよね。
堀 もう大変ですよ、ドはまりで(笑)。
――タイBLドラマが流行る前は、タイでこんなに作られているということも知らなかったのでとても驚いています。
タイBLがここまで流行っている理由については、どうお考えになりますか?
堀 さっき守さんがインターネットによる変化の話をされていましたが、タイBLドラマもそれが大きくて、YouTube配信でいつでも気軽に見れる状況があることが、この爆発的なヒットのものすごく大きな要因だと思います。
あとは、日本語字幕など、ファンのボランティアによって楽しめるような状況が作られていて、やっぱりファンの熱量が人気を支えているなと思いますね。
守 『ユーリ!!! on ICE』から始まって、ほんのりBLテイストの作品が世に出てきていて、特にそういう作品を女子だけではなく男子も見ているのが今までと違う点だと思います。『おっさんずラブ』のような作品を腐女子だけではなくてみんなが受け入れている感じが面白いですね。
――ここ2年で雰囲気がガラッと変わった部分があって、『おっさんずラブ』によるものも大きいと思います。
それでは、最後に読者の方々に向けてメッセージをひとことお願いします。
守 BL研究って今までいろいろなことが研究されているんですけど、まだまだ掘り下げることができるということが本書の執筆を通してわかったので、BL研究してみたいと思う人は、これまでの成果を踏まえたうえで面白いテーマを見出してもらえたらうれしいです。
堀 私、BL研究していることについて「もう少しマジメな研究したら?」って言われたことがあるんですよ。マジメに研究してるのに、BLだというだけでマジメじゃないと言われることが、つい何年か前までありました。BLを真剣に研究したいという人には、ちゃんと研究対象になることなんだって胸を張って研究してほしいです。
守 あと、ちるちるを見ている読者のみなさんに。BLも楽しいけどBL研究もなかなか楽しいですよ! ぜひのぞきに来てください(笑)。
堀 でも、ちるちるのレビュー書いている人には、むしろ教わることのほうが多いですから!(笑)
守 ぜひ本書のレビューも書いてください!
堀 ほんまやね! BLファンの研究熱心さは、いつも参考にさせてもらっています。やり方は違いますが、気になったことを調べて書くという点では同じで、違う場所で同じことをやっているんじゃないかと。
私たち研究者も熱量を持っていて、この『BLの教科書』もみんなでアツく書いています。そういう意味では、私はBL研究だけで独立しているわけではなく、ファン文化と一緒にやっている部分があると思うので、そう思って読んでいただけたら嬉しいです。
ーー
研究者の先生というと、どうしても身構えてしまいがちですが、根底にあるのは先生方も同じBL好きという熱量だということを感じられるインタビューでした!
BLを読んでいて疑問に思ったことがある方、いつもよりもう少し深くBLのことを考えてみたいと思う方、過去のBL好きがどんなことを考えていたのか知りたい方……そんな方にきっと答えやヒントを与えてくれる一冊になるのではないでしょうか。
幅広いトピックの中に、きっと自分の気になることが一つはあるのではないかと思います。意外と身近で奥深いBL研究の世界にぜひ触れてみてください!
BL研究に興味をもってこの記事を最後まで読んでくださったちるちる読者さんに、なんと『BLの教科書』書籍をプレゼント!
ちるちる会員の方限定で、抽選で5名様に『BLの教科書』を差し上げます。
応募は以下のフォームから!
締切:7月31日(金) 23:59
今までの研究の積み重ねを一望できるBL研究入門
BL(ボーイズラブ)の歴史や研究の方法論,社会との関わりなどをジェンダー視点を重視して整理したBL研究入門。少年愛の時代からBLが一般的になった現在への変遷や,様々な形態のBLについて分析。BLで卒論や修論を書こうと思っている人に最適。
目次
はじめに――なぜ,BLは重要な研究対象となっているのか(堀あきこ)
第1部 BLの歴史と概論
第1章 少年愛・JUNE/やおい・BL――それぞれの呼称の成立と展開(藤本由香里)
第2章 少年愛と耽美の誕生――1970年代の雑誌メディア(石田美紀)
Column(1) 竹宮惠子×西炯子――『JUNE』「お絵描き教室」が果たした役割 (倉持佳代子)
第3章 同人誌と雑誌創刊ブーム,そして「ボーイズラブ」ジャンルへ――1980年代~90年代(西原麻里)
第4章 BLの浸透と深化,拡大と多様化――2000年代~10年代(堀あきこ・守如子)
Column(2) BLと百合,近くて遠い2つの世界(田原康夫)
第5章 BLはどのように議論されてきたのか――「BL論」学説史総論(守如子)
Column(3) 海外におけるBL文化の広がりと海外の研究(ジェームズ・ウェルカー)
付 論 BL小説ブックガイド(『BLの教科書』編)
第2部 さまざまなBLと研究方法
第6章 やおい同人誌を研究する――物語とキャラクターの分析(石川優)
第7章 「BL読み」という方法――BL短歌,クィア・リーディング,二次創作短歌(岩川ありさ)
第8章 ポルノとBL――フェミニズムによるポルノ批判から(堀あきこ)
Column(4) BLマンガとゲイコミック(田亀源五郎 聞き手:藤本由香里)
第9章 やおいコミュニティにおける実践(東園子)
第10章 男性アイドルとBL――BLのまなざしで男性集団の〈絆〉の描かれ方を読み解く(西原麻里)
Column(5) 2.5次元舞台におけるBL的実践(須川亜紀子)
第11章 BLゲームとアーカイブ(木川田朱美)
第3部 BLとコンフリクト
第12章 社会問題化するBL――性表現と性の二重基準(堀あきこ)
第13章 ゲイ男性はBLをどう読んできたか(前川直哉)
Column(6) 生身の人間にファンタジーを押しつけないために(守如子)
第14章 BLとナショナリズム(金孝眞)
おわりに――なぜ,「BLの教科書」なのか(守如子)
2020年07月20日発売
306ページ
定価 2,640円(本体 2,400円)
|
川野夏橙 |