3冊揃えて評価されるべき王道リーマンBL発売から時間が経ってもなお評価され続ける作品は、リリース当初から高い評価を集め続けるもの、一度人気が落ち着くもメディアミックス等をきっかけに再評価されるもの、長らく注目度が高くなかったのにある瞬間突如として話題をかっさらうもの……と、そんな風に区別をすることができます。
そしてナナメグリ先生
『俺と上司の恋の話』から始まるリーマンBLシリーズは、まさにこの3つ目の括りに該当する
稀有な作品なのです。
巻数を重ねるたびに評価が上がっていく
部下でノンケの高梨×上司でゲイの徳永の恋路を描いたこのシリーズは、2012年春に1作目が発売され、ほぼ1年後の2013年5月に2作目
『俺と部下の恋の先』が刊行。
王道のリーマンものとして一定の人気を得た1作目よりも、仕事を巡る
ノンケ×ゲイのリアルな関係性や葛藤に焦点を当てた2作目はより高い評価を獲得。1作目で恋人になったのだから、2作目は
ひたすらラブラブな様子が見られるんじゃないの!? という読者の予想を良い方向に裏切る形となりました。
BLはファンタジーということですが、彼等に突きつけられた問題はやけにリアルをまとっていて、凄く切ないです。まさか続編でこんなに深い話が待っていたなんて!(茶鬼さん)前作よりシリアスできゅんきゅん来るだなんて反則―!!付き合ってうまくいく事ばかりじゃないのは当たり前だけどやたらと仕事の事とか元(?)想い人の古谷社長の存在とか効いてて ああ、リーマンラブがここに…!!と震えます!!(東雲月虹さん)全てをかっさらった第3巻の支持率そしてこのシリーズの評価を決定づけたのは、昨年発売された3作目
『俺と彼氏の恋の果て』でした。その勢いはすさまじく、2014年末のリリースにも拘らず、ちるちるの「第6回BLアワード2015」で
10位にランクインしたほ
ど。
以前から2人の歴史を見守ってきたファンによる高評価・好レビューが話題を呼びランキング上位に躍り出たことをきっかけに、既刊を読んでいなかったBLファンが
全巻一気買いする現象が起こったのです。
まず、なぜそんなにも3巻が既存のファンを虜にしたかというと、リアルさで読者を驚かせた2巻を、さらに上回る
現実的なストーリー展開がその理由の一つ。家族、子供、会社といったノンケ×ゲイのリーマンカップルを取り巻く問題とともに、
人生を懸けて恋をする2人の切ない想いが丸々1冊にわたり描かれており、登場人物たちと一緒に心痛め、涙を流した読者が続出しました。
殆んどのBLが恋愛のスタートで終わるのにこの話は現実的に起こるであろうその先まで進みます。まさに恋の果てです。(タクさん)リアルです、リアルな葛藤なんです。主人公たちの男同士だからこそある数々の苦難に本気で涙しました。どこまで書いたらいいかわかりませんが、普通のBLでは扱われないテーマだと思います。(yukiさん)ともすれば地味にまとまってしまいがちなリーマン日常系というジャンルを、地道に地道に積み重ねていくことで読者に訴え続けたこの物語。
最新巻・最終巻がズバ抜けて高評価だったから、じゃあその前の巻を読もう! というのは、他の少年・青年作品ではあまり見かけることがない、
BL文化ならではの大変興味深い流れと言えそうです。
3巻が発売されていなかったら、この名作が名作として注目を集めることはなかったかもしれないし、自分自身を含め、数多くの読者が
高梨と徳永に出会うことが出来なかったかもしれない。そう思うと、ナナメグリ先生に感謝を伝えずにはおれない衝動に駆られる記者なのでした……。
記者:神谷浩未
コメント7
匿名5番さん(1/1)
ことに及んだ後の徳永のほっこりする姿が可愛くて好きでした。
内容は非常にオーソドックスで、アクが少ない。
比較的、誰にでも勧められる作品かな。
私にはどうしても納得がいかない部分があるので、「神」評価は付けられないけど。
ナナメグリさんは、このシリーズ終了後、どこかで活動してるのですか?
つるつるさん
私も大好きです。
確かに母親のFカップ推しの小学生はウz…、出過ぎだったねw
社長もカッコよかったし、人物がリアルだったなあ。またナナメグリさんの作品読みたいです
匿名4番さん(1/1)
社長の過去話がもっともっと読みたかったです。
社長シブくてカッコいいです。
しかしながら、おじさまの絵を描くのが下手クソだなと思った。
匿名3番さん(1/1)
大好きなんだけど、当て馬シングルマザーの息子が、自分の母親をFカップだから!って攻めに押しまくるのが現実味なくて変な感じがしたわ。
特典ペーパーまで、別な人にFカップ好きか聞いて!とか出張ってて、母親をFカップFカップと吹聴する小学生、見てるこっちが恥ずかしいわ。
とその部分だけ冷めた。他は神。
匿名2番さん(1/1)
ナナメグリさんは話の内容が切なかった。けど、画力がいまいち拙い。
ラスト3冊目にいたっては、雑把仕様で萎え。1&2が良かった分、残念無念!
にしても、何基準で名作? 自分的にランク内の作品全てに共感できなかった。
匿名1番さん(1/1)
色々読んで来た作品のなかで「俺と上司の~」シリーズは私にとってNo.1作品です!何度読んでも感動して泣いてしまう本当素晴らしい作品だから読んでない人達にぜひとも読んでもらいたいです。
よこたさん
今まで読んだ読み物の中と比べても大切にしているこの作品が高く評価されると、親戚の子が褒められて誇らしくてたまらないおばちゃんみたいになります。良い気分です。