「少女漫画誌の中でも、BL作品が連載され支持を得ています」前回の
台湾漫画家インタビューに引き続き、今回は台湾初のオリジナル電子BL誌『Touch+』の創刊に深く携わった、木下けい子先生ファン♥の東立出版社編集Aさんにお話を聞くことができました!
『Touch+』創刊までの道のりや台湾のBL事情まで、幅広くお答えいただいています♪
~オリジナル電子BL誌『Touch+』について~Q.台湾で初めてのオリジナルBL雑誌を創刊するに至った経緯をお聞かせください。実は2、3年前にもBL雑誌を創刊する話があったのですが、当時は様々な面でまだ未熟だったため、企画が中止になりました。
とはいえ、台湾ではBL漫画が凄く人気で、現在担当している台湾の少女漫画月刊誌
『星少女』の中でも、BL作品が連載され読者の支持を得ています。
そんななか、去年
【東立電子書城】という電子書籍を提供するサイトが立ち上げられたことを受け、「『星少女』=全年齢向け、電子雑誌の『Touch+』=R18」という方向性で再び提案したところ、創刊するに至ったのです。
Q.『Touch+』を購読しているのはどのような読者層でしょうか。またこれまでの配信で、読者の方々からはどういった反響がありましたか?読者層は、18歳から30代前半までの女性が多いです。1回目の配信では、応援のメッセージのほかに、『Touch+』を良くするための厳しいコメントもありましたので、読者の意見に応えvol.2では調整を加えました。
その結果、現在は「『Touch+』を続けて欲しい」、「台湾のオリジナルBL漫画を応援します」という温かいコメントが寄せられています。
Q.今回のイベントにも参加された、『Touch+ vol.2』執筆陣の先生方とその作品について、ぜひ一言ずつオススメコメントをお願いします!依歡老師《鳶夜艷》……中国の風情が感じられる作品です。絵が非常に華麗で見るだけで楽しめます!
李崇萍老師《危險香氣》……ドラマーとパティシエという不思議なカップリングです! 芸能界のストーリーが好きな方は是非お見逃しなく!
比千留老師《你是我的所有物》……イケメン満載の大学の学園物語で、王道のBL作品です!
花信老師《戀愛千層蛋糕》……犬の擬人化作品でとても可愛くて萌え萌えです! 更に少しミステリ要素もあるので、読んでいてドキドキしちゃいます!
Q.ご自身が初めて読んだBL作品、またBLに携わるきっかけとなった作品があれば教えてください。私自身が初めて読んだBL作品は、峰倉かずや先生『最遊記』の同人小説です。中学校の頃、親友に薦められて読んでみたら、親友よりBLにはまってしまいました(笑)
Q.『Touch+』では今後どのような作品の掲載や企画をお考えですか?今までは特集として出してきたのですが(vol.1は「びしょ濡れ」vol.2は「スイーツ男子」など)、これからは連載に向けてさらに面白い作品を読者に提供したいです。
~台湾のBL事情について~Q.台湾オリジナルBLの特徴とは何でしょうか。少し個人の話になりますが、私がBLに興味を持ち始めた10年ほど前でも、オリジナルBL作品や同人誌は人気があり、インターネットや貸本屋で読むことができました。
媒体としては当時も現在も同人誌が一番多いのは変わりませんが、以前は小説と漫画が同じくらいだったのが、今ではBL小説専門の出版社があるなど小説の規模が大きくなったと思います。やはり活字のほうが誰でも手軽に創作が可能で、裾野が広がっている証拠かもしれません。
漫画に関しては、オリジナル作品の割合が増えたように感じています。商業誌としてオリジナルBL作品が出版されたのはまだまだここ2、3年間のことですが、これからはどんどん増えていくと思います。
Q.一方、台湾で流行している日本のBLの特徴は何でしょうか。台湾で流行っているものと日本で流行っているものは、ほとんど変わりません。でもやはり絵が綺麗な作品、ストーリー性のある作品が人気です。ちょっと意外ですが、ヤオイ的なものは人気がありませんね。
Q.台湾で好まれる属性・シチュエーション、反対にあまり好まれない属性・シチュエーションはありますか?漫画ではなかなか見ないのですが、小説ではよく「男男生子」(男と男の間に子供が産まれる)というファンタジーな設定があり、特に架空の世界の話に見られます。なぜ男と男で子供ができるのかストーリーの中で説明はありますが……。一時期流行はしたものの、個人的にはこういう設定はまず難しいと思います。
Q.台湾において同人誌、即売会などのイベントとはどういった立ち位置ですか?実は、編集たちも同人誌即売会で商業誌に興味を持っている漫画家を探しているんです。今『星少女』で連載をしているnyaroro先生やMAE先生も元々は同人誌作家で、現在も台湾の即売会に参加しています。
Q.「この作品をぜひ日本に!」というイチオシの台湾オリジナルBLを教えていただきたいです!やはり『星少女』で連載しているnyaroro先生の作品ですね!
《Debug-ノートパソコンの使い方-》というタイトルで、擬人化されたノートパソコンと推理小説編集長の恋を描いています。身近な設定のようでいてフィクションの要素もあるので、とても面白いです! 是非ご覧ください。
Aさんがオススメしてくださったnyaroro先生『Debug-ノートパソコンの使い方-』は、7月15日に待望のコミックスがリリース、なんと
発売3日で重版が決定するという、オリジナル作品としては異例の反響を呼んでいるそう♪
全編中国語ではありますが、日本でも、東立電子書城にて無料配信されている『星少女』のバックナンバーから同作を読むことが出来ます。キャラクターたちの魅力的な表情を見ているだけでもキュンとさせられてしまいますが、叶うならばぜひ日本語版でも読んでみたいものです……!
Aさん、貴重なお話をありがとうございました!
記者:神谷浩未
コメント2
匿名2番さん(1/1)
台湾BLの記事、毎回楽しみに興味深く読ませていただきました。
nyaroroさんのコミックスの表紙絵は可愛くて色づかいも好みなので、わたしも日本語で読んでみたいですー。
匿名1番さん(1/1)
神谷浩未さんの記事には安定感があります. 『星少女』の表紙かわいーです♪
読みやすいです. 有難うございます.
微妙に【日本と似て非なるもの】って印象でした. 良く言えば発想が自由ですね.
少女漫画にBL載せるなんて. 日本で混載って考えられない.
男どうしの間に子供が産まれるとか.日本では,まだまだ一部人気なので,
流行までいってたとは驚きました.
日本はストーリー重視が多い気がします. 台湾では絵柄重視なのですね. ( ^^;)