BLニュース

BL小説とはボーイズラブ小説のこと。読む人は日本では30歳～50歳ぐらいの人が中心になっています。

他の国ではどうなっているのでしょうか？　たとえば中国はWEB小説が発達しており、そこからヒット作が出てきます。そしてそのユーザーのほとんどは10代～20代前半までなのです。今日はおとなり中国のBL小説界を徹底的に調査してきました！

小説読みのほとんどは10代

まずは中国のアンケート調査サイト「問巻星」が実施したBL小説についてのアンケートをみてみましょう。

使用しているアンケートの参加者数は240人の少人数であるため、多少のズレもあるかもしれませんが、それなりに現状を反映していると思われます。

年齢層に関しては、12歳～18歳（53.75%）と19歳～25歳（43.75%）の読者がBL小説読者の大半を占めていることが分かりました。BL小説を読む理由については、ストーリーが普通の小説よりもっと面白いからと答えた人が51.52%を占め、その次に好奇心とその他が続きました。

人気のある作品にもばらつきがありますが、代表的な小説で一番人気のある三つのジャンル・相愛相殺・残酷SM・穿越（転生ファンタジー）をご紹介したいと思います！

憎しみ極まり可愛さ１００倍　復讐系

提燈看刺刀　（相愛相殺）

CP：韓越x楚慈

受けの楚慈は、敬愛している養母を殺されてしまう。殺したのは、後に攻めとなる韓越の兄（韓強）だった。しかし韓越とその父は軍隊で高い職位に勤めているため、そのコネで罪が問われることはなかった。

その後、楚慈はエンジニアになり、偶然、韓越と出会う。お互いの身分を知らず、韓越は彼に一目ぼれしてしまうのだった。

しかしやがて楚慈は韓越は養母の敵である韓強の弟だと知ることになる。

その事実を知ったことで楚慈は韓越を拒むようになるのだが、韓越はまた軍隊のコネを使って楚慈を服従させてしまう。

しばらくすると楚慈はその韓越の感情を利用して、兄の韓強に近づき復讐できる可能性に気がつくのだった。

楚慈はついに韓強に復讐し、自分も自殺を試みるのだが…韓越に必死に止められ、兄を殺された罪まで許された。

最後、何回かの自殺未遂を計り弱りきった楚慈。

韓越が買ったペアリングをつけ、手術室に運ばれる。

「もし生きて戻れたら本当の気持ちを教えてあげる」

と約束し…。

こちらのジャンルは中国で相愛相殺（愛し合っているのに傷つけあう）と呼ばれています。強い二人が憎しみ合って、戦い合って、最後はお互いのことが好きになる物語はBLでしか見られませんね！

切ない話が多いですが、３０万字を経て二人の関係の成長を見て、最後のエンディングを読むと「切なかったけど本当によかった！」という気持ちには絶対なれます笑

愛などいらぬ　残酷SM系

欲望山荘（残酷SM）

CP:デヴィｘ李昴

李昴は欲望山荘（欲望の邸）で行われるパーティーに伯爵から誘われる。しかし欲望山荘に入った途端、身分も国籍も違う30人の男性と一緒にそこに閉じこめられるのだった。

そこで、彼らは顔さえ見た事のない伯爵に乱交、調教や殺し合いを要求され、次々と犠牲者が増えていくばかり。

李昴は比較的中性的な容姿のせいで、とりわけレイプや調教の対象になっていた。が、そうされているうちに、李昴は自分のことを一番大事に扱っているデヴィに対しある感情が生まれてしまうのだった。

地獄のような何週間を経て、最後、生き残った人は李昴とデヴィだけだった。そして彼らは協力し合って邸から逃げだす。

ところが…

デヴィは邸の前で変装をとり、李昴の記憶の彼方へと追いやられた恐ろしい過去を告げるのだった。

李昴は10歳の時から地下室に閉じ込められて、父親や父の取引先にレイプされていた。そして彼のことを優しく扱っていたのはたった一人の召使いだけだった。李昴は初めて人に優しくされることを知り、その召使いのことが好きになるのだったが…

召使いに拒まれたため李昴は逆上。召使いを殺し、父親や父の取引先を皆殺しにしてしまう。

ところがなんとその召使は、急所が外れ生きていたのだ。

デヴィはその急所を外した召使い、そして邸の伯爵であった。

秘密を告げた彼は、そのあと李昴のことを殺してしまったのか。それとも…

結末が分からないエンディングになっています。

いかがでしたか？先ほどの作品よりもっとグロイですね笑

こちらの作品をSMジャンルに入れた原因は小説の60%以上を占めるSMシーンから来ています。ストーリーだけではなく、エロシーンを目的とする読者も大勢いるので、このようなSMをメインにしている作品もかなり人気ありますね。

一番すごいのはそのSMのバリエーション、準備されている種類SM道具はもちろん、蛇やライオンまで登場しています…

相愛相殺の作品と違うのは最後まで読んでも気持ちは晴れないままというところですかね？

瀕死の事故で生まれ変わり　転生ファンタジー系

機甲契約奴隷（穿越）

CP：原昔ｘ羅小楼

羅小楼は元々21世紀の地球で生活する一般人だが、事故にあって、目が覚めたら自分は何千年後の人になっていた。

そこで王子の原昔に一目ぼれされ、一緒にいなければ死ぬという契約を無理やりされてしまう。

機甲戦士と機甲技師が一番尊敬されている時代（ガンダムのようなもの？）であって、原昔は王子として世界で一番強い機甲戦士であった。

羅小楼も機甲戦士に憧れ、なろうとしたが、全く向いてなく、落ち込むのだった。

しかしそのうちに自分には尋常ではない機甲技師の才能を持っていることに気づく。

その原因はあとで分かったことだが、羅小楼は実は人間ではなく、強すぎるがゆえに人間の驚異となるため虐殺されてしまった異獣の貴族であった（刺激をうけると変身するが、まだ幼獣であるため左図のようになる）。

しかし、羅小楼中身は普通の人間であったため異獣である強みを利用せずに、原昔の専属技師になった。

その後も異獣であることがバレたり、戦争があったり色々あったが、二人は最後結婚でき、幸せに暮らすのだった。

中国語で「穿越」というのは、人がある原因で違う世界の人間に生まれ変わることです。

違う世界の範囲が途轍もなく広く、過去と未来だけではおさまりません。架空の時代やパラレルワールドまで含まれています。作者の想像力が試される一方、作品も多彩になり、大勢のBL読者に好かれています。

もちろん、穿越やSMが苦手な方もいるため、小説の最初には基本物語の前半のあらすじと穿越やSMであるかどうかが書いてあります。

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中国のBL小説家たちはまず自分の作品を晋江文学城や书包网などのBL小説サイトで連載します。

人気がない作品であっても投稿することは無料なので、趣味で書いている人も気軽に連載できます。

人気が出た作品はVIPの読者（有料会員）にしか読めなくなり、作家たちは、読者がVIP料金を払った一部を報酬としてもらう形になっています。

また、更に人気が出たら小説の出版も出来ます。ただし、出版社はエロシーンに対して規制が厳しいため一部が消される可能性もあるので、台湾で出版する作家もいます。

（現在出版されているBL小説）

若者に流行っている小説の内容は、かなり過激なもので、大人が眉をひそめるかもしれません。ですがコミック、乙女CDなどは、日本でも暴力的で過激な内容は若い世代に人気があり、今の若年層に受けやすいのかもしれません。

英語のBL小説はすでに日本語版にされている今、中国語のBL小説も日本語版があるといいですね！

いかがでしたか？BLの世界は広いですね！国ごとに違うBL文化が見られるのも楽しいです。