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花の命は結構長い! 満開4輪

2015/04/19 11:24

寒い冬が終わり、桜、そして新緑あふれる季節がやってくると、自然と心も弾みますよね。BL作品にも、花や自然が彩る物語がたくさんあります。今回は、そんな花たちを楽しめる作品を特集してみました!


優しい花たちにかこまれて
すみれびより
著者:月村奎 / 挿絵:草間さかえ / Dear+文庫(2015年)

祖母が営む学生向けの下宿を手伝っている大町芙蓉。親しい友人もおらず静かに暮らしていた芙蓉の前に、6年前に去った故郷で唯一大切な思い出だったクラスメイト・西澤浩一郎が現れる。下宿に入居した西澤と顔を合わせる日々が始まるのだが…。


 という、再会モノ。芙蓉は貧困とネグレクトで恵まれない幼少期を過ごし、小学校でも浮いていたのですが、皆から慕われるリーダー的存在だった西澤の優しさに惹かれます。でも、それが恋だと気付いた時にはもう離ればなれに。6年後に再会し、ふたりの距離は近づいていくのですが…胸の中で大切に抱えてきた片思いと、現実の西澤の言動に一喜一憂する恋心に、芙蓉は戸惑いと不安が大きく、なかなか西澤のアプローチが伝わらない。短編3話からなるこの作品、ひとつひとつは小さな出来事だけれど、ふたりにとってはどれも大きな出来事なのです。それに一生懸命向き合っている姿と、随所に登場する植物のエピソードや、咲いては散っていく植物たちの姿が作品と上手く絡んでいるのが素敵。そして、芙蓉と西澤、そしてふたりを取り巻くキャラたちの関係があたたかくて、優しい気持ちにさせられる作品です。

 
庭師が心を囚われたのは
茅島氏の優雅な生活
著者:遠野春日 / 挿絵:日高ショーコ / ルチル文庫(2009年)


 両親が残した遺産によって、働く必要もなく優雅な生活を送っている茅島澄人。何に対しても無関心な茅島氏が唯一心を揺らすのは、庭師だけ。密かに関係を持っているふたりだが、庭師は茅島氏の心が掴めずにいて…。


 という、庭師と主人の話です。働く事もなく、淡々と日々を送っている茅島。表情も気持ちの変化も乏しく、26歳という年齢の割に情緒未発達気味です。その茅島が初めて自分から動いて手に入れた相手が庭師なのですが、如何せんコミュニケーション能力の欠ける茅島なので、庭師には上手く伝わっていません。でも、そんな感情表現の下手な茅島に庭師もいつしか惹かれていく。そして、喧嘩をしたり気持ちを確かめ合ったり、恋愛を通して茅島がどんどん成長していきます。

 普段表情のない茅島が、庭師にはいろいろな顔を見せる。不器用だけど一生懸命な姿がどんどん見えてくる。こんな変わった男なのに、何故周囲の人間に愛されているのか。読み進めていくと、その理由がよく分かります。付き合い始めた後のエピソードが短編形式で収録されているため、ふたりの日常を垣間見るような感覚で面白い。淡々とした中からあふれ出す優しい雰囲気や色鮮やかな庭の情景に、癒される事間違いなし! 麻々原先生によるコミックス版もオススメです。

 

花屋さんの手にかかれば堅物も咲く
お医者さんにガーベラ、お花屋さんに救急箱
 著者:椹野道流 / 挿絵:黒沢要 / プラチナ文庫(2010年)


 K医科大学付属病院のリハビリテーション科で働く医師・大野木甫。職場では孤立し、ずっと世話を焼いてきた弟の遙も自分から離れてしまった。ある日、その寂しさからヤケ酒を飲んでつぶれてしまった大野木は、顔見知りの花屋・九条夕焼に助けられるのだが…。

 
 仕事は出来るが、部下には厳しくワンマンな大野木に、部下たちは不満を募らせ双方の距離は開くばかり。それに加え、子供の頃から世話を焼いてきた弟の遙が、大野木に何の相談もなく大学を突然退学し、パン屋を開いた。お兄ちゃん子だった遙の突然の行動を理解できない大野木だったが、その遙の恋人が職場の若手療法士・深谷だったと知って益々激怒してしまいます。職場だけでなく、プライベートでも居場所のなさを感じ、投げやりな気持ちになっていた大野木を助けてくれたのが、顔見知りの花屋・九条。凝り固まった頭で視界の狭くなっていた大野木が、九条の愛情で変化していきます。

 堅物で不器用な男の心に花を咲かせる花屋の男。大野木の弟・遙のスピンオフを含め、ほのぼのとした雰囲気で心に潤いを与えてくれる作品です。

 

妖しい花に堕ちる兄弟
堕ちる花姦淫の花闇の花
著者:夜光花 / 挿絵:水名瀬雅良 / SHYノベルズ(2008-2009年)


 大学生の磯谷誠は、過疎化の進んでいる四国のとある村で育った。先に上京していた6歳上の義母兄・尚吾と一緒に暮らしていたが、村が秘密裏に栽培していた幻覚植物「鬼喰い草」の巡る事件に巻き込まれてしまう。事件をきっかけに互いの気持ちを知ったふたりは、異母兄姉でありながら恋人同士となったが、鬼喰い草の事件は終わってはおらず…。

 
 という兄弟&因習モノです。事件の中心になっているのは、鬼喰い草という赤い花をつける植物。この鬼喰い草を巡る事件はふたりの家族の問題に行き着き、泥沼の展開になっていくのですが、それと同時に、弟・誠に対する兄・尚吾の執着が暴走していきます。お互いに好き合っていることは間違いないけれど、兄の執着に弟は少し戸惑い気味。家族や村の問題を抱えている尚吾は病んでいて、誠を泣かせる事で愛を試している。精神的に追い込まれていきますが、最後には誠の強い意志を事件を通して目の当たりにし、ようやくその猜疑心から解放されます。事件と恋愛がうまく絡み、最後まで読み応えたっぷり。

 鬼喰い草の幻覚作用がしっかり活用され、サスペンス的な要素だけでなく、萌えエロもがっつり楽しめますよ! 萌えを存分に堪能出来るシリーズ作品です。

 
記者 にゃんこ

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