★エロ、エンタメ色重視からリアル描写に移行したBL小説 「第6回BLアワード」の結果が発表され、
凪良ゆう先生
『美しい彼』と
『おやすみなさい、また明日』が【小説ランキング】1位&2位に輝きました!
そしてそれだけではありません。
5位には高校生×教師の関係を描いた
『未完成』の新装版が、7位には
『365+1』のスピンオフ
『愛しのいばら姫』がランクイン、10位中4冊が凪良作品という結果になりました。
これまでにも凪良先生の小説はBLアワードで上位を獲得してきましたが、1位受賞は今回が初めてのことです。 丁寧に掘り下げられた心情とそれを描き出す文章力、胸締め付けられる展開……。今の時代が“凪良節”を求めていることは、新装版『未完成』が、2009年の旧版発売当時をはるかに上回る評価を得ていること、さらに2014年中に文庫8冊という怒涛のリリースからも窺うことができます。
これまでは、エロ重視の作品やファンタジーもの、榎田尤利先生「交渉人シリーズ」や 英田サキ先生「ダブル・バインドシリーズ」といったサスペンスやハードボイルドもの、はたまた木原音瀬先生をはじめとする飛び抜けて痛いストーリーや強烈なキャラクターなどなど、小説の持つ圧倒的な情報量を生かした、いわゆるエンタメ色の強い作品が人気を得ていました。
しかし現在では、凪良先生や、
今回3位にランクインした一穂ミチ先生
(
『イエスかノーか半分か』3位
『ナイトガーデン』9位)
同じく6位の安西リカ先生
(
『好きで、好きで』 なんと先生からSSを記念に頂いています!)
など、読者と同じ日常のなかでキャラクターたちが恋をし、仕事や家族などの悩みを抱え、壁を越えていく姿に静かに涙する――そんな、より読み手との距離が近い物語が次々に登場しランキングの上位を占めています。
非日常の世界観に心躍動するエンタメ系、そして共感度の高さで切なくも優しくもなれる日常系。 この二大ジャンルを主軸に、BL小説界は今後どんな動きを見せてくれるのでしょうか?
記者 神谷浩未