誘い受け、襲い受けの意味がしっかりわかるおすすめ小説３作品
攻が主導権を握ってエッチに持ち込む展開が多いBLですが、誘い受や襲い受も美味しいよね！ということで、今回は肉食系な受が登場するおすすめBL小説作品をピックアップしてみました。男だもの、受だって襲います！
カラ松、チョロ松に見習おう。
上品美人な受の本性は…！
恋するクラゲかわい有美子 / 草間さかえ / SHYノベルズ（2014年）
老舗の一流ホテルの企画課で働く天宮征士は、コンシェルジュを介して客の希望を叶えるために奔走するのも仕事のひとつ。上品で優しげな物腰のチーフコンシェルジュ・朧谷月彦からの依頼も多く受けるが、難しい要望をさらりと押し通してくるその見事な手腕に以前からその人となりに興味を持っていた。そんな中、ひょんな事から距離が近づいた事で、知りたい気持ちが大きくなっていくのだが…。
という、ホテルマン同士の話。天宮は学生の頃から残念なイケメンと言われ、「クラゲ」というあだ名まで付けられてしまうくらい、暖簾に腕押しな恋愛で現在独り身。一方、麗しい容姿と丁寧な仕事ぶりで内外から評判の良い朧谷は、もてるけれど恋愛から距離を置いています。ふたりはお互いに存在を意識するようになっていきますが、特に、今まで恋愛において心動かされる経験のなかった天宮が、朧谷の言動に翻弄されっぱなし。しかし相変わらず押しの弱い天宮。そこで、見た目に反して肉食系の朧谷は…という展開で、満を持して（？）明らかになる上品美人・朧谷の本性がこの作品の読み所です！ 朧谷の押しっぷりがとっても素敵（笑）美人と言っても中身はしっかり男です！
お上品で生活感のない朧谷の人間味溢れる一面に触れ、どんどんその魅力に嵌まっていく天宮。その動揺と興奮が伝わって来て、読んでいてとても楽しい作品です。かわい先生の作品には「おしとやかそうで意外と気の強い美人受」が度々登場しますが、色っぽくてドキドキしちゃいますね。
王子だもの、受でも男を攫います
職業、王子 砂原糖子
小椋ムク / ルチル文庫（2011年）
しがないレンタルビデオ店の雇われ店長・綾高大地。ある日店にやってきたアラブ人・リインシャールに応対するが、生真面目な綾高は日本のルールを守るよう主張し、リインを怒らせてしまう。そして気付くとそこは、見知らぬ国のベッドの上。アラビア海に浮かぶ島国・カトラカマルの王子だと名乗るリインに、今日からお前は奴隷だと告げられ…。
という、アラブの王子が日本人の若者を攫うお話。レンタルビデオ店での対応に怒ったリインは綾高を自国に連れ去り、性奴隷にしようとする。はい、王道のアラブBL展開ですね！ でも、リインは横暴ですがオレ様攻王子ではありません。拉致って媚薬盛った相手に自分からまたがっちゃう、所謂襲い受。ただし、恋愛感情は無いので綾高を使ったある意味自慰みたいなものですが。新鮮！
そんなこんなで、リインの相手をさせられながら砂漠の中の宮殿で暮らしはじめた綾高ですが、次第に綾高はリインの置かれた立場や抱えているものの大きさを知ることとなり、それが関係の変化に繋がっていきます。全体的にはアラブなラブコメなのですが、この部分がしっかりしていたので全体が締まっています。徐々に見えてくるリインの抱えている孤独。自分からは追いかけることの出来ないリインが切なく、序盤の展開が嘘のように可愛く感じられるように。襲い受だったリインが、綾高を意識するようになった事で恥じらいを持つようになると萌え倍増。普段命令口調のセリフにリインが綾高に翻弄され、どんどん乱れていく姿が萌え所です！
大人しい受だって頑張ります
彷徨者たちの帰還〜守護者の絆〜 六青みつみ / 葛西リカコ / リンクスロマンス（2014年）
帝国から逃れた人たちが隠れ暮らしている村で育ったキースは、拾い子で村の人たちと容姿も異なっているために疎外され孤立していた。ある日、森で不思議な卵と出会い、数年後に生まれた獣の子供に驚きながらも心を通わせ、やがてかけがえのない存在になっていく。フェンリルと名付けた不思議な獣は、しばらくすると人の形にも姿を変え言葉を交わす事も出来るようになるが、それが帝国では貴重な存在である「聖獣」だと村人に気付かれてしまう。キースはフェンリルと共に村から逃げ出すのだが…。
騎士と聖獣が出会い結ばれるファンタジーシリーズ4作目で、初めての聖獣攻作品。拾い子のキースは村人たちに疎まれ、男ながらも美しい容姿をしているため性的な対象にされている事から、誰のことも信用せず生きている。孤立無援状態のキースの前に現れた謎の獣は、そんなキースの心に癒やしと生きる意味を与えます。一方のフェンリルは、村を飛び出し、つらい逃亡生活を送る中で心も身体も成長し、やがて守られるだけでなく、キースを守りたいという意識が強くしていく。ふたりは危機を乗り越え帝都で暮らすことになりますが、人との関わりが増えたことで、お互いに今までにはなかった感情に気付かされる事に。渦巻く独占欲や嫉妬心の元を辿れば…という、このシリーズではお馴染みの家族愛と恋愛感情で悩むループにはまり込んでいきます。端から見たらラブだだ漏れなふたりの様子を、先輩カップルたちが見守っている構図にほっこりすること間違いなし！
そして、この作品で注目なのは聖獣攻なエッチシーン。聖獣は自ら発情しませんが、それはスイッチを自分で入れる事が出来るか出来ないかの違いなので、男性機能に問題はありません。という事は、このふたりがエッチするためには受のキースが攻のフェンリルをその気にさせる必要がある…つまり誘い受！！ 奔放な性格ではない、大人しい受が自ら頑張るという状況。これはもう萌えるしかないでしょう！ 最初はリードしていたキースがスイッチの入ったフェンリルに翻弄されていく姿にドキドキですよ！
以上、おすすめ誘い受けBL、襲い受けBLの紹介でした。
記者
にゃんこ
