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私、幽霊だけど、ホモにストーカーされてます。 幽霊BL3魂

2014/08/20 06:06

夏に欠かせないものといえば怪談話。怪談と言えば幽霊。身の毛もよだつ怪談話もよいですが、少し趣向を変えて、甘さと切なさが一緒になった幽霊BLはいかがでしょう。幽霊だって恋愛したい!ということで、今回はそんなBL作品を特集してみました。恋する幽霊は切なさと萌えいっぱい!


触れることの出来ない幽霊との恋の行方は…
  まばたきを三回
著者:凪良ゆう / 挿絵:円陣闇丸 / ショコラ文庫(2012年)

 山間の町で祖父と暮らしている小学生の斎藤一佳は、静養のため東京から転校してきた四ノ宮令と出会った。ふたりは親しくなり、一佳の令に対する他の人とは違う特別な想いはどんどん膨らむばかり。東京に戻ったあとも続いた令との関係は、高校生の夏休み、ついに友達から恋人へ変わった。しかし、令は事故で亡くなってしまい…。
 田舎で経済的に決して楽ではない暮らしをしている一佳と、大きなグループ会社の御曹司である令。ふたりの住む世界は大きく違います。そのハードルを越えるために起こした行動の直後、不慮の事故で令を失ってしまった。しかしそれから2年経ったある日、ポッカリと心に穴が開いたまま生きていた一佳の前に、令が幽霊となって現れる。姿は見えて、会話も出来るけれど、触れることは出来ない恋人。一佳は令と共に暮らし始め、次第に自分たちの置かれた状況を理解していきます。ショックを受けながらも、打開するために令と共に動き出すのですが…。プロローグの時点で既に令が亡くなっているこの作品。幽霊となって再会するところから始まっている事も吃驚ですが、どんでん返しが何度も起こる展開にさらに吃驚。本編は一佳視点なので、新しい事態に遭遇する度に「何が真実なのだろう?」と、読み手も一緒に戸惑わされます。この状況からどう話をまとめるのか? 果たしてハッピーエンドを迎えられるのか? 結末についての詳細は伏せますが、ファンタジーにしっかり現実を絡めた内容で、予想を良い意味で裏切られます。

 幽霊が登場しますが、ファンタジー的な側面よりも人間ドラマ的な印象が強く、考えさせられる場面も多いこの作品。最後の数ページは言葉のひとつひとつが重く、そこに込められたメッセージが胸に響きます。何度も泣かされ、そして、予想外の展開にドキドキワクワクハラハラさせられる事間違いなし。挿絵のチラ見厳禁です!


幽霊からの依頼は死体の捜索で?!
 幽霊ときどきクマ。
著者:水壬楓子 / 挿絵:サマミヤアカザ / リンクスロマンス(2012年)
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捜査一課の刑事・蓮見辰彦の前に突然現れた青年は、床から浮いていた。その幽霊・嬉野恵は、唯一自分を見る事が出来る辰彦に、どこかにある自分の死体を探して欲しいと頼んできた。ちょうど捜査をしていた連続バラバラ殺人事件と関わり合いがあるのではないかと、戸惑いながらも恵を受け入れ死体を探す事になる。亡くなった弟の遺品であるクマのぬいぐるみに入った恵を連れ、辰彦は恵の周辺を探り始めるのだが…。
 という、幽霊と刑事の話。幽霊モノですが、タイトルからも分かるようにホラーではありません。事件が起こりつつも全体的にはかわいい雰囲気。35歳のくたびれぎみの刑事が、幽霊の取り憑いたクマのぬいぐるみを抱えて事件追いかけるラブコメです。とは言え、幽霊なのでもちろん切ない側面も出てきます。幽霊の恵に頼まれ初めは仕方なく一緒にいた辰彦ですが、恵の本体を見つけるという事は、それはつまり恵の死を目の当たりにするという事。次第に親しくなり、生きていた頃の不自由さを知ったり恵の人となりに触れていくうちに、辰彦の気持ちが変化していく。この心の揺れが程良く盛り込まれているので、コメディの部分が軽くなりすぎず、うまくまとまっています。恋愛初心者の恵と、年下の恋人のかわいさにやられている辰彦。どちらもかわいい。

 オチは序盤から匂わされているので驚きはあまりないかもしれませんが、そこが特別重要ではなく、ラブコメのお約束展開を楽しむ話だと思います。萌えもぬかりなく盛り込まれ、続きが読みたいと感じさせられる1冊。かわいい幽霊はいかがでしょう?

恋人との出会いを繰り返す幽霊
 イエスタデイをかぞえて
 著者:綾ちはる / 挿絵:黒沢要 / ショコラ文庫(2013年)

ある日突然事故に遭い死んでしまった大学生の三島冬至。目の前に現れた死神にひとつ願いを叶えると言われた冬至は、優しい恋人・椿武彦を悲しませないよう、出会いから人生をやり直すことを選んだ。椿の大切な存在にならないようにする。しかし、椿のアプローチを冬至は拒みきれなくて…。
 という、主人公が死ぬ場面から始まる話。冬至がその日死ぬ事は回避できないけれど、椿と出会わず、恋人にならずにいたら、椿は冬至が死んでも悲しまないだろう。そう考えた冬至は、死神に1年間人生をやり直す事を願います。ただ、ふたりが仲良くなったきっかけとなった出来事を回避しても、結局椿との出会いや椿から示される好意は避けることが出来ず、どれだけ冬至が冷たい態度を取って「嫌いだ」と言っても、椿は追いかけてくる。それはきっと、自分の中にある椿への想いを否定出来ない冬至がどうしても椿を求めてしまうから。そして、理由は分からなくても、椿はそんな苦しんでいる冬至の手を離すことが出来ません。好きなのに好きだと伝えられず、椿を悲しませてしまう事に冬至はどんどん追い詰められていきます。その先にある「死」を前に、好き合っているのに苦しんでいるふたりが切ない。後半は椿視点で、冬至が死んだ世界の話になっていますが、ここでも胸が締め付けられる場面がいっぱい。痛いほど伝わってくる椿の冬至への想いや、家族や友人たちの悲しみも含めて、号泣必死です。

 つらい展開が続きますが、もちろんハッピーエンドなのでご安心を。泣ける場面がたくさんありながらも、最後は甘くてあたたかい読後感に包まれます。困難を乗り越えたふたりのいちゃいちゃに、感動と萌えで胸がいっぱいになること間違いなし!
記者 にゃんこ

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