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異論は認めません!? 私のイチオシはこれ!58

2013/12/21 00:00

新刊の中から、話題になっている作品、私のオススメ作品などをピックアップして紹介します。視点は少々(いや相当?)偏っていることもありますので、ご注意くださいませ?。
今回は2013年11月の新刊から、方言が印象的だったこちらの2作品を紹介します。

■京恋路上ル下ル /夕映月子/まさお三月/Dear+文庫

 祖父から継いだ古書店で、ある日高校生から「大学に合格したら付き合って」と言われた木嶋伊織。1週間後、合格を告げ、父親と現れたその高校生・里見颯馬は恩師の息子だった。すげなく断ったが、その後も颯馬は熱心に伊織に想いをぶつけてきて…。

 という、年下ワンコに一目惚れされる話。舞台は京都で、伊織は祖父母に育てられ、古風な京都弁です。伊織は男ですが、誰の目にも印象的にうつる色気のある美しい容姿をしていて、小学生だった颯馬が一目惚れしてしまうのも無理もない。告白するもあっさり断られてしまいますが、大学生になり、古書店の隣家に下宿するようになると、伊織に近づこうと傍目にも明らかに頑張るように。
 颯馬は容姿も性格もよく誰からも好かれるようなタイプで、伊織も何だかんだ言いつつ古書店のバイトをさせたりしていて、決して嫌いなわけではありません。伊織は同性愛者である事を隠していないし、他の男を誘うような態度も取る。それなのに、颯馬の恋愛感情は頑なに受け入れようとしません。それは颯馬の父親に片思いしていたせいでもあり、伊織の好きなタイプがかなり年上の妻子ある男性であるせいでもある。でも、いろいろと理由をつけて拒んでいますが、伊織にとって最も大きいのは、颯馬もいつか自分の元を去ってしまうのだろうという不安。子供の頃に親に切り捨てられた事が、伊織が自分で思っている以上に大人になった今でも影響していて、愛されて育った明るい颯馬を、好ましく思うからこそ自分の側に来て欲しくなくて拒んでしまう。でも、その奥にあるのは愛されたいという想い。颯馬との日常の中で次第に伊織の心が溶かされていく様子が伝わって来て、胸が熱くなります。
 素直に気持ちを伝えられなくていけずな態度を取っている伊織と、それを分かって受けとめている颯馬の組み合わせがいいバランス。颯馬がまだ大学生で、未熟なところがありつつも若さと前向きな性格でカバー出来ていて、その裏のなさが好感度大です。伊織の過去は重いですが、今はちゃんと理解ある人たちに囲まれているので、全体の雰囲気は暗くありません。周囲の人たちと伊織とのやりとりが、さり気なくあたたかくてよかったです。

 話も面白かったですが萌えも満載でした!伊織が色気たっぷりなのです。男性の京都弁ってどうしてこんなにエロいのか! しかも和装! 着物はもちろん色っぽくていいのですが、普段着物の人が洋服着ているとなんだかドキッとさせられます。さらに、伊織のいけずな態度とそれが崩れて脆さが出てしまった時のギャップがたまりません。京都弁のツンデレ素晴らしい。

 随所に京都の風土が盛り込まれているのもよかったです。甘味がたくさん登場していて気になります! 京都の魅力がたっぷりな1冊でした。

■鬼子の夢/丸木文華/笠井あゆみ/花丸文庫BLACK

 貧しい村に生まれ、実の母からも村人からも「鬼子」と忌み嫌われていた与六。美しく育った与六は村の男たちの慰み者となっていたが、ある日、ろくでなしと噂される領主の息子の目にとまり、女の代わりに差し出されることになってしまう。飽きれば殺されてしまう運命を恐れ、村から逃げ出した与六だったが、山の中で崖から落ちてしまった。怪我をした与六を助けたのは、佐助という山奥で1人暮らす男。初めて与えられた優しさに居場所を見つけ次第に心を開いていった与六は、佐助と関係を持つようになるが…。

 時代設定は戦国時代あたりの日本という雰囲気。佐助は「鬼」で、人を殺さないために山奥で1人暮らしています。助けられた与六は、疑問を感じながらも穏やかな生活の中それを見て見ぬ振りをして、佐助の優しさに惹かれていく。与六は生まれる時に母親に鬼と言われ殺されかけ、その後その母が精神的に病んだまま自殺したことから「鬼子」と呼ばれているだけで、実際に「鬼」の能力があるわけではありません。しかし、鬼を調伏するために験者がやってきた事で、与六は自分の中の激情を知る。「鬼」は人の心が生み出すものだという設定がうまく話に絡んでいて、話に説得力があり、湿度の高い雰囲気にもピッタリでした。「鬼」と「人」の境の曖昧さがいい。不幸な生い立ちのふたりが出会って惹かれ合い閉じた世界の中で執着が暴走していくという、流れだけ見るとシンプルな話なのですが、「鬼」の要素が入ったことでドラマ性が一気に上がり、何より萌えに繋がっていました。

 話も面白いですが、エロ萌え満載! このふたり、体格差がとても美味しいです。絶倫で人並み外れた体力と筋力がある「鬼」の精力に翻弄される小柄な若者という構図がエロい! ふたりだけの閉鎖された世界で繰り広げられる執着が、萌えをさらに盛り上げていました。

 時代物で鬼という和の要素が加わっているこの作品、湿度の高い雰囲気がとてもよかったです。「鬼」がしっかり生かされています。与六は岡山弁なのですが、時代背景や与六の人柄に合っていて、思いがけず萌えが刺激されました。笠井先生の挿絵も色気たっぷり。最後まで萌えとワクワクが詰まっていたこの作品、オススメです! 汁気たっぷりの萌えエロをご堪能あれ?。

紹介者プロフィール:にゃんこ
長い冬眠期間を経て数年前に復活。内容はもちろん大切。でも萌えるHも大好物! 心躍る萌えを求め、腐海を彷徨う流浪の腐女子。 小説&コミックスを中心に、BLCD、BLゲームなども含めた感想をブログで書いていますので、そちらもよろしくお願いします! http://macnyanko.blog22.fc2.com/

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