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異論は認めません!? 私のイチオシはこれ!18

2010/09/15 00:00

新刊の中から、話題になっている作品、私のオススメ作品などをピックアップして紹介します。視点は少々(いや相当?)偏っていることもありますので、ご注意くださいませ?。
今回は2010年8月の新刊から、丸木先生の2冊を紹介します!

丸木先生はいろいろな意味で濃い作品が多い作家さんだと思いますが、今回の2冊は、血の繋がりがないにしろ形としては近親相姦2連発。濃さを求める方にはオススメです!
まずは義兄弟本をご紹介。

■あんたとお前と俺。/丸木文華/花丸文庫BLACK

幼い頃に父を亡くし、母親とふたりで暮らしてきた奏祐だが、大学進学が決まったある日、母親から再婚の話を切り出された。
納得できない気持ちがありながらも母親のために受け入れ、新しい父と、その連れ子の息子2人と暮らすことになる。
優しいけれど、どこか油断できないところのある兄・陽一(30歳)。
無愛想で、奏祐に敵対心むき出しの弟・栄次(17歳)。
ふたりの兄弟と、当たり障り無くやっていこうとしていた奏祐だが…。

複雑な思いを抱えたまま始まった新しい生活は、お互いに距離を保ちながらそれなりに過ぎていたけれど、頑なに奏祐を拒絶する栄次とはぎこちないまま。
そしてある日奏祐と栄次は衝突し、それを切っ掛けに栄次の本来の性格を知る事になった奏祐は、次第に心を開くようになります。
ただ、それと同時に栄次と陽一の自分に対する執着を感じるようになり、ついに関係を持つようになってしまう。
タイトル通り、3人の話です。
3人は容姿も性格も違っていて分かりやすいです。
義理とは言え兄弟モノなので重めな話かと思いきや、奏祐の貞操観念が薄く、快楽に弱かったために3Pに至るまでは割と簡単。
話は、そこからもうひと山越えるところに重心が置かれていました。
割り切った気持ちで関係を続けている奏祐と陽一と違って、真っ直ぐな性格の栄次は本気でのめり込んでいる。
それを危惧した奏祐が、栄次を目覚めさせるべく関係解消に動き出すのですが…その関係に溺れていたのは栄次だけじゃなかった、という事ですね!
3人で落ち着くために乗り越えなければならない気持ちの面での問題を解消するには、この論理展開は特別珍しいものではないと思います。
兄弟で3Pという関係に対し、こんなに悲壮感のない受も珍しいと思いますが。
「強引な陽一や、熱い想いをぶつけてくる栄次や、快楽に流されただけだ」と軽く考えていた奏祐の気持ちが変化していく様子が、案外としっかり描写されていて納得できるラストでした。
表現の仕方は違っても、3人共関係を大切にしようとしているのは間違いない。
閉鎖された世界で思い詰めてドロドロという展開ではないし、血が繋がっているわけではないので(攻同士は繋がっているけど)、兄弟モノ苦手でも割と読みやすいのではないかなと思います。
あ、でも丸木先生好きな方には逆に物足りないかもしれません(笑)
私はドロドロしすぎて理解を超えた終わりになるよりは、この程度でエロと甘さを感じられるような話の方が好きです。

それにしても、陽一は流石腹黒ドSだけあって、奏祐の扱い方を心得ていますね!
栄次はそのうち独占欲で陽一を邪険に思うようになるかもしれないけれど、陽一はそんな栄次の気持ちの矛先を上手く性的興奮に結びつけそう。
陽一プロデュースで、いろんなエロシチュエーションを楽しめばいいと思います!

ということで、まずは義兄弟ものでした。続いて義親子本のご紹介。

■ 義父?梅花日記?/丸木文華/丸木文華/アズノベルズ

時代は明治。
清一は庶子ながら紀田財閥を継いでいるが、34歳になっても妻を迎えようとはせず、養子に迎えた徹雄を溺愛している。
過保護に育てられ、性格的にも大人しい徹雄は、絶対的な存在である清一に意見する事もなく、清一に従っていることに疑問を持つこともなかった。
そんなある日、徹雄に絵画を教えていた画家の熱意に押され、絵画への道を志すことを清一に打診してみることに。
しかし、清一は全く取り合わず激怒してしまう。
その態度に反発した徹雄は、初めて清一と今後について思い悩むことに。
そうした中徹雄は事件に巻き込まれ、間一髪清一によって助け出されるが、清一は媚薬を盛られた徹雄を犯し、それ以来親子の関係は一変する。
徹雄を別宅に軟禁し、毎日のように身体を求める清一。
エスカレートする清一の執着から、徹雄はどうにか逃げだそうとするのだが…。

という、親子と言っても血の繋がらない父と子の話です。
徹雄が素直に清一の庇護下にいた時は「過保護な父」の範囲内だったのに、徹雄が自発的に外に出ようとしたことで「子供に執着する父」となり、さらに肉体関係を持ってしまった後は父という枠を飛び越え病的な執着を見せていく清一は、かなり危うい精神状態にあります。
清一のためにも自分は逃げなくてはと考える徹雄でしたが、その気持ちは次第に変化していく。
読み所はもちろん徹雄の気持ちの変化の過程ですが、読み進めるにしたがって分かってくる清一の気持ちにもハッとさせられます。
後半は、清一が心のバランスを取り戻している分、徹雄が少し黒くなっているような…。
義理とは言え、親子で愛し合うというタブーを侵しているので、精神的にふたりとも強くならないとやっていけませんよね。
小悪魔な顔が見え隠れしている徹雄もなかなかよいです。

自分から離れようとした相手に激怒し犯してしまう、というエロ主体の話。
先に紹介した義兄弟の話より濃厚です。
清一だけでなく、徹雄の執着も強く、陽一のような空気抜きできる存在がいないために閉塞感がある。
近親相姦ものの旨味を堪能したい方にはこちらの方がオススメ!

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というわけで、丸木先生の新刊2作品を取り上げてみました。
丸木先生の作品は好きで毎回楽しみに読んでいますが、恋愛として私が理解できる結末じゃない事が度々あるのでドキドキです。
理解できないのは恋愛の形であったり、キャラの性格であったりするわけですが、今回は両作品とも理解の範疇で安心しました。

そして丸木先生と言えば…エロがとてもエロです…!!
プレイ自体もそうですが、攻の変態ぶりや、心理を絡めて受が興奮していく様子が読んでいてワクワクさせられる。
丸木先生はこういった部分の描写が上手いなぁと思います。
エロをエロく書ける作家さんはステキですね!

挿絵含め、個性の強い作家さんなので好みは分かれるかと思いますが、濃厚な味を求めているときにはオススメです。
消化不良な時もありますが、今回の2冊は内容とエロが両立していて美味しく仕上がっていると思いました。
あ、でも2冊続けて読むと胃もたれするので要注意!

紹介者プロフィール:にゃんこ
長い冬眠期間を経て数年前に復活。内容はもちろん大切。でも萌えるHも大好物! 心躍る萌えを求め、腐海を彷徨う流浪の腐女子。 小説&コミックスを中心に、BLCD、BLゲームなども含めた感想をブログで書いていますので、そちらもよろしくお願いします! http://macnyanko.blog22.fc2.com/

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