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男たちの熱い生き様に惚れて下さい。 『FLESH&BLOOD1』

2009/10/07 00:00

海賊、タイムスリップ、並行宇宙…あらゆるファンタジー要素が盛り込まれたFLESH&BLOODシリーズ。ファンタジーBLの決定版といってもいいでしょう。ちるちるでも大人気のこのシリーズは、2回に分けて特別にプッシュいたします!

おそらく古参のファンの方々からしたら「邪道!」と怒られてしまうことは間違いなしなのですが、私がこのシリーズを読もうと思った大きな切っ掛けは12巻表紙のイラストに一目ぼれしたからでした。
まさにジャケ買いです。もちろんそれまでシリーズを支えていらした雪舟先生のイラストも好きですが、理屈でなく彩先生によるその絵に惹かれてしまい、手に取ったのでした。
そしてそこで、それがかの有名な『フレブラ』シリーズだと気付いたのでした。
知識としてあったのは、海賊・海洋ファンタジーといったキーワード、某文芸雑誌のBL特集でどちらかというとプラトニックものらしい、という程度でした。
迷うこと数分、しかし一度読んでみたいという興味に抗えず、一週間程後には最新刊の13巻まで揃えることとなりました。
あまり数多くはないかもしれませんが、このような後発ファンの方のために、私なりのこのシリーズの「楽しみ所」を僣越ながら紹介させて頂きたいと思います。

◎少年の成長ものとして 例えるならばライトノベル的な楽しみ方でしょうか。1巻を読んだ時に真っ先に私が連想したのが、その10年近く前に書き始められた某中華風ファンタジーでした。
主人公の髪が赤いこと、親からの抑圧があり、やや厭世ぎみであったところを異世界に飛ばされてしまう、という共通点のみで安易に連想したに過ぎません。
しかし主人公・東郷海斗は留学生のため英語が話せるのはもちろんのこと、英国史担当の教師が16世紀初頭の内容を特に好んで取り上げたため、自分が飛ばされた世界の知識をかなり持っている、という部分が「異世界ファンタジー」ものとして見た場合には珍しいかと思われます。
ともかく彼が魅力的な海の男達に出会い、運命を共にし、情を交わし合う中で人間的に成長していく様を見守る…という楽しみ方がまず一点。
◎ 恋愛ものとして仮にもBLレーベルから出版されているシリーズですから、やはり恋愛部分に言及しないわけにはいきません。まず主人公に対してのガッチガチの「本命」はジェフリー・ロックフォード。イギリスはグローリア号の船長であり、フランシス・ドレイクの部下でもある、傲岸不遜ながらそれに見合う実力を持つ金髪碧眼の美丈夫です。
そして「対抗」がジェフリーの片腕であるナイジェル・グラハム。かつて負傷した片眼を眼帯で隠した冷静で有能な航海長です。
最初は主人公に対する当たりも疑心のためあまり良くないのですが、次第に人情に篤い面が明かされ、海斗に惹かれる自分に気付いてからも親友と想い人を慮ってその心を抑えようとする様子が大変いじらしいキャラです。
主にこの二人と海斗の三角関係が中心に描かれています。そこへ割り込む「大穴」がイギリスに敵対するスペインの騎士、ビセンテ・デ・サンティリャーナ。最初に海斗を発見したにも関わらず、色々と訳あってその手を離さねばならなかった不運な人です。
イギリス側から見ると「執念深い追跡者」なのですが、8巻終盤あたりからはかつての行いも霞む献身ぶり、また堅物で不器用な軍人気質もだんだん魅力的に映るようになります。
他にもエリザベス?世にもフェリペ?世にも何だかんだで気に入られる海斗には感心するより他ありません。
そして、いわゆる「本番」までなかなか辿り着かないのがこの作品の特徴でしょう。
とにかく邪魔が入る入る。ビセンテの追跡やら殺人疑惑やら何やら…。個人的には「本命」キャラのジェフリーよりも、「対抗」や「大穴」の方が好きなもので、その辺りはあまり重要視していないのですが。いずれにしても良い男ばかりです。見目だけではなく気骨のあるとにかく男前ばかり。読んでいて惚れてしまうこと請け合いです。
◎歴史SFとして何より私が「燃えた」瞬間が、シリーズを読み始め、海洋冒険ファンタジーってことで良いのかな、何となくわかってきたぞ?とのんびり思っていたところに3巻目でガツンとどてっ腹にくらわされるがごとく明かされた、『並行宇宙』設定でした。嬉しい不意打ちでした。これと同種類の驚きが7巻にもあり、SF的なネタはもしかして「転」の巻に(※1巻から順に「起」「承」「転」「結」を繰り返していると面白いな、という単なる思いつきです。)あるのかな、とひそかに11巻にも期待しているのですが…残念ながらまだ読み終わっておりません。
そして歴史ものとしての楽しみ。これが最大の醍醐味ではないかと考えています。
世界史それもヨーロッパ史に全く明るくない私でも、政治、経済、衣装や建築に至るまでの考証がしっかりしていることは察せられますし、あの有名な劇作家が活躍したり、エリザベス王妃の本当の想い人は実は…なんて意外な説まで、本当に楽しみどころが満載です。
不勉強な自分を恥じ、勉強したくなってしまいますが、きっと詳しければもっと面白いのだろうな、ということは悔しく思います。
それでも「何となく」で読んでいても状況は把握できますし、面白いことに間違いはありません。
巻数の多いシリーズですが、いったん読み始めると長さは感じさせられません。
どんどん夜が長く、寒くなっていくこの季節、物語の興奮に熱くなりたい方は是非トライしてみてはいかがでしょうか。


紹介者プロフィール:くもとり
娯楽小説・漫画・アニメ好き(偏向性)を大分こじらせた残念な学生です。BLの【萌え】だけでなく、こう来るか!という驚き、【燃え】が好き。両方あれば言うことなしですが片方だけでも期待値を超えていれば神です。

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コメント2

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さっき一巻を読み終えました。読んでみてよかった。

昨年のちるちるさんの企画「長編シリーズを未読ユーザーに読ませる道しるべ」のお陰で出会えました。

あの企画に紹介文を投稿して下さった方々、ありがとうございます。

こちらの、くもとりさんの紹介文は、内容に触れるようなので、途中で読むのをやめておきました。

今発売されている21巻まで辿り着いたあと、どんな気持ちでこの記事を読むのだろうかと、わくわくしています。



匿名さん

私も後発組です

はじめまして、くもとりさま
私も題名だけは知っていた「Flesh&blood」実はくもとりさまとまったく同じく、彩さんの表紙に惹かれて表紙買いした口です。
自分がBL以外で海洋・海軍・西洋史に興味を持っているのもあり、読んでみたところ実に詳しく調べて裏付けもしっかりしたもので構成されているのに驚きました。
私もまだ全巻読破ではないですが、気長に読んでいこうと思っています。
本当に、イケメン揃いですが自分も本命より対抗馬のほうが好きだったりします、エヘ、、

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