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アメリカで“やおい(Yaoi)”が売れている!?ニューヨークの棚で見つけた意外な光景

2025/08/24 18:00

ニューヨークの書店で出張調査!あの新刊も…?




2025年7月中旬のニューヨークはカラッと快晴。東京よりも若干涼しい気候の中、意気揚々と散策に出かけました。……そう、BLを買いに行くため!!!
 
日本からは飛行機で13時間以上もかかる遠く離れた地・アメリカ。しかし、そんなアメリカでも日本のBLが人気を博しており、本屋さんでもたくさん売っているという噂が……! これは行くしかない!

というわけで、実際にアメリカへと旅立った筆者が、BLグローバル調査~アメリカ編~の結果をご報告いたします!
 

◆目次◆
1.紀伊國屋書店@タイムズスクエア:最大級のBL棚が並ぶ
2.Anime Castle@クイーンズ:地元の専門書店
3.紀伊國屋書店@ジョージア州アトランタ:東海岸を南へいく

 

 
アメリカ・ニューヨークへと降り立った筆者がまず向かったのは、紀伊國屋書店タイムズスクエア支店。店内は3階建てになっており、ざっくりと言えば、地下1階は文庫本、1階は一般図書、2階は漫画・グッズに分かれています。

2階に上がってみると、エスカレーター近くに新刊が陳列されており、少年漫画・青年漫画・レディースコミックなどが並んでいます。

その奥へ進むと目当てのBL漫画棚が。BL/Yaoi(主に日本のBLを指すジャンル名)とあるように、日本作品が中心となっていて、それに比べると欧米BLや中国・韓国のBLはより数が少ない印象です。

英語版のBL・やおい(Yaoi)漫画棚 (1)



英語版のBL・やおい(Yaoi)漫画棚 (2)


これらの棚は壁沿いをずらりと占めていて、あくまで筆者の体感ですが、アメリカの書店の中でも最大級の取り揃えなのではと思えるほど。『鯛代くん君ってやつは。』『ひだまりが聴こえる』『ピンクハートジャム』『君には届かない。』などなど、有名な日本作品の英語翻訳は大抵揃っている印象です。

しかし、そもそも英語圏では翻訳版出版のハードルが高いという現実が。「だから有名作が多いのかな……」と思いながら店内を散策していたところ、なんと日本語版の棚が!

日本語版のやおい(Yaoi)漫画棚


隣に並ぶやおい(Yaoi)新刊の棚※2025年7月時点


まさか日本語話者が少ないこの地で、BL新刊(日本語版)の字が見られるとは……! SNSで話題になったいくたはな先生『男子校の姫 1』や、7月10日に発売されたばかりの芽沢めい先生『凸凹×コミュニケーション』など、最新作もずらり。作品を探すには十分すぎるラインナップでした。

興味深いことに、英語版と日本語版のどちらのやおい(Yaoi)本棚にも、すぐ隣にガールズラブ(GL)の棚が設置してありました。どうやら同性キャラクターの恋愛を扱う作品という点で関連づけられているようです。

ジャンルのすみ分けという観点では、BL・やおい(Yaoi)漫画の棚にいくつかの中国・韓国作品が見られましたが、それとは別に、中国・韓国作品全般を扱う棚もそれぞれ個別に設けられていました。

韓国ウェブトゥーン・グラフィックノベル棚(BL含む)


中華BLノベル棚(BL含む)


本棚の配置とラベリングから鑑みるに、一口にBLと言っても、地域と作品形態に従って様々にジャンル分けされているような形です。

 
では個人経営の書店ではどうでしょうか?

続いて筆者が向かったのは、マンハッタンのタイムズスクエアから東に進み、世界最大級のチャイナタウンがあるクイーンズという地区。チャイナタウンの喧噪を抜けた静かな街並みに、一軒の漫画専門店「Anime Castle」があります。

店内は本が所せましと並べられていて、少年漫画、青年漫画といったジャンルが見られます。

「Anime Castle」店内の様子


入口近くの本棚は、アルファベット順に陳列されているわけではなく、ジャンルごとのサインも見つけられなかったので、BL作品を探すのは難しそう……。

しかし奥に入ってみると「Yaoi Manga」の文字が!

「Yaoi Manga」と割引サイン


一面にずらり! 奥の壁面を占めていました。
新旧問わず、人気作品が並べられている様子。この作品数を見ると、この地にも熱烈なファンがいることがよく分かります。

棚の下部にはBLに比べると数は少ないものの、ガールズラブ(GL)作品もやはり隣に並んでいました。それはおそらく「クィア(既存の性カテゴリに当てはまらないもの・人々)」という概念が浸透しているからだと思われます。英語圏では、BLとGLはどちらも“クィア作品”として認識されている印象です。

さらに向かい合う棚には、韓国と中国のBL作品が。それぞれ「Manhwa(:韓国の漫画という意)」「Danmei(:中華圏のBLの呼称)小説」というラベルで掲示されていました。いずれも東アジアの文化作品として、ターゲットとする読者層が近いように思われます。

 
東海岸を南下した先、ニューヨークよりはるか南に位置するのがアトランタという都市。最後に、アトランタにある書店にも立ち寄りました!

紀伊國屋書店アトランタ支店


というわけで、最後にご紹介するのは紀伊國屋書店アトランタ支店。アトランタ支店と言っても、実際には、都市の郊外から1時間ほど車で出たところにあります。このあたりは住宅街で、日系住民の少ない地域です。

ニューヨークの支店と異なり、広々と開放的な平屋作りになっているのが特徴的。手前には文房具や限定グッズが並び、奥には本が配列されています。

広々とした店内の様子


そして奥へ進むと、ついにお目当ての棚が!

BL漫画棚はGL漫画・LGBTQIA+漫画・ウェブトゥーン・中華ノベル棚と併設されている


例によってガールズラブ(GL)作品、中華・韓国BLの近くにありますが、ラベル分けされています。
このお店の独特な点は、LGBTQIA+漫画のコーナーが併設されていること。フィクションの作品だけでなく、レポや体験記などの作品も置かれていました!

日本のBL作品について、ラインナップは他の支店とそこまで変わりませんが、やはり規模で言えばニューヨーク支店の方が勝るようです。

何度も読み返したお馴染みの名作が並びます


往年の名作から最近のものまで豊富なラインナップ! しかし残念なことに、アトランタ支店は英語版のみで、日本語版の棚は置いてありませんでした。

**********

以上、アメリカの書店事情でした! いかがでしたか?

全体として、日本のBL=やおい(Yaoi)作品群は漫画需要における一大ジャンルとして確固たる地位を築いているように見受けられました。曖昧な部分はありつつも、欧米・中国・韓国BLとは異なる位置づけを保ち、ジャンルの基盤であり続けています。

日本とは違い、やおい(Yaoi)がクィア作品や東アジア作品のカテゴリに含まれているのも特徴的。ジャンルの位置付けにも文化の違いが表れているのが興味深いですね……!

実写ドラマ作品やアニメ作品をはじめ、数々のBLが世界中で受容されるようになった今日。今後も海外でどのように広がっていくか注目です!

コメント1

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匿名1番さん(1/1)

アメリカ資本の大手本屋さんでは取り扱われていないのかな?

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