BL情報サイト ちるちる

BLニュース

BLニュースは標準ブラウザ非対応となりました。Google Chromeなど別のブラウザからご覧ください。

声優&俳優の豪華コラボ朗読劇!『BIBLIOTHEQUE〜光と闇の物語〜』レポ

2025/06/30 18:00

光と闇を1日で過剰摂取!声優と俳優のペアによって紡がれる2作品×2公演!

 

 

サンディアス主催のBL朗読劇『BIBLIOTHEQUE〜光と闇の物語〜』が、2025年5月17日(土)に開催されました!!

2024年8月にちるちるで開催された「光・闇の創作BL コンテスト」の各部門大賞作が朗読劇化! 今回はなんと、タイプが真逆な2作品を声優と俳優のペアが読み上げるという、豪華コラボレーションでお届けいたしました!

出演は声優の中澤まさともさん長岡龍歩さん、そして俳優の西銘駿さん見津賢さん。声優&俳優のペアが作品をスイッチしての昼夜2公演ということで、朝から晩まで見逃せないイベントでしたね……。
コメディありシリアスありの重厚な朗読劇の様子を皆様にお届けできればと思います!!

 

◆目次◆
1.光のBL朗読
2.闇のBL朗読
3.終わりのご挨拶

 

 

光の⼩説部⾨⼤賞作品

むかし僕らは⻯だった』著・サブロー

 

 

あらすじ
竜としての前世の記憶を持つ黒葛竜太は、現世に生まれ変わってからというもの、前世で死に別れたつがいの竜、ティムグリテスを探し続けていた。だが、ティムグリテスにはなかなか会えず、思いを拗らせていくうち、竜太はひょんなことから竜同士のイチャイチャ動画クリエイターとしての才能を開花させてしまう。ドラゴン界隈で一躍時の人となった竜太だったが、とある事件をきっかけにアダルトな竜動画を作ったことがきっかけで、「トキ」というユーザーから頻繁に嫌がらせを受けるように。怒った竜太は、一泡吹かせようとオフ会に「トキ」をおびき出すが、実はやって来た「トキ」こそが前世のつがい・ティムグリテスの生まれ変わりで…。竜から人間に生まれ変わった二人の話

 

朗読劇本編は、昼の部・夜の部ともに光の創作BL大賞作にて開幕!

長岡さん・中澤さんが演じるアムダトルクは、低くて包容力のある声が特徴的。対する西銘さん・見津さんが演じるティムグリテスは、凜とした声音が美しい……!
綺麗なコントラストに、一気に物語へと引き込まれます!

 

 

シーンは変わり、黒葛竜太の語りから始まる現代パートへ。ティムグリテスとの思い出を語る竜太。優しい声色から、ティムグリテスを愛おしく思う気持ちが伝わってきました。
対する⻘沼常盤は、前世の記憶がない様子……。片方だけ記憶がないという状況に、切ない展開待ったなしかと思いきや……なんと物語は一気にドタバタラブコメディに展開していきます!!! 
 
 
ティムグリテスをもう一度見たいという願望から、CGでティムグリテスを製作するようになった竜太。爬虫類好きの常盤は、竜太が公開した竜の番のCG動画を偶然見つけ、2人はクリエイターとファンという繋がりを持ちます。相手が前世の番だと知らないまま、お互いに対して温かい気持ちを抱く姿に、運命の強さを感じホッコリしました。

そんな2人の関係を揺るがせたのが、2頭の交尾を描いた二次創作! 衝撃的なイラストに、中澤さん演じるアムダトルクは、「二次創作って愛が何よりかもしれないけど、これは……! あ゛ーーーー!!!」とショックを受ける様子も。
二次創作に憤った挙句、「正解を見せてやる……」とまさかの方向に舵を切った竜太にびっくりしてひっくり返りそうになりました。間違いなく、話の流れが180度変わった瞬間なのではないでしょうか! 長岡さん・中澤さんの力強くて抑揚のある表現によって、竜太の異常な熱量とコミカルさが強調されていて、ずっと肩を振るわせながら観劇しておりました……。

竜太の作品が過激になったことに常盤は失望し、いわゆるアンチコメントを送るようになります。動画に対する怒りや興奮、恥ずかしさに葛藤するシーンは、自分でも理解しきれない感情に翻弄される常盤の名シーン。
西銘さん演じる常盤は、どこかワンコを想起させる必死さが感じられ、思わずキュンキュンしてしまいました! 声色だけでなく、表情の演技からも、常盤の動揺が伝わってきます。
対する見津さん演じる常盤は、前世の凛とした印象をそのまま引き継いでいる印象。気品漂う常盤がアンチコメントを書き込むシーンは、怒りと執念に拍車がかかっており圧巻でした……!

そして、ドラゴン好きのための即売会で直接対峙することになった2人がついにご対面……。
竜太を一目見て「会いたかった」と感じる常盤に、胸が締め付けられました! 「俺、なにしに来たんだっけ」と困惑する常盤の、少し掠れた声が切なくて……。突然のドラマチックな再会……かと思えば、初対面にも関わらず「ティムグリテス!!」と常盤に縋り付く竜太。感動的なシーンでありながら、側から見たら結構ヤバい男な竜太に笑いが込み上げて止まらないワンシーンです!

次のシーンはその3年後、恋人になって一緒に暮らす2人の日常からスタート! 竜太も常盤も声が甘ったるくて、恋人同士だとモノローグが入るより先に付き合っていると確信しました。竜太自分を振り返って零した「俺、やべーね(笑)」の破壊力に心を打たれたのは筆者だけではないはずです!

どう見ても危ない人にしか見えない竜太でしたが、2人がどのように打ち解けていったのかが語られる回想シーンもコミカル且つハートフルで暖かい気持ちに。
竜だった頃の滅びゆく世界と重なるエンディングシーンで「ここにいるから」「ここに、いる」と真っ直ぐ前を向いて言い合った後に、顔を見合わせて頷く演者さんの姿に感激。長い時間をかけて再び心が通い合ったところで、2人の物語は幕を閉じました。

 


闇の⼩説部⾨⼤賞作品

君の献⾝は僕に敵わない』著・⼭⽥

 

 

あらすじ
リュウと健⼈は交際七年⽬になる恋⼈同⼠。⼤学卒業を機に同棲を始めた⼆⼈は幸せな⽇々を送っていたが、ある⽇リュウが交通事故に遭ってしまう。⼀命はとりとめたものの、事故以降の出来事を覚えられなくなってしまったリュウ。毎朝⽬覚める度に記憶がリセットされているリュウに事情を説明し、献⾝的に尽くす健⼈。⼀⽇で記憶が消えてしまっても、新しい思い出を作れなくても、⼆⼈の関係は変わらなかった。事故から何年経っても⼆⼈は愛し合っており、それは永遠に続くと思われた。しかし次第に健⼈の様⼦がおかしくなっていく。

 

光の創作BLがエンディングを迎えたところで、お次は闇の創作BL。闇のBLという題材とは打って変わって、明るい画面に桜の木が映し出されます。
 
待ちに待った同棲生活にご機嫌なリュウを演じるのは、光の作品でアムダトルクを演じた中澤さん・長岡さん。アムダトルクの低い声音とはうってかわり、リュウのおおらかさが120%伝わってくる役作りです! 大好きな健人と一緒に暮らせることへの浮かれっぷりが愛おしい……!
そんなリュウをあしらう健人を演じるのは、見津さんと西銘さん。「チューしてもいい?」とイタズラっぽく言われ「バカ」と返しますが、声色から満更でもないのがバレバレでした♥
 
2人の日常をいつまでも見ていたいところですが、これは闇のBL……。買い物帰りの交差点で、2人は交通事故に巻き込まれてしまいます。「危ない!」と叫び飛び出すリュウと、リュウを呼ぶ健人の声。衝突音とクラクションの音も相まって、一瞬で緊迫した空気が流れました。
 

 

場面が切り替わると、2人は陽のさすベッドの上に。あれ?? さっきのは……と困惑する我々をよそに、寝起きでイチャイチャしだすリュウと健人。熟年カップル感満載の会話に口角が上がりつつも腑に落ちないでいたのですが、なんとリュウは交通事故の後遺症で事故以降の記憶を覚えられなくなってしまったのだとか。
「どんな状況でも変わらずそばにいてくれる健人が、俺は嬉しい」と真っ直ぐに言葉を紡ぐリュウと、そんなリュウの言葉に泣いてしまう健人。明日には記憶が消えてしまうと分かりながら過ごす、悲しいけど暖かい2人の朝に早くも切なさで涙が出そうでした。

記憶を無くした、また別の朝。事故当時の記憶を想起して取り乱すリュウですが、健人は「今日は取り乱す日だったか」と全く動じない様子。宥めるように、記憶のことをまた一から説明してくれます。前のシーンで同じ説明をする健人を見た後だと、毎日こうやって説明しているんだなと実感が湧いてしまって、どんな気持ちで説明しているんだろうと考えずにはいられません。

ここで舞台は切り替わり、2人の馴れ初めが明かされます。学校でいじめられていた健人と、それを救ったヒーローの関係から始まって、友達、親友、そしてそれ以上……と関係を進めていった2人。「健人を苦しめる奴は俺が消してやる!俺が一生お前を守るから!」というプロポーズまがいの言葉は、明るく爽やかなリュウの声と裏腹にずっしりと重たく、2人の間にある何よりも強い絆を改めて感じました。一生守るという言葉通り、リュウは健人を身を挺して守ったんですね……。

 

 

そんな2人の日々に影が差し始めます。体調を悪くしたリュウに寝るように言う健人ですが、全然一緒にいられなかったからと拒んで聞かないリュウ。健人に「さっきお前が作ったお粥って……」と何か言いかけるも、遮られてしまいます。
 

ある日は健人がリュウを感情的に怒鳴ったり、またある日は会社の人と関わりを持つ健人にリュウが疎外感を感じて言い合いに発展したりと、だんだんすれ違っていく2人。
最初の甘やかな雰囲気から一転、見津さん演じる健人は、リュウと話すことに少しずつ疲弊していく様子。対する西銘さん演じる健人は、苛立ちが日々募っていくのがありありと感じられ、どちらの演技も胸が苦しくなります……。
何が起こってもリュウだけが忘れて健人の記憶には残っていくということの残酷さが辛かったです。

 

ついに明確な変化が起きた朝。リュウが起きると、散らかったリビングで泣く健人の姿が。健人の一方的な喋りと乱暴な言い草から年月の厚みを感じさせる表現力に鳥肌が立ちました。
「死んだ方がずっと幸せだった」と吐き捨てられたリュウはとんでもない行動に出ます。包丁を自分に突き立てたのです! 「お前を苦しめる奴は俺が消してやる」という過去の言葉通り、リュウは健人を苦しめるなら自分自身だって消してやろうとしたのです。

しかしこれは、リュウのお芝居でした。自分が死ぬ恐怖に触れさせて、健人に自分との未来を選んでもらうために、わざと血を流したリュウ。交通事故の時も、もっと昔、2人が出会ったきっかけだって……。リュウの独白により、今まで見ていたもの全てが覆るという怒涛の展開。リュウの狂気っぷりと健人の悲痛な声との畳みかけにまんまと突き落とされました……! 2人の掛け合いの息がぴったりで、会場が臨場感に飲み込まれました。

献身に敵わないのはリュウではなくて、健人のことだったんですね……。タイトルの意味を大きく覆す、衝撃のエンディングとなりました。

 *****************

光と闇のBLを2時間で浴びまくるという、何とも濃ゆい朗読劇となりました! 

なんと今回の朗読劇、「CHILL CHILL BOX」、通称「ちる箱」でお馴染みの中澤まさともさんを除いて、みなさん初めての朗読とのことです。迫真の演技と臨場感にのめり込んでいた身としては、「嘘ですよね?」と言いたくなりますが、西銘駿さんはなんとBL作品を演じられるのも初めてなのだとか! 声優と俳優のコラボでのペア朗読劇ということもあって、初めてづくしの貴重なイベントになったのではないでしょうか!

夜の部は作品と演者ペアを入れ替えの開催となりました! 豪華すぎる……。2公演引き続きとなると、1部ではなかったアドリブが発生したり、アフタートークでより打ち解けた姿を見ることができたりというのも見どころですよね!

 

 

最後に、キャストの皆さんからいただいた終わりのご挨拶を紹介いたします!

(昼の部)

 

中澤まさともさん:ちるちるさんは BLに特化した様々な取り組みをされていて、僕もありがたいことにイベントや朗読劇に出演させてもらっているんですけど、今回みたいなケースは初めてで、すごく新鮮でした。普段立っているフィールドが違う人たちとの芝居というのは、技術だけじゃなく、心を通わせることなんだなと感じられて、非常に面白く貴重な機会になりました。今回お送りしたこの2作品に限らず、いろんな作品をまたみなさんにご覧いただければと思っております。本日はどうもありがとうございました。

長岡龍歩さん:僕も西銘さんや見津さんと一緒で初めての朗読劇だったので、色々初めて尽くしで。BLをみなさんに見ていただきながら演技することに「何というプレイだ」と衝撃を受けつつも楽しんでやらせていただきました。とても興奮しました(笑)。本日はありがとうございました。

西銘駿さん:朗読劇の「言葉だけで物語を表現する」という難しさに触れながら、みなさんとこの雰囲気を一緒に共感できてすごく楽しむことができました。ありがとうございました!

見津賢さん:初めての朗読劇だったんですけど、やはり僕は普段お芝居の仕事をしている俳優なので、どうしても声だけで表現することの難しさや、一方で声のもつ可能性をおふたり(中澤まさともさん、長岡龍歩さん)からすごく勉強させていただきました。原作がすごく素晴らしい2作品だと思うので、作品の良さが少しでもみなさんにお返しできていたら良いなと思います。今日はありがとうございました!

*****************

お客様の熱い拍手の中幕を下ろしたBL朗読劇『BIBLIOTHEQUE〜光と闇の物語〜』。昼夜2公演ともに非常に新鮮で心動かされる朗読劇となりました!

ご出演いただいたキャストの皆さま、関わってくださった関係者様、会場にお越しくださった皆さま、本当にありがとうございました!

ちるちる Presents

BIBLIOTHEQUE〜光と闇の物語〜

 

【日時】2025年5⽉17⽇(⼟)
【会場】ベルエポック美容専⾨学校 イベントホール
【出演】
声優
中澤まさとも ⻑岡⿓歩(敬称略)
俳優
⻄銘駿 ⾒津賢

【主催】SANDIAS

関連作家・声優

アクセスランキング

最新BLニュース

オススメニュース

最新のコメント

PAGE TOP