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平喜多ゆや先生ご逝去
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2023/12/29 18:00
◆目次◆
1.心酔狂犬×非情な飼い主『聱犬』
2.ポップさの中に狂気や暴力あり『ぼくの狂人くん』
3.エクストリームハードDom/Sub『未熟な僕は支配を乞う 1』
4.蛍火のようにかすかに煌めいた愛『蛍火艶夜』
5.重いテーマと正面から向き合う『穢れのない人』
STORY
闇金融の社長・アケビは、貞操観念も倫理観もザルだが"仕事"はきっちりやる男。ある日、仕事で債務者の家へ向かったところ、自分の家が欲しいという理由だけで人を殺すサイコパスな青年・ヨイチに出会う。見境なく襲ってきたヨイチを返り討ちにしたアケビは、返済金回収のカタとしてヨイチを殺そうと考える。ところが一転、ふと垣間見えたヨイチの狂愛性と一途さを気に入り傍に置くことに。一緒に仕事を回るうちに少しずつ心を開ける存在になった二人は、ペットへのご褒美として体の関係にまで発展する。そんな中、アケビに対するヨイチの独占欲が暴走した結果、裏社会を巻き込む重大な事件が起きてしまい......!?
表紙を見るからに、主従、共依存、狂気、執着、そんなキーワードが我々闇の戦士の頭には次々と湧き上がって来ます。愛に飢えたチンピラの鉄砲玉が、いかつい闇金のお兄さんに出会い、「ヨイチ」と名前を呼んでもらったことで心酔。
STORY
人気ホストのカスガ(本名・春日部)は調子に乗っていた。女を侍らせ貢がせヤりまくりの日々。人生はチョロいとナメきっている。しかし、チンピラグループの女に手を出してしまったことから彼の転落が始まった。追われる身になった春日部を匿ってくれたのは、裏社会に生きる幼なじみの檜(ひのき)。チンピラの溜飲を下げるため、春日部が犯されているビデオを撮影するハメに。ち○この使用を禁じられたヤリチンの末路とはーー!? 狂気の愛を描いた衝撃の問題作。
こんなポップな表紙で!? と思われるかもしれませんが……暴力あり、殺人あり、虐待ありのなかなかダークポップな作品です。極道×ホストの裏社会もの。
まずコメディのように物語のテンポが良く世界観に引き込まれているうちに、「狂人くん」とは誰なのか読んでいると分からなくなる……。
それくらいドロドロとした、愛なのか愛着なのか執着なのか分からない感情が入り混じった作品です。身も心も痛々しくラストも物議をかもすこと請け合いですが、受けのゆるさにほっこりする場面もあるので闇度75%としました。
STORY
カウンセラーの白宮は自らがSubということを隠し、生きてきた。しかし抑制剤も効かなくなり、本能を抑えているために具合は悪くなるばかり……。そんな時にかつての幼なじみ高雛が職場に訪ねてくる。高雛は、かつて白宮に“命令”をした初めてのDomで……!?
最近作品数が増えてきたDom/Subユニバース。その中でも一際黒光を放つのがこちらの作品です。DomSubってその主従関係からSMプレイっぽくなりますが、本作はかなりハード。スパンキング、首絞めですら収まりきらず、「支配欲」「被支配欲」が度を超え、刃物まで登場する始末……!
攻めの完全に闇落ちしている表情が怖すぎる。1巻のラストがなかなか重いため、この後どうなっちゃうの〜!? と気になって仕方ありません!
まだ不穏なまま結末が分からないため、闇度80%。
STORY
時は第二次世界大戦末期。苛烈な争いのなか、國の為、自らの命を武器に闘うべく募られた特別部隊。“神風特別攻撃隊”――……。焦燥、憧憬、苦慮、希望、そして慕情。生命の灯が揺らぐ日常で、魂をぶつけあう漢たちの秘められた夜6編に加え、特別描き下ろしを1編収録。濃厚な筆致と人物描写で描きあげるオムニバスストーリー、劣情の上巻。
第二次世界大戦時の特攻隊員の間で、寮の中で繰り広げられる恋や情事を描いた作品。濃厚な濡れ場が官能的なのですが、どうしても「死」の足音が着々と近づいているのです。
戦後、ある戦死した隊員を巡って男たちが出会うのですが、数十年前にいなくなってしまったその人への各々の積年の執念がドロドロと渦巻いており、そこもなかなかエグイポイント。
上の大人たちにより理不尽な死が確実に待ち受けていつつも、そこには確実に恋や愛があったため……闇度85%。
STORY
子供を犯し殺した罪を着せられ服役していた秋鷹 一郎(あきたか いちろう)。人生に絶望し自殺を図るも、若く誠実そうな神父の木場(きば)に助けられる。犯罪者のレッテルを貼られた自分にも慈悲深く親切にしてくれる木場。ずっと探し求めていた幸せ。誰にも責められない穏やかな日々。そんな救いが、ここにあるのだろうか?
上下巻から成る衝撃作。神父×元受刑者という見るからに闇の匂いがぷんぷんするCP属性ながら、上巻の中盤で早くも大どんでん返しが。元受刑者がなぜ捕まってしまったのか、人当たりがよく信頼できる親父の過去には何があったのか、紐解いていくにつれ目をそむけたくなるような深淵へと降りていくことになります。
同時収録作も小児性愛というクリティカルなテーマに真摯に切り込んでおり、全体的に読後感がずっしりと重い作品です……!!
殺人などの重い犯罪を扱っており、精神的にかなり引きずりますが、最後には光が差し込んでいるため闇度90%としました。
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いかがでしたでしょうか? 完全バッドエンドとはいかないまでも、解釈の別れるラストや、最後に光があったとしてもそれまでの過程がエグすぎる……など、闇の度合いもさまざま。是非心身の調子を整えて、今年最高に面白かった・考えさせられた闇BLに挑んでください!
担当記者:廣井無名 |
コメント3
匿名2番さん(1/1)
こういうの描いてるBL作家ってそのうち一般のヒューマンドラマにシフトしそう
そのほうが広範の読者に届くしテーマと合致してる
特に一位の人
ここななみつさん
廣井さん、ご紹介ありがとうございます*
数年前は甘々ハピエンばかり読んでいた私も、今やメリバにゾッコンな立派な”闇のオタク”に成長しました。
こちらの記事を拝読し、「穢れのない人」を読了。結果最高の年末を迎えることができました。
闇の中にしか見出せない真実の愛、BLだからこそ成立し得る、痛みすら愛おしい共依存、究極に萌えます。。
闇系作品って、どうしても読む人を選ぶという観点から、作者様もノーマルな作品より執筆には労力がいるのではないかと思います。
だからこそ、こういった作品を描いてくださる作者様方には、本当に本当に感謝しかありません。。
また、こうした記事やコメントで同士の方を見つけると勝手に嬉しくなります照
闇系でしか摂取できない萌えがあります。死ぬまで摂取して生き続けるのが私の目標です。
匿名1番さん(1/1)
好きな作品がいくつか入ってて嬉しいです。紹介記事ありがとうございます。
ここ数年のちるちるでの高評価作品って明るい話ばかりで、ダーク寄りな作品はあまり評価されず「知る人ぞ知る名作」になっちゃってる気がします…。
今はダークなのはあまり人気出ないんですかね?この記事で紹介されてるのもあまり点が伸びていない…。あまり評価が伸びてない作品を今後もなるべく紹介してほしいです。