BLニュース

過去の自分ほど信用できないものって、ないですからね。

Q.時間が経てば経つほど変化して、バリエーション豊富になるものってな～～～～んだ？

A.
＿人人人人人人人人人＿
＞　 オタクの性癖　  ＜
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皆さま、昨日までの地雷がある日突然「「「性癖」」」として開花した経験、ありませんか？ ちなみに筆者は、あります。(真顔)

性癖が開花した時に頭の中に走馬灯のように駆け巡るのは、過去に読んで「ちょっと自分には早かったかも……」と思ったBLたちのこと。昔の自分何やってんだよ～～～～！！！！ こんな神作品をスルーしやがって……！！！！！ と過去の未熟な己に涙を流しながら読み返しました。

同じ経験したオタク、絶対社内におるやろ……と思った筆者は、社内で聞き込み調査を敢行！ 案の定多種多様な後悔の叫びが聞こえて参りましたので、今回はそんなちるちる記者たちの懺悔をご紹介していきたいと思います。

◆目次◆
『同級生』作：中村明日美子
『僕は君のいいなり』作：あがた愛
『四代目・大和辰之』作： スカーレット・ベリ子
『鬼と天国』作：阿賀直己/お吉川京子
『やたもも』作：はらだ
『寄越す犬、めくる夜』作：のばらあいこ
『エスケープジャーニー』作：おげれつたなか

 

『同級生』作：中村明日美子

 

再読で沼った理由
恋する気持ちに理屈とかない！ っていう流れが自然に理解できるようになったからです。ストーリーで全部説明してくれる分かりやすい構成も最高だけど、読者に妄想する余地を与えてくれるような幅を持たせた世界観にハマりました。

昔の読んだ際にも「良かった！」と思ったものの、読むだけ読んで以上！ っていう勿体ない読み方していました……。
先生があえて描かなかった部分を楽しむ力が身についてから読むと、余韻に浸りまくりで最高でした(泣)

 
なんと1作品目から、言わずと知れた青春BLの金字塔作品の登場です！！！
高校生ど真ん中の2人がゆっくりゆっくり恋をしていくお話ですが、確かに「多くを語りすぎない」作品という印象は筆者もありますね。

その良さに気付くと何回でも読み返したくなる、心に深く刻まれるものとなっていくのでしょう……！！

STORY
合唱祭前の音楽の授業中、同級生でメガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた草壁光。佐条は歌なんかくだらないのかと思っていたが、ある日の放課後、だれもいない教室でひたむきに歌の練習をする佐条の後ろ姿を見た草壁は思わず声をかける…。高校時代のピュアな恋愛をさわやかに描いた、青春ときめきボーイズ・ラブ第1弾!!

 

『僕は君のいいなり』作：あがた愛

 

再読で沼った理由
第一印象は、じっとり薄暗い雰囲気で、ひたすら受けが攻めのいいなりになるSMぽい話でした。

しかし再読してみたら、いたってピュアな恋の目覚め話では……！？と印象が変わりました。攻めの心情の変化を丁寧に追ってくれるので、健気で一途な先輩にズブズブと溺れていく様が露骨で、むしろ微笑ましく思えてきたんです。

プレイ自体は結構アブノーマルかつ序盤は受けが可哀想ですが、攻め視点で恋に落ちる過程を追体験するのにもってこいの良作でした！！！誤解してごめんなさい！！！

 
熱烈な懺悔とともにお寄せいただいたこちらの感想。初読と再読で、磁石のS極・N極ばりに感想が変化していて面白いですね……！！

攻め視点で受けのことが見られるの、BLオタクとしてはありがたすぎるのでは……!? 続編も併せてお楽しみください♥

STORY
「俺にだけ」冷たかった檀野先輩が、ある日、俺のジャージでオナニーしていた。いつもの取り澄ました顔を乱して、切なげに潤ませた瞳で喘ぐ先輩。
この人をそんな風にいやらしくしているのは俺だってことに、ゾクリと高揚した。だからもう少し、この人を独り占めしていじめてみたいって思ったんだ…。――恋を知らない冷めた後輩・木下といじらしいほどに健気で一途な先輩・檀野のエロティック・開発ラブ。

 

『四代目・大和辰之』作： スカーレット・ベリ子

 

再読で沼った理由
攻めが父から性的虐待を受けていた過去が辛くて辛くて…最初はそのショックが大きくて作品自体に苦手意識を抱いていました。

ですが、他作品でケツ抱き受けにハマり再読してみたらあれ？全然美味しいな？？？と。トラウマさえもかっこよく救済してくれるスーパー受け様の包容力に惚れ直しました！

商業BLの海を漂ううちに、｢攻めのアナルはコンクリ(セメント)で固めておけ｣派から、可愛い×男前カプいいなと性癖が広がり、色々あったうえで今は唯一無二の相手と出会い自分を取り戻せた状況に萌えるように。

四代目〜はとにかくストーリーが良いので、一部だけで判断するのは軽率だったと反省です。

 
確かに、攻めのアナルへの許容値によって性癖の扉の開かれ具合って変わりますよね。
ちなみに筆者もBLを読むようになって間もない頃は、受けかかっている攻めに対して懐疑的でしたが、今は1、2位を争うほどのドドドドド性癖となったので、人間分からんもんです。

STORY
関東中心に勢力を広げる一大ヤクザ組織・大和会（おおやまとかい）。その四代目である大和辰之（おおやまとたつゆき）はある恋に破れ、 腑抜けた生活を送っていた。見かねた若頭・浅生田（あそだ）はそんな彼に九州地区を統括させようとする。だが福岡に着いても気分は乗らず、飲み歩いて公園で寝ていた辰之は、突如何者かに連れ去られ、欲望にまみれた一夜を過ごすーー!?人気コミック「みのりの手」スピンオフ作品。新鋭スカーレット・ベリ子、待望のデビューコミックス。電子書籍で人気爆発Renta！2015年BLコミック部門、上半期ベストセラーランキング、第一位!

 

『鬼と天国』作：阿賀直己/お吉川京子

 

再読で沼った理由
初めて読んだときは、攻めの天獄先生の思考回路が読めず、「何を考えてるんだこの人は……？」とさながら宇宙猫になってしまったり、青鬼先生の過去のトラウマがあまり深く理解できませんでした。

しかし、再が発売されたタイミングで上・下・再と3巻まとめて再読してみたところ、上巻序盤で、青鬼先生のことをかわいそうで可愛いと愛でていた天獄先生の気持ちが手に取るように分かるようになっていて、己の成長(？)を感じました。

だいぶ荒治療な気はしますが、一貫して天獄先生の行動は青鬼先生への愛ゆえのものだと気付けて本当に良かったです。

 
こちらの大人気シリーズもあがってまいりました！！ 確かに物語冒頭では食えない美人攻め感の強い天獄先生ですが、読み進めていくとどんどん可愛くてやや幼いとも思えるところが見えてくるので、ぜひシリーズ最後まで読んでみてください……!!!!!

STORY
高校勤務の青鬼は、最低限しかやる気を出さない省エネ教師。先輩教師にどやされ、なかなか教室に来ない生徒の様子見のために向かった〝保健室〟で初めてまともに話した、どうにも掴めない養護教諭・天獄。熱心な教師を演じる青鬼の本性をあっさり見破って、にっこり笑顔。この出来事で天獄のことが苦手だと再認識したはずなのに、「赴任してきてからずうっと見てた」とカミングアウト。更に青鬼のことを〝純情〟だと言って、いきなりくちづけをされてーー?変態系ぶっこわれ保健医×くたびれ純情教師、臆病な青鬼を待ち受けるのは天国か地獄か?大人の色気を醸すタッチと緻密な心理描写の最強タッグ阿賀直己原作、お吉川京子初コミックス上下刊、同時発売!!

 

『やたもも』作：はらだ

 

 

再読で沼った理由
初読の際は、掴みどころがなくてタンポポの綿毛のようにふわふわ生きているモモくんに、しっかり者の八田ちゃんがどうしてそこまで執着してしまうのかが正直あまり分かりませんでした。

また、モモくんの八田ちゃんと出会うまでの描写がかわいそうだった印象が強かったのですが、年齢を重ねてから読むとモモくんの愛くるしさに気付き、ありえないくらいハマってしまいました……。こんな可愛い成人男性がいてたまるかよー(泣)

それから、モモくんみたいな男に振り回されまくってる硬派年下健気な八田ちゃんもラブリーでキュンキュンしました。初見の時と180度違う感想になったので、読み返してみて本当によかったなと思いました！！！！！

 

うんうん、自分が年を重ねることで初めて分かるキャラクターの良さって、ありますよね……。ダメなところもまるっと受け止めて愛している八田ちゃんのBIGなLOVEに気付けたこちらの記者さんは、以前よりもより豊かなBLライフを送られていると推測されますね(？)

STORY
生活能力ゼロ、究極ビッチでクズでろくでなしのモモ。オカン系男子で面倒見のいい純朴青年、八田(やた)ちゃん。公衆トイレでの事後処理中に遭遇、という最低最悪の出会いから、八田ちゃんの人の良さにつけこんで、家に転がり込むことになったモモ。彼と過ごすうちに、ろくでなしなモモに少しずつ変化が…。そんな矢先、モモの過去のパトロンが表れて―――。エロコメディ! なのに、胸を抉る切なさもある。はらだワールド炸裂の1冊!

 

『寄越す犬、めくる夜』作：のばらあいこ

 

 

再読で沼った理由
全5巻あるこちらの作品。3人の男の人生が複雑に絡み合って展開されていき、正直1度読んだだけではクライマックスまでの展開を本当の意味で飲み込むことができませんでした。

1度読んでからしばらく時間を空けて、最近5巻全部一気に読み返したころ、切なさがありつつも各キャラクターにとって最善の救済ラストにたどり着くことができているのではないか……!? ということに気付き、遅ればせながらようやく自分の中でこの物語を完結させることができたように思います。

再読で沼ったというより、もしかしたら私はずっとこの沼の中に囚われていたのかもしれません……。

 
最後を締めくくっている一文が何やら意味深ですね……！！
のばらあいこ先生が描かれるディープでアンダーグラウンドな世界観と、各キャラクターの背負っている過去がマッチしている非常に奥行きの深い作品ですよね。1度お読みになられている方も、再読すると受け止め方が変わるかもしれませんね！

STORY
舞台はヤクザ経営のカジノ。バイトの新谷はチンピラ・菊池がやっていた金の横領に巻き込まれ、制裁を受けることに。制裁は「菊池をカメラの前で犯すこと」。泣きじゃくる菊池を犯した新谷は、同情のまま家に連れ帰る。同居しながら菊池の借金を一緒に返そうとする新谷だったが、ヤクザの情婦である須藤に１回３０万円の肉体関係を持ちかけられ……。ヤクザ・チンピラ・情夫・△関係・公開レイプ・変態プレイ、そして重厚なストーリー……と腐女子の好きなもの全部入り！！

 

『エスケープジャーニー』作：おげれつたなか

 

再読で沼った理由
相手のことが大好き故に束縛しすぎてしまう太一と、そんな彼を最大限受け入れつつも苦しむ直人の2人があまりに痛々しく見ているのが辛くなってしまうところがあり、「萌え」の感情までたどり着くことができずにいましたが……

様々な商業作品を経てこちらの作品を読み返したところ、本当は両想いの2人がクソデカ感情を寄せ合っているがためにすれ違っている展開、あまりに良すぎんか！？！？？？！ となりました。

再読の際に特に太一に抱く印象が大きく変わり、彼の束縛行動や人見知りな性格がいじらしくて可愛くてSo Cuteでしかありませんでした。己の未熟さが恥ずかしいです……。

 
ラスト懺悔を飾るのはコチラ。等身大の大学生2人の恋愛を最初から最後まできっちり描き切ってくださっているおげれつ先生の言わずと知れた名作の本作。太一くんの愛は確かにハチャメチャに重いですが、彼の目を通して直人くんを見た時に彼の激重愛に納得がいくのが流石としか言いようがないですね……!!!!

STORY
「性欲処理」呼ばわりされて別れた元カレ太一と、大学でまさかの再会を果たした直人!ガッツリ過去の怒りを引きずっていた直人だったけど、高校時代に比べ成長した太一に少しずつ心を許し始める…。そんな中、友達のふみちゃんが太一に恋しているらしく…?友達だと相性バツグンなのに“恋愛"になった途端うまくいかない、傷だらけの恋愛譚!描き下ろしは“おもらし"です❤

 

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いかがでしたでしょうか？ 「みんなが良いって言ってても私はちょっと……」と思うことは誰にでもありますよね。

しかし、もう一度読み返してみると別の良さに気付いて沼ダイブをキメてしまうこともあるかも……!? 皆さまにも同じご経験がありましたらコメント欄にて教えてくださいませ♪