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【祝完結】大人気BL『ギヴン』の“主人公”は結局誰だったのか

2023/09/19 16:00

2024/09/24 16:00

『ギヴン』=もらったギターから始まったお話



ついにアニメシリーズの完結編となる『映画 ギヴン 海へ』の上映が始まりましたね! 真冬をはじめとした登場人物の葛藤、そして大迫力のライブシーンで早くも話題になっていますよね。

思い返せば、単行本第1巻が発売されたのは2014年。その後、2018年にノイタミナ初のBLコミック原作作品としてアニメ化され、2020年には初の映画化もされましたね! 日本のみならず海外でも大きな支持を獲得しており、その盛り上がりには作品の根強い人気を感じます。


 
どこか冷めた男子高校生・立夏が、壊れたギターを抱えた不思議な同級生・真冬と出会うところからはじまった本作。
立夏のバンドメンバーである秋彦、春樹とともに、4人のバンド「ギヴン」としての活動も描かれていきます。

最終巻にかけて、過去に囚われている真冬が今後どうなっていくのか、大変気になる展開でしたね......。真冬以外の登場人物が前を向いて未来に進んでいるからこそ、その対比でより胸が詰まりました。

物語の終わりを見届けた今、改めて”真冬の物語”として本作を読み解きたい! 
ということで今回は! 『ギヴン』を語る上で欠かせない「過去」、「恋愛」、そして「音楽」が凝縮された最終巻を含め、ネタバレありで筆者の独断と偏見で振り返っていきます♪

 

◆目次◆
1.青春×バンド×BLといえばコレ!【立夏×真冬】編
2.こどもみたいな大人たちの恋【秋彦×雨月】/【秋彦×春樹】編
3.バンドマンとして理想のカタチ【玄純×柊】編
4.音楽と向き合い過去を克服する【由紀×真冬】/【立夏×真冬】編

 



第1巻からメインで描かれたのは、立夏(りつか)と真冬(まふゆ)。ド青春が詰め込まれた初心な恋愛模様&本格バンドBLの世界に魅了されました。

ギターを持っているのに音楽初心者という不思議ちゃん・真冬の登場により、立夏視点で語られる”真冬の音楽”がはじまっていく過程が印象的でした。
真冬の影響を受け”立夏の音楽”にも火がつき、その後の真冬がバンドに加入するまでが必然の流れのようで……引くほど泣きました。

そして、真冬を含めた4人のバンドでの初ライブが読める第2巻ですが、青春だけじゃない、真冬の激重な過去が次々に明かされていきます。


立夏と真冬を繋げたギターが真冬の元カレのものだったこと、その元カレ・由紀(ゆき)はもうこの世にいないこと、そして真冬は過去の恋愛に囚われ続けていること。

何かあるとは思っていましたが、こんなに重いとは思わないぢゃん……。さすがに頭を抱えました。

正直なところ「立夏と真冬はよくっつけ~!」とウキウキしていた筆者でしたが、このあたりから「真冬クン、何でもいいから幸せになって......」という母性すら芽生え始めました。

ただ、今の真冬には立夏がいるのだと見せつけられたのも確かで。
立夏が恋をしている相手は真冬で、真冬の新しい好きな人は立夏なのだと、あの初ライブを見て思い知らされます。

ちなみに、第3巻は【立夏×真冬】の物語に一旦区切りをつけ、次の物語へと繋ぐ役割を果たしています。めでたく結ばれた立夏と真冬のTHE・高校生の恋♥ な場面もあって、筆者は大満足でした。


4巻以降にメインとなる登場人物たちが、今抱えているものもチラ見せされ、続刊への期待を最大級に膨らませてくれました。

また、超~個人的見解ですが、立夏は4人での初ライブ以降、ずーーーっと「音楽」と「真冬」と向き合っていると”思っている”んです。 ただ悲しいことに、この時点では真冬側には立夏と同じ意識がないというか......。
なんせ「過去=由紀」を克服しきらないまま、刹那的な音楽で上書きしているようにも見えます。



さあさあやってまいりました! 第4巻からは本格的に年上組がメインのお話になります。

過去の恋愛と決別できずにいるモテ男・秋彦(あきひこ)、そんな秋彦に想いを寄せつつも一歩踏み出すことを諦めている春樹(はるき)、そして秋彦の同居人・雨月(うげつ)。この3人、全員幸せになれないんじゃないかと思ったことが何度あったか……。

このままではお互いにとってもよくないと分かっているのに、ズルズルと離れられずにいる秋彦と雨月の歪な関係が本当に切なかったです。

かと言って、この2人が離れたら全てが上手くいくという単純な話でもないんですよね。「恋愛」だけではなく、「音楽」に真剣に向き合いたい若者たちって難しすぎるな~と読むたび思い知らされます。

でも!!!! 秋彦には手を差し伸べてくれる春樹っていう存在がいるじゃないですか! なんでそれを振り払うかなぁ……。あのときの春樹の涙が一生忘れられません。


第5巻では、バンド「ギヴン」の未来のために重要なフェス予選のライブが行われます。これがほんっとうに年上組の転機だった……!

春樹を一度拒んだ秋彦が変わらなければ、この2人に進展はないだろうと思っていましたが、やはり秋彦はやる男でしたね!!
音楽をきっかけに、みるみる変わっていく秋彦は本当に魅力的でしたし、一方的に置いていかれたわけじゃない理性的な雨月もよかっっった……。
好き合っていた2人が離れるなんて悲しいに決まっているけれど、ちゃんと前に進むための別れなんだ! と納得して救われました。

そしてやっぱり、年上組の止まっていた時間を動かしたのは”真冬の音楽”でしたね。彼の歌を聴いて心が動かされ、今以上に「音楽」と向き合いたくなるなんて……立夏に引き続き、ここでも真冬の影響力を実感しました。



これまで、立夏×真冬、秋彦×春樹カップルがうま~くまとまってきたので、完全に油断しておりました。
第6巻からは、真冬の幼馴染・柊(ひいらぎ)と玄純(しずすみ)が登場し、もう一人の幼馴染であり真冬の亡き元恋人・由紀に関わる物語へと展開していきます。

全てのきっかけはバンド「ギヴン」にきたプロデビューの話でした。音楽で生きていく未来に前向きな立夏、秋彦、春樹とは異なり、真冬はすぐに答えが出せません。どうやらデビューするか迷っているだけの話ではなさそうで……。

そんな前を向けず止まってしまった真冬をよそに、立夏が柊と玄純のバンド「syh(シー)」のサポートに入ることになります。こちらのバンドも何かありそうな予感はしていましたが、柊→玄純に向ける純粋な「好き!」の気持ちと、玄純→柊に抱く大きすぎる愛の対比にやられました。今でも筆者は玄純×柊の沼の底で暮らしています。


由紀に心酔している柊に対して、長期戦でなりふり構わず隣に居続ける玄純でしたが、第7巻ではこの2人に大きな変化がありました!

いつも皆の背中を押してきた”真冬の音楽”が止まっているこの時点で、一体何が転換点になるのだろうと思っていましたが、ここにきて立夏ですか……!!

”立夏の音楽”で動かされた柊が想いを伝えようと奮闘する姿にぐっとくると同時に、玄純の「死ぬまで」という言葉の重さにゾクゾクさせられました。

同じバンド内でお付き合いをしている、という点では立夏×真冬カップルと共通していますが、玄純の音楽の原動力は全て、柊の隣にいたいという気持ち……!

そこに愛がある限り絶対に壊れることのない理想のカタチを、立夏は間近で見てしまったわけですよね。真似できないとしても影響は受けるよな……。

これによって、今まで”真冬の音楽”に動かされてきた立夏が、真の意味で「音楽」と「真冬」との向き合い方を考えていきます。さて、止まっていた真冬は動き出してくれるのでしょうか……!?
玄純と柊の物語が、立夏と真冬の物語と重なる重要なストーリーでした!



では、立夏の考えた「真冬」との向き合い方とはなんなのか。結局は「音楽」なんですよね……! 音楽の力で真冬の背中を押したい、もとい引き寄せようと決意します。

第8巻
では、これまでなら有り得なかった、音楽を拒むような真冬の描写もありましたね……。立夏をはじめとする多くの人を突き動かしてきた真冬が、こんな終わりを迎えるなんて辛すぎる……と正直目を背けたくもなりました。

デビューの話がきているはずのバンド「ギヴン」もなんだかバラバラに見えてしんどかったです。やはり”真冬の音楽”を中心に動いていた世界が『ギヴン』なのだと痛感しました。なくなって初めて気付くってこういうことなんでしょうね……。


そもそも、なぜ真冬は前を向くことができないのかと言えば、間違いなく”過去の恋愛を克服しきれていないから”なんですよね。
音楽で由紀を失った過去を、自分も音楽を始めることで上書きして、そこでまた失いたくないもの=立夏に出会って……。幸せな瞬間は絶対にあっただろうけど、大切な人を失いたくないという不安をずーーーっと抱えていた真冬のことを思うと胸が締めつけられます。

しかし! 最終の第9巻で真冬を動かす「音楽」が描かれ、全てに納得し救われた気持ちになりました。最高な最終巻を本当にありがとうございました。

前を向き「音楽」を考える真冬の思考回路に「恋愛」が含まれることを少し意外だなと思ってしまったのですが、もともと物語の始まりは由紀との「恋愛」だったじゃん! と全てが繋がりました。

”立夏が贈ってくれた由紀の歌”というとんでもない爆発力の「音楽」が最終巻に登場したわけですが、これで真冬が引っ張りあげられて本当によかった……。
さまざまな伏線があって、あとは真冬にこの「音楽」を聴かせるだけ! という状態ができあがっていたからこそのラストだと感じました。

個人的には、以前”秋彦と離れる”という選択をした雨月の存在が、最終的に真冬に影響するところがぶっ刺さりました。
真冬を取り巻く登場人物たちが皆、しっかりと前に進んでいるのだと見届けさせてくれる、そんな締めくくりに感動せずにはいられません。

真冬が「音楽」によって行き着いた先で、今の真冬にとって由紀は「音楽」の中にいるし、隣には立夏がいる!
”さみしかった”真冬のこれからを見せてくれる、至高のクライマックスでした……!!!!


*****

いかがでしたか?
約10年にわたって続いてきた『ギヴン』シリーズを振り返りましたが、やはり「真冬」「音楽」のキーワードは欠かせない気がしています。

真冬がもらったギターから始まった物語は、どこまでも彼を中心に季節が巡っているのだなぁと……。
正直なところ、あと何周でも巡る季節を追いかけたいのですが、これからは彼らの未来を想像して『ギヴン』の余韻のなかで末永く生きていきたいと思います。

『ギヴン』の世界を、本当にありがとうございました……!!


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コメント3

投稿順 | 最新順

匿名2番さん(1/1)

こんなに深かったんだ~
自分はまだここまで理解できてなかった
ギヴンって意外と難しかったな

匿名1番さん(2/2)

収拾…テヘペロ

匿名1番さん(1/2)

荒れてるレビューに収集ニュース投入かな☺️

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