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『エゴイスト』公開記念!赤裸々な性描写とピュアな想いを描く現代ゲイ小説6選【一般小説】

2023/02/13 18:00

男娼、片思いDK、悩める青少年。傑作ゲイ小説を厳選


210日公開の話題の映画『エゴイスト』。鈴木亮平さんと宮沢氷魚さんがカップルを演じる本作が、早くも大きな話題になっていますよね。自伝的な小説が原作となっており、映画に先立って原作を予習してきた! という人も多いのではないでしょうか? 

 

そこで今回は、ゲイの主人公とその恋人の物語を描く映画『エゴイスト』公開にあたり、ゲイの主人公が登場したり、男性同士の恋愛を描いた現代文学作品(非BL)を6作品ご紹介したいと思います!

 

◆目次◆
1.千葉雅也『デッドライン』
2.西野浩司『森の息子』
3.比留間久夫『YES・YES・YES』
4.村山由佳『BAD KIDS』
5.吉田修一『最後の息子』
6.沼田真佑『影裏』

 
 

 

あらすじ
もったいない。バカじゃないのか。抱かれればいいのに。いい男に。
修士論文のデッドラインが迫るなか、「動物になること」と「女性になること」の線上で煩悶する大学院生の「僕」。高校以来の親友との夜のドライブ、家族への愛情とわだかまり、東西思想の淵を渡る恩師と若き学徒たる友人たち、そして、闇の中を回遊する魚のような男たちとの行きずりの出会いー。

オススメポイント
芥川賞にノミネートしたり野間文芸新人賞を受賞したりと評判の高く、話題となった作品です。
哲学者である作者が難解な現代思想を織り交ぜながら、ゲイである主人公が自分のセクシャリティに関して葛藤する様子が描かれています。小難しいパートと色っぽいパートが絶妙に入り乱れていて不思議な読後感がクセになります。


 


 

あらすじ
これ以上、君はなにが欲しいっていうのさ。果てるまでの快楽と僕の体液以外のなにを。男と男の濃厚な性愛をポップに描いた傑作短編ゲイ・ノヴェル集。

オススメポイント
男性同士の恋愛や性愛を描いた作品の短編集。ゲイ雑誌に掲載されていたものもあるようです。
一貫しているのは、とにかくピュアな想いが描かれているということ。なおかつ、官能的な場面が生々しく描かれているところもまた見所です。一つ一つの作品はすっと読めるのであまり小説を読んていない方にもオススメできます!

  

 



あらすじ
おそれながら、ぼくらは待ちこがれた――夜の街をさまよう少年たちの、甘く残酷な愛の冒険を描き、新鮮な衝撃と文学性で読書界の話題をさらった注目の長篇。


オススメポイント
主人公自体はヘテロセクシュアルなのですが、10代の若者特有の「何者かでありたい」という思いから、新宿2丁目で男性相手のウリ専をしている少年の物語。
作者自身の男娼としての経験が反映されていると言われています。ノンケでありながら男たちと体の関係を持っていく主人公の性描写が生々しく、繊細に描かれています。


 

 


 
あらすじ
気がついたら好きだった。ただ、それだけ──。20歳も年上の写真家に振り回され苦悩する、高校写真部の部長・都。彼女が新たな被写体に選んだラグビー部の同級生・隆之は、同性のチームメイトに密かな恋心を抱き、葛藤していた。傷ついた心をいたわり合うふたり。やがて、それぞれに決断の時が訪れ……。愛に悩み、性に戸惑いながら生きる18歳を瑞々しく描く、不朽の青春小説。

オススメポイント
年上の男に恋をする女の子・都ちゃんと、同性の親友に恋をするラグビー男子・隆之。それぞれ叶わぬ恋を追いながら、お互いの恋愛について共有し合う仲です。ゲイの隆之くんのモノローグが切なく、チームメイトである宏樹と試合中に組み合っている時に幸せを感じるというセリフが印象的です。
その後2人がどうなるかは本作では分かりませんが、ノンケに恋をする切なさが身に染み、きっともっと君を愛してくれる人がいるよ! とエールを送りたくなります。

 

 

 
 

あらすじ
ゲイバーを経営するオカマの閻魔ちゃんの家に転がり込んだ「ぼく」。昼過ぎまで寝て、起きたら読書したり散歩したり、ときどきはガールフレンドとデートしたりと、気楽な日々を過ごしているのだが、ある事件を契機に、そんなモラトリアム生活がうまくいかなくなってしまう。「ぼく」のビデオ日記に映っていたものとはいったい――?


オススメポイント
主人公自身はバイセクシャルですが、ゲイバーのママと同棲しています。1990年代の作品で当時のセクシャルマイノリティをめぐる状況が鮮烈に描かれていて、少し読むのが辛いという人もいるかもしれません。
この著者の作品の特徴はほぼ必ずゲイのキャラクターが登場するというところ。映画化もされて、妻夫木聡さんと綾野剛さんが演じるゲイ男性同士の関係が描かれ話題となった『怒り』の作者でもあります。

 

 

あらすじ
北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、「あの日」以後、触れることになるのだが……

オススメポイント
芥川賞受賞作でもある小説。淡々と進む物語の中にじわじわとした不穏さが隠れている作品です。主人公から、赴任先で出会った信頼できる友人への一方的な矢印がしんどいです。
松田龍平さんと綾野剛さんで映画化もされており、そちらもぜひ見ていただきたい! トランスジェンダー女性を演じる中村倫也さんの姿も必見ですよ。

 

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いかがでしたでしょうか?今回は映画『エゴイスト』公開を記念してゲイ男性が登場する小説を6作品、ご紹介して参りました。官能的な性描写やピュアな想いが綴られている名作ばかり。気になった作品があったらぜひ探してみてください♪

 

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