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上下巻BLは名作が多い、は本当か?2024
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2022/11/07 21:00
ケータイ小説、それは小中学生時代の青春。
1997年(平成9年)生まれの私にとって、ケータイ小説は、まさに自分が生まれ育った平成という時代の「エモさ」を感じさせてくれるものの1つです。
小学生のころケータイ小説サイト発の小説『恋空』が大ヒット。
クラスの女子の間では、誰かが持って来たあの透明のクリアカバーがついた本が回し読みされ、作中に登場する男性キャラの派閥争いがし烈化。優派かヒロ派で大論争が起こっていました。
ちなみに私は今も昔も圧倒的優派です。
小説『恋空 上・下』。表紙の絵柄は上下巻がつながるようになっていて、当時女子たちの憧れのイケてる持ち物でもあった。
小説『赤い糸 上・下』。実写化もして一世を風靡したケータイ小説最大のヒット作の1つ。
◆目次◆
1.ポエムではじまり、ポエムでおわる
2.主人公は大体高校生
3.主人公は学校イチの不良軍団の姫
4.イケメンと1つ屋根の下
5.記憶喪失
番外編. HPムダに凝ってる
これは、初期のころから一貫したケータイ小説といえば!という特徴ですよね。逆に、ポエムのないケータイ小説なんて読んだことなくないですか?
ケータイ小説サイトの仕様では、大概、作品ページを開くと表紙代わりの作品紹介ページがあって、まずそこからポエムが展開されていました。
往々にしてなにかしらの写真が一緒に掲載されているのですが、偏見を恐れず言えば大体「空」「風船」「雨」「コーヒーカップ」のいずれかです。
ポエムは主人公の女の子(または男の子)が語っているようなものが多く、これはもともと「七つの大罪」時代のケータイ小説が日記風の自叙伝のようなものとして書かれていた名残りかもしれません。
小説『キミノ名ヲ。1』。ケータイ小説ファンの間では知る人ぞ知るタイムスリップ時代ものファンタジー。コミカライズもされている。もちろんポエムも読めます。
ケータイ小説といえば、「恋愛もの」が一番投稿数の多いジャンル。そしてその多くが高校生ものでした。
というのも、これは統計を取ったわけではないので定かではないですが、当時の私の感覚ではケータイ小説の書き手はほとんどが10代~20代くらいで、現役の学生が多かった印象があります。
読者もそのくらいの年齢層が多かったので、必然的に「高校生」が描ける題材の自由度的にも一番ちょうどよかったのかもしれません。
余談ですが、先日久しぶりに昔大好きだったケータイ小説家のサイトに出向いたら、つい数か月前に日記が更新されていて、数年ぶりにHPに来たら仕様が大分変わっていたこと、いまは結婚して子どもが2人いること、小説執筆していたころは大学生だったことなどが書かれていて、時の流れをめちゃくちゃに感じました。
小説『イケない課外授業(上) 』。高校生の恋愛小説だと、高校生同士はもちろんですが、先生と、というのもかなり多かったですよね。こちらは先生×生徒もののなかでも人気の高い作品です。
これは一番見たシチュエーションじゃないでしょうか。とにかく地元じゃ負け知らず的な不良ものが多かった。
不良って言っても結構レベルの高い不良で、暴走族とかを率いているようなタイプ。大概主人公と恋に落ちるのはそのリーダー格で、族の名前や二つ名は、大体「竜」「狼」と「金」「銀」みたいな単語の組み合わせでできてました。
主人公の女の子は平凡な普通の子で、絶対に交わることのない2人なんだけど、ひょんなことからそのリーダー格に気に入られて…というパターンが定番。
学校の空き教室を軍団の根城にしていて、大体授業をさぼっているんですけど、そこに主人公が紅一点で入って逆ハーレム状態に。
たまに不良が授業に出席してまわりがざわつくけど、それも主人公が理由とか、保健室で××とか、族の2番手くらいのやつがめっちゃ良いヤツでそいつにも好かれてしまって板挟みとか…あるある…ですよね…。
あ、だめだ懐かしすぎて涙がでてきた。
小説『ワイルドビーストI -出会い編-』。言わずと知れたケータイ小説不良ものの金字塔。メインキャラは暴走族の総長で二つ名は「野獣」。
不良系ほどじゃなかったけどよく見たのがこれ。
ひょんなことから主人公が、学校の王子様的な人と同居することになるシチュです。
イケメンは大体クール系かSっ気が強いタイプで、主人公は最初は彼に対して良い印象を持っていないか、嫌っています。イケメンも何かと主人公にいじわるをしたりして序盤は喧嘩ばかりしてるんですが、最終的にエロいことばっかりしてるバカップルになります(最高)。
少女漫画的な王道展開を書きつつ、エロが多めになるのが制限の少ないネット小説らしいところですよね。
小説『ドキ☆ドキ☆ドロップ(1)』。まさにイケメンと1つ屋根の下系ケータイ小説。甘々な高校生カップルが描かれるザ・ケータイ小説的作品。
これもよく見ましたね。
カップルのどちらかが記憶喪失になってしまうパターン。不良ものでも、ラブコメ系でもよく目にした展開でした。
記憶喪失と言ってもいろんなパターンがありますが、事故パターンが多かったように思います。
もともとケータイ小説は「事故」とか「病気」とかいったものとの相性がとても良いコンテンツなので、これも初期のケータイ小説の名残りというような気もします。
とはいえブーム期のケータイ小説では、こうした要素が絡んでくると結構な確率でバッドエンドの作品がありましたが、この頃にはハッピーエンドが定跡になっていた印象です。
小説『たった15分』。15分しか記憶が持たない女性が主人公。15分という短い時間のなかで繰り返される2人の出会いが切ない一作。
私が主に利用していたサイトは「魔法のiらんど」だったのですが、このサイトは初心者でもわりと自由にホームページがカスタマイズできるようになっていました。
そのためいろんなアレンジができたのですが、特によく見たのは、キリ番などの文字が自動的に流れていくやつ。いわゆる「あなたは○○番目のお客様」とかが左から右へ流れて行ったりするようにするんですね。特に意味はないけどなんかやってみたくなって私もやってました。
それから、背景は固定させて、文字の部分だけスクロールできるようにする。これはオシャレでしたね。みんなめちゃめちゃやってました。案の定私もやってました。
あとはメニューの項目をアイコンを使って表示したり、フォントを可愛いフリーフォント探してきて変えたり。そのたびに「リンク」ページのバナーがどんどん増えていって、それもコレクションしてるみたいで楽しかったです。
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いかがだったでしょうか
ノスタルジックな気分になっていただけましたか?
今回はご紹介しませんでしたが、ケータイ小説ではホラーものが一大勢力として人気を博していて、映像化した作品も多く、恋愛ものだけではないいろいろなジャンルの作品が投稿されています。
また、当時は各々のHPに掲示板のページがあって、そこで自作品や自HPの宣伝をしたり、相互でキリ番踏み合う約束を取り付けたり、今のTwitterやインスタのようなSNSのはしりのような場でもありましたよね。
スマホ時代になりましたが、現在でも少し進化した形でケータイ小説は健全です。最近はアクセス数が増えたなんて話も聞きますし、第三次ケータイ小説ブームなんかが来たりするのでしょうか?
これを機に昔読んだケータイ小説を読み返したり、今のケータイ小説サイトを覗いてみるのも面白いかもしれませんね!