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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2022/09/10 12:00
皆さんが普段当たり前に読んでいるBLコミック。特に紙で読む派の方は馴染みに馴染みまくった存在だと思います。
でも、裏表紙を見てください。
ん? ISBN? C99……? バーコードがなんか2つある……?
名前や存在はなんとなく知っているけど、何のためにあるのか、どんな役割をしているかまでは、意外と答えられないですよね……。謎多き出版物。
そこで今回は、聞かれたら意外と答えられない出版用語を徹底解説! 明日誰かに教えたくなるトリビアをお伝えいたします。
創作活動をしている方、これからする方にもきっと役立つはず! ぜひ最後までご覧くださいね~!
◆目次◆
1.背表紙のバーコードについて
2.発売日と発行日の違い?発行人って誰?
3.原作と原案の違い
4.版と刷の違い
5.同人誌制作に役立つ出版用語
まずはじめに、背表紙のバーコードについて紐解いてきましょう!
何を隠そう、その正体は「書籍JANコード」と呼ばれるバーコードで、上段はISBNの情報が、下段は分類コード(Cコード)と定価の情報が登録されてあります。
ISBN: 国際標準図書番号(International Standard Book Number)。
出版物を特定するために使われる、世界共通の番号です! 元々日本では「書籍コード」を使用していたのですが、1981年よりISBNへ移行したと言われています。
分類コード/Cコード:「販売対象・形態・内容」を表す番号。Cのあとに4桁の数字があり、その数字を読み解くと、この本はどんな本なのかがわかるんです!
そして、ISBN、定価、分類コードの3つは合わせて「日本図書コード」と呼ばれます。バーコードは「書籍JANコード」、隣の英数字が並んでいるものは「日本図書コード」ということですね。名前がついているのは知らなかった(驚)。
BLコミックスの場合、主なCコードは「C0979」と「C9979」(筆者の調査)。
背表紙を見てみると、同じくコミックスなのにCコードが違う本があります。
1桁目は販売対象、2桁目は形態、3・4桁目は内容となっているので、
C0979は「一般販売」、「コミック」、「コミックス・劇画」
C9979は「雑誌扱い」、「コミック」、「コミックス・劇画」ということです! ……ん? 同じコミックスなのになんで雑誌扱いに分類されるの? と疑問に思うでしょう。
実はこの問題、出版業界の七不思議の一つなんです。書籍と雑誌は取引条件が異なるらしく、出版社は雑誌の取引条件を選んだという説があります。すなわち、出版社、出版取次(書店に本を送る問屋)、と書店の間の取引上による結果です。
そして生まれたのが、「発売日より早く購入できる」現象、通称「フラゲ」。
ある説によれば、雑誌扱いの本は協定が厳しいのでフラゲしづらく、書店の多くは発売日に忠実らしい。それに対して、書籍扱いの本は比較的に協定が緩いため、発売日の前に書店に並べられることもあるのだそうです。フラゲできる作品は「書籍扱い」だったのですね!
さらに奥付(本の最終ページ)を見てみると、発売日≠発行日にお気づきでしょうか?
実はこれ、先ほどご紹介した「雑誌扱い」の分類と深く関わっています。
大まかに紹介しますと、
発売日:書店に並ぶ日付
発行日:奥付に載っている日付
そしてどれも曖昧で、ハッキリとした日付ではないとのこと……。
雑誌扱いについてご紹介したように、本の分類によってフラゲできる本もあります。その場合、発売日よりも前に発売されているので、「発売日」の日付は絶対正しいというわけではありません。
一方、発行日は発売日よりも未来の日付に設定されています。
「本を新鮮にアピールする説」や「スケジュール遅れや到着ズレに対する対策」などと言われ、古くからの慣性による出版社さんの独自判断です。
日付のズレは数日のモノもあれば、一ヶ月先のモノもあります。
なので、あくまでも本棚に並ぶ時期の目安と考えていただけた方がわかりやすいかもしれません。
また、発行人は編集長や社長だったり、最終責任者を指します。
同じ出版社の同レーベルだと、同じ方が担当することが多いのではないでしょうか? 奥付の些細なところをチェックすると、色んな新発見ができますよ♪
続いては、コミカライズ作品などでよく目にする「原案」と「原作」について。「案」と「作」、なぜ別々で使われるのかご存知ですか?
意味は確かに似ていますが、実は微妙~な違いがあります。しかも作品ごと違うので、「原案」にこだわる作品もあれば「原作」と呼ぶ作品もあります。間違うとトラブルになることも……とってもセンシティブですね(震)。
原案:作品のもととなるアイデアやモチーフ、もしくは提供した人。作品の根幹となる部分ですが、大きく改変される場合もあります。あくまで「案」なので、加工なしの原材料のようなもの。
原作:別のメディアで作品化される、元の作品を指します。小説または映画を参考に、コミカライズ化を展開させるなど。原案よりも忠実に元の作品をなぞった時に使われます。
どちらも「参考にした元の作品」という意味では同じですが、「原案」は一部のアイデアで、「原作」は完成した作品の大部分をそのまま使用、のような違いがあります。
そして、原案と原作は扱いが違うため、ビジネス上でも法律上でも著作権や使用料にまつわる複雑な事情もあり……。間違わないよう、作品ごとに載ってある表記に従って使いましょうね!
コピーライト= 著作権
よく見かける絵の端にある「©」の記号、隣には常に著者の名前が記載してあるとお気づきでしょうか? 著作権保持者は誰なのかがハッキリとわかるので、無断コピーや無断転載を防止するためにあります!
本だけでなく、ホームページなどでもよく見かけるのでとっても大事な表記です!
書籍コレクターの方にとって、「初版本」はとっても貴重なものでしょう。出来立てほやほやの新刊を買いに行くのも、初版を手に入れたいがため。また、中古屋さんでたまたま初版本に出会った時の小さな幸せ……♥
しかし「初版」と「第1刷」はよく間違われやすく、モヤモヤを解消するためにこちらも詳しくご紹介します!
版:原版にインクを塗って紙に印刷。「初版」は世に出る最初の版。
刷:印刷の回数を指す。初版の第2刷、第3刷など。
「重版出来」もお馴染みな単語と思いますが、ただ「いっぱい印刷した!」という風に理解していませんか? ここから版と刷に関連する用語をおさらいしましょう!
重版:内容を加筆修正した新しい版で印刷すること。再版と同義。
増刷:出版したものを変更なしに印刷すること。
改訂:内容を含め、タイトルなども変更して「新しいもの」として印刷。
新装版:版元や装丁を変更し、新しく刊行すること。
復刻版:絶版したものを変更なし、そのまま同じ形で復活・発行する。
絶版:原版を廃棄、または出版権を放棄。入手不可能の状態を指す。
近頃は重版と増刷を同義語のように用いることが多くなりましたが、豆知識としてその本来の違いを覚えていただけると幸いです♪ どちらも売り切れが発生し「バンバン印刷するぞ!」という工程に違いないので、とってもめでたいことです!! (嬉)
そして初版が貴重なのは、
・売れ行きが未知数のため、初期部数が少ない
・加筆されていないオリジナル
・年代感が増す付属の初版帯付き
などなど、生まれたままの姿の本を堪能したい人にはたまらない品物♥ 誤字脱字も逃したくないというマニアックな楽しみ方もできます!
「作品を印刷する」工程では同人誌づくりと似たようなステップはあるので、厳選した「同人誌制作に役立つ出版用語」もご紹介します!
今回、知っていただきたいのは「装丁」と「委託販売」です。
表紙や見返しのデザインと製本材料を決める一連の工程。全体の外見を綺麗でおしゃれにする作業です。
表紙のイラストはもちろん素晴らしいものですが、装丁が整えば、デザイン次第でその本はより魅力的にすることができます! 色選びから材料選び、作れば作るほどハマるに違いない! 作品のコンセプトに合った装丁にするのも趣があって、より奥深い作品が出来上がりますよ~!!!
委託について、出版業界と同人誌制作ではちょっと意味が違います。
委託制度(出版業界):一定の期間内であれば書店は売れ残ったものを出版社へ返品することができる制度。返品できない商品は「買切品」と呼ばれます。
委託販売(同人):専売、併売、買切の三種類、返本も可能。
・専売:1つの店舗でしか販売していない、より長く店頭に置いてくれる店が多い。とらのあなさんにだけ販売させるなど。
・併売:複数の店舗にご依頼、店頭に置く時間は専売よりも比較的に短め。
・買切:店舗が売れる見込みがあると判断し、納品分をすべて買い取って販売すること。
同じ「委託」でも、ちょっとした違いはあります! 同人誌を販売する際は、専売や併売、どの店に置いたら手に入れやすいのか、手数料なども考慮すべきですね!
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以上、意外と知らない出版用語を解説してみましたが、いかがでしたでしょうか?
馴染みのある用語と初めて知る出版業界の専門用語、知らなくても普通に作品を楽しめますが、知ると新しい楽しみ方を見つけることができると筆者は思います!
これからは本の奥付などもチェックしたり、装丁の吟味したり、BL活をさらに充実させましょうね~♪
担当記者:くら蔵 |
コメント1
匿名1番さん(1/1)
ちょうど気になっていたことが分かってスッキリしました。ありがとうございます。