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BLを語る上で無視できない当て馬問題。あなたはどこまで許せる？

 

「挿入はあり。だがキス、お前だけは絶対にダメだ」

 

複数人の同志たちと仲睦まじくBL語りをしていた夜、物腰の柔らかさと温厚な性格から仲間内で「マリア」と呼ばれていたKちゃんが放ったこの言葉。

 

当時、なぜKちゃんがここまで当て馬のムーブにこだわりを持つのかイマイチ理解できず、筆者はただただ本能的に母の名を叫びました(ごめんよ、Kちゃん)。

 

しかし、あれから数年がたち……やっっっと解ったことがあります。

そう、それは！ 当て馬の行動がどこまで許せるのかは、人によってぜんぜん解釈が違うのだということ！！！！

 

では、さっそくこちらをご覧ください。

これは実際に筆者が集計した社内アンケートの結果です。「すみません、突然ですが当て馬の行動、どこまで許容できます？」とあらゆる人に尋ねまくり、得られた貴重なデータになります。

 

 

ふむふむ……これは人によってかなり幅があるな？と感じた筆者は、このたび！謎の使命感に駆られ、当て馬の行動がどこまで許せるのか、ギリギリを攻めるチキチキレースを開催します！！！

 

今回のチキチキレースでは当て馬の行動をレベル別に紹介。皆さんが許せるのはどこまででしょうか!? ぜひ試してみてください！！！

 

※なお、本記事は当て馬が良いスパイスとなる作品をライトなものからハードなものまでがっっっつりとご紹介するため、「やっぱり当て馬の存在が地雷」という方はブラウザバックを強くお勧めいたします！

 

【口説く(く・どく)】

 

攻・受どちらか、もしくはその両方が口説かれるパターン。

「今度飯いかない？」「2人で呑み直さん？」といったライトなものから「俺にしなよ」「僕、上手いよ？試してみる？」といったヘビーなものまで……多種多様な背徳的萌えを楽しめる。身体接触を伴わないことから最も受け入れられている。

 

「一晩遊んでくれよ」口説き系当て馬の真骨頂

『ホームレス先輩拾いました』作：渦井 

 

 

あらすじ
大企業に就職し、上司からの信頼も厚く女子社員にも人気で順風満帆な人生を歩む愛され気質な山田。ある夜、モテすぎて女性と揉めているところ下半身丸出しのホームレス男に絡まれ無視しようとすると、その男は学生時代、鈍臭かった山田を取り立ててくれた先輩・二宮だった。予想だにしなかった再会に混乱しつつも恩義を感じ、金銭的に援助をするだけのつもりが自宅に招き入れてしまい、寝込みを襲われいやらしく乗っかられーーー!!?
憧れの先輩がメスお兄さんにトランスフォーム!!!?おひとよし年上キラーイケメン×落ちぶれクズビッチ先輩　流されほだされ堕ちる波乱万丈!?リバーサルラブ

 

えっっっちな表紙に大困惑してしまったこちらは渦井先生の『ホームレス先輩拾いました』！ 「見えそうで……tkb見えてるじゃん‼」と思わずガッツポーズを握ってしまったそこのあなた。ぜひ筆者と握手しましょう‼ そして本編はもっっっとすんごいですよ♥ (特大スマイル)

 

気になる当て馬は、山田(攻)の会社の先輩・瀬口♥ 男前で人当たりもいい山田が入ってくる前、彼は女子社員にモテモテのイケメンポジにいました。と、なればやはり山田のことを嫌でもライバル視してしまうわけで……？ なにかと山田＆二宮(受)にちょっかいをかけ、2人の恋にスパイスを足してくれます♥

弱みを握ろうと山田家を訪れた瀬口。二宮と接触し「一晩遊んでくれよ」と危険な誘いを持ち掛けます……。(ザワザワ) 一体、どうなっちゃうの！とハラハラドキドキが止まらない‼ まさかまさかの笑劇展開はぜひ本編でお楽しみください♪

 

 

【手つなぎ(てつなぎ)】

 

広い解釈のもと、当て馬が攻・受の手に触れるパターン。

いわゆる恋人同士がするラブラブ手つなぎだけではなく、口説きついでに手を握る、強引に手を引くなど同意の上でないパターンも含む。

 

 

元相方を振り解け！ 最高の当て馬ザマァ‼

『アンダードッグ・パピーラブ』作：茶渡ロメ男

 

 

 

あらすじ
お笑い芸人の成瀬(なるせ)は、長年片思いしていた相方に振られた上、ゲイだと広められたせいで仕事を干されてしまう。やさぐれてゲイバーで泥酔した成瀬は、美青年のヒカルに助けられ、一夜を共にした。しかし翌日、学生服姿のヒカルと再会する。未成年に手を出してしまったことに気づきショックを受けていると、ヒカルは成瀬が裸で寝ている写真をネタに「セックスを教えて欲しい」と脅してきて……!?

 

他の作品とはちょっぴり毛色が違うこちらの当て馬・三輪！成瀬(受)の元相方として登場し、2人の恋を進展させるのに重要な役割を果たします！ しかし、彼に対して特別恋心があるわけではなく……？ 自分の利益のため「だけ」に成瀬を必要とする、身勝手でクズオブクズな当て馬です‼

 

一度成瀬を貶め、解散危機の状況を作った三輪！にもかかわらず、奴は自分の出世のため、再度「やっぱ俺 お前やないとアカンねん」と近づき、成瀬の手におさわりしやがるのです‼ (怒) いつの間にか握っていた拳に力がグッ……でもここは我慢我慢……だって三輪を成敗するのはヒカル(攻)の役割なのですから！！

 

その後も強引に手を引く＆甘い言葉を囁くなど、三輪は物語終盤まで執拗に成瀬に絡み続けます。ほとんどの方はイライラが募り、ムキーッ！と叫び出しそうになるかもしれません！……が、安心してください‼ 最後の最後にキマる華麗な当て馬ザマァの爽快感はたまりませんよ♥

 

 

【ハグ(はぐ)】

 

痴話喧嘩をして弱っているところに現れた当て馬は99.9%ハグをする。

傷ついた顔をした受けに遭遇→本音を吐き出し始め、話しているうちに涙する受→熱く抱擁 の流れは「よいこの当て馬(2022)全日本当て馬協会出版」に記載されている。

 

 

一線を超えない「友達」……切なすぎるハグ

『リセット』作：いちかわ壱 

 

 

あらすじ
依存する先輩と、心地のいい同級生――。
狭間で揺れる、トライアングルラブ! !

冬真の恋人は、バスケ部の先輩で幼馴染の蒼。
チームメイトや男女問わずモテるのに、
恋人には過剰に依存して、捨てられる度
泣きついてくる。そんな蒼の傷心に付け込んで、
始まった秘密の関係――。
いつそのことに気づかれてしまうのかと、
いくら体を重ねても怯えていた冬真。
そんな不安定な冬真と、蒼の歪んだ独占欲に気づいた、
チームメイトの槙は、冬真を放っておけずに――!?

 

傷心に漬け込んだことで恋人になった冬真と蒼。しかし、たった一言で相手を縛ってしまった後ろめたさから、冬真(受)は自分の気持ちも相手からの好意も否定的に受け止めるようになります。近すぎて互いが見えなくなった何とも切ない関係性……‼ 「愛すべき歪」の称号をここに贈らせてください……。(拝)

 

そんな終始ほの暗い本作、当て馬として登場するのは2人と同じバスケ部に所属する冬真の同級生・槙！ 彼は冬真と蒼の歪んだ愛を矯正するポジションにつき、キューピッド的役割を果たしてくれます。……が！ あくまでも「良き友達」の一線は超えないところがまた最高なんですよね～～～はぁ～～～‼

 

自然に漏れ出てしまう冬真への「可愛い」、踏み込まずにもいられない2人の恋模様♥ 物語の後半で初めて本音を吐き出した冬真を反射的に抱きしめてしまう槙の姿には、胸がキュッと締め付けられること間違いナシです‼ (号泣)

 

 

【キス(きす)】

 

事故チューである場合もあるが、主に攻めへの見せつけとして故意に行われる。

フレンチ、ディープ問わず目撃してしまった攻めは嫉妬で怒り狂い、「お仕置き」と称してドロドロに受けを抱きつぶす。まれに当て馬をボコボコにしてから受けを奪い去るタイプの攻めもいるため、当て馬にとっては非常にリスキーな行動とも言える。

 

二人のために、見せつけキッッス‼

『ウケ専ボーイは神テク男子とセフレになりたい！』作：山森ぽてと

 

 

あらすじ
ゲイ向け風俗で働くナオヤは、ウケNo.1の実力者で三度の飯よりセックスが大好き! 日々理想のセフレを探すものの、満足いく相手はなかなか見つからない。そんなある日、入店早々タチNo.1に躍り出たというタチ専のユウトに出会うも、ナオヤの顔を見るなり「アホ面」と悪態をついてきて印象は最悪! しかし、客の依頼でユウトとセックスし、その神テク&超巨根ぶりにメロメロに…。やっと理想の×××に出会えたと感激したナオヤは「俺のセフレになってくれ!!」と全力でお願いするが──!?絶倫巨根男子×エッチ大好き関西弁男子の、過激すぎるハイテンションラブ!

 

スケスケ乳首にプリップリな桃尻がドーン！ 原宿系のポップなイラストに紛れた、さりげないえちえち要素たち……♥ もちろん本編もコミカルとエロが絶妙なバランスで、ページを捲るたびにワクワクが止まりません～‼

 

カップリングとしてはクールイケメン×ビッチな方言男子♥ 2人とも大人のお店で働いており、えっちは得意！なのに恋愛はドドドド下手‼(最高) そんな2人の進まぬ恋を面白がってか、当て馬・ケイはわざと受けくんに攻めの前で見せつけキッッスをするんです‼ く～～そんな立ち回り、一体誰に教わったのよ!?

 

もちろんその後は嫉妬に狂った攻め様による、擬音＆汁だっくだくの超爆音セックス‼ どちゅっどちゅっぱんぱんの間に入る「ちがっ……やめっ……！」のリズミカルな合いの手に、フロアはもうぶち上がりMAXです～～～～♪

 

【挿入(そう・にゅう)】

 

挿入＝セックス。つまり本番。

当て馬が受けに挿入するパターンが主流。というか、攻めが当て馬にINする作品は存在しない。……どうしてなんでしょうね？(BL七不思議)

 

三角関係ならぬ、四画関係⁉

『ファイブコーナーズコーヒー』作：児島かつら

 

 

あらすじ
駅から5回角を曲がったところにあるカフェ「FIVE CORNERS COFFEE」。そんな自然豊かな街で、公彦は大学時代の友人・晴海とカフェを営んでいた。二人はゲイ友でもあり、気が合う最高の相棒でもある。カフェを持つ夢も叶い、順風満帆な日々を送っていた公彦にはただ一つ思い通りにいかない事があった。それは、恋。公彦自身には別の処理相手がいつつも、長年、晴海に対しての諦めきれない恋心を秘めながら、身動きの取れない関係に思い悩んでいた。ある日、晴海から店の拡大の為、2店舗目進出の話が来ていると相談されるが、依頼を出してきた相手が晴海の大学時代の元カレで———！？誰よりも近くて遠かった恋が、動き出す！？
不器用だけど一途な男前×踏み出せない片思いミドルサーティ
大人の〝わるあがき〟な恋

 

ラストを飾るのはこちら！ 児島かつら先生の『ファイブコーナーズコーヒー』‼ 早速、当て馬のお話をしてしまうと、表紙左のボーダーの服を着た公彦とセフレ関係にある大学生・敬太が、今回ご紹介したいキャラクターになります！

 

あらすじを見て分かる通り、公彦と晴海、表紙の2人は確かに想い合っています、が……長年近くにいすぎたせいで関係をハッキリさせることができずにいるのです！ く～っ！ もどかしい‼ それもあってかバランスをとるかのように、何度も敬太と体を重ねてしまう姿がまた何とも切ない……！

 

また、敬太の他に実はもう1人、小森という当て馬も登場！ 彼は晴海の元カレで2人の関係をかき乱す重要な役割を果たしてくれます！ お互いに嫉妬し合い、モヤモヤしてしまう2人の様子はたまらなく尊いですよ～♥

 

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いかがでしたか？

皆さまのギリギリライン、また、好みはどの行為までだったでしょうか♥

ぜひ、皆さまも周りにいるBL好きの方々と喧嘩にならない程度にお互いのギリギリラインをアツく語り合ってみてくださいね♪

 

担当記者：鯖ンバ林 誘い受けに目がない黄昏の腐女子。眼鏡・手袋・白衣こそが三種の神器だと信じて疑わぬ一方、スーツ美人にもデレデレしがち。