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リバってもしかして絶滅危惧種なのでは

2022/03/12 16:00

2025/11/15 16:00

挿しつ挿されつ「リバ」の奥地へ……



BL用語集初級編によく登場する「リバ」。BLファンの皆さんにはお馴染みかもしれませんが、「リバーシブル」の略で、作品内で受けと攻めの役割が入れ替わる作品を指しますよね。

筆者はリバが大好きなので、全人類リバが好きなんだと勝手に思い込んでいたのですが……後輩のBL好きとの会話でこんな発言が。

「同軸でなければギリいけるって感じですかね……。同軸リバは苦手ですね。っていうか商業BLで同軸リバって最近あんまり見なくないですか?」

エッッッッッそうなの!!!!!!!!!?!?!?

いやいやいや、同軸リバありまくるじゃん……いや待てよ、確かに最近の作品ではあんまり見ていない気が……。もしかして「リバ」って絶滅危惧種なのか……?

果たしてリバの刊行冊数は本当に減少しているのか!? 混乱してしまった筆者は、「リバ絶滅危惧種説」を検証するべく旅に出たのだったーー。

目次
1.リバ作品数の変化
2.リバ人気作品を見てみよう
3.リバが少ない理由って?
4.リバのここがいい!
5.2025年のおすすめリバ作品

 

 
はじめに、ちるちるに登録されているリバ作品の数を調査してみました(コミックス・電子単話・同人作品・BLCD全て含む)。
2025年11月時点でリバーシブルのタグがつけられている作品は695件。人気のオメガバース設定の1891件と比較してみると、リバはその半分以下の作品数です

続いて発売年で分けてみましょう。



2017年は38作品と平常時より10作品程度多く発売されているのがわかります。この年は阿部あかね先生の『苦いのテーマ』をはじめ、春泥先生の『月食奇譚』など神評価の高い作品が発表された年でした。2017年はリバ豊作年だったということか。

なぜ2017年にリバが増えたのか……明確な理由ははっきりと断言できませんが、後のリバ史に多大なる影響を及ぼしたはらだ先生の『にいちゃん』の存在はやはり大きかったのではないでしょうか。「萌え」としての要素だけでなく、骨太なストーリーの中で関係性の変化を効果的に表す手段としてリバが用いられており、リバの魅力を存分に広めた作品だったのだと思います。

そして注目すべきは、2022年にも37作品刊行されていること! 30作品以上を記録するのは2017年以来です。
調べてみると、『ハッピークソライフ』や『アンチロマンス』といった、リバの人気シリーズ続刊が刊行されていることが明らかに。また、『I♡歌舞伎町』など新感覚のリバ作品が生み出された年でもありました!

しかし、2024年にはその半数以下となる15作品にまで減少。なぜ……(涙)。

次は全BL作品のうちリバ作品はどのくらいあるのか、割合を見てみましょう。



作品数だけでいうと昔の方が少ない印象でしたが、1999年と2024年を比べてみると約13倍の差が! 全体で見て今より13倍もリバ率が高かったことを考えると、長年BLに親しんできた方が「リバ減ったのでは……?」と感じるのも納得ですね。

以上のことから、リバ作品は20年前と比べて減っていることが分かりました。BL業界全体で見てみると誤差の範囲かもしれませんがリバ単体で見ると大きな差ですよね。


では早速、リバジャンルのちるちる内人気上位作品を見てみましょう。


リバ作品で上位に入っているのは実写化もされた水城せとな先生の『窮鼠はチーズの夢を見る』シリーズ、そしてはらだ先生の『にいちゃん』『ハッピークソライフ』が続きます。はらだ先生の作品はどんなジャンルでも人気ですが、リバになると作品数も多くはらだ先生の人気作にあげられるような作品が名を連ねます。


雲田はるこ先生の『新宿ラッキーホール』も商業BLのリバ作品を語る上では外せませんよね。神率の多さを比較してみても、どれも他の設定に引けを取らない人気っぷりです。

これらの作品から共通点を見つけていきましょう。上位のリバ作品の共通点として

・CPどちらかがゲイの場合が多く、ノンケ同士のCPが少ない
・体格差が少ない


が挙げられます。

・CPどちらかがゲイの場合が多く、ノンケ同士のCPが少ない
リバで多いのは、もともと受けも攻めもできるゲイがCPにいる場合だと思います。逆にノンケ同士だと、一般的な役割に従った考えを持っているので自然と受け攻めが固定されたり、初夜直前にどっちがどっちをやるかなんて話し合いをするCPもよく見ます。

・体格差が少ない
前の章で触れた通り、リバの場合どちらも同じ役割を担うためか、体格差が少なく描写されます。
例えば会川フゥ先生の『愚か者ども、愛を知れ』や、はらだ先生の『ハッピークソライフ』などは表紙で同じくらいの体格差だなというのがわかりますよね。



(一方で、鰤尾みちる先生『愛されただけ愛したい!』など体格差がしっかり出ているタイプのリバもあるので一概には言えませんが……)


ここまでリバ作品数の推移や人気作品を比較してきました。

ここではBL全体から見たリバを考えていきます。相対的に考えてみるとリバ需要は減ったわけではない……と前章で述べましたが、なぜ増えない!!!!!!?!?

BL好きの知人に話を聞いてみると、「攻めと受けの属性に対するこだわりが強く、逆転すると理想像から離れてしまう」との意見が。受けはこう、攻めはこうあってほしいというこだわりがあればあるほど、地雷になりやすくなってしまうのかもしれません。


もっとリバよ、増えてくれ!!!!! 切実な願いを込めて、筆者の考えるリバの魅力をプレゼントさせてください!

その1 攻めの受け顔、受けの攻め顔を両方堪能できる


「さっきまで攻めてたあのキャラがトロトロになってる……!」「さっきまで乱れてたキャラがこんな雄み丸出しで攻めてる……!」と1粒で4倍楽しめる超お得な設定、それこそがリバです。一冊で2つのギャップを堪能できるの、最高すぎません!!?
そうした“役割の逆転”で際立つキャラのギャップにグッとくる方はリバにハマりやすいのかもしれません。ソースは筆者です。

その2 “対等な関係”であることがより補強される


同性同士、そしてお互いに攻めることも受けることもできる。精神性だけでなく、ポジションにおいても不平等さのない、究極的に対等な関係であることを示せるのがリバだと思っています。
「対等」「唯一無二」……そんなワードに心が滾る皆さん、ぜひリバ作品を手にとってみてください。よろしくお願いいたします。

その3 心情変化をより効果的に表現できる


物語の中でのキャラの心情変化を効果的に表せるのもリバの魅力。
たとえば、『窮鼠はチーズの夢を見る』では、今ヶ瀬にほだされる形で関係を続けていた大伴が、徐々に自分から今ヶ瀬を愛そうと心境が変化して初めて今ヶ瀬を抱くようになります。このポジションの変化が、好意に受け身だった大伴の成長を表しているように感じ、胸が熱くなったことを覚えています……。
必ずしもポジションに能動性や感情の強さが比例するわけではありませんが、視覚的により分かりやすく想いや関係性の移ろいを見せられるのも、リバの魅力の一つと感じています!


最後に、2024年~2025年に発売された神過ぎるリバ作品を2作ご紹介いたします! これを読めばきっとあなたもリバ沼に!! 新たな扉を開く覚悟をしてご覧ください♥

 

STORY
男子校の寮のルームメイト、トワ先輩と小萱(こがや)は付き合いたてのラブラブカップル。初えっちでは大好きなトワ先輩を抱いて、幸せな日々を送っていた。でも今日は特別な日! 先輩の誕生日に“何か”したいと張り切る小萱だったけど…先輩がおねだりしたのは、小萱の“後ろの初めて”で!?
覚悟を決めて身を捧げるも、後ろのイイところを知り尽くした先輩にとろかされてしまい…興味が絶えないお年頃二人の、欲しがりなあまあまセックス! 萌えきゅん最上級なリバカップルラブ


リバ♥ポイント
青春ラブの名手・百瀬あん先生による、男子高校生の最強リバ作品が降臨致しました……!! まず【男子校の寮】というクソデカオタク滾りワードだけでBL好きセンサーがビンビンになるもんな。

リバの良いところ、それはお互いに両方の気持ちよさを分かっているところなのです!!
小萱に抱かれていたトワ先輩は、受けの知識はもちろん気持ちいところまで全~~部把握済み♥ だからこそ古萱のはじめての受けの準備を手伝ってあげたり、受けならではの不安な感情を分かって寄り添ったり……とリバ作品ならではの描写が詰まっています!

しかも1回のエチでの受攻交代制! 気持ちよく中を突かれたあとに、相手の良いところを掘り当てるドドド性癖プレイに扉が開かれること間違いなし♥ どっちの役割も果たすので気持ちよさは脅威の500000兆倍(当社比)!! 最高にトロトロあまあまなセッを是非ご覧ください♪

 


STORY
男子高校生の岬は辻先輩に12回告白して、半ば強引に付き合うことに♡
幸せ絶頂のなか、岬は先輩に体当たりで愛を伝えていくけど
先輩のことを知るたびに好きがどんどん大きくなっていく毎日。
受か攻か選べない悩みまで出てきちゃって
両思いでも、恋って前途多難すぎ…!?


リバ♥ポイント
男子高校生たちの尊さ120%ラブを見守り隊!! グイグイワンコな後輩・岬の健気な乱れ姿も、かっこいい辻先輩が恥ずかしそうに喘ぐ姿も見れて一石二鳥! これぞまさにリバ作品の醍醐味ですよね♪

2人のはじめてはクリスマスイブの夜。まずは後輩・岬が身体にリボンを巻きつけて「プレゼントは俺」と定番のキラーフレーズで誘います♥ 憧れの先輩の余裕ない顔にドキドキしつつ、岬の身体を気にかけて慎重になる辻を安心させようとする様子からは頼もしさも感じます……! スパダリ有力候補すぎる。
そして後日、「次は先輩の番だよ」という宣言通り役割交代! 岬の言葉責めに顔を赤くして「いちいち実況するな!!」と言い放つ辻ですが、今度は静かな部屋に自分の声が響く恥ずかしさで「やっぱりなんか喋って……」とお願いするのでした。こんなに可愛すぎる手のひらドリル他にあります????

作中で岬が「両方できるなんて本当に嬉しい……」と呟く場面がありますが、こちら側としても両方見せていただいて本当に有難うございます……(合掌)の気持ちです。
リバ作品が減少傾向にある今だからこそ読んでいただきたい作品です!!

*****************

いかがでしたでしょうか?
今回は少し真面目にリバについて考察してみました!

結論:リバ増えてくれ

となってしまいましたが、リバはBL界の流行を如実に表わしている設定とも言えそうです。皆さんも良いリバ情報を入手されましたら、ぜひコメントで教えてください!

ご静聴ありがとうございました。

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コメント14

投稿順 | 最新順

匿名26番さん(1/1)

最高の記事、ありがとうございますっ!
「一粒で4倍楽しめる」
「精神性だけでなく、ポジションにおいても不平等さのない、究極的に対等な関係である」
まさに自分が思っていることを代弁してくださっていました!そんな作品が増えてくれることを願っております(^^)

匿名22番さん(1/1)

匿名1番さん

高山真先生のエゴイストがオススメです⭐︎
私小説っぽい感じなんで、自然な感じではあると思います。

記事を読んで夜中に爆笑してしまいました
細かいデータと考察..!
「豊作」って...涙目
現実的にはリバあたまえかと思っていたので
こんなに作品が少ないとは思いませんでした。
大変おもしろくてためになりました!

匿名12番さん(2/2)

リバ増えて欲しい

匿名20番さん(1/1)

大体同じ位の身長、体格の二人のリバが大好物です。
BLゲームで、
主人公総受で、主人公よりかなり小柄な攻略キャラに対しても受、という作品と、
主人公総攻で、主人公より遥かに大柄な攻略キャラに対しても攻、という作品があり、
10cm近くの身長差があったのでどちらも凄く違和感がありました。数センチ差なら気にならないんですが。総受、総攻ではなく、相手によって受け攻めが変わる主人公のゲームがもっと増えて欲しいなぁと思ってます。

匿名5番さん(2/2)

改めて「リバ、増えてくれ!!」

匿名14番さん(1/1)

リバ大好きです。新宿ラッキーホール大好き。
BLCDでも、超絶上手い方って、ウケ攻めどちらもお上手じゃないですか?!(主観)

確かに、青春系では作りにくいかも。(ヤリ部くらい振り切らないと) 分析、仰るとおりですね。勉強になります。作り手の技量やキャラの度量が試されそうだ…

言われてみれば、私はセックスがこじつけでなくストーリー上自然に出てくる作品を好みます。そうなると、エロ振り切りか、大人なほろ苦い恋愛か、キメセク絡みの作品になりますね。王道ではないわな。

リバ減らないでほしいなぁ…

ウケが「女のコみたい」である必要は、全くない!!!
今回も素敵な記事を、ありがとうございました。

匿名13番さん(1/1)

本当に「リバ増えてくれ」!

匿名12番さん(1/2)

モノクロームロマンスは翻訳ものだけに、いいものしか入って来てなくてレーベル買いしてますが、やはりリバ多くて好物の自分には神シリーズです。リバこそ愛って感じでグッとくるのになあ。。
あと日野作品はリバ多くてよく買う。
もっと市民権を得てほしい。

匿名11番さん(1/1)

リバ作品いいですよね!でも、リバは書くの超難しいです。私は趣味で創作しているのですが、これまでリバ作品を生み出せたことはありません・・。創作仲間にもリバ書けない人が多く、何が原因で書けないのか、何かコツがいるのか、現在不明です。なので、ここにあがっている作者さんは選ばれし天才だと思っています。
自給自足できないので絶滅しないで欲しいですが、やっぱり数字を見ると減ってるんですね。悲しい・・・。

匿名6番さん(1/2)

初めから、この作品はリバですよーと前情報があれば問題ないんですが、読んでる途中で攻受が交代すると??と脳が混乱しちゃいますね!笑
無意識の内に主人公へ感情移入してるので展開について行けなくなるのかな?
でも、リバ作品も好きなので増えて欲しいですね。

匿名5番さん(1/2)

うすうす感じてはいたけど、こうして晒されるとショック!
リバ生き延びて…

匿名2番さん(1/1)

リバってこんなに少ないのですか???
そっか~

匿名1番さん(1/2)

窮鼠はチーズの夢を見るからBLを読みだしたので、リバ作品が少ないのが当初衝撃でした。テーマとして掲げるような感じで、バッタリ出会うということがないですよね。
「ロイヤルシークレット」が良かったので、ああいった自然(?)なリバが小説でも増えて欲しいです。自分が知らないだけかもしれませんが

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