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【※閲覧注意】闇でしか得られない栄養素があるーーゲスの極み腐女子たちが己の闇属性と向き合う座談会

2021/11/20 16:00

闇BLファンは「生きづらい」? 我々はなぜ闇BLに惹かれるのか



謎に包まれた闇BLファンの生態が明らかにーー。

辛い目や痛い目に遭いながらも、結局報われることなく終わってしまう物語。そんな闇BLを追い求める者たちは、なぜ闇BLに目覚め、何を思うのか?

なぜか闇BLをこよなく愛する腐女子が集まりがちなちるちる編集部。以前は「闇のBL戦士」の生態をご紹介しましたが、今回は闇BLをこよなく愛するちるちる記者、廣井、こんぬ、たまち、イクラの4名で闇BLへの目覚めや性癖を中心にとことん語ります! 記者たちのイチ推し闇BLにも注目

 

 

BLファンによる、闇BLファンのための、闇BL談義

 

ーー闇BLに目覚めたきっかけは?

こんぬ:人生で初めて見た二次創作BLがモブレもの中心のサイトだったので、それがきっかけかな?

廣井:なかなかハード(笑)。

こんぬ:でも今思えば、子供の頃からアニメのバトルシーンなどで、好きキャラがピンチになるいわゆる「やられシーン」が何となく好きだったので、兆候はあったのかもしれません!

たまち:では、私も小さい頃の話を。『セー◯ームーン』や『プ◯キュア』などの魔法少女系(?)と『名探◯コナン』が大好きだったのですが、どちらも主人公の命の危機レベルのピンチや、絶望しきって目の光がなくなるシーンにめちゃくちゃ心惹かれていたので素養はあったと思います! あとは二次創作で完全に落ちました!

イクラ:私も最初は少年漫画の二次創作で鍛えられました。商業だと初めて読んだ作品が緒川千世先生のカーストヘヴンで、そこから闇BLを読み漁り始めました。

たまち:カーストヘヴン』シリーズは闇BLの名作ですよね!

廣井:みなさん結構二次創作がきっかけなんですね〜。私はもともと「花の24年組」と呼ばれる作家さんのオタクで。あの辺の古の少年愛・ブロマンス漫画って死ネタや闇系が多いので、そこで性癖に刻まれてしまいました


 

ーー好きな闇BLワードやシチュを語ってください

イクラ:心中!!! 死ネタ!!! です!!! 結局死が究極の愛の永久保存的なとこありません……??

たまち:え、待って! 私も今心中がめっちゃキてるんです!!

こんぬ:分かります! 私はだからこそ、死は場合によっては救いになってしまうこともあるので、社会復帰出来ないまま苦しみながら生き続けるのが理想です。ワードは「暴力」「死ネタ」「バッドエンド」「トラウマ」辺りですかね……。暴力や悪意とは無縁そうな受けが理不尽に心身ともに酷い目に遭って、攻めも奮闘するけど結局救えない、みたいな。

イクラ:業が深いですね。

こんぬ:あとは「完遂されるモブレ」です。モブレの果ての死ネタも好きです。モブレの途中で攻めが助けに来てしまうのが一番萎えますが、駆けつけたけど間に合わなかった……系は好きです!

廣井:モブレから始まったBLライフの原点回帰ですね。私も受け攻めどちらかが苦痛や恐怖を覚えるエロは好きです。泣いちゃったり吐いちゃったり。
あとは信奉する相手のために命を投げ出す、カニバなどの猟奇的な愛、殺したいほどの憎悪からの歪んだ執着などが好きです! クソデカ感情拗らせ執着がフェチです。あとファンタジーなら、理不尽な宿命とか。

たまち:執着はいいですよね〜。私は可哀想な受けが好きなのですが、最近一途すぎて異常を感じる攻めも好きになってきました。あとはトラウマ、フラッシュバック、OD、自傷行為、死ネタなどです。自分を痛めつける系が好きかもしれません。


イクライチ推し闇BL①

小説『六本木心中』作:ひちわゆか

 

イチ推しコメント
終わり方がキレイで、余韻に浸りたくなること間違いなしです!

あらすじ
日本を代表するトップアーティスト・九条高見。彼の成功の裏には、NOAエンターテイメントの若き社長・瀬能結城との、ある取り引きがあった。成功と引き換えにその肉体を提供するという「契約」を交わした高見は、結城のことを憎みながらもその関係に溺れていき……。愛と憎しみが交錯する、激しく切ないラブ・チェイスーー。
 
 

ーーなぜあえて辛い闇BLが好きなのか

こんぬ:可哀想なのが一番心ときめくから」としか言えなくてすみません……もっと王道でハッピーなBLで楽しめたらどんなに生きやすいか……。

イクラ:いつも本能で求めてたのですが(笑)、BLに求めているものがエロよりもストーリー重視なのと、終わりもストーリーに沿っていれば無理やりハピエンにする必要がないと考えているからだと思います。

廣井:色々ありますね。泣き顔が見たいとか、痛みにエロスを感じるとか。でもやっぱり闇BLファンはスト重派が比較的多いような気がします。

たまち:光寄りBLファンの方が「BLでくらい幸せな物語を読みたい!」とおっしゃっているのをたまに見ますが、それの闇版という感じです。語だからこそ、現実にあったらつらすぎて直視できないような設定を楽しめるという面はあるかと思います!


 

たまちイチ推し闇BL①

遥か遠き家』作:八田てき

 

イチ推しコメント
幸せになれないと知ってなお進むしかない逃避行、たまらね〜!

あらすじ
90年代、アメリカ。過保護すぎる親の箱庭で、死んだように生きていた少年・アラン。旅人・ヘイデンと出会い、強烈に惹かれ合うも、彼には一か所にとどまれない放浪癖があると知る。共にいるためには、家出するしかない。それはヘイデンが、誘拐犯になるということ。それでも彼は、何もかも投げ捨て、アランを地獄から連れ出してくれる――。その轍は、逃走経路。しかし彼らにとっては――「二人だけの家」への、帰り道。

 

 

人を殺して生きる悲しきヴァンパイア?

 

ーー闇BLファンドS説orドM説

廣井:これ、気になってたんです。闇BLファンが闇BLを読んでいる時って、CPが苦しむ姿を見て楽しんでいるのか、辛い展開に心が削られる感覚がクセになる〜! なのか。

こんぬ:そうですね、CPが苦しめば苦しむほどこちらとしては元気が出るので、あまり自分が苦しんでいるという意識はないです! ドSタイプです。

イクラ:ゲスくていいですね〜! 私はどちらかというとドMだと思います。読んでるとき一緒に辛い〜ってなりつつもそれを楽しんでいるので。

たまち:私はどっちものような気がします。辛く苦しい境遇にある二人を見て自分の胸が痛むのがクセになる感じはあるのですが、その反面もっと堕ちるところまで堕ちてくれ~~~! とも願っちゃうので……。


 

イクライチ推し闇BL②

BOYS OF THE DEAD』作:富田童子



イチ推しコメント
ゾンBLには闇BLの全ての良さが詰まっているんです…。

あらすじ
山奥のコンテナで、ひっそり暮らすライナスとコナー。彼らはそこで、――人肉を食べて生きていた。教会に忍び込んで墓を掘り返し、死者をこま切れにして持ち帰る。ライナスがそんな重罪を繰り返すのも、すべては、愛しいコナーの命を繋ぐため。彼を生かすためなら、他者など牛や豚に等しいと、罪を重ねていくが―――。


ーー闇BLファンならではの生きづらさはありますか?

廣井:やっぱり、単純に数が少ない。作品も同志も出会えることがレアですね。それこそ二次創作だとドギツイのもよく見かけるんですが、商業となると……。

こんぬ:商業BLでそこまで非道な作品は珍しいので、まあ無いだろうと諦めている節はあります。

イクラ:表紙からアンニュイな雰囲気プンプンの作品でも、近年の光ブームの影響か途中まで暗くても最後はハッピーみたいな感じで終わるものが多くちょ、待てよ!!! となることも(笑)。

たまち:商業以外でも、大団円と見せかけていきなり味方が殺される展開(伝われ)が好きすぎて、バトル系の少年漫画とか読んでいるとすぐそういう展開を期待してしまいます。ただ大体普通に幸せに終わるので、我に返って自分の好みの歪みっぷりにドン引きすることがあります。

こんぬ:あと私は男リョナラーなので、基本的にめちゃくちゃ生きにくいとは思っています。趣味が趣味なので性癖を全開にした発言や創作は鍵垢でしか出来ないし、BLファンの間でもゾーニングに気を遣いますね!

廣井:やっぱり闇BLファンってどうしても推しの不幸が萌えの前提なので葛藤はありますよね。人を殺してしか生きられない悲しきヴァンパイアの種族みたいな……。

こんぬ:こんな目に遭わせてごめんね……とは言いますが、推しが幸せそうにしている姿より泣いている方が好きな事実は変わらないので、実際罪悪感はあまり無いです!

廣井:フィクションですからね。そのマインドでいきましょう!

 
 

廣井イチ推し闇BL

僕が君を殺すまで』作:柳沢ゆきお



イチ推しコメント
死刑を巡る救いのない名作。タイトルからして不穏!

あらすじ
殺人犯を擬似的に作られた町の中に閉じ込め、死を迎えるまでを生中継し、エンターテイメントとして消費される世界。そんな閉鎖空間の中に、あらたに送り込まれた死刑囚の織田 薫と執行官の水谷航平(渡瀬)は、殺すものと殺されるものとして共同生活を始めることに。織田の犯行動機は男性の同僚との痴情のもつれとされており、同性愛に免疫のない水谷は動揺するのだが…。
 


ーー他の趣味・オタ活と、闇BLとの関連は?

こんぬ:出身ジャンルはイナ◯レ、テ◯プリ、ヘ◯リア、忍◯まなど。最近はM◯ス、S◯69、ハ◯セムなど。他の趣味はバンドのライブに行くことや某夢の国通いなどですが……あまり関係ないかもしれません!

たまち:自分も邦ロックのライブにはよく参戦します。キラキラ少女漫画やスポ根、王道少年漫画なども読みますが、やっぱりあまり関係ない……? でもさっき言ったように「大団円と見せかけて〜」な展開が好きですぐ期待してしまうので、自分から闇属性との関連を作りに行っている節はあるかもです!

廣井:むしろキラキラ少女漫画やハッピーな夢の国でバランスを取っているのかも? 原作が光属性なジャンルの二次創作は闇属性がちという説もありますよね。

イクラ:アイドルのオタクなのですが、私も闇属性思考がそっちのオタ活に影響を与えています。推しCPを幸せにしたいのに常にバッドエンドの妄想に取り憑かれ……。
あと映画やドラマでゾンビものが好きなのですが、考えてみるとゾンビものもバッドエンド・死ネタ多めなので闇BLと共通点があるかもしれないです。

たまち:イクラさんは「ゾンBL」激推しですもんね〜!

廣井:そういえば自分も邦ロックとアイドル好きなんですけど、何らかの相関が……? 光属性のBLファンにもお聞きしてみたいですね! 好きなアーティストも、どっちかというとネクラ系かも。闇BLやメリバBLっぽい歌詞の歌を集めてプレイリストを作ったり(笑)。
あと耽美っぽい小説やアングラ系の漫画も好きです。一番好きな小説は宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」なのでガチガチの死ネタ!

 
 

たまちイチ推し闇BL②

キミがウソをついた』作:三ツ矢凡人

 

イチ推しコメント
日常系と見せかけての不穏っていうのが最高。

あらすじ
大ヒット作を生み出しつつもそれを知らされず、閉め切られた部屋でたった一人漫画を描き続ける絃。すべては幼馴染であり担当編集でもある悠真のためだった。一方の悠真は、自分の管理する完璧で安全な世界に絃を置いておきたくて、絃の何もかもを管理し、嘘をつきつづけていた。そんなある日、引き抜きを狙う編集部の本田が絃に接触し!? 完全なる二人だけの幸福な世界がここに。純愛ダークラブ!

 

 

来たれ、闇BLの明るい(?)未来

 

ーー最後に、ちるちるユーザーのみなさまに一言

こんぬ:胸を張って言えるような性癖じゃないことは自覚しているので世間に「闇BLに寛容になってくれ!」とは思いませんが、同志ともっと出会えたら嬉しいです!

たまち:闇BLを読んでメンタルがやられても、その後にぶっ飛びギャグやあほえろ、甘酸っぱい青春系など光BLを読めば立て直せるので、光属性の方もうまく闇BLにハマれば究極の永久機関ができますよ♪

廣井:商業BLには、数はそこまで多くはないながらも、闇BLの名作があります! 発掘してみてください!!

イクラ:商業BLのジャンルの流行って周期があると思うんです。光属性ジャンル覇権の現在ですが、陰があってこその光。我々の時代はもうすぐです……!!!
 

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いかがでしたでしょうか?
今回は闇BL属性のちるちるスタッフ4人でおのれの業についてとことん語り尽くす会をお送りしました。共感できる点、私はこうだなぁ……という点はありましたか?

「なぜ闇BLに惹かれるのか?」といった深い部分や、闇BLと親和性の高い他のオタク趣味などの語り合いを通じ、闇BLファンの生態が少し分かったかも、と思ってくだされば幸いです♪

 

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