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愛し合うと死ぬ!?オメガバースに続く○○バースまとめ
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2021/11/08 12:00
本棚を眺めていて、ふと手に取ったお気に入りのBLコミック。発行年を確認してみてびっくり……「え、これって2008年のコミックなの!? 2008年ってじゅ……13年前!?」と慄いた経験はありませんか? 筆者はあります……しかも1回や2回だけではありません。歳月が過ぎるスピードを恐れつつも、皆さんも久々にその名を聞くだけで、懐かしさを感じる作品があるのではないでしょうか。
現代のBL業界はまさに大豊作時代! 毎日BLが世に送り出されていますよね。流行に身を任せて今を楽しむのも至高の瞬間です……が! 初心の気持ちを思い出すのも一興です。
歴史の分だけ多くの人に愛されてきた名作たちの存在は、現代を生きる腐女子の心にも響くに違いないッ……そこで今回はBL界のレジェンドともいえる歴史ある2008年刊行の神コミックスをご紹介! 2008年といえば、北京オリンピックが行われオバマ氏が大統領になった年です。そんな年、商業BL界ではあのシリーズの1巻が出たり、あの先生の初コミックスが出たり……いや、もう本当にすごい年だったんですよ。あの時の腐女子の皆元気でやってるか〜!
古の腐女子の皆様には作品と歩んだ歳月にしみじみ想いを馳せていただき、現代の腐女子の皆様にはぜひ名作との出会いのきっかけにして頂ければと思います♥
STORY
輸入インテリア会社社長の榊は、男同士のドライな恋愛関係に満足していた。だから、取引先の担当者・岡田の事も好みだと思うだけで、本気になるはずはないと油断していたのかもしれない。しかし、記憶をなくすほど飲んだ翌日目を覚ましたそこは、岡田の自宅で…!? 岡田の無自覚な言動が榊の心をかき乱す…! 切ない恋が胸に迫る大人の純愛ラブストーリー★
日高先生作品との出会いがこちら! という方も多いのではないでしょうか? ゲイで輸入インテリア会社社長の榊。人と深く関わらないよう、クールに過ごしていましたが、ノンケリーマンの岡田に出会って日々が一変。無自覚な彼の言動や行動に心を乱されるように。
やり手の社長でイケメンで、不自由ないように見える榊ですが、過去の恋愛のせいで一歩が踏み出せません。静かな海のように感情を乱さずにいたはずなのに、現れてしまうんです。心に嵐を起こしてしまうような人物が。どうしようもない気持ちを抱えたまま、岡田から離れようとするシーンはあまりの切なさに五体投地していました。別々のオフィスでお互いを思い出しているのもグッときます。
岡田は岡田で、男前で年上で腹を括るのも早い。でも、やっぱり視線や言動からノンケであることが感じられて……(部屋の汚なさも最高)登場人物全員が本当に人間くさく、日高先生節が炸裂しています。大人同士の超ピュアな恋愛から目が離せない、数多のフジョシをゲイ×ノンケBLの沼に沈めた優しいラブストーリーです。
STORY
…なんか変なコトしたくなるよ、お前… 新しい職場に初めて出社した日、嶋はエレベーターで二日酔いの男と一緒になる。それが、新しい上司・外川との出会いだった。無遠慮で図々しいように見えて、気遣いを忘れない外川に惹かれる嶋だが、傷ついた過去の経験から、一歩を踏み出せずにいる。一方、忘れることのできない記憶を抱えながらも外川は傷つくことを恐れず、嶋を想う心を隠さない。好きだけど、素直にはなれない…… 不器用な想いの行方は?
『囀る鳥は羽ばたかない』など数々の名作を世に生み出し続けている、ヨネダコウ先生のデビューコミック。過去のトラウマから他人との間に壁を作るようになっていたサラリーマンの嶋。そんな嶋が出会ったのは、新しい職場の上司である外川でした。好きだけでは簡単に手を取り合えない、大人同士の恋愛を描いた名作です。
主人公である嶋の葛藤がとにかくリアルで胸に響きます。同性を好きになること、自分では相手に家庭をつくってあげられないこと、嶋は葛藤の末に恋愛に対して消極的な姿勢を見せます。思い悩む心理描写や切ない表情によって、世界観に現実味が帯び、話に引き込まれます。
もう1つ抑えておきたいポイントとしては、外川の大人の色気♥ さまざまなシーンで煙草を吸っている外川。Yシャツ姿で煙草を吸う大人ってどこかセクシーなんですよね!! 特に嶋のことを考えながら、煙草を吹かす外川の横顔には奥深い大人の色気を感じます……♥ この作品でサラリーマンBLに目覚めた! という方も多いはず。
STORY
合唱祭前の音楽の授業中、同級生でメガネの優等生・佐条利人が歌っていないことに気付いた草壁光。佐条は歌なんかくだらないのかと思っていたが、ある日の放課後、だれもいない教室でひたむきに歌の練習をする佐条の後ろ姿を見た草壁は思わず声をかける…。高校時代のピュアな恋愛をさわやかに描いた、青春ときめきボーイズ・ラブ。
2016年に映画化された、中村明日美子先生の代表作ともいえる本作。優等生の佐条とちょっぴりチャラい草壁。本来ならば交わることはなかった2人の人生。しかし、ある日の放課後、草壁は佐条が合唱祭の歌の練習をこっそりしているところに出くわします。一生懸命練習する佐条の姿に、思わず草壁は歌の練習に付き合う事を申し出て……?
本作を一言で表すとしたら(無理ですが)……「ピュアラブ120%」。佐条が歌の練習を頑張る理由を勘違いした草壁は、合唱祭本番に会場から逃げ出します。そして、それを必死に追いかける佐条。その姿は映画のワンシーンのようで……男子高校生の恋愛模様が初々しくてたまりません!!
2008年に出た本作ですが、続編を読みながら人生を2人と共に歩んだという方も多いのではないでしょうか? 2020年に発売された『blanc』を読んだ後に再びこちらを読むと、2人の選択や葛藤、2人を支えてくれた周りの人々に想いを馳せて涙が……止まらなくなるのでほ……んとうにおすす……めです……(泣いてる?)
STORY
引っ越してきた当日に隣人・東大寺のホモキス現場を目撃してしまった沢田。あまり関わらないでおこうと思っていたが、鍵を忘れ困っていたところを世話になり、それ以来何かと身の回りの面倒を見てもらうことに。
口は悪いし意地も悪い。でも実は優しい東大寺と接する内にノンケだった筈の沢田の気持ちは変化を始め…。
男らしいのに可愛くて、エッチなのに超純情。
話題彷彿のNewエロスター☆腰乃のデビューコミックスが遂に登場!
腰乃先生の初BLコミック! チャラくてゆるい空気を醸す隣人・東大寺のキス現場を目撃する沢田。しかも、そのお相手は男!!? 初めての経験にぎこちない沢田でしたが、面倒見のいい東大寺に次第に惹かれるようになります。どうしたら自分のことも恋愛対象として見てくれるのか……沢田は悶々と苦悩することに!
ノンケである沢田の健気さが堪らん……! 東大寺の性的嗜好に困惑してた沢田でしたが、家庭的で人当たりのいい東大寺に惹かれ始めます。「後ろとか口とかこれから覚えるし、やり方教えて」と切羽詰まった表情で告げる姿からは、東大寺への健気な想いが伺えて、キュンが止まりません♥
そして、物語のリアルさも本作の魅力の1つです!! 設定や隣人付き合いなどの日常の描写はもちろんのことですが、エッチなシーンにもリアリティが散りばめられているんです! 沢田はノンケゆえにフェラも不慣れ……。ついつい咳き込んでしまい最後までできません。そうした小さい一つ一つの出来事や、言動が物語の世界観をグッと奥深いものにしています。
STORY
チビでツリ目と、見た目に良い所なしの吉田は全くモテた事がない。ところがある日、校内一のモテ男・佐藤から告白されて学園生活が一変!!佐藤に恋人が出来たとの噂が学園で出回り、翻弄される吉田の姿が!?
なんと今なお続くブサメンBLの代名詞である本作も、2008年に一巻が発売されていました! 学園一のモテ男・佐藤が告白したのは、外見にこれといった長所がない「ブサメン」とされる吉田。佐藤の追っかけをする女子からは恨まれ、佐藤本人からはキスをされたり……。イケメンにロックオン♥ されたことで、吉田の冴えない学園生活に嵐が巻き起こる!!?
本作でイチオシしたいのは、「絆されブサメン受けがいかに素晴らしいか」という一言につきます……! 佐藤のせいで女子から睨まれる肩身の狭い生活になったというのに、国宝レベルのイケメンフェイスに迫られて、ついつい赤面してしまう吉田。知らず知らずのうちに絆されていく吉田の純真さが可愛いんです~!!
また、佐藤の吉田に対する執着っぷりも美味しい♥ 吉田にちょっかいをかける男を見つけるや否や颯爽と抹殺しようとする佐藤……。その瞳に光は宿っていません(震) バイオレンスすぎる対応には吉田も読者もびっくりです……! それほど吉田に対する愛情が深すぎる佐藤の奇行も要チェックです。
STORY
怖いもの無しで自由奔放に生きてきたイッキが見つけた場所は
町の小さな洋食屋。
デッカイ心を持つ店長の人柄に惚れ込み働くことに。
そこへ偶然現われた「龍」から「トシミツ」という懐かしい名前を聞く…。
「トシミツ」という自由の象徴に囚われ続けるイッキと龍。
3人が出会うべくして出会った過去と、その先の未来が繋がる。
それぞれの刹那な想いをリアルに描くBLを越えた蛇龍どくろの青春群像。
「トシミツ」という人物によって、交差したイッキと龍の人生。3人を繋ぐ壮絶な過去は歪にゆがんでいます。イッキと龍を結び付けた「トシミツ」とは一体どんな人物だったのか、徐々に明かされる3人の過去には、愛と暴力とドラックの影が……。2020年には新装版も発売された名作です。
本作は、今回紹介する作品の中でも群を抜いてシリアス成分が強め。 2008年刊行のコミックスは、傾向的に日常系が多いのですが本作はその中で際立ってずっしりとした重い存在感を放っています。暴力とドラックによる幻覚のリアルさは鳥肌もの。幻覚シーンはセリフは少なめ、はじめて読んだ時にはこんなBL見たことない! と大騒ぎをした上に、忘れられずしばらく夢に見ました。刺激的なシリアス作品を好む人には、作品全体のゾクゾクした雰囲気がたまらないと思います!!
また、「トシミツ」を介して繋がったイッキと龍の関係性にも注目です。寄り添うように、慰めあうようにして出会った2人。そんな2人が「トシミツ」からの呪縛から解き放たれた先にあるもの……。「トシミツ」は2人に何を残したのか。物語の前後半で大きく変わる2人の関係性もぜひ堪能してください。
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何が起きたんだ2008年? ありがとう2008年
懐かしさを感じるもの、読んだことはないけれど長年気になっていたもの、皆さんの琴線に触れる作品は見つかりましたでしょうか? 是非とも現代の腐女子にも履修してほしい神作品揃いでしたね。
現代のBLの基盤となる必修BLの数々、歴史の分だけ愛があるッ!! レジェンドBLの良さを実感していただけていれば幸いです……!
担当記者:飲むようぐると |