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「対面」するのは座位だけではない!対面立位とはなんぞや
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2022/02/27 18:00
2023/03/19 16:00
2021年、8月。MAGAZINE BE×BOYで連載されていた緒川千世先生の『カーストヘヴン』が7年半の連載を経て、遂に完結しました。ファンにとってはロス不可避。筆者も最終話が載っている2021年9月号を買い、読む前から感極まって号泣しました。7年半という月日は、小学1年生の子が中学生になる歳月です。
しかし、ふと「あれ? なんか今年は完結や最終巻の文字をよく目にするな」と思い、調査した結果……なんと約10作強のシリーズ作品が長い連載を経て最終回を迎えたり、最終巻が刊行されたりしていたのです。まさに完結ラッシュ。
これは振り返らなければ乗り越えられない……。皆さんにこのロスを共有しないと2021年は終われない!(なお2022年2月終盤) ということで、完結BLの中でも、今年最終巻が刊行されたシリーズBL作品の1巻と、最終巻の表紙を並べながら紹介していきます!(連載として2020年完結、2021年最終巻発売の作品も後述します) 様々な思い出を振り返り、しっとりとご覧ください。
◆目次◆
1.2021年連載終了シリーズ
2.2021年最終巻刊行シリーズ
衝撃的なスクールカーストBL!彼らは幸せになれるのか…?
STORY
手にした札によって、クラス内での自分の階級が決まる。 これは教師は絶対知らない、生徒だけの秘密のゲームだ。 梓はカーストゲームで最上級の札「キング」を手にし、クラスの頂点に君臨していた。だが、懐柔していたつもりの取り巻きの刈野に欺かれ、最底辺の「ターゲット」(いじめの標的)に落ち、プライドは粉々に。 しかも刈野は、新キングの座を手にしたのだ。 クラス全員にいたぶられる梓を前に刈野は「俺に犯されるか皆にマワされるか選べ」と究極の選択を迫り……。
おすすめポイント
青空が全然違って見える……(号泣) 緒川千世先生の代表作とも言えるこちらの作品。スクールカーストというハードな題材を扱っており、梓と刈野を中心にカーストゲームに巻き込まれる学生たちのヒリヒリとした恋愛が描かれます。
唯一無二の設定で巻き起こるスリリングな展開と、だんだんと近づく梓と刈野の距離に目が離せなくなる本作。登場人物の感情が全く読めない〜とモヤモヤするのに、視点が変わると痛いほど分かってしまったり……。緒川先生にしか描けない、独特で胸を刺す人間模様に心を掴まれて7年間を過ごしました。『カーストヘヴン』が青春の全ページだという方も多いはず……!
痛みすら一瞬も忘れられない
STORY
舞台はヤクザ経営のカジノ。バイトの新谷はチンピラ・菊池がやっていた金の横領に巻き込まれ、制裁を受けることに。制裁は「菊池をカメラの前で犯すこと」。泣きじゃくる菊池を犯した新谷は、同情のまま家に連れ帰る。同居しながら菊池の借金を一緒に返そうとする新谷だったが、ヤクザの情婦である須藤に1回30万円の肉体関係を持ちかけられ……。 ヤクザ・チンピラ・情夫・△関係・公開レイプ・変態プレイ、そして重厚なストーリー……と腐女子の好きなもの全部入り!!
おすすめポイント
新谷さぁん……!!!!!(号泣) ベストオブどうなるか予想ができなかったBLこと本作。闇社会BLの金字塔と名高いストーリー展開は、愛の行方どころか三者三様に生死がどうなるか分からず。文字通りずっっと目が離せませんでした。悲痛な過去を持つ須藤や、放って置けない"かわいそう"な菊池。優しすぎる新谷に何万回「新谷さぁん……!? 」と叫んだかわかりません。本当に予想もできなかったラストに声をあげて泣きました。その後のお話も……。何も言えないので読んでください。
最終巻の表紙ですが、皆さんご覧いただけますでしょうか指先の行方や、菊池の視線、散っている花……。胸が苦しい。書店で1巻の表紙を見てその肌色比率に喫驚、即購入したのが昨日のことのようです。
のばらあいこ先生渾身のデビュー作! 10年連載
STORY
ケンカが強くてかっこいい、不良グループの秋山君。草食系男子・柴は、彼に恋するあまり往来で告白してしまう。それを見た取り巻きに拉致られ、柴も秋山も思いもよらぬ展開に!? おふざけから始まった二人だけど、次第に互の心が通い始めて―-。 カゲキな描写とまっすぐな恋心に胸キュン!!
おすすめポイント
ヘタレ攻めのパイオニアとも言うべきこの作品。男前攻め×平凡受けが王道だった当時、まさかの逆カプでBL界に衝撃を与えました! 現在では作品数も多くなったヘタレ攻め×美人受けですが、この作品が流行の一翼を担ったのかもしれません。
本作の見どころは、なんといっても秋山くんの美しい乱れっぷり。シバとの甘々エッチもさることながら、2巻ではチーカマでオナニーをしてしまうなど、所々に描かれるぶっ飛びえちシーンが最高すぎます。
もちろん、丁寧に描かれた心理描写にもご注目! 徐々に絆を深めていく2人の、ちょっとカゲキで甘々な日々をたっぷり堪能できます。 『寄越す犬、めくる夜』とはまた別の魅力がある、のばら先生の表現力に脱帽。
新感覚!?美形お坊さんBLですよ!10年連載
STORY
商店街の端にあるお寺のお坊さん、優慈。 可愛くきれいな顔立ちだけど、ちょっと天然ボケな商店街のアイドルです。 そんな優慈は、豆腐屋の三男坊でぶっきらぼうな三朗くんにずっと片想い中! でもある夜、酔っぱらってうっかり告白してしまい…!? 美形だけど守銭奴キチクな兄・賢慈に片想いの男も現れ、お坊さん兄弟の恋は大波乱!?
おすすめポイント
山本小鉄子先生の傑作シリーズ『お参りですよ!』もついに2021年に完結です(涙)。10年にわたる連載、感極まりますね……。
本作は豆腐屋の息子・三朗と美人お坊さん・優慈の恋を描いたほのぼのラブストーリー。とにかくまつ毛ばっさばさな優慈が美人すぎ……(美人受け大好き人間)。袈裟萌えという新たな性癖に全私が目覚めました。ピュアすぎる三朗との恋も必見。少しずつ進展していく関係にもだキュンが止まりません! 付き合ってるのに、3巻になってもなかなかちゃんとしたHができない2人にニヤけてしまいます。ほのぼのハッピーラブが読みたい方は必読ですよ~!
自分に嫉妬!?美人魔導士×夜ごと魔獣に変身する王子のファンタジーBL♥16年連載
STORY
王家に伝わる紅い魔剣の呪いで、魔獣に変身?!王子バルドは忌わしい呪いを解いてもらうため、美貌の魔導士ハヴィの供として、旅に出ることに。でも夜ごと魔獣に変身するたび、ハヴィに犯されていることを、バルドはまだ知らない?!
解呪の手がかりを求めて、二人の旅が始まった!
おすすめポイント
連載16年……だと……。
2005年に単行本1巻が発売された、やまねあやの先生の長寿シリーズ『クリムゾン・スペル』も、2021年ついに完結を迎えました。2021年って歴史に残る1年なのでは???
天才魔導士×王子……というファンタジーBLなのですが、この王子・バルドはなんと褐色獣人化してしまいます。長髪攻め、褐色獣人受けというだけで要素てんこ盛りですが、さすがやまねあやの先生、Hシーンのエロ度合いがハンパありません。バルドのつるんつるんのお尻やトロ顔、長髪美人・ハヴィの溺愛ぶり……控えめに言ってドシコい。
ファンタジーならではの骨太なストーリーからも目が離せません! ファンタジーBLに目覚めた令和腐女子に語り継ぎたい一作です。
愛したい…愛されたい…。4年連載
STORY
小説家の愛人として暮らしていた櫓木卯一は、借金の取立てにきたヤクザと出会う。その男・大和明虎に惹かれ、あらゆる手を使って近づこうとする卯一。だが気持ちが逸った卯一がうっかり明虎の組の名を騙ったことで事態は急変し――。人気作「四代目・大和辰之」の前日譚。
おすすめポイント
『四代目・大和辰之』で美貌の当て馬役だった櫓木卯一と大和辰之の父・明虎を主人公にした人気シリーズも2021年完結! 本作は暗い過去を持つ卯一の救済ストーリーとなっています。
前作とは打って変わって、話はかなりシリアス。明虎さんに振り向いてほしい一心でヤバいことをしてしまう卯一、それに対して可愛い(?)と思ってしまう明虎さん。でも明虎さんには既に奥さんと辰之がいるんですよ〜! この家族関係も決して人間が一方向からでは語れないことを感じさせて熱いんです!!!! 終始複雑な人物として描かれる卯一の恋は、どのような結末に向かうのか……。途中切ないやら胸が張り裂けて痛いやらで読むのが辛くなってしまうかもしれませんが、最後まで必読! 幸せの意味を考え直させてくれるような、忘れられないラストが待っていますよ。
お仕事BL!AD業界をのぞき見!
STORY
TV業界に入りたての新米AD、宮坂絢(みやさか けん)は厳しい先輩ディレクター、矢野聖司(やの せいじ)の下で働くことになる。 現場は厳しく、悪態と暴言は当たり前、こき使われた挙げ句に辞めることを考えるが、ある日、映画の話をする矢野が見せた笑顔にふと魅せられて…。 男同士で!? 上司と部下で!? 問題だらけの恋愛は、一体どこに向かうのか??
おすすめポイント
最近は業界モノが多いですが、今作はその裏側、ADさん同士のお話です! なんとなくそんなイメージはありましたが、ADさんってやっぱり滅茶苦茶忙しい! 新米ADの宮坂さんが表情豊かなのに対して、先輩の矢野さんはあまり感情が表に出ません。ゆえに、矢野さんが照れた表情を見せてくれるとこっちまで思わずガッツポーズをしたくなります。
そんな矢野さんの表情も2人の距離が縮まるにつれて、ころころ変わるように。その変化を楽しめるのはシリーズものも特権ですよね。これは民意だと思うのですが、矢野さん巻を追うごとにどんどんかわいくなっていきます! (最初っから超かわいいのですがもっと……!) 10巻の表紙をご覧ください。なんだそのお手手は。どんなに社会に揉まれても、2人がお仕事に奮闘する姿を見ながら頑張れた……そんな連載期間でした。
アダルティックな恋が実るまで… 4年連載
STORY
「椎名なら俺の隣で寝てるぜ」
音楽雑誌の編集者である新の元に、3ヶ月ぶりに椎名が帰って来た。天才ギタリストだが、日本の音楽業界からは半ば引退同然の身。しかし本人は一向に気にせず、自由奔放に国内外を行き来し、長い付き合いの恋人である新のことも放ったらかしだ。その気まぐれさに呆れながらも、戻って来ては自分にべったりと甘えて可愛くエッチを強請る椎名が愛おしい新だが…。甘えたい時だけ甘えてくるんだとわかっていてもーーー求めずにいられない。
おすすめポイント
「お前のギターが気持ち良すぎて、イクかと思った」のセリフ、パワーワードすぎて聞いた時に失神した方も多いのではないでしょうか? 初読の際、2人の会話や仕草の簡潔さがとっても印象的で、アダルティックさにドキドキしたことを覚えています。才能があり、追い求める音楽がある2人同士だから生まれる葛藤や嫉妬や情熱。
どうなっちゃうの!? とハラハラする危機を何度も乗り越える2人から全く目が離せず。最終巻までアクシデントや別離があり、ノンストップです。そして、さまざまな試練を乗り越え迎えた先にあるんですよ。音楽BL史に残る圧巻のセッションが。一読目は全く涙で読めず……本当にライブを見ている気持ちでした。
甥と叔父、恋人になるまでの軌跡♥ 6年半連載
STORY
俺と弟、甥と姪。4人暮らし。このまま変わりなく続くと思っていた生活に“恋”というやつが突然、ものすごい角度でささった。その“恋”が抜けぬまま、4人暮らしは続いていく。優士、駿人、コウ、菊花。ぐるぐる、ぎしぎし、静かに確実に。思春期の温度、誰かを好きになる感覚。過ぎていく時間のなかで育っていく想い。
おすすめポイント
駿人、男前すぎるやろ!!!! こんな13歳いてたまるか……! す……好きだ……(※皆の感想です)。そんな駿人が想いを寄せているのが一つ屋根の下で暮らしている叔父・優士。ちょっとしたニブチン叔父です。思春期真っ盛りで中々素直になれない駿人に、読者の方はきっと母性が芽生えていたでしょう。わかります。
駿人頑張れ! と彼の恋を応援したくなりつつも、家族として保護者として関係を崩したくない優士の気持ちを痛いほど伝わってきます。連載の中で、駿人はもちろん、優士やコウ、日高や菊花の時間も確かに流れていて。どこか近くで泣いたり萌えたり笑っている気持ちになっていました。胸の温かくなる人生BLをお探しの方必見のシリーズです。
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いかがでしたでしょうか?最近は増えてきましたが、商業漫画はなかなかシリーズものが出ないので、こんなに一気に長年連載してきたシリーズものが終わると本当に切なくなりますね…(泣)。
でも一つのシリーズが終わるということは先生の新作が読めるということです!!! 皆さん先生方の新シリーズに期待しましょう!!!
担当記者:るかちょん |
コメント2
匿名1番さん(1/1)
1〜2年に1冊ペースはもどかしいね。
かじやさん
素敵な記事をありがとうございます!
こう集めてみると、確かに2021年本当にすごい一年でしたね…!
『五十嵐くんと中原くん』も完結してた!
好きな作品の完結はやはり寂しい気持ちもありますが、改めて各作品のすばらしさに胸を打たれました。また読み返さねば~!