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死ぬ前に拝みたい「スパダリの頂点」 スーパー攻め様・麻見隆一

突然のミラクルスーパー男前書影でびっくりさせてすみません。心臓大丈夫ですか？ 彼の名前は麻見隆一。「スパダリの原点にして頂点の男」……BLファンなら履修せずには死ねない、ファインダーシリーズのスーパー攻め様です。

筆者はこの作品でBLデビューしたのですが、初手が偉大すぎてその後数年間なかなか良作に巡り合えないクソデカ代償を背負いました。1人の腐女子を狂わせた、まさに殿堂入り名作なのです。

4月28日に最新刊『ファインダーの最果て』発売&作者やまねあやの先生デビュー20周年ということで、麻見隆一のスパダリの頂点たる所以を紐解きながら、魅力を爆語りさせて頂きます。

◆目次◆

１、「スパダリ」とは
　　・由来と現在の意味
　　・使ったら腐バレする？
2、読む順番は？タイトル考察も！ ※ネタバレ注意
　　・既刊10巻を総復習！
　　・最新刊情報

「スパダリ」を使ったら腐バレする？

スパダリ とは

本来はイケメンでハイスペックな攻め、もとい「スーパーダーリン」を略した腐女子用語でした。それがネット上で広まり、理想の彼氏・旦那像（イケメン、優しい、高学歴・高身長・高収入（3K）、家事や育児も完璧）を指す言葉としても使われるように。少し前は「この言葉を使ったら腐バレする！ 」とヒヤヒヤしていましたが、今はそんなこともないみたい。


BL的スパダリとそれ以外のスパダリ、一見同じようで全然違うと思うんです。例えば、BL的スパダリといえば受けに高層マンションを買い与えるイメージじゃないですか？ 理想の攻めではありますが、理想の結婚相手かと言われると微妙ですよね……。

ネタバレ注意！ 内容からタイトルを考察

 


「標的」はお互い様？

『ファインダーの標的』

 

裏取引を追うカメラマン・秋仁が、裏社会の実力者・麻見に凌辱される衝撃スタート。開始16ページで全裸＋拘束ベルトで吊るされ、尿道責め・異物挿入とSMチックなプレイの数々……。麻見のスクープを撮るために追っていたはずが、自らも麻見の標的になってしまうことに。

「忘れるな、俺から受けた痛みと快楽を」
「この夜の街でお前の自由があるのはオレの手の中だけだ」

この衝撃的な出会いから、2人は近づいては離れる追いかけっこのような関係を続けています。もちろん、巻を追うごとに「標的」以上の感情をお互いに抱くようになりますが、根幹にある関係性はやはり「標的」なのです。


檻に捕らわれるプリンセス秋仁

『ファインダーの檻』

 

飛龍の罠に落ち、檻（ケージ）に囚われてしまう秋仁。しかし、それを救ったのは麻見。1巻では初っ端から秋仁を凌辱していましたが、やはり麻見の中で特別な存在になったと確信づけた巻。

「お前は俺のものだということをよく覚えておけ」

誰の手中に囚われても、「俺のものだ」と。言葉だけでなく、しっかり行動で示すのがさすがスパダリの頂点といったところ。スパダリってのは、ただ俺様なセリフを吐くのではなく口数少なく行動で愛を示すものなのです。

自由を奪われる秋仁＝片翼

『ファインダーの隻翼』※隻翼（せきよく）：片翼

 

ファインダーシリーズの魅力は、麻見だけでなく、スーパー攻め様をも翻弄してしまうスーパー男前受け様の秋仁。しかし今回は香港に連れ去られ飛龍の情夫のようなことをさせられ……タイトルの通り、翼を失った鳥のように身動きが取れないピンチ。強情ゆえに、トラブルが尽きません。

「もうお前を自由にしてやる気がなくなった。俺と奈落の底までご一緒願おうか」

でも、手のかかる子のほうが構いたくなってしまうんですな。ヤンチャで意地っ張りな秋仁にもう麻見はすっかりメロメロです。奈落の底まで連れていくレベルの惚れっぷり、すごすぎ。スルリと麻見の腕から逃げ出してしまう秋仁ほど魅力的な「標的」はいないのでしょう。


秋仁は誰のモノだ？

『ファインダーの虜囚』虜囚（りょしゅう）：囚われた人

 

飛龍によって香港に攫われ、まさに「虜囚」の秋仁。飛龍から受ける凌辱に抵抗しながらも、2人の距離は縮まり、「このまま私の側にいるつもりはないか」と迫られてしまいます。しかしここで流されないのが男前受・秋仁。他者に体を囚われても、心は麻見のものだと再確認……。

「どんな手を使ってでもこの手に取り戻す＿＿」

このセリフの通り、麻見は重傷を負った身体で飛龍の船に殴り込み。杖が必要なほどの重傷なのに、あえて杖を捨てるシーンはもう泣きます。スパダリというか超人すぎて泣ける。


麻見に会いたい…真実の気持ちに気付く

『ファインダーの真実』

 

秋仁を取り戻すため、すべてを犠牲にするつもりで敵船に殴りこんだ麻見。銃撃戦を経て、やっと再会した2人。泣き崩れる秋仁を優しく抱きしめ、麻見が放ったセリフがこちら。

「悪かった…」
「俺をこれ以上振り回すな」

このセリフのヤバさがわかりますか？ 表情ひとつ変えずに人を殺す裏社会の大物・麻見が素直に謝るヤバさ。誰もが恐れる麻見が、高羽秋仁という青年ひとりに振り回され、謝るんですよ。やっと再会した秋仁を愛おしげに抱きしめる姿、美しすぎて彫刻にしちゃいたい。この巻では、「秋仁自身の本当の気持ち」が明確に描かれています。自分が思っていた以上に、麻見を愛していると気付いたのでしょう。


熱情には逆らえない

『ファインダーの熱情』

 

タイトルに負けず劣らず、かな～り熱っぽい表紙。デフォルトでスパダリ感MAXなのに、葉巻&毛皮のオプション付き。内容も糖度高めのHが多くてホッと一息(？)。
さて、再会したものの麻見に束縛されたくない秋仁。一人で危ないスクープを追います。しかし、その事件を暴けば麻見の立場が危うくなることが発覚し、「麻見or正義」の二択を迫られます。悩んだ挙句、麻見の腕の中で弱音を吐いてしまう秋仁……。

「こうして俺の元に舞い戻ってくる。お前は可愛い奴だよ秋仁」

(秋仁限定で)懐が深すぎる男・麻見隆一。おてんばな秋仁さえも愛しくて仕方ないんですね。再会したかと思えば離れ、離れたかと思えば会って……じれったいけど、読者を飽きさせない展開が人気の秘訣！


「麻見の側にいたい」

『ファインダーの渇望』

 

見知らぬ男が麻見に泣きつく現場に遭遇し嫉妬、そして麻見の事を何も知らないことを痛感する秋仁。「麻見にとってオレってどんな存在？ 」と悩みます。これまでは麻見→秋仁のアプローチ多めでしたが、この「渇望」は秋仁→麻見！ 前巻に引き続き、単独で事件を追う秋仁に麻見は……

「俺を裏切ったら追い詰めるぞ　その果てが奈落の底だとしてもな…」
「お前に手を出す奴は誰だろうが八つ裂きにしてやる」

麻見はいつでも秋仁を渇望してたわ。もはや通常運転！
描き下ろしでは秋仁のために打ち上げ花火を手配。自宅マンション(超高層)のテラスから花火を眺め、そのままH。完璧すぎてもう勘弁してくれ。


独占欲が芽生える秋仁

『ファインダーの密約』

 

「(本当の貌を)見せてくれるだろ？ オレには」「オレだけのエモノ」と、麻見に対して強い独占欲を見せる秋仁。表紙から読み取れるように、秋仁は麻見に守られるだけじゃなく、対等になりたいんですね。言葉は交わさずとも、お互いを「オレのモノ」だと密かに誓約を結んでいるかのように見つめ合う2人♥
と、そこに敵襲。逃げようと言う秋仁に麻見は……

「俺を誰だと思ってる? 」

当たり前のように部屋から銃を持ちだし、秋仁を逃がす時間稼ぎのためにドンパチ開始。いつものオールバックではなく、髪を下したラフな姿での銃撃戦は必見。


麻見を巡る死闘にバクバク&麻見が子育て♥

『ファインダーの鼓動』

 

敵襲から秋仁を守るため、秋仁を日本に置いて世界を飛び回る麻見。泣きそうになる秋仁に「いい子でな……」とキスをして去ってしまいます。また離れ離れになった！（血涙）ドンパチ続きで心臓バクバクですが……番外編では麻見の子育てシーンが拝めちゃうんです。夢？

友人の赤ちゃんを預かったものの泣き止まず、ダウンする秋仁。目を覚ますと、スヤスヤ眠る赤ちゃんを抱っこする麻見が。

「ガキを少しでも寝かせてやろうと思っただけだ……お前のことだよ　秋仁」

赤ちゃんに懐かれる麻見はもうギャップ萌えどころではない。ギャップで人を殺せる。赤ちゃんの面倒を見つつも、やっぱり秋仁第一なところも通常運転。


目が覚めたら南国⁉ ファインダー流・ハネムーン

『ファインダーの蜜月』※蜜月：親密な関係

 

急な甘々で血糖値が爆上がり。なんとか再会した2人ですが、乗っていたヘリが墜落して無人島に不時着。会えなかった時間を埋めるように、砂浜、湖の中、大自然の中で何度も体を重ねます♥

「俺も我慢の限界だ　お前の熱を感じさせてくれ…」
「離れている間、お前を夢に見ない日がなかったと思うか？ 」
「お前を二度と手放さない　だからお前も俺から離れるな」

佇んでいるだけでスパダリなのに、怒涛の激甘セリフ。効果覿面過ぎてクラクラしますね。鬼に金棒・麻見に激甘セリフだ。


初の3文字タイトルに注目！

『ファインダーの最果て』4月28日発売最新刊

 

そして来たる最新刊タイトルは、なんと史上初の三文字。表紙がイケメンすぎて既にお腹いっぱいですが、内容にも期待大ですね。1年半ぶりに君臨するスパダリの頂点・麻見、次はどんな技で我々(と秋仁)を虜にしてくれるのでしょうか。気になる最新巻はぜひあなたの目で確かめて～～～！！！

担当BLソムリエ：May 受けは抵抗してなんぼやろがいをモットーに生きております。